この記事の監修SEO会社
株式会社NEXER
2005年にSEO事業を開始し、計5,000社以上にSEOコンサルティング実績を持つSEOの専門会社。
自社でSEO研究チームを持ち、「クライアントのサイト分析」「コンテンツ対策」「外部対策」「内部対策」「クライアントサポート」全て自社のみで提供可能なフルオーダーSEOを提供している。
SEOのノウハウを活かして、年間数百万PVの自社メディアを複数運営。
WEB業界で頻繁に耳にするようになった「コンテンツマーケティング」。
「コンテンツマーケティング」とは、文字通りコンテンツを用いたWEBマーケティングの手法の一つで、昨今のWEB集客においては非常に重要で必要不可欠な施策です。
そこで当記事では、
-
- コンテンツマーケティングとは何か
- コンテンツマーケティングが注目される理由
- コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
- コンテンツマーケティングの成功事例
について解説しています。
最後までお読みいただくことで、コンテンツマーケティングとは何か、コンテンツマーケティングの実施方法がわかります。
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目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、消費者にとって有益なコンテンツ(情報)を発信し、見込み客のニーズ育成~購買・ファン化につなげるマーケティング手法です。
また、「コンテンツ」はサイト内にあるものだけには限らず、Yotubeやメルマガ、ポッドキャスト等もコンテンツに属します。
コンテンツマーケティングで重要なのは
- ターゲットにとって有益なコンテンツを作る
- 顧客(見込み客)のニーズを育成する
- ファン化につなげる
という3つのプロセスです。
コンテンツマーケティングはあくまでマーケティング中の一つの考え方にすぎません。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違いは?
「コンテンツマーケティング」と「コンテンツSEO」はしばしば混同されますが、それぞれ異なる目的を持っています。
コンテンツSEOの主な目的は、検索エンジンでの順位を上げることです。質の高いコンテンツを作成することで、Googleの評価が向上し、検索順位が上がり、結果的にウェブサイトのアクセス数が増加するSEOの手法の一つです。
一方、コンテンツマーケティングは見込み客を育成し、最終的に自社の顧客にすることを目指します。価値あるコンテンツを提供し、信頼関係を構築しながら、将来的な顧客になってもらうことを期待してコンテンツを継続的に配信していきます。
名前が似ているために、「コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一部」と誤解されることもありますが、両者は異なる第一目的を持つ手法です。それぞれを別のものとして認識しておきましょう。
コンテンツマーケティングの主なコンテンツの種類
コラム記事
コラムは最も一般的なコンテンツ形式で、特定のトピックについて深く掘り下げたり、専門的な知識を提供して信頼を築く手段です。
SNSのように文字数制限がないため、自由に詳しい内容を書ける点が魅力です。特に専門知識がある場合、トークスキルなどが必要な動画やセミナーと比べて初心者でも取り組みやすく、効果的なコンテンツ作成が可能です。
動画
視覚的に情報を伝える手段として急速に人気を集めています。製品デモ、ハウツー動画、顧客の成功事例紹介、ブランドストーリーなど、様々な形式で活用されています。
動画はテキストの約5000倍の情報量があるとも言われ、質の高い動画を作成すれば、コラム記事以上のインパクトを生み出し、強力なマーケティングツールとなるでしょう。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、特定の業界やテーマについて、詳しい解説や分析を提供する長文コンテンツです。リード(見込み客)の獲得を目的に、ダウンロード前にメールアドレスの登録を求めることが一般的です。
コラムとは異なり、登録というハードルがあるため、ユーザーはより詳細で価値のある情報を期待します。専門性や深い知識を伝えるために、質の高いコンテンツが求められます。
ソーシャルメディア投稿
ソーシャルメディアでは、短いながらもインパクトのある投稿でフォロワーと積極的にコミュニケーションを図り、エンゲージメントを高めます。
コラムや動画に比べ、頻繁に接触できるため、単純接触効果により、ブランドのファンを育てやすいのが特徴です。軽いタッチでのやりとりが可能なため、日々の関係強化に役立ちます。
ウェビナー・オンラインセミナー
ウェビナーやオンラインセミナーは、リアルタイムで行う講義形式のコンテンツで、視聴者との双方向コミュニケーションができる点が魅力です。
ブランドの専門性を示す絶好の機会となり、他のコンテンツに比べ、参加者が長時間集中して視聴する傾向があるため、その場で顧客育成につなげやすいという利点があります。
コンテンツマーケティングの主な効果
コンテンツマーケティングが日本で注目されはじめ、各企業が取り組むようになったのが2014年頃です。
コンテンツマーケティングが流行した背景には次のようなものがあります。
広告に対するニーズの変化
コンテンツマーケティングが注目される理由としてまず挙げられるのが、広告に対する「消費者ニーズの変化」です。
私たちが生きる現代社会は情報過多といわれるほど情報に溢れています。スマホを見れば広告を目にしない日はありませんし、道を歩いていても立て看板やモニターに写された広告にも出会うはずです。
広告を受け取る一方だった消費者は今、CMをスキップし、アプリで広告を表示させないようにするなど、広告を避ける傾向にあります。
スマートフォンの普及により広告を見る機会は増えているものの、広告を見てくれるユーザーが減少しているため、広告のチャネル選びも重要になったうえに競争率が高まり広告費が高騰していることが挙げられます。
こうした流れから、広告主は広告以外のチャンネルでの集客を検討し、純粋なコンテンツで競い合うことも必要とされるようになってきました。「広告費を費やせば集客できる!」という考えは現在は通用しないものとなりました。
誰もが必要な情報を探せるようになった
消費者が検索エンジンを利用して自ら必要な情報を取りに行くようになり、注目が集まったのがインバウンドマーケティングです。
インバウンドマーケティングとは、消費者に「見つけてもらう」ことを目的とする広告で、消費者のニーズに沿ったコンテンツを用意するSEOやリスティング広告などの手段があります。
では、消費者に見つけてもらうにはどうしたらよいでしょうか。商品やサービスの魅力をアピールするだけでは、膨大な数の広告に埋もれてしまいます。
インバウンドマーケティングの実践において有効と考えられたのがコンテンツマーケティングです。ターゲットの興味・関心のある情報や悩みを解決する情報など、ターゲットにとって役立つコンテンツを用意して見つけてもらうのです。
「ターゲットが自分の興味のある情報しか探さないのであれば、見つけてもらうにはターゲットの興味のある情報を用意するのが一番」というのがコンテンツマーケティングの考え方です。
コンテンツマーケティングでは「消費者は自分の興味・関心のある情報は進んで検索する」という傾向をとらえ、ニーズに沿ったコンテンツを提供し、親しみを持ってもらったうえで購買・ファン化へとつなげます。
コンテンツマーケティングのメリットとは?
以下で、コンテンツマーケティングのメリットをそれぞれご紹介します。
コンテンツが資産となり広告費の削減につながる
コンテンツマーケティングのメリットとしてまず挙げられるのが「コンテンツは資産になる」ことです。
広告は基本的に出稿費に比例して効果を得ることができますが、「出稿している分しか効果を得られない」「出稿を続ける限り常に運用コストがかかる」つまり資産にならないと言えます。
ユーザーニーズを満たした優れたコンテンツは、検索エンジンから評価され検索順位も上がっていく傾向にあり、中長期的にサイトアクセスの増加に寄与してくれます。
そのサイトアクセス増加に寄与しているコンテンツは、広告と違い「資産」として残り運用コストも基本的にかかりません。アクセスしてきたユーザーに対し適切なセールスをおこなう必要はありますが、この「資産」を活用し長期間リードを獲得し続けることも可能です。
潜在層にもリーチできる
コンテンツマーケティングはターゲットの興味・関心の高い情報収集向けコンテンツを作成することで、潜在層にも自然にリーチできるのが特徴です。
ユーザーニーズを満たしたコンテンツは幅広い顧客層との接触機会を増やすことができ、まだニーズが表面化していない潜在層に対して自社を知ってもらうことが可能です。
潜在層は自身が抱えている課題にまだ辿りついていない状況なので、ユーザーがニーズを自覚するきっかけとなるコンテンツを発信することで、ユーザーの育成を図り見込み顧客になってもらうことができます。
たとえば、家事代行サービスを提供する会社で主婦層をターゲットとするのであれば、いきなり家事の大変さを訴え代行サービスの利用を勧めるのではなく、ターゲットに興味を持ってもらうために「家事の時短術」や「いつもよりも少し贅沢な週末のレシピ」といったコンテンツを発信します。
興味のあるコンテンツを充分に楽しんでもらった上で「実は、家事の手間を減らすには家事代行サービスを使うと便利ですよ」といった見込み顧客に引き上げるための情報を提供します。
ユーザーの母数は顕在層・準顕在層・潜在層の順で多くなっていくため、ユーザー数が最も多い潜在層にリーチできるコンテンツマーケティングのメリットがよくわかるでしょう。
顧客に親しみを持ってもらえる
ターゲットにとって有益な情報を発信し続けていると「いつも役立つ情報を発信してくれている」「このコラムを見るとわからないことが解決する」など、よい印象を与えられます。
人に置き換えて考えてみるとわかりやすいのですが、いつも役立つことや自分の興味のありそうな話題を振ってくれる友人には親しみや感謝の気持ちを覚えるはずです。それと同様に、有益な情報を発信し続ければターゲットは親しみを覚えるようになります。
コンテンツマーケティングは顧客のロイヤリティ(愛着)を高められるのがメリットとといわれますが、日本では「親しみ」と言った方が自然でしょう。ターゲットに深い親しみを覚えてもらえば、価格・サービス競争に巻き込まれにくくなる、サービスの利用を継続しやすくなるなどの複合的なメリットも得られます。
ブランディングになる
コンテンツマーケティングで特定ジャンルの情報を発信し続けることで、そのジャンルの専門家として認知が広がっていきます。
新しいサービスの認知度を上げたい、新商品のニーズを啓蒙したいなどの場合には特に大きなメリットとなるでしょう。
また、ジャンルに専門家が少ない場合には第一人者として認知されやすくなります。
優れたコンテンツは拡散される
記事や動画などのネット上のコンテンツはSNSを通じて拡散される可能性があります。
拡散を通じて、今までターゲットとしていなかった層にも企業を知ってもらえる機会が生まれ、新たな見込み客につながることもあるでしょう。
コンテンツマーケティングのデメリット
ここまでコンテンツマーケティングのメリットに注目してきましたが、ここでデメリットも理解しておきましょう。
即効性が低い
コンテンツマーケティングは以下の理由からアクセス増加・リード獲得までに時間がかかります。
・コンテンツが検索エンジンに認知・評価され上位表示されるまでに時間を要するため
・まだ見込み客になっていない潜在層がメインターゲットになるため
また、Web上のコンテンツは検索エンジンに評価されて上位表示が可能となるまでに時間がかかることも理由の一つです。
コンテンツマーケティングに即効性がないことを事前に理解していないと「せっかくコンテンツを制作したのに、効果が得られる前に止めてしまった」といった状況にもなりかねません。
コンテンツマーケティングに取り組む際には、担当者はもちろん広く社内理解を得て、中長期的な目線でKPIを設定して運営していくことが大切です。
コンテンツ制作のコストがかかる
コンテンツ制作にはある程度の費用やリソースがかかります。たとえばコラム制作では、「クラウドソーシングのライター」「記事制作代行会社」「SEO会社」などどこに依頼するかでも大きく単価が異なります。
「クラウドソーシングのライター」が最も安価で1記事(約3,000字)3,000円~12,000円程度、「記事制作代行会社」は同条件で12,000円~21,000円ほどで、「SEO会社」に頼む場合はその制作費用とは別に運用代行のコストが月額で30,000円~高いところで200,000円程度かかります。
また目に見えないコストとして自社リソースのことも考慮する必要があります。一般的に費用を安く抑えようとすると自社リソースが反比例して増えると言われています。具体的には、単価を抑えるために自社で記事のディレクションをおこなう、投稿後のコラムの分析を自社でおこなうなどが挙げられます。
コンテンツ制作のコストは制作費用だけでなく人的コストもかかることは忘れないようにしましょう。特にコンテンツ制作・運用のノウハウが無い場合は、「SEO会社」にすべて任せた方が結果的にコストを抑えられる可能性があります。
SEO会社によっては部分的に依頼をおこなうことも可能なので、費用を抑えたい場合は自社リソースでできることを明確にし、対応ができない部分を外注するとよいでしょう。
コンテンツマーケティングで成果を上げる方法
コンテンツマーケティングは以下の手順でおこないます。
Step2:ターゲットの設定
Step3:有益なコンテンツの作成
Step4:コンテンツの公開・プロモーション
Step5:コンテンツマーケティングの効果測定・分析
Step1:目標の設定
まずはコンテンツマーケティングを利用して何をしたいのか、目的と目標の設定をおこないましょう。
例えば、ブランド認知度の向上・ウェブサイトへのトラフィック増加・将来的な見込み客の増加・短期的な見込み客の増加など。
Step2:ターゲットの設定
誰のためにコンテンツを提供するのかを明確にしましょう。
たとえば、注文住宅のコンテンツを作成する場合、60代の男性と20代の男性では求めている情報は異なります。
20代男性の場合は、注文住宅の建て方や、住宅ローンなど、これから注文住宅を建てるための情報を発信していくべきと考えることができます。
一方で60代男性の場合は、建て替え、リノベーションやリフォーム、増築などの情報の方が興味を引きやすいでしょう。
このように、ユーザーの年齢層・性別・趣味・興味・ニーズなどの調査分析をおこない、ターゲット像を明確にしていきましょう。
Step3:有益なコンテンツの作成
目的とターゲットが決まったら、その目的を達成できるようなコンテンツを作成します。コンテンツはコラム記事だけではなく、動画、書籍など様々なものがあります。ターゲットが特に好むコンテンツを制作することで、より目的・目標が達成しやすくなるでしょう。
なにを作った方が迷った場合は、2023年のLINEリサーチの調査結果で「スマホで情報収集するユーザーのうち79.5%がGoogleで検索する」という結果があるので、コラム記事の制作を検討するのが無難です。
調査結果引用元:https://markezine.jp/article/detail/43995
Step4:コンテンツの公開・プロモーション
作成したコンテンツを公開しましょう。コンテンツの公開は、ターゲットオーディエンスが多く集まる場所が望ましいです。
また、コンテンツを発信する時期も大切です。例えば、夏にスノボーの滑り方のコンテンツを発信しても興味を引きづらいでしょう。
コンテンツを認知させるためには、プロモーションを検討することも重要です。
WEBのコンテンツをSEOで認知拡大するのか、SNSでシェアを狙うのか、インフルエンサーに紹介してもらうのか、プレスリリースで発信するのか、プロモーション方法は様々です。
Step5:コンテンツマーケティングの効果測定・分析
実際にコンテンツマーケティングをおこなった効果測定をおこないましょう。
設定した目標によっては、なかなか効果検証しづらいこともありますが、目標の中間地点などを設けて、効果を推測すると良いでしょう。
例えば、目標を「将来的な見込み客の増加」にした場合、将来的な見込み客の増加数を正確に知ることは難しいでしょう。
そういう場合は中間地点として、下記のように設定することができます。
第1目的:認知数の増加(コンテンツへのアクセス数)
第2目的:最終的に売りたい商品の紹介ページへの遷移
商品紹介ページを閲覧した人のうち、将来的に商品購入に至った割合などを事前にわかっているなら、上記の目標からある程度見込み客の増加数を知ることができます。
わかっていない場合は数値を仮定し、分析をおこない、数値の乖離に合わせて、目標を修正していくことで、正確な分析に近づくでしょう。
成功するための実践的なコンテンツ作成のポイント
ここでは、コンテンツマーケティングとして、コラム記事でコンテンツマーケティングをおこなう際に、有益なコンテンツを作成する方法を紹介します。
有益なコンテンツを作成するには、以下の順序で作成をすると良いでしょう。
②ターゲットを明確にする
③ターゲットの分析をする
④ターゲットの消費者心理を育てるためのコンテンツを作成する
⑤コンテンツを配信する
⑥フィードバックをもらい改善する
一つずつ解説します。
①目的を明確にする
コンテンツマーケティングをおこなう場合、まずその目的を明確にすることが重要です。
ユーザーに対して伝えたいメッセージや、最終的に達成したい成果を明確にしましょう。
例:ブランド認知の向上、見込み客の育成、コンバージョン促進、顧客との信頼関係の構築 等
目的をはっきりさせることで、コンテンツの方向性がブレずに、ユーザーにとって価値ある情報を提供できます。
②ターゲットを明確にする
次に、誰に向けたコンテンツなのかを明確にすることです。ターゲット層が決まれば、どのようなトーンや表現でコンテンツを作成すべきかが分かります。例えばターゲット層がビジネスの意思決定者の場合、専門的で信頼性のある情報を重視する一方、一般消費者向けの場合は、親しみやすさや分かりやすさが重要になります。
③ターゲットの分析をする
ターゲットが明確になったら、そのターゲットがどのようなニーズや悩みを持っているかを分析しましょう。これには、ターゲットのライフスタイル、購買動機、インターネット上での行動パターンなどが含まれます。キーワードリサーチやアンケート、SNSでの調査を活用して、ターゲットが求める情報を具体的に把握します。
④ターゲットの消費者心理を促進するためのコンテンツを作成する
ターゲットにリーチするためには、消費者心理を考慮したコンテンツを作成することが不可欠です。教育的なコンテンツで知識を提供したり、問題解決を提案することで、ユーザーが徐々にブランドや製品に対して信頼感を抱くように誘導します。
消費者が商品やサービスに興味を持ち、最終的に購入に至るプロセスを理解するために、マーケティングでよく使われるフレームワーク「AIDCA」を活用すると効果的です。AIDCAは、以下の5つの段階で構成されています。
1. Attention(注意・認知)
消費者が購入するには、まずはじめにその商品やサービスを知ることから始まります。
まずは、ターゲットの注意を引くコンテンツを作成しましょう。タイトルやビジュアル、キャッチコピーで興味を持たせ、クリックや閲覧を促すことがポイントです。この段階では、インパクトのある見出しや、ユーザーにとって関連性の高いトピックを選ぶことが重要です。
2. Interest(興味)
次に、商品を知ったら、その商品に興味を持たせる必要があります。
ターゲットが興味を持つような内容や情報を提供します。ユーザーの悩みや課題に共感し、その解決策として製品やサービスがどのように役立つかを説明します。役立つ情報や具体的なケーススタディ、実例などを活用して、ターゲットの関心を引き続けましょう。
3. Desire(欲求)
ターゲットの興味をさらに高め、「これが欲しい」「使ってみたい」と思わせる欲求を喚起する段階です。ここでは、製品やサービスのメリットや、他社にはない独自の価値を強調します。ターゲットが「これを使うことで自分の問題が解決できる」というビジョンを持つように仕向けることがポイントです。
4. Conviction(確信)
欲求を抱いたターゲットに、その選択が正しいと確信させるコンテンツが必要です。口コミやユーザーレビュー、具体的なデータや証拠を提供して信頼性を高めましょう。また、専門的な知識を示したり、第三者の評価を紹介することで、信頼感を増幅させることができます。
5. Action(行動)
最終的に、ターゲットが購入や問い合わせなどの具体的な行動を起こすように誘導します。ここでは、明確なCTA(Call To Action)を設け、次に取るべきステップをシンプルかつ分かりやすく示します。「今すぐ購入」「無料で試してみる」などの直接的な行動を促す表現が効果的です。
AIDCAモデルに基づいたコンテンツ作成は、ターゲットの注意を引き、興味を持たせ、欲求を喚起し、確信させ、最終的な行動に導くという消費者心理の流れを意識して進めることで、効果的なコンテンツマーケティングを実現できます。
たとえば、ターゲットが「自社の商品を知ってはいるが、購入には至っていない」場合は、顧客の購買ステージは「認知」もしくは「興味」で止まっており、「行動」まで進んでいません。
顧客がどの購買ステージにいるかを正確に理解し、次のステージに進ませるためのコンテンツを作成していきましょう。
⑤コンテンツを配信する
コンテンツを作成したら、それを適切なタイミングとチャネルで配信することが成功の鍵です。コラムの他にも、SNSやメールマーケティング、YouTubeなど、複数のチャネルを活用することで、より多くのターゲットにリーチすることができます。また、配信のタイミングや頻度も重要です。ユーザーのライフサイクルに合わせた適切なタイミングで情報を提供しましょう。
⑥フィードバックをもらい改善する
コンテンツが配信された後は、ユーザーからのフィードバックやデータを収集し、コンテンツの改善に活かします。Google Analyticsなどのツールを使って、どのコンテンツが効果的だったかを分析し、必要に応じて修正や最適化を行います。また、コメントやレビュー、SNSでの反応をチェックし、ユーザーの声を反映させることも重要です。継続的な改善が、成功するコンテンツマーケティングの基盤となります。
このように、コラム記事を通じて効果的なコンテンツを作成するには、計画的かつ段階的に進めることが大切です。ターゲットを深く理解し、ニーズに合わせた情報を提供することで、長期的な成功につなげることができます。
弊社のコンテンツマーケティングの実例をご紹介
当メディアを運営している弊社NEXERもいくつかのコンテンツマーケティングを行っていますが、ここでは「メルマガ」の取り組み事例を紹介します。
主に以下の内容をメルマガで配信しています。
- SEO対策のノウハウ
- SEO関連ニュース
- SEOコンサルサービスの導入事例
ここ最近で開封率の高かった「ChatGPT」に関するメルマガを紹介します。
一般的にメルマガの開封率は「20%」と言われており、本メルマガは約33%と比較して高い開封率になります。
潜在層の”ファン化”が目的
内容は「ChatGPTでSEOに強い記事を作成する方法」となり、サービスの売り込みは一切していません。ターゲットも「SEOサービスを導入したい人」ではなく、「SEOに取り組んでいる人やSEOのノウハウが欲しい人(企業)」になります。
このメルマガから記事への流入は見込むことができますが、弊社のサービスと契約をしたり申し込みの連絡はほとんどありません。ただ、こうした情報を配信し続け、受け取ったユーザーが有益だと感じることができればファン化し、弊社との接触回数も増えます。
このメルマガの場合は潜在層の”ファン化”を目的にしたコンテンツマーケティングとなります。
コンテンツマーケティングの成功事例6選
ここで、コンテンツマーケティングの手本となる成功事例を5つご紹介します。
これからコンテンツマーケティングに取り組む方は、ご自身のビジネスに類似した事例からイメージを膨らませてみてください。
メディアによって個性がありCVに至る動線も異なります。
経営ハッカー/freee株式会社
freee株式会社のオウンドメディア「経営ハッカー」では、記事カテゴリを個人と法人で切り替えられるようになっており、それぞれビジネスに役立つコンテンツを提供しています。
デフォルトで選択されている法人向け画面では、会社設立、経営・戦略、経理・財務、人事・労務、上場準備、働き方改革のカテゴリが表示され、経営者インタビューを中心として「中小企業が利用できる補助金」や「給与の締め日と支払日の決め方」など、中小企業の経営者や人事担当者に役立つコンテンツが中心です。
個人向けに切り替えると開業、確定申告、経理の基礎知識、フリーランスの働き方のカテゴリが表示され、影響力のあるフリーランスのインタビューや「開業届を出すメリット」「健康保険」「扶養」など個人事業主向けのトピックスが並びます。
経営者インタビューはタイトルで「読みたい」と思わせる秀逸なものが多く、人気記事ランキングにも多く入っています。インタビュー全文を読むには無料の会員登録が必要ですが、メールアドレスとパスワードの入力だけで気軽に登録できる仕組みです。
その他複数のコンバージョンが設計されているので、サイト設計・コンテンツ制作の参考になるでしょう。
くらしの良品研究所/株式会社良品計画
無印良品のオウンドメディア「くらしの良品研究所」で、トップページの最も目につく部分にあるのはユーザーのリクエストです。
無印良品とはどんなブランドで、どんなコンセプトなのかはすでに広く知られているからこそ、認知拡大を目的とせず、ユーザーとのコミュニケーションや世界観の発信を目的としていることがわかります。
くらしの良品研究所には、ネットストアのアカウントを持っていれば誰でも「こんなものがあったらいい」「以前販売していた商品を再販して欲しい」などの商品リクエストを投稿できる「IDEAPARK」があり、担当者がユーザーのリクエストに対する方針と状況をコメントする他、他ユーザーが「良いね!」とコメントができるSNSのようなスタイルとなっています。
ユーザーのニーズを直接拾える場となっている上にユーザーどうしのコミュニケーションが生まれている、さらにリクエストが叶えられた際にはネットストアで直接購入できる動線が引かれている、と見事な設計が見られるサイトです。
ワタシプラス/株式会社 資生堂
資生堂の「ワタシプラス」は、メイクの基本からトレンドメイク、部分メイクのコツ、自分でできるヘアアレンジなどの美容情報を発信するオウンドメディアです。
「ワタシプラス」の指名検索、商品名の検索でも大きなトラフィックを得ている他、美容関連のビッグワード、たとえば「鼻 毛穴」「ハーフアップ」などのビッグワードでも多く1位を獲得しています。
その理由の一つとして、化粧品メーカーとしてのブランド力や所有するノウハウ以外にユーザビリティの高さがあるといえるでしょう。
メイクやヘアアレンジなど言葉では伝えにくい部分は、手順一つごとに写真をつけて説明しています。写真がふんだんに使われていても軽量化されているため、スマホでの表示は早いです。
動画の場合には分割してそれぞれ概要と再生時間を表示するなど、ユーザーの行動に沿って最適な方法でコンテンツを発信しています。
ユーザビリティへの配慮は直接的な反応が得られないため後回しにしやすいポイントですが、競合サイトの同テーマコンテンツとの比較やアンケートなどでその効果を測ることができます。
Money Forward Bizpedia/株式会社マネーフォワード
freee株式会社と同様、中小企業・個人事業主向け会計ソフトで有名なマネーフォワードのオウンドメディア「Money Forward Bizpedia」では、確定申告・会計・経費精算・会社設立・給与・ビジネスハックのカテゴリに分け、業務効率化アイデアやバックオフィスに役立つコンテンツを発信しています。
確定申告や経費精算などテーマに沿ったお役立ちコンテンツが中心ですが、ライター陣には税理士や元国税職員・芸人のさんきゅう倉田さんなどが名を連ねていて、監修記事も充実しているのが経理ジャンルでの専門性・権威性向上につながっていると考えられます。
また、サービス資料ダウンロードページへのリンクが記事下部と追従サイドバーで用意されており、記事を興味を持ったユーザーは迷わずにCVへ進めるでしょう。
ラクスルマガジン/ラクスル株式会社
ネット印刷のラクスルは、自社サイト内のコラムを「ラクスルマガジン」としてオウンドメディア化し「a4 サイズ」「b5 サイズ」「DM」などのビッグキーワードで数多く1位を獲得しています。
事例紹介、コラム・ノウハウ、サービスの活用方法、リリース・キャンペーン情報のカテゴリがあり、そもそも業種自体の対応範囲が広いことから印刷ノウハウからデザインの基礎知識、年賀状の書き方まで幅広いコンテンツが揃っています。
2021年4月時点で公開されているのは約800記事で、季節ごとに必要となるストックコンテンツが豊富な印象です。また「印刷用語集」はSEOにもユーザビリティの両面で高い効果が出ていると見受けられます。
ユアマイスタースタイル/ユアマイスター株式会社
ユアマイスタースタイルは、ハウスクリーニングや靴の修理などの職人たちとユーザーをつなぐサイト「ユアマイスター」のオウンドメディアです。
2016年にメディアをスタートしてからたった半年で月間100万PVを記録し、2017年には月間780万PVのモンスターサイトへと成長しました。
ユアマイスターの記事は大きく分けて3種類で、
- ユーザーが自分で行動する際のお役立ち記事 例)「掃除方法・コツ」
- 職人の仕事内容や技術を紹介する記事 例)「プロの本気の掃除」
- プロに依頼する際に知りたいと思われるサービス・職人の紹介記事
に分けられます。
コンバージョンは姉妹サイト「ユアマイスター」での発注となりますが、ユーザーの段階に合わせたコンテンツを提供し、次の段階へと自然に進めるようになっています。
「ユーザーの段階に合わせたコンテンツ」というと簡単そうに聞こえるかもしれませんが、ついつい企業の伝えたいことを優先したり、ユーザーの段階を飛び越えてしまったりしているメディアは少なくありません。
toCの商品・サービスを扱う企業にとって「本気で顧客目線に立ったメディア」として参考となるでしょう。
また、手順ごとの写真つきで解説する記事が多く、コンテンツを非常に丁寧に作っているのがわかります。記事作りのプロセスを考えると1記事に対してコストや手間は大きいものの、その丁寧さがユーザーを惹き付けている理由といえるでしょう。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティングとは何かを具体的に解説しました。
この記事の要点は以下のとおりです。
- コンテンツマーケティングとは、有益なコンテンツを発信し、ユーザーのニーズ育成からファン化、購買につなげるマーケティング手法
- コンテンツマーケティングの運営には、中長期的な目線と適切なKPI設定が重要
- コンテンツマーケティングは、「目的」と「ターゲット」を明確にし適切なタイミングとチャネルで配信することが成功の鍵
ビジネスの拡大・成長をしていくうえで、どれだけ効率的に潜在層へリーチし続けることができるかは非常に重要です。その中でもコンテンツマーケティングは、中長期的に運用していく必要はありながらも「資産」として残るので、取り組みやすい施策といえるでしょう。
効果的にコンテンツマーケティングをおこない、皆さんのビジネスが成功すること願っております。
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NEXER 工藤6つのオウンドメディアの運営責任者
2017年NEXERに入社。前職はスマートフォンの販売員。
NEXER入社後はSEOコンサルティング営業部、クライアントマーケティング事業部を経て、現在はオウンドメディアを6つ運営&管理の責任者を任されている。
新規で1から立ち上げた2つのサイトは年間100万PV以上のメディアに成長。
既存のオウンドメディアと、サイト買収をおこなった3つのサイトは、運用当初に比べて3倍~5倍の収益を出すメディアに成長。
さらに、2022年12月より新規でもう1サイトに挑戦中。