この記事の監修SEO会社
株式会社NEXER
2005年にSEO事業を開始し、計10,000社以上にSEOコンサルティング実績を持つSEOの専門会社。
自社でSEO研究チームを持ち、「クライアントのサイト分析」「コンテンツ対策」「外部対策」「内部対策」「クライアントサポート」全て自社のみで提供可能なフルオーダーSEOを提供している。
SEOのノウハウを活かして、年間数百万PVの自社メディアを複数運営。
スマートフォンユーザーが閲覧しやすいWebサイトを構築することをモバイルフレンドリーと呼びます。現在は多くのユーザーがモバイル端末で検索するようになっているので、モバイルフレンドリーへの対応はサイト運営者にとって必須です。
今回はモバイルフレンドリーの特徴や対応すべき理由、チェックツール、対応する具体的な方法などを解説します。
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目次
モバイルフレンドリーとは
モバイルフレンドリーはWebサイトをスマートフォン(モバイル端末)用に閲覧しやすくする取り組みを指しています。
スマートフォンの普及によって、サイト閲覧の方式がPCからモバイル端末へ移行しました。PC向けのWebサイトをそのままスマートフォンで表示した場合、スクロールやズームなどの操作が必要で見づらい、使いにくいと感じることがあります。
モバイルフレンドリー対応済みサイトは文字の大きさやレイアウトなどさまざまな工夫が施され、モバイル端末でも快適に閲覧できます。
SEO対策でもモバイルフレンドリー対応は重要な施策になりつつあります。モバイルフレンドリーは、GoogleがWebサイトの検索順位を決定する際の判断基準となるアルゴリズムの一つに含まれているためです。
モバイルフレンドリーにすべき理由
Webサイトを運営しているなら、モバイルフレンドリー化を推奨します。大きな理由はスマートフォンで検索するユーザー数が増えてきたからです。
検索順位の判断材料となるアルゴリズムの指標でもあるので、SEO効果も期待されます。さらにWebサイトを通じて得られるユーザーエクスペリエンスの観点からも実施が望ましい施策です。
スマートフォンでの検索が主流となっているため
モバイルフレンドリーにすべき決定的な理由は、Web検索でスマートフォンを用いるケースが主流になってきたためです。
総務省の通信利用動向調査を見ると、インターネットの利用機器としてPCを使用する割合が60.4%である一方、スマートフォンは81.8%と大きく上回っています。(令和2年時点)
平成30年時点ではスマートフォンのシェアは74.5%であるため、直近で数字がぐんと伸びているのがわかります。年齢別でも80代を除いた全世代でスマートフォンの利用率が最も高いという結果になりました。
利用形態に合わせて、webサイトを見やすい形に変更した方がユーザーの利便性は増します。スマートフォンで検索する人が主流なので、多数派が利用しやすいようにモバイルフレンドリー化した方が良いのです。
検索順位に影響を与えるため
モバイルフレンドリーに対応していないとGoogleからの評価が悪化し、検索順位が落ちる場合もあります。
2015年に行われたモバイルフレンドリーアップデートでは、モバイル対応ページの検索順位が引き上げられました。Googleはユーザーファーストの理念を掲げており、ユーザーの利便性を重視する姿勢はSEOでも変わりません。
たとえば画面が小さいスマートフォンで文章を読みやすくするために、文字間の間隔やフォントの大きさを変える必要があります。ただしモバイルフレンドリーは検索順位を決める一要素に過ぎず、対応したからといって確実に順位が上がるとは言い切れません。
ユーザビリティが向上するのは間違いないので、ユーザーにとって価値あるWebサイトだと判断され、間接的に順位アップの恩恵を受けられる可能性はあります。
ユーザーエクスペリエンスが向上するため
モバイルフレンドリー対応によって、ユーザーエクスペリエンス(ユーザーがサービスを通じて得られる体験)が向上します。たとえばPC用のページをスマートフォンで表示したとき、画面サイズに応じてテキストが縮小するため、文字が小さくなってしまいます。
興味がある情報でも文字が小さくて読めないと、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまうでしょう。つまりモバイルフレンドリー対応していないページは、ユーザーエクスペリエンスを損なうのです。
逆にモバイル端末向けの対応を施せば、多くのユーザーにとって満足度が高まります。滞在時間を伸ばすだけでなく、コンバージョンの改善も狙えるので、サイト運営者にとって価値が大きな施策です。
サイトにアクセスしているスマホユーザーの割合はサイトのジャンルによって異なります。
参考まで、私がディレクションしているオウンドメディアで言えば以下のようになっています。
住宅系サイト PC:スマホ=2:8
通信機器サイト PC:スマホ=1.5:8.5
美容系サイト PC:スマホ=1.5:8.5
サービス紹介サイト PC:スマホ=2:8
BtoB向けのサイトは、比較的PCからのアクセスが多いです。
一方でBtoC向けのサイトは、スマホからのアクセスが8割~9割程度となっています。
上記を見ればわかる通り、今ではモバイル端末を利用してWeb閲覧することが主流となっているため、モバイル端末向けにデザインをおこなうことは必須と言えるでしょう。
ページがモバイルフレンドリーかチェックできるツール
ツールを使用することで、ページがモバイルフレンドリーか簡単にチェックできます。
モバイルフレンドリーテスト
モバイルフレンドリーテストはGoogleが提供する無料ツールです。テストしたいページのURLを入力してチェックにかけるだけで、簡単に利用できます。
モバイルフレンドリーによって、フォントサイズの大きさやビューポート(表示領域)の設定、タップ要素同士の距離などに問題がないか分かります。設定項目に沿って、スマートフォンでの表示が最適な状態かチェックしてくれるわけです。
モバイルフレンドリーでない場合、エラーメッセージとともに理由や対処法も表示されるので、指示に則って対処すれば改善できます。
Google Search Console
検索順位の確認や改善に役立つ無料サービスGoogle Search Consoleもモバイルフレンドリーのチェックが可能なツールです。利用方法はログイン後メニューに表示される「モバイルユーザビリティ」をクリックするだけです。
モバイルフレンドリー対応済みなら「問題ありません」と表示されます。問題がある場合はクリック可能な要素同士が近すぎる、ビューポートが設定されていないなどエラーの原因も合わせて教えてくれます。
Google Search Consoleを使用する場合は検索順位やクリック数/クリック率をはじめ、検索パフォーマンスも確認しましょう。検索順位の高低によってモバイルフレンドリー化だけではSEO対策が不十分か判断できます。
PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsはページ表示速度の確認に使用するツールですが、モバイルフレンドリー対応かどうかも確認できます。
サイトURLを入力してツールにかけるだけで、PC表示とモバイル表示の表示速度をスコア付けして表示します。スコアは100点満点で、50点未満の場合は改善が推奨されます。
表示速度を改善すれば、ユーザーの利便性が増すのでモバイルユーザビリティの観点でも有効です。50点未満の場合、応答まで5秒以上かかる恐れもあり、イラつきを覚えたユーザーは読み込みが終わる前にサイトを閉じてしまう恐れがあります。
PC向けのWebサイトと比べてモバイルサイトは表示に時間がかかるケースも多いので、表示速度の高速化はチェックしておくべき項目です。
Google Test My Site
Google Test My Siteはモバイルサイトの表示速度を測定し、ユーザーエクスペリエンス向上のための適切な施策を提示するツールです。使い方は他のツールと同様に単純で、速度を計測したいサイトのURLを入力して丸矢印ボタンをクリックします。
読み込み速度以外にも、推定離脱率や同業種内の比較、Webサイトの速度を上げる方法などの情報も入手できます。
自社サイトと同業種のパフォーマンスが高いサイトの読み込み速度を比較でき、競合他社と比べたWebサイトの競争力がわかります。また優先度の高い修正点や、修正によって短縮を見込める読み込み時間も知ることが可能です。
ページをモバイルフレンドリーに対応する方法
ページをモバイルフレンドリー化する方法は次の3つが挙げられます。
レスポンシブウェブデザイン
レスポンシブウェブデザインはGoogleも推奨しているモバイルフレンドリー化の有効な方法です。PCやスマートフォンをはじめさまざまなデバイスに応じてCSSを切り替え、HTMLは一つでありながら複数の見せ方が可能です。
端末に合わせて画面の大きさや長さが自動で変更されるので、文字が小さくて読めなかったり縦に伸びて見づらくなったりといった危険を防げます。
モバイル端末用に別個のURLを用意しなくて良いです。PCとスマートフォンでページURLが異なる場合、処理に時間を要してしまいます。モバイルフレンドリー化には表示速度も重要な要素なので、対応する必要性は大きいです。
またあらゆる種類のデバイスから問題なくアクセスできるため、SEOにも効果的だと考えられています。URLの統一によってクロールに必要なリソースを節約できるほか、リンク効果が高まりやすいのもメリットです。
ダイナミックサービング
ダイナミックサービングは単一のURLに対して複数のHTMLを準備し、アクセスした端末の種類に応じて、HTMLを出し分ける行為を指します。端末によって配信内容を変えられるので、表示速度の改善にもつながります。
たとえばスマートフォンの場合、PC用コンテンツを読み込む必要がないため、不要な処理を省くことが可能です。ただし更新の度に2種類のHTMLを変更する必要があり、サーバーサイド言語を用いるため管理が複雑になりやすいデメリットもあります。
基本的にWebサイトは運用・更新が前提になるため、複数のHTMLを変更する手間がかかるダイナミックサービスは負担が増大しがちです。単一のデザインで複数のデバイスに対応でき、かつHTMLも一つで良いレスポンシブウェブデザインの方がより気軽に導入しやすいといえます。
セパレートURL
セパレートURLはその名の通り、端末ごとに別々のURLを準備する方法です。たとえばPC向けには「www.○○〇.com」、スマートフォン向けには「www.〇〇〇.com/□□/」などと設定します。
セパレートURLのメリットは制約が少なく、自由に作成しやすい点です。ただし誤ってURLが被ると、両方ともクロージングされる恐れがあります。混乱を避けるには端末ごとに別々のURLが存在することを検索エンジンに知らせるアノテーション設定が必要です。
Webサイトをモバイルで表示する方法は主に3つあります。
② モバイル用のURLを別で用意する
③ PCデザインのまま表示する
この中で、SEO上最も良いとされているのが「レスポンスデザインにする」ことです。
モバイル用とPC用にURLを分けてしまうと、モバイルファーストインデックスの関係上Googleが上手く評価できなくなり、順位低下の可能性があるのでSEO評価的に好ましくありません。
またPCデザインのまま表示してしまうと、モバイル端末で閲覧する際にコンテンツが小さくなり、ユーザビリティが落ちるので、SEO評価が下がってしまいます。
Googleが提唱するモバイルフレンドリーサイトを構築するための知識
Googleがモバイルフレンドリーの推進において重視している考え方を紹介します。まずは検索ユーザーにとって快適で閲覧しやすいWebサイトを作成することが重要です。
訪問者の気持ちを考え、どのようなカスタマージャーニーを辿るか明確化した上で、ユーザーが目的を達成できるようシンプルな設計を心がけます。他にも優先順位の設定や一貫したサイトデザインの構築など対応する必要があります。
検索ユーザーが快適に閲覧できるサイトを作成する
まずユーザーがスムーズに目的を達成しやすいWebサイトの構築に努めてください。訪問者がサイトを訪れる理由は、コラム記事を楽しんだり、サービスの特徴を調べたり、口コミをチェックしたりと人によってさまざまです。
ユーザーの気持ちに寄り添うために、カスタマージャーニーを作成します。できる限りユーザーエクスペリエンスを簡素化し、訪問者が行うアクションの回数を極力抑えます。
端的にいえば、必要な情報にアクセスするまでの道のりが短いのが理想的です。たとえばドッグフードの購入を検討しているユーザーが商品を検索し、Webサイトをクリックしたとします。
次に複数のドッグフードを閲覧し、その中から欲しい商品を購入するというユーザーの行動を考慮しましょう。そして、上記の流れをできるだけシンプルな過程で実現できるよう努めます。
優先順位を決めてウェブサイトの有効性を測定する
モバイルサイトの作成では、優先順位の設定が不可欠です。まずWebサイトにアクセスしたユーザーはどのようなタスクを重要視しているか考えます。
たとえばショッピングサイトを訪問したユーザーは使いやすさを重視するといった具合です。ユーザーがスムーズに目的を達成できるWebサイトの構築を考えたとき、訪問者が何を大切だと捉えているか把握することが必要です。
使いやすさを重視するユーザーに対しては、サイトデザインの工夫が有効です。一貫性があるインターフェースを採用し、ページにかかわらず統一したエクスペリエンスの提供を受ければ、違和感を得たり不便だと感じたりする恐れは低いでしょう。
一貫性のあるモバイル用テンプレートやデザインを選択する
端末の種類にかかわらず、一貫性があるテンプレート・テーマ・デザインを選ぶことも大切です。
このための代表的な手法がレスポンシブウェブデザインです。PC・タブレット・スマートフォンのいずれを使用してもURLは同じで、各デバイスの画面サイズに応じて自動的に表示サイズが変化します。
GoogleはダイナミックサービングやセパレートURLより、レスポンシブウェブデザインの使用を推奨しています。大きな理由はURLが一つで管理の手間が少なくて済むからです。
まとめ
Googleはモバイルフレンドリーを検索アルゴリズムの一つに組み込んでおり、検索上位を狙うためには無視できない施策です。またユーザーエクスペリエンスを考える上でも、スマートフォンで検索するユーザーが多数化した現在、モバイルフレンドリー対応は必須といえます。
Googleが推奨している具体的な方法は、レスポンシブウェブデザインの導入です。URLを複数用意する必要がなく、管理の手間が省けるのが主な理由です。
運営中のWebサイトがモバイルフレンドリーに対応しているかどうかはツールで簡単に確認できます。スマートフォン対応を考えていなかった方は、この機会に改善や変更を検討しても良いでしょう。
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監修者プロフィール
NEXER 工藤6つのオウンドメディアの運営責任者
2017年NEXERに入社。前職はスマートフォンの販売員。
NEXER入社後はSEOコンサルティング営業部、クライアントマーケティング事業部を経て、現在はオウンドメディアを6つ運営&管理の責任者を任されている。
新規で1から立ち上げた2つのサイトは年間100万PV以上のメディアに成長。
既存のオウンドメディアと、サイト買収をおこなった3つのサイトは、運用当初に比べて3倍~5倍の収益を出すメディアに成長。
さらに、2022年12月より新規でもう1サイトに挑戦中。
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