注文住宅でビルトインガレージをつくるメリットとデメリットは?注意点や費用相場も確認

車やバイクなど、愛車をお持ちの方にとって憧れのビルトインガレージ。住宅とガレージが一緒に設計されており、大切な愛車を守ることができます。一般的な戸建てとは違う構造になっていますが、夢のあるスペースにすることも、実用的なスペースにすることもできるためとても魅力的な住宅になるでしょう。

ビルトインガレージのイメージこそあれど、具体的にビルトインガレージのついた注文住宅を建てるメリットデメリットなどは知らないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、注文住宅でビルトインガレージをつくる為に知っておきたいことを解説していきます。

ビルトインガレージとは?

ビルトインガレージとは、住宅や建物に直接組み込まれた車庫やガレージのことを指します。通常、建物の一部として設計・建設され、外部から見た際には建物の外観に統合されています。外部から見た際には建物の一部として認識されるため、住まいの外観に一体感を持たせることが可能です。

注文住宅にビルトインガレージを設けることで、住宅の敷地内に車を収納するための専用のスペースを確保できます。自動車やバイクなどの愛車の保管や駐車に利用できるので、車やバイクが趣味な方にとっては注文住宅をつくる際に重視したいスペースのひとつでしょう。

ビルトインガレージは住宅とガレージが一体化しているため、住居からの出入りや荷物の運搬が容易です。悪天候時や夜間でも、快適かつ安全に移動することが可能。雨の日に車で買い物に出かけても、家の中まで購入物を雨に打たれることなく持ち込むことができます。

また、ビルトインガレージがあれば車を外部の環境から守れます。雨風からは守ってくれるのはもちろん、盗難されないように守る役割を果たせるでしょう。また、ガレージにはロックやセキュリティシステムなどの安全対策を施すことも可能。より厳重にガレージ内を守りたいのであれば、安全対策の導入も検討すると良いでしょう。

注文住宅にビルトインガレージをつくるメリット

注文住宅にビルトインガレージを設けることでどのようなメリットがあるのか、解説していきます。ここでは5つのメリットをご紹介しますが、SNSや掲示板などで実際にビルトインガレージをつくってみた方の意見を探してみると、さらに参考になるでしょう。

1.趣味の空間として楽しめる

2.安全な駐車スペースを確保できる

3.雨天時の乗降や荷物運びが楽になる

4.車を守ることができる

5.固定資産税が安くなる

メリット①:趣味の空間として楽しめる

愛車をインテリアとして近くで眺めて楽しんだり、作業するためのための工場(こうば)として利用したりできるため、車やバイク好きの方にとってはワクワクするスペースになります。愛車をお持ちの方には、ビルトインガレージは魅力的な空間でしょう。

さらに、ビルトインガレージは駐車場としてだけでなく、車以外の趣味の空間としても活用することができます。ワークショップやDIYスペースとして利用したり、趣味のコレクションを展示する場所として活用したり、ボクシングやヨガ、ジム機器の設置やバスケットボールコートの作成など、自分の体を動かす活動に適したスペースとして利用したり、さまざまな活用方法があるでしょう。

メリット②:安全な駐車スペースを確保できる

特に都市部では土地が狭いため、駐車スペースが確保できない場合があります。近くの駐車場を借りるよりもコストがかからない場合や、便利さを考慮して自分の家の敷地内に車を置きたい場合は、ビルトインガレージがおすすめです。

また、都市部では交通量が多く、駐車スペースが狭いことが多いため、ビルトインガレージに車を保管することで車両への損傷や盗難のリスクを低減できます。また、ガレージ内に防犯対策を施すことで、より安全性を高めることができるでしょう。

メリット③:雨天時の乗降や荷物運びが楽になる

ビルトインガレージは建物の中に駐車できるので、雨にあたることなく家の中に入ることができます。また、重い荷物を運ぶ際や介護などで人を誘導する際も、距離が短くなるため楽になります。

雨の日に屋外で傘をさしながら車から降りたり、車に乗る必要がないのもメリットです。ただでさえ重たい荷物を抱えている時に傘を持つことで片手がふさがってしまうと、かなりのストレスでしょう。また、ガレージ内の地面は雨で濡れていないので、滑って店頭してしまうリスクも軽減できます。

メリット④:車を守ることが出来る

駐車スペースが壁に囲まれているため、強い雨や風からも車を守ることができます。雪や台風が多い地域でも安心して駐車することができます。またシャッターがついている場合、盗難やいたずらなどのトラブルを回避できて安心です。

盗難やいたずらだけでなく、壁に囲まれているビルトインガレージは衝突事故などのリスクからも車を守ることが可能。また、紫外線や鳥の糞からも守れるので、車をしっかりと守っておける点はビルトインガレージのメリットでしょう。

メリット⑤:固定資産税が安くなる

ビルトインガレージは固定資産税の評価対象となります。固定資産税は、不動産や建物などの所有者が毎年支払う地方税の一つです。固定資産税の金額は、不動産の評価額と固定資産税率に基づいて計算されます。

ビルトインガレージのある住宅は、ビルトインガレージがない住宅よりも固定資産税が安くなる場合があります。理由は、建物全体の延床面積のうち、ビルトインガレージの床面積が5分の1までなら、そのスペースは固定資産税の対象にはならないためです。大きい家でも固定資産税がお得になる可能性があるのでぜひ知っておきたい知識です。

注文住宅にビルトインガレージをつくるデメリット

メリットに続いて、注文住宅にビルトインガレージを設けるデメリットについても解説していきます。良いところだけでなく悪いところも知っておくことは大切なことなので、しっかりと目を通しておきましょう。

1.排気ガスや騒音問題

2.建築コストがかかる

3.生活スペースの間取りの自由度が下がる

デメリット①:排気ガスや騒音問題

ビルトインガレージが住居の一部に組み込まれている場合、車のエンジン音や排気ガス、ガソリンやオイルの臭いなどが住居内に侵入する可能性があります。構造上、密閉した空間になるため排気ガスがたまりやすいからです。換気扇をつけたり、換気しやすいよう窓をつけたり工夫が必要です。

また、建物の1階部分にあるため騒音や振動が伝わる可能性があります。エンジン以外にもシャッターの開閉の音も気になるとの意見も。深夜や早朝など、時間帯によっては家族に配慮したほうが良いこともあります。リビングや寝室の位置などを設計の際に考慮するようにしましょう。

デメリット②:建築コストがかかる

一般的な一戸建てとは構造が変わるため、コストがかかります。ビルトインガレージは建物と一体化しているので、建物全体の構造に影響を及ぼし建築費用が増加してしまうのです。建築プロセスや材料の追加コストが発生する場合もあるでしょう。

また、ビルトインガレージ部分は開口部が広くなるため、耐久性の対策を行う必要もあります。近隣に駐車場を借りる場合も費用がかかるので、長期的に見るとどちらのほうがお得かを考えてみましょう。

デメリット③:生活スペースの間取りの自由度が下がる

ビルトインガレージは建物内部に組み込まれているため、建物の設計や間取りによってはスペースの制約が生じることがあります。ガレージがあるぶん1階部分の生活スペースが限られてしまうので、主な生活スペースは2階なると考えておきましょう。

一般的に1階にあることが多いリビングやダイニング、浴室が2階にいくことになります。騒音問題から寝室はビルトインガレージから離れた場所に設置したほうが良いですが、何に重点を置いた間取りにするか家族と相談しながら決めていきましょう。

ビルドインガレージをつくる際の注意点

注文住宅でビルドインガレージを設ける際に失敗しないためには、どういったことに気を付ける必要があるのでしょうか?ここでは、ビルドインガレージをつくる際の注意点を3点解説していきます。

1.将来を考慮して広さを決める

2.ビルトインガレージの使用目的を考える

3.生活しやすい動線にする

注意点①:将来を考慮して広さを決める

家が出来上がった後、愛車のサイズを大きくしたり台数を増やすことはできなくなってしまいます。将来的に家計に余裕が出来れば、大きい車がほしくなったり、台数を増やしたくなることはよくあります。そのため、可能であれば最大の大きさを考えておくとよいでしょう。

しかし、固定資産税を安くするためには延床面積の5分の1までの広さにしなければなりません。なお、固定資産税には各自治体によってさまざまな減税制度や免税措置が設けられている場合もあります。一定の条件を満たすことで、減税や免税の対象になることがあります。具体的な詳細や条件については、所在地の地方自治体の税務署や税務課に問い合わせてみましょう。

注意点②:ビルトインガレージの使用目的を考える

注文住宅にビルトインガレージを設ける場合、ビルトインガレージでの行動を想定しておくことが重要です。ガレージというと”車を停めておく場所”というイメージが先行しますが、ビルトインガレージだからこそのさまざまな行動をあらかじめ考えておきましょう。

洗車をするのであれば水道、キャンプなどのアウトドア用品を置くスペース、作業するのであればエアコン、などビルトインガレージを作る目的をしっかりと考えて設備を設置することが必要です。

注意点③:生活しやすい動線にする

駐車してからすぐに家の中に入るためには、ビルトインガレージの中に玄関を作っておくと便利です。導線が狭すぎると荷物の持ち運びなど大変になるので、できるだけ広めの動線を確保して出入りしやすいようにしましょう。

ただし、ビルトインガレージが玄関と直結している場合、防犯性や安全性に関する配慮が必要です。ガレージの出入り口には適切な防犯対策を施し、不正侵入や盗難のリスクを低減できるようにしておきましょう。

ビルトインガレージの費用相場

ビルトインガレージの費用相場は、坪単価で約50万~80万円程度です。ビルトインガレージは住宅と一体化されたガレージのため、ビルトインガレージ部分だけの費用相場を判断するのが難しいところがあります。具体的な価格については、ハウスメーカーに直接確認してみると良いでしょう。

車を一台駐車するためには5坪程度は必要なので、車1台分のビルトインガレージだと約250万~400万円必要ということになります。長く住んでいくうえで車やバイクなどが増える可能性が高いようであれば、車2台分の広さを想定するなどして大きめのスペースを確保しておくことも検討しましょう。

ビルトインガレージは車を停める以外にも、収納スペースを設ける方も存在します。車やバイクが趣味の方は、愛用の工具などをガレージに保管できる収納棚を設置するのもおすすめ。自転車もお好きなようでしたら、壁面にロードバイクを飾ってインテリアとして楽しむのも良いでしょう。

こだわりのビルトインガレージをつくり上げたい場合は、予算が許す範囲内である程度楽しめるスペースを確保して設計するようにしておきましょう。予算オーバーになってしまっては、住んでから生活や趣味にかける費用を節約することになってしまうかもしれません。せっかくの新築マイホームでの暮らしの楽しさが半減してしまいます。

ビルトインガレージのある注文住宅を建てたい際は、具体的な使い道などを想定して見積もりを依頼しましょう。あらかじめ決めておいた予算と相談しながら家づくりを計画することが大切です。

SNSから探すおしゃれなビルトインガレージ実例

ここからは、SNSで見つけたおしゃれなビルトインガレージの実例を10種紹介していきます。どれも個性的で真似したくなるようなデザインのビルトインガレージばかりなので、注文住宅のビルトインガレージ計画にお役立てください。

ここで紹介しているもの以外にも、さまざまなビルトインガレージを載せた投稿が存在していました。気になる方がご自身でもSNSやインターネットで検索してみることをおすすめします。

実例①:高級感のあるビルトインガレージ

実例②:室内に愛車を眺められる窓がある

実例③:車の手入れもできるこだわりのガレージ

実例④:ブラックスクエアでスマートな住宅

実例⑤:統一感のあるクールなガレージ

実例⑥:リビングから愛車を眺められる家

実例⑦:アメリカンなビルトインガレージ

実例⑧:部品置き場のロフト付き

実例⑨:アクセントウォールで奥行き感を演出

実例⑩:悪天候時も安心の設計

まとめ

愛車を安全に守ることはでき、生活しやすくなるビルトインガレージはとっても魅力的ですね。車好きの方はぜひ取り入れたい設備だと思います。楽しみをとるのか、実用性をとるのか、コストをとるのかでビルトインガレージを設置すべきかどうか、どのような作りにするか、など全く違う答えになってきます。

ビルトインガレージ付きの注文住宅には、メリットもデメリットも存在しています。双方をしっかりと確認し、納得したうえで悔いの残らない住まいをつくりましょう。また、今の状態だけではなく未来も見据えて、ゆっくり時間をかけて検討するようにしてください。