「え、コンセント使えないじゃん…。」家具を設置したら裏に隠れたコンセントを見て絶望した経験は賃貸住宅でもあったのではないでしょうか?せっかく建てた注文住宅であっても同じような経験をしている人は多くいます。
なぜコンセントの配置で失敗をしてしまうのか、注文住宅の配線やコンセントの注意点、オススメの設置位置まで紹介します。
コンセント設置や配線計画の失敗例
やっと建てた注文住宅だったのに・・・。設計士が作った電気配線図を見て安心したのですが、実際に生活を始めてからコンセントの位置に失敗したという方は多くいます。
設計士は住宅の構造や法令にあわせて正しくコンセントを設置していますが、居住者の生活スタイルにあわせて全てを設計しているわけではありません。
自分たちの生活スタイルを知るのは自分たち以外にはいないため、設計士の作った電気配線図をそのまま採用するのはやめましょう。自分たちの生活を想像してから意見をまとめて伝えることが大切です。
よくある失敗例
- 家具を置いたらコンセントが使えなくなった
- 引出しをあけたら毎回コンセントとぶつかる
- テレビ周りやPC周りのコンセントが足りずに増設タップを使っている
- コンセントの高さが合わずスマホが充電しにくい
- 外で使えるコンセントがない
多くの方が失敗を経験しているコンセント配置ですが、どうぞ安心してください。
これから紹介するチェックポイントさえ守っていれば、憧れの注文住宅のコンセントで困ることはなくなりますよ。全てチェックをして実際の生活にあわせたコンセント事情を確認していきましょう。
コンセント設置で失敗しないための注意点
コンセントの設置には、実際に生活する自分たちの家具や家電を間取り図に配置してチェックしましょう。実際の生活もシュミレーションしなければスマホのコンセント位置に不安が出たり増設タップに頼るしかない状態になったりしやすくなります。
コンセント設置で失敗しないためのチェック項目
- 今使っている家具や家電をすべてピックアップ
- 冬物、夏物の季節家電をすべてピックアップ
- 間取り図に全ての家具や家電を配置
- 掃除機のような日常使いの家電をすべての部屋に配置
- クローゼットやトイレなど普段意識しない部屋もチェック
- 子ども用品などの未来の家具・家電を予想
- 余裕をもってひとつ多くコンセントを設置しておく
特に気になるのは将来の子どもが増えた時の事を考えているかですね。ベビーベッドの置く位置、走り回る幼児に触られたくない家電の設置位置など意識しておきたいところです。
子ども部屋に多めのコンセントが設置していたらスマホや家電、PCを使い始めた中学生ごろに子どもから感謝されること間違いないでしょう。
使うか分からないけど付けていたコンセントが意外な形で役に立ったという話も聞きますね。クローゼットの中のコンセントでダイソンの充電スタンドをクローゼットに隠せてよかったという話も聞くので意外な活躍を見せてくれますよ。
主要なコンセントの配置
ライフスタイルに基づいた主要な家電製品の配置は、注文住宅のコンセント位置決めにおいて重要なポイントです。以下に詳細を解説します。
日常的に使用する家電製品を把握しておく
例えば、キッチンでは冷蔵庫、電子レンジ、オーブンなどが必要です。リビングルームではテレビ、オーディオ機器、ゲーム機などが一般的です。
寝室ではベッドサイドのライトやスマートデバイスの充電器が必要になるかもしれません。
日常的に使用する家電を把握して、なるべく配線が見えないようにコンセントの位置を決めるとスッキリしますね。
家電製品を置く予定の場所を確認
電気機器は壁や天井に設置される場合もありますので、それぞれの位置に合わせてコンセントの配置を計画します。
また、電気機器が近くにないと使いづらい場合や、コードの長さに制限がある場合には、延長コードやコンセントアダプターの使用も検討しますが、できるだけ不要な使用を避けるべきです。
将来のライフスタイルの変化を考えておく
将来のニーズや家族構成の変化を考慮して、柔軟性と拡張性を持たせた配置を心掛けます。
例えば、子供部屋のコンセント配置では、成長に伴って使用する機器や学習環境の変化を見越して、十分な数と適切な位置に設置することが重要です。
安全性を考慮してコンセントの配置を決定する
電気機器とコンセントの間の距離や、火災や感電のリスクを最小限に抑えるために、適切な位置にコンセントを配置します。
また防水性や防塵性の必要な場所には、適切な防護措置を施したコンセントを設けることも重要です。
生活スタイルに基づいた主要な電気機器の配置を考慮することで、注文住宅のコンセント配置を効果的にプランニングすることができます。
これにより、電気機器の利便性や安全性を高め、快適な生活空間を実現することができます。専門家や設計士のアドバイスを受けながら、適切なコンセントの位置決めを行いましょう。
おすすめのコンセント設置位置
家具や家電の配置のチェックが完了したら、日常生活に合わせて高さを調整したり設置位置を考えたりするのがいいです。
各部屋にひとつは設置したいのが掃除機用のコンセントです。自分が持っている掃除機の可動域を確認して、全部屋掃除機で問題なく掃除できるようにしておくと良いでしょう。
日常生活の動作を考えながら設置することで後悔しない注文住宅に近づけることができます。
コンセント設置で特に意識したいポイント
- 掃除機のコンセントが差しやすい位置
- 目安は6畳で9個、8畳で12個、10畳で15個
- 3口のタイプを取り付ける
- TV裏やPC裏のコンセントは6口以上がオススメ
実際に生活を始めるとコンセントの口数が足りないと気付く事が多いので多めに配置しておくことで失敗しにくくなります。台所のケトル用、屋外のアクティビティ用のコンセントなども忘れずにチェックしましょう。
ダイニングテーブルと相性のいい位置やトイレに2ヶ所の電源を設置したり、クローゼット内のコンセントを設置したりすることで、あとになって意外な活躍を見せるコンセントの話も多く聞きます。
テレビ周りは本当にコンセントの数が多くなります。TV、レコーダ用HDD、ゲーム機、シアターバーなどなど今は賃貸で少なくてもTVボードを設置してからTVボード周りに様々な家電が集まりやすくなります。多めに設置することで後悔は減りますよ。
部屋別に解説!コンセントの配置位置
お部屋の使用シーンに合わせて、具体的にコンセントの配置を考えてみましょう。
キッチンのコンセント配置
キッチンは家庭で最も電気を多く使用する場所の一つです。キッチンのコンセント配置は、調理や家電の使用の便利さと安全性を確保するために重要です。
まず、キッチンの作業スペースにはコンセントを数多く配置することが重要です。電子レンジ、電気コンロ、トースター、ミキサーなど、さまざまな電化製品を使用することがあります。
それぞれの電気機器の使用場所に近い位置にコンセントを設け、コードの長さや安全な配置を考慮します。また、壁やカウンターの背面にもコンセントを設けて、パフォーマンスやキッチンデザインに影響を与えないようにします。
さらに、キッチンの水回りには水と電気の接触を避けるための防水コンセントを使用します。シンクや食器洗い機の周辺、調理台の近くなど、湿気や水しぶきの多い場所には特に注意が必要です。
リビングルームとダイニングのコンセント配置
リビングルームやダイニングでは、テレビ、ステレオ、ゲーム機、スマートデバイスなど、多くの電子機器を使用します。コンセント配置は、これらの機器の使用とケーブル管理をスムーズにするために重要です。
まず、テレビやオーディオ機器を設置する場所の近くにコンセントを配置します。ここでは、HDMIケーブルやスピーカーケーブルなどの接続にも考慮し、適切なコンセントを配置します。
また、リビングルームのソファやリクライニングチェア周辺にもコンセントを配置することで、スマートフォンやタブレットの充電など、日常的な使用に便利さを提供します。
さらに、リビングルームにはワイヤレス充電スポットを設けることも多いでしょう。ワイヤレス充電パッドや充電用の家具などを活用して、スマートデバイスの充電を便利に行うことができます。
寝室と仕事スペースのコンセント配置
寝室や仕事スペースでは、ベッドサイドのコンセントやデスク周辺のコンセント配置が重要です。以下に具体的なポイントを示します。
寝室では、ベッドサイドのコンセントが必要です。スマートフォンや目覚まし時計、読書灯などを充電するために利用します。
ベッドの位置に近い場所にコンセントを配置し、充電ケーブルがスムーズに引けるようにします。
仕事スペースでは、デスク周辺に十分な数のコンセントを配置します。パソコンやプリンター、デスクライトなどの電気機器を使用するために必要です。
また、ケーブル管理や配線の整理にも注意を払い、スッキリとした作業環境を確保します。
子供部屋と学習環境のためのコンセント配置
子供部屋や学習環境では、子供たちが電子機器を使用することが多いため、コンセントの配置には特に注意が必要です。
子供部屋では、学習デスクやコンピューターワークスペース周辺にコンセントを配置します。
ノートパソコンや学習用具、充電器などを使用するために必要です。また、将来的な拡張を見越して、余裕のある数のコンセントを設置することが重要です。
安全性を考慮して、子供部屋のコンセントは防水・防塵対策を施したものを選びます。また、子供の手の届かない場所や高さに設置することで、誤操作や事故のリスクを減らします。
バスルームや洗濯室など水回りのコンセント配置
バスルームや洗濯室などの特殊なエリアでは、電気と水の接触が発生するため、特別な配慮が必要です。
バスルームでは、ヘアドライヤーや電動歯ブラシなどの電化製品を使用するためのコンセントを設置します。ここでは、防水コンセントや防水カバーを使用し、水との接触に対する安全性を確保します。
洗濯室では、洗濯機や乾燥機などの電気機器に対応したコンセントを配置します。また、洗濯機の周囲には、水漏れや湿気からの保護を目的とした電気機器用の防水コンセントボックスを設置することも考慮します。
屋外スペースやガレージのコンセント配置
屋外スペースやガレージでは、電源のニーズに応じたコンセントの配置を検討します。
屋外スペースでは、エクステリア照明や庭の電動工具、BBQグリルなどの電化製品に対応した防水コンセントを設置します。ここでは、安全性や耐候性に注意しながら、外部要因からの保護を考慮します。
ガレージでは、DIY作業や自動車関連の電気機器の使用を想定して、十分な数のコンセントを配置します。工具や充電器、エンジンオイルヒーターなどを使用する場合に便利です。ガレージ内のコンセントも、耐久性や安全性に配慮しながら設置する必要があります。
以上のポイントを考慮して、注文住宅のコンセント配置を行うことで、各部屋や特殊なエリアでの電気機器の利便性と安全性を確保することができます。
まとめ
住宅を建てるのは人生に一度の選択になるのが一般的だと思います。
失敗したと思ってもあとからコンセントを追加するのは難しいので、過去に失敗した人の経験から学び、自分たちの生活にあわせた快適な注文住宅を手に入れることができます。
電気設備は難しいからと設計士任せにするのだけはやめましょう。