この記事の監修SEO会社
株式会社NEXER
2005年にSEO事業を開始し、計10,000社以上にSEOコンサルティング実績を持つSEOの専門会社。
自社でSEO研究チームを持ち、「クライアントのサイト分析」「コンテンツ対策」「外部対策」「内部対策」「クライアントサポート」全て自社のみで提供可能なフルオーダーSEOを提供している。
SEOのノウハウを活かして、年間数百万PVの自社メディアを複数運営。
インターネットで調べ物をしていて、ページが表示されるまで時間のかかるWEBサイトにあたった経験がある方は少なくないでしょう。
とくに画像や動画の読み込みが遅いと、ブラウザバックをして別のサイトに遷移してしまう場合が多いです。
Googleのアナウンスでは「ページの読み込み時間が1秒から5秒になると、直帰するユーザーが約90%増加する※」というデータも開示されており、ページの表示速度はサイト運営において非常に重要な要素になることがわかります。
そこで、この記事では、スピードアップデートとは何か、ページスピードが遅くなる要因と改善する方法を解説します。
ぜひ参考にしてサイトのスピードアップにお役立てください。
※参考:Think with Google「Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed」
もしSEO対策の基本から対策方法まで全て詳しく知りたい場合は「SEO対策とは?検索上位表示を狙う方法まとめ!」の記事でSEO対策の情報をまとめているので参考にしてみてください。
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目次
スピードアップデートとは
スピードアップデートとは、ページが表示されるまでの速度が、検索順位に影響を与えるというGoogleアルゴリズムのことです。
極端に表示速度が遅い場合に適用されて検索順位が低下します。極端に遅い場合に適用されるペナルティなので、ほとんどのサイトに影響はありません。しかし、Googleからすれば、ユーザー目線でコンテンツを作成すれば表示速度が速いのは当たり前なので、どれだけ速くても検索順位は上がりません。
ユーザーは表示の遅延にストレスを感じることなく、素早く欲しい情報を手に入れたいと考えています。
Googleが90% の予測精度を持つニューラル ネットワーク(脳と神経系をモデルにしたシステム)を使って得た予測では、ページのスピードと直帰率の増加には以下のような関係があることがわかりました。
- ページの読みこみ時間が1秒から3秒になったとき:直帰率32%増加
- ページの読みこみ時間が1秒から5秒になったとき:直帰率90%増加
- ページの読みこみ時間が1秒から6秒になったとき:直帰率106%増加
- ページの読みこみ時間が1秒から10秒になったとき:直帰率123%増加
ページの表示速度は流入機会の損失に直結するため、常に向上を図っていきたいポイントです。
スピードアップデートは、ペンギンアップデートやパンダアップデートなど、他のコアアルゴリズムアップデートに比べると、あまりSEO業界に影響を与えていないアップデートと言えるでしょう。
確かに、スピードアップデートとGoogle公式の発言を受けて、ページ表示速度はできる限り高めるよう努めるのがSEOの常識となりましたが、ページ表示速度が速いからいって、コンテンツの質が低いサイトが、コンテンツの質が高いサイトより優先的に上位表示されることはありません。
モバイルファーストインデックスと関係ある?
結論からいえば、スピードアップデートとモバイルファーストインデックスは関係がありません。
あくまで、スピードアップデートはアルゴリズムの変更であり、モバイルファーストインデックスは、インデックスに関する変更だからです。
そもそもモバイルファーストインデックスとは、スマートフォンでの閲覧用に調整されたモバイルページを、モバイル検索の順位付けの参考にするというものです。
もともとモバイル用のランキングは横長のデスクトップページを参考に順位付けしていたものを、より検索エンジンを最適化するためにモバイルページでモバイルランキングを作成するよう変更されました。
ページスピードが遅くなりがちな主な要因
ここでは、ページスピードが遅くなりがちな主な要因を5つ紹介します。
良かれと思っていたことが、実はページ速度を遅くしていたということがあるため、最後までチェックしておきましょう。
埋め込みが多い
WEBページは、Twitterの投稿や、YouTubeの動画、外部サイトのカレンダーといったコンテンツを埋め込む機能が付いています。
TwitterやYouTubeなどの外部サイト・コンテンツの埋め込みはページの視認性を向上させる一方で、そのぶんページの表示速度は低下します。
自分のサイトの情報だけでなく、毎回外部の情報を読み込んで表示する仕組みになっているからです。
外部サイトの埋め込みも便利ですが、リンクに変更することで速度低下をある程度改善できます。
画像サイズが大きい
おしゃれなWEBページを作るために、高画質の画像を使いたくなる気持ちはわかりますが、高画質=画像サイズが大きいため、読み込みに時間がかかりページの表示速度が遅くなってしまいます。
スライドショーやGIF画像なども同様、多用するとページの表示を低下させるため、注意が必要です。
とくに、近年のスマートフォンカメラの性能は非常に高く、高画質なので、スマートフォンで撮影した写真をそのままWEBページに載せてしまうと画像サイズが大きいまま載せてしまうことになります。
サーバーの応答時間が長い
あなたが普段目にしているWEBサイトは、クライアント(機能を利用する側のコンピュータ)とサーバーによるデータの受け渡しのもと、表示されています。
検索結果画面からURLをタップ(クリック)した際には、クライアントが文字データや画像、動画などを保管しているサーバーに「ページを表示したいから、それらの情報を送って欲しい」とリクエストを送ります。これにサーバーが応答してデータを送信するとWEBページが表示される仕組みになっています。
しかしサーバーの応答時間が長いと、ページの表示速度は低下してしまいます。
キャッシュの設定が適切ではない
キャッシュの肥大化は、WEBページの読み込み速度が低下する原因です。
ブラウザには、過去に訪問したWEBサイトのURL、ページを一時的に保存するキャッシュ機能が搭載されており、キャッシュを読み込むことで、初回アクセスよりも素早くページを表示できます。
しかし、便利なキャッシュデータも大量に溜まってしまうと、かえって表示速度を低下させる原因になるため、注意が必要です。
外部ファイルの読み込みに時間がかかっている
上記で軽く説明したように、YouTubeの投稿をはじめとした外部ファイルの読み込みは、時間がかかる場合があります。
とくにデータ量の大きいファイルの読み込みには注意が必要です。また、WordPress(ワードプレス)を使用している方は、お使いのテーマによって、プラグインの相性があります。テーマと相性の悪いプラグインや、不要なプラグインは表示速度を低下させる恐れがあるため、適切に管理しましょう。
ページスピードを上げるには
ここでは、ページスピードを上げるための4つの対策について解説します。
画像を圧縮する
1つ目の対策は、画像の圧縮・軽量化です。
画像サイズが大きい画像は表示速度を低下させると解説しましたが、もちろん画像を使ってはいけないというわけではありません。
画像の不要な部分をトリミングする、圧縮するなどの対策を施せば、画像サイズは小さくなり、ページ読み込み速度への影響は少なくなります。
画像サイズの圧縮は、オンラインツールであれば画像を選択してアップロードするだけで行えます。
画像を1枚ずつ軽量化していく作業が面倒な場合は、画像圧縮を自動で行うプラグインの導入がおすすめです。
また、サイト内に使っていない不要な画像・動画がある場合は、削除した方が、サイト全体に良い影響があります。
WEBページを構成する画像以外の要素として、CSSファイルやJSファイルがありますが、これらは余計なコード、余白を削除する小さな努力が表示速度改善につながる可能性があります。
ブラウザのキャッシュを活用する
2つ目の対策は、ブラウザキャッシュの活用です。ページの読み込み速度を上昇させるキャッシュには、サーバー側のキャッシュとブラウザ側のキャッシュがあります。
上述のとおりサーバーキャッシュを溜めてしまうと、かえってパフォーマンスが落ちてしまうため、ブラウザキャッシュを活用すべきです。
ブラウザキャッシュはサーバーではなく、各PCやスマートフォンのローカル環境に溜まっていくため、動作が重いと感じたユーザーが任意のタイミングで削除できます。
ブラウザキャッシュの有効期間を設定して、活用していくには、「.htaccess」(ドットエイチティーアクセス)というファイルを編集しなければならないので、必ずバックアップをとってから作業するようにしましょう。
HTTPリクエストの回数を減らす
3つ目の対策は、HTTPリクエストの回数を減らすことです。サーバーの応答時間に関する見出しで軽く触れましたが、サーバーに該当するファイルを送信するよう要求する処理をリクエストといいます。
このHTTPリクエストの回数と、そこで受け渡されるファイルの数が少ないほど、表示速度に良い影響をもたらします。クライアント側とサーバー間でやり取りをする時間が減少するためです。
HTTPリクエストの回数を減らすには、「CSSスプライト」や「HTML・CSS・JavaScriptをminify化する」といった方法が挙げられるので、検討してみましょう。
AMPを利用する
4つ目の対策はAMPの利用です。AMPとは、Accelerated Mobile Pages(アクセラレイテッドモバイルページ)の略で、ページの表示速度を格段に速くするGoogleのプロジェクトのことです。
AMPを利用すると、WEBページを読み込まなくとも、GoogleやTwitter側に保存されたキャッシュを使って高速表示できます。また、AMPでコンテンツを作成する際は、データ量の規制を受けながら記事を書くことになるため、通常の記事の10分の1まで減少すると言われています。
ただし、デザインに凝ったページでAMPを利用するとレイアウトが崩れる可能性があるため、注意が必要です。また、imgやvideoといったタグを別で用意されたタグに置き換えなければならないほか、form、inputタグなどの使用が禁止されるため、使い方も一から学ばなければなりません。
ページ表示速度を上げるためにまずおこなうべきは「画像の圧縮」です。
これは簡単にできるので、ページ速度が遅いサイトは必ず実施しましょう。
次いで、不要なJavaScriptの削除ですが、JavaScriptに詳しくない方はどうすれば良いかわからないでしょう。
もしワードプレスを使用しているなら、不要なプラグインを削除するだけでも、不要なjavaScriptを削除することができます。
上記をおこなってもページ表示速度に問題がある場合は、CDNの使用を検討すると良いでしょう。
CDNでページ表示速度を上げる方法は以下の記事で紹介しています。
ページ表示速度の向上については、下記記事で専門的に紹介しているので参考にしてください。
ページスピードを計測できるツール4つ
ここでは、ページスピードを計測する便利なツールを紹介します。解説するツールは、下記の4つです。
- PageSpeed Insights
- Light house
- Test My SiteGoogle Analytics
- Chromeデベロッパーツール
PageSpeed Insights
PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)は、表示速度を調べたいページのURLを入力するだけで、パソコンとモバイルサイトの測定ができます。スコアは0から100で表され、点数が高い程、表示速度が高速です。
スコア | 表示色 |
0~49 | 赤色(要注意) |
50~89 | 黄色(注意) |
90~100 | 緑(問題なし) |
スコアの下部には、改善すべきポイントも記載されており、素早く診断できます。たとえば、下記のような改善案が表示されます。
提案される改善項目の例 | |
ウェブフォント読み込み中のテキストの表示 | 使用していない JavaScript の削減 |
メインスレッド処理の最小化 | JavaScript の実行にかかる時間の低減 |
テキスト圧縮の有効化 | 画像要素で width と height が明示的に指定されていない |
https://pagespeed.web.dev/?hl=ja
Light house
Lighthouse(ライトハウス)はGoogleChromeの拡張機能の1つです。Googleが提供している機能なので、サイトの信頼性に富んでいます。指定したWEBサイトを、下記5つの項目ごとに評価します。
評価項目 | 特徴 |
Performance(パフォーマンス) | ページや画像の表示速度やユーザーのアクションに対する反応速度を評価 |
Accessibility(アクセシビリティ) | サイトの閲覧者、クローラーに関わらず、ページを訪れた全員が見やすいと思うフォント、配色、ボタン名称になっているかを評価 |
Progressive Web App(プログレッシブウェブアプリケーション) | スマートフォン向けのWebサイトで、ページの表示速度を高速化できているか、PWAは最適かといった要素を評価 |
Best Practices(ベストプラクティス) | HTTPSによるデータ通信の暗号化、ブラウザのエラーコードがあるか、画像比率を設定しているかといったセキュリティ、パフォーマンスを評価 |
SEO | HTTPステータスコードが正常化、メタディスクリプション(meta description)は設定されているかなどSEO観点を評価 |
Google Analytics
Googleが無料で提供するGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)は、ページの表示速度も計測できます。
ログイン後、左サイドメニューから「行動」→「サイトの速度」→「概要」という順番にクリックすると、サイトの表示速度を確認できます。ページごとに確認する場合は、「行動」→「サイトの速度」→「ページ速度」という順番でクリックしましょう。
Google Analyticsは、リアルタイムの閲覧状況や、ユーザーの属性、動きを分析できる便利なツールで、記事の分析を行う際に必須のツールです。導入しておいて損はないツールなので、ぜひ検討してみましょう。
Chromeデベロッパーツール
Chromeデベロッパーツールは、Google Chromeに標準搭載されている検証用ツールです。WindowsではF12キー、Macの場合は、Command + Option + Iキーでツールを表示できます。ページ下部にある、「Finish」という項目の右側に読み込み速度が表示されます。表示速度は確認できますが、具体的な改善策は提案されません。
まとめ
スピードアップデートとは、ページが表示されるまでの速度が、検索順位に影響を与えるというGoogleアルゴリズムのことです。ページの表示速度が遅いと、閲覧者が内容を見ずに離脱してしまうため、CV率の低下につながってしまいます。
画像のサイズが大きい場合は軽量化ツールを利用する、ブラウザキャッシュやAMPを利用することで、ある程度表示速度の向上を図れます。
ユーザビリティを上げるために、PageSpeed InsightsやLighthouseといった計測ツールで、ページの表示速度がどのように評価されているのか確認しておきましょう。
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監修者プロフィール
NEXER 工藤6つのオウンドメディアの運営責任者
2017年NEXERに入社。前職はスマートフォンの販売員。
NEXER入社後はSEOコンサルティング営業部、クライアントマーケティング事業部を経て、現在はオウンドメディアを6つ運営&管理の責任者を任されている。
新規で1から立ち上げた2つのサイトは年間100万PV以上のメディアに成長。
既存のオウンドメディアと、サイト買収をおこなった3つのサイトは、運用当初に比べて3倍~5倍の収益を出すメディアに成長。
さらに、2022年12月より新規でもう1サイトに挑戦中。
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