3DCGデザイナーと言うと狭い業界のように思われがちですが、昨今の3DCG技術の発達により、映像業界のみならず、建設現場などでも活躍している需要の高い職種です。
そのため、今まさに3DCGデザイナーを目指そうと考えている方もいるかもしれません。
しかしながら、3DCGデザイナーになるために具体的に何をすればいいのか分からない方がほとんどではないでしょうか。
そこで、このページではこんな疑問に答えていきます。
#この記事を書いた人
みんなの転職アドバイザー
ねこくん
新卒でブラック企業に入社し、耐えきれず1年で退職。その後人材系企業にて転職支援に携わる。フリーランスとして数年活動し、現在は経営者で法人3期目。
さまざまな人の転職・キャリア構築をサポートしています。
【基礎】CGデザイナーにも色々な種類がある
一概にCGデザイナーといっても、その中でさらに業務が細分化されていることがほとんどです。
独学で目指すにしても、どんなCGデザイナーになりたいかによって学ぶ内容も異なるので、事前に把握しておきましょう。
CGデザイナーの職種 | |
---|---|
3Dモデラー | 3Dモデルを作る |
3Dアニメーター | 3Dモデルにアニメーションをつける |
VFXアーティスト | エフェクト(視覚効果)を作成する |
2Dアーティスト | コンセプトアートや3Dテクスチャなどを作成 |
ジェネラリスト | CG全般作業を幅広くこなす |
1.3Dモデルを作る「3Dモデラー」
3Dモデラーは3DCGソフトを駆使して、3Dモデルを作る職業です。
3Dモデラーは『Maya』や『3dsMax』というソフトを用いて立方体や円から物体を作ったり、粘土をこねるように作っていたりと手法は様々ですが、空間把握力とデッサン力(造形力)が求められる職種です。
モデラーの中でも、キャラクターに特化したキャラクターモデラーや、背景モデリングに特化した背景モデラーというように細分化されている場合もあります。
2.3Dモデルに動きをつける「3DCGアニメーター」
モデラーが作成した3Dモデルに対して、動き(アニメーション)をつける人を3DCGアニメーターと言います。
更に細分化されているところでは、3Dモデルに対して動きをつけやすいように調整するセットアップアーティスト(リガー)と呼ばれる人もいる場合があります。
アニメーターの中でも、表情のアニメーションに特化した「フェイシャルアニメーター」など様々な職種が存在します。
3.CG全般作業を高いレベルでこなす『ジェネラリスト』
映像クリエイターの中でも、CG制作に加えて編集など、映像全般の作業を高いレベルでこなす人のことを『ジェネラリスト』と呼びます。
ジェネラリストは出来る分野が多岐に渡るので、中小企業にとっては重宝されますが、どのスキルも中途半端の器用貧乏になってしまわないように注意が必要です。
3DCGデザイナーに未経験から独学でなる方法
CGデザイナーになるには、一般的に以下の3つのパターンがあります。
- 美術大学を出る
- 専門学校・スクールを出る
- 未経験から派遣社員などで業界に入る(独学パターン)
制作環境を作る
ソフトを学ぶ
作品制作
ポートフォリオ(デモリール)制作
就職活動(転職エージェントなど利用)
CGデザイナーの就職や転職では、ポートフォリオ(作品集)が必須ですので、まずは作品を制作していかなければなりません。(アニメーターの場合は映像で提出を求められるケースも)
そのため、単純に3Dソフトだけでなく映像編集ソフトなども学んでおきましょう。
身につけたい
- 3Dソフト(Maya、3dsMaxなど)
- After Effects
- Photoshop
- Illustrator
しかし、独学でCGを勉強するためには高価な3Dソフトと、それを動かせるハイスペックなPCが必要となります。(第一のハードル)
『Blender』など無料で利用できる3DCGソフトもありますが、実際の現場で使われることが多いのが「Maya」や「3dsMax」といったソフトなので、どちらかに慣れておくと入社後に困りにくいです。
自分で用意すると・・・ | |
---|---|
3DCG制作向けPC | 20~30万程度 |
モニター | 5~10万程度 |
maya(1年間) | 約28万円 |
3ds Max(1年間) | 約28万円 |
ヒューマンアカデミーが運営している「たのまな」という通信講座を受講すれば学生扱いになるため、学費が高額な専門学校に通っていなくてもMayaやMaxの学生版を利用できます。
「たのまな」の中でもオススメのコースは「Adobeベーシック講座(eラーニング)」です。
映像編集に必要なAfter EffectやPremier Proなどを含んだAdobe Creative Cloudのライセンス込みで約7万6千800円(1年)なので、かなりおトクだと言えます。(Adobe関連ソフトの通信講座も受けられます)
料金を比較 | ||
---|---|---|
実費 | たのまな | |
受講料 | なし | 76,800円 |
AdobeCC(1年) | 72,336円 | 講座料金に含む |
Maya(1年) | 286,000円 | 無料(学生版) |
合計 | 358,336円 | 76,800円 |
※ 2022年7月時点の価格です
公式https://www.tanomana.com/adobe/
いずれにせよPCやモニターは必要になるため、50万円程度の初期投資は必要になると考えましょう。
上記の環境を揃え、自分で独学できる時間があれば可能ですが、効率で言えばスクールや専門学校に通ったほうが良いと言えます。(学費はかかりますが)
専門学校などに通っていると企業とのつながりがあったり、卒業生の就職先から声が掛かったりと、就職の間口はとても広いのも大きなメリットです。
【すぐにできる】CGデザイナーになるために学んでおくべきこと
テキストなどで3DCGソフトの基礎知識を学ぶ
前述しましたが、CGデザイナーは「Autodesk Maya」「3ds Max」などの3DCGソフトを駆使して作品をつくっていきます。
ソフトのオペレーションは実際に手を動かして作品作りをするのが上達への近道ですが、どんなソフトがあるか、それぞれのソフトの特徴などは知っておいて損はありません。
実際に手を動かす前にテキストなどを読み込んでおくと、ソフトへの慣れも早くなるでしょう。
デッサンを練習して空間認識力を鍛える【モデラーは特に大事】
3Dモデラーの場合は特にそうなのですが、3D空間でCGを作るのには空間認識力が必要です。
空間認識力を鍛えるために有効なのがデッサン。デッサンでは物を注意深く観察するため、観察力も磨かれるのでオススメです。
「自分は絵が下手だから・・・」と諦める人も多いのですが、これが第一歩だと思って練習してみると良いでしょう。
CGの最新情報をチェックする
CG技術の進歩は目覚ましいので、どんどん吸収していかないと時代遅れのクリエイターになってしまいます。
そのため、最新情報を提供してくれる雑誌やWebサイトを日頃からチェックしておきましょう。
素晴らしい映像作品にたくさん触れる
そのため、CGに限らず多くの映像作品に触れておくといいでしょう。
良質な作品を多く脳にインプットしておくと、いざ自分がCG制作をするときのアイデアや目標になったりします。
CG作品で特にファンが多いのは『Pixar』やミニオンシリーズを作っている『イルミネーション・エンターテインメント』でしょう。
私もこれらの映像作品の大半は観ましたが、なかでもPixarのショートムービー集は知る人ぞ知る名作揃いです。
CGデザイナーを志すならぜひ一度は見てみると良いでしょう。
【Q&A】3DCGデザイナーに関するよくある質問
気になる疑問をチェック
3DCGデザイナーが持っていると有利な資格はある?
CGデザイナーになるために必要な資格はありませんが、持っておくと有利な資格はいくつかあります。
CG-ARTS協会が実施している「CGクリエイター検定」やAdobe製品の利用スキルがあると認められる「アドビ認定プロフェッショナル」などは持っておいて損することはありません。資格を取得することで信用を得られやすくなるでしょう。
3DCGデザイナーの年収はいくら?
CGデザイナーの平均的な年収は300~500万円になります。
実績を積むことで技術力もついてくるため、基本的には年齢に比例して年収は増加していく傾向にあります。また、スキルがあれば独立して平均を大きく上回る年収を稼ぐ人もいるようです。
3DCGデザイナーの需要が高い業界は?
ゲーム業界における3DCGデザイナーの需要は高いです。
アニメや映画業界だけでなく、建築業界などでも3DCGデザイナーの求人はあるものの、昨今のスマートフォンでプレイできるソーシャルゲームの台頭もあり、圧倒的に需要が高いのはゲーム業界です。いち早く3DCGデザイナーとして活躍したいと考えている方は、ゲーム業界の求人を中心に探すと見つけやすいでしょう。
【まとめ】独学でなるのは可能だが、道のりはハード
- CGデザイナーには色々な種類がある
- CGデザイナーになるには美大や専門学校経由が一般的
- 独学・未経験でも目指せるが厳しい努力が必要
CGデザイナーは、映像制作やデザインに関しての基礎的な知識があり、3DCGソフトを使用したことがある方なら業界未経験でもなれる職業です。
5Gが普及すると映像コンテンツを見る機会もさらに増えますし、VR・ARなども技術が進歩していくのは確実です。
そのため、CGデザイナーが活躍する場は増えると予想されます。
一方で、生き残っていくクリエイターになるためには、どんどん新しい技術にもチャレンジしていく必要があります。
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