この記事の監修SEO会社
株式会社NEXER
2005年にSEO事業を開始し、計10,000社以上にSEOコンサルティング実績を持つSEOの専門会社。
自社でSEO研究チームを持ち、「クライアントのサイト分析」「コンテンツ対策」「外部対策」「内部対策」「クライアントサポート」全て自社のみで提供可能なフルオーダーSEOを提供している。
SEOのノウハウを活かして、年間数百万PVの自社メディアを複数運営。
スマートフォンの普及やスマートスピーカーの登場などにより、音声検索は身近なものになっています。「〇〇を教えて」と呼びかけると必要な答えが返ってくるため、文字を入力する手間がなく人と会話するような流れで欲しい情報を得られます。
この記事では、音声検索の現状や音声検索SEO(VSO)について解説します。VSOは通常のSEOと共通する部分はあるものの、違った視点も必要です。
もしSEO対策の基本から対策方法まで全て詳しく知りたい場合は「SEO対策とは?検索上位表示を狙う方法まとめ!」の記事でSEO対策の情報をまとめているので参考にしてみてください。
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目次
音声検索の現状
声を使ってインターネット上の情報を探せる音声検索は、文字の入力に慣れていない人でも検索をスピーディに行えて、別の作業をしながらでも検索が可能です。
音声検索の市場規模は年々拡大している
世界の音声・言語認識市場は2015年から2020年の間に大きく成長しており、さらに2021年から2026年にかけて19.5%の年平均成長率で拡大するとみられています 。また全世界において、スマートスピーカーの販売台数の累計は1億5,000万台に到達 しています。
ライフスタイルの変化、インターネットやスマートフォンの普及、人工知能などの技術の進歩、自動化への意識の高まりなどによって、スマート家電や音声認識技術を使った電子機器の需要が拡大 しているのです。
今では多くの人がスマートフォンを所有しており、いつでも気軽にインターネット上の情報を取得できます。iOSとAndroidの双方に音声入力デバイスの機能が備えられていて、音声検索は身近なものになっています。
日本人の多くは人前での音声検索に抵抗がある
音声検索の活用は浸透してきているものの、日本人の多くは人前での音声検索に抵抗があるというデータがあります。男女別では女性の方が抵抗がある人の割合が高く、音声操作を利用する場所としては外出先よりも自宅が多くなっているのです。
海外では日本よりも音声操作の普及が進んでおり 、日本人の国民性も影響していると考えられます。そのため、自宅や運転中の車内などの人目を気にしない空間で利用されやすい傾向があるのです。
音声検索は発展を続けていて、過去に音声検索をした際に使いにくいと感じた人も、最新の技術を使ってみるとその利便性や魅力に引き付けられることもあるでしょう。音声検索の精度向上によって、さらに普及していく可能性もあるといえます。
音声検索SEO(VSO)とは
「Voice Search Optimization」の略称で、音声検索最適化を意味します。SEOが検索エンジンの検索結果において上位表示を狙う手法である一方で、VSOは音声アシスタント機能を使った検索に適した形にする対策です。
通常のキーワード検索では「スマートフォン おすすめ」と単語で検索されますが、音声検索では「おすすめのスマートフォンを教えて」と人と会話するように尋ねます。
単語での検索とは違った言葉や言い回しが使われることもあり、最適化するための対策方法が変わってくるため、これまでのSEO対策に加えて異なる角度からのアプローチが必要になるのです。
VSOにおいても、SEOと同様にユーザーの検索意図に沿ったページや回答を表示することが基本です。そのため、SEOの観点はVSOでも重要であるといえます。
音声検索における11のランキング要因に関する項目
音声検索を最適化するためには、音声検索の傾向を把握することが必要です。Backlinko社による分析で発表された、音声検索における11のランキング要因を解説します。
ページの表示速度は重要
ページの表示速度が遅いとユーザーにとって利便性が低く、ページの離脱にもつながります。音声検索においても同様で、質問してから回答が返ってくるまでに時間がかかると、ユーザーの利便性が低くなってしまいます。
音声検索結果の読み込み速度は高速であることが分かっており、ページの表示速度が速いページの評価は高まるのです。表示速度を遅くしている原因を把握して、改善が必要です。
HTTPSサイトが検索結果には多い
HTTPSは通信を暗号化することでセキュリティを高めており、第三者による情報の盗聴などのリスクを防げます。Googleも通信の暗号化を推奨していて、HTTPSサイトが急速に増加しているのです。
音声検索結果のURLの70.4%がHTTPSを採用しているとされており、音声検索とHTTPSには関係があると考えられます。
Googleは短く簡潔な回答を好む
音声検索結果では、簡潔にまとめられた回答が好まれる傾向にあります。まわりくどい表現は避け、なくても通じる修飾語などは削除して、ユーザーへの素早い返答ができるように配慮することが必要です。
ただし、短くしようとして情報の不足がないように注意しましょう。ユーザーの検索意図を理解して、必要な情報と不要な情報を区別して簡潔にまとめることが重要です。
構造化マークアップはあまり重要ではない
構造化マークアップをすることで単語や文章に意味を持たせ、検索エンジンに認識されやすくしてくれるため、SEOの観点でよい効果が見込めます。
音声検索のランキングにおいて、構造化マークアップの実装が重要な役割を果たしているわけではありません。直接的な影響はありませんが、検索エンジンがページ内容を理解するのを促進するため、できるだけ実装する方がよいでしょう。
ドメインオーソリティの高いサイトが選ばれやすい
ドメインオーソリティとは、そのサイトが検索結果に上位表示される可能性を予測するものです。1から100までのスコアで表され、スコアが高いほどランキング能力が高いと判断できます 。
ドメインオーソリティは、外部リンクの数やリンクの質などを調べて評価されます。質のよいコンテンツを多く作成することで、自然と被リンクが集まりやすくなり、ドメインオーソリティを高められます。
ソーシャルでのシェア数が高い
音声検索結果と、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアでのシェア率の高さは関係性があるとされています。ユーザーが共有したくなるようなコンテンツは、音声検索結果で表示される可能性があるということです。
シェアによる直接的な効果というよりは、ソーシャルメディアを活用して多くのユーザーの目に触れやすくなることで、参照リンクからの自然な被リンクを集めることにつながり、間接的な効果が期待できます。
シンプルで読みやすいコンテンツが評価されやすい
ユーザーの質問に対して、シンプルに回答が伝わるようなコンテンツが評価される傾向にあります。専門用語や難しい言葉は避け、その分野の知識がない人でも理解できるような、読みやすい文章にすることが必要です。
いつ、どこで、誰が、何をといった必要なポイントを含めることや、発音しやすい簡単な単語を含めることなどにも配慮する必要があります。
タイトルタグに検索クエリを含む必要はない
SEOにおいて、タイトルタグの設定は基本的な対策です。タイトルに検索クエリを含めるようにして、検索上位表示を狙います。一方音声検索では、短い単語を入力するキーワード検索と違って長めの文章で検索することが多いです。
タイトルに検索キーワードを含めて完全に一致させることは重要な役割を果たしていないとされており、コンテンツの中にある一部分が抜き出される傾向があります。つまり、ページの内容が重要です。
Googleは長いコンテンツから回答を作成する傾向にある
Googleの音声検索結果は、単語が多く含まれた長いコンテンツのページから選ばれていることも分かっています。より多くの単語を含めているということは、音声検索結果としてユーザーの検索意図と一致する機会が増えるからです。
また、音声検索結果の2.68%が、よくある質問などのページからとなっています 。音声検索では長い質問で検索されることが多いため、質問の下に回答を掲載しているコンテンツは回答として最適な形になっているからです。
デスクトップで検索上位にあるコンテンツが選ばれやすい
音声検索結果の74.9%が、そのキーワードの検索順位3位までに表示されたページからのものであることも分かっています 。
ドメインパワーの強いサイトはキーワード検索において上位に表示される傾向があり、さらに音声検索においても好ましい回答として採用される可能性が高いのです。また、すでにキーワード検索で上位表示されるページは信頼性が高いと判断され、音声検索でも採用される可能性もあります。
強調スニペットで表示されているページが選ばれやすい
音声検索結果の40.7%が、強調スニペットで表示されているページから採用されています 。強調スニペットとは、キーワード検索において検索結果の画面上部に回答を分かりやすく表示させる仕組みのことです。該当のページに移動せずとも、ユーザーが必要な回答を得ることに役立ちます。
強調スニペットは「〜とは」のような質問に対する明確な回答を掲載しているページが採用されやすく、音声検索と共通する部分があります。
音声検索SEO(VSO)の対策方法
最後に、音声検索SEOの具体的な対策方法を5つご紹介します。
ページ表示速度の改善
音声検索SEOにおいて、ページの表示速度は重要です。GoogleアナリティクスやPageSpeed Insightsなどの無料ツールを使って表示速度を調べられます。
表示速度が遅い場合は、改善しましょう。読み込むファイル数が多いと表示速度が遅くなりますが、HTTP/2を実装すると多くのリクエストを同時に処理できるようになります。
また、画像のリサイズや圧縮をして画像データの軽量化を図ることや、HTMLやJavaScript、CSSの不要な記述を削減してファイルサイズを小さくすることなども効果的です。そのほかにも、キャッシュの有効化やAMPの設定など、表示速度改善のためにできることを行いましょう。
会話を意識した文章の作成
キーワード検索においては「ケーキ 作り方」と単語を区切って入力しますが、音声検索では「ケーキの作り方を教えて」といったように会話形式で呼びかけると考えられます。会話への返答をするつもりで、コンテンツを作成することが必要です。
文章を書く場合は基本的に書き言葉を使いますが、話し言葉を意識して取り入れてみましょう。話し言葉は親しみやすく、理解しやすいという特徴があります。難しい言葉を並べた文章よりも、会話で使うような分かりやすい言葉を選んで文章を作成します。
ローカルコンテンツの作成
音声検索を利用する場面を想像してみましょう。たとえば車の運転中に目的の施設やお店を探すとき、ハンズフリーで「近くのコンビニを探して」と調べられると便利です。また、自宅や今いる場所から近い店舗を探す場面も想定されます。
音声検索SEOでは、ローカル検索への対策も必要です。地名や業種名を含んだ見出しの作成や、住所・電話番号などの表示を行いましょう。
Googleマイビジネスに登録することもおすすめです。Google検索やGoogleマップに店舗の電話番号や住所、営業時間、サイトURLなどの基本情報や、店舗の写真も掲載できて、ビジネスチャンスへとつながります。
問答形式コンテンツの作成
よくある質問の問答形式のコンテンツは、音声検索と相性がよいです。「〇〇はどこに売っていますか」と質問に対してすぐ下に回答を示せるため、違和感なく質問と回答をセットでまとめられて、話し言葉も取り入れられます。
問答形式のコンテンツを作る際は、5W1Hを意識しましょう。いつ、どこで、何を、誰が、なぜ、どのようにというポイントを意識して盛り込むことで、ユーザーが知りたい情報に対して的確な答えを示すことに役立ちます。
1つの質問にいろいろな要素が混ざると、分かりにくくなります。ユーザーの疑問を想定して質問はシンプルにまとめ、過不足のない的確な答えを提示することがポイントです。
HTTPSによるサイト保護
HTTPやHTTPSは、利用環境が異なってもサイトのページを表示させるために必要な、世界共通のルールです。HTTPは暗号化されないままデータを通信している状態であり、セキュリティ面が懸念されます。「保護されていない通信」と警告が表示されます。
セキュリティ面を強化してサイトの信頼性を得るためには、データ通信を暗号化するHTTPSの導入がおすすめです。音声検索結果には、HTTPSサイトが多くなっています。
HTTPS化するための基本的な手順を解説します。まずCSR(証明書署名要求)を作成し、SSLサーバー証明書の申請と認証手続き、インストールを行います。HTTPSにソースコードを書き換えて、SSL化前のHTTPからのリダイレクト転送をして移行できるようにしておきましょう。
SEO専門家の見解
音声検索と言うと、iPhoneの「Siri」や、Amazonデバイスの「Alexa」を想像する方が多いでしょう。
実は音声検索には2種類あり、テキスト入力の替わりに音声を使用して検索バーに検索キーワードを入力する方法と、Alexaなどのデバイスに直接質問して、Webを参照した回答が返されるパターンがあります。
前者においては「音声でテキストを作っているだけで」検索結果には関しては通常の検索と変わりません。
ただし、入力したクエリは「会話形式の文章」になるので、Google検索アルゴリズムのBERTアップデートを意識する必要があります。
BERTアップデートとは、2019年のGoogle検索アルゴリズムのアップデートとして、自然言語処理技術が導入されました。
今までは昼食に池袋でイタリアンを食べたい場合は「池袋 イタリアン ランチ」とキーワードを繋げて検索するのが一般的でした。
しかし、BERTアップデートによって、自然言語の文脈を理解できるようになったため「池袋でランチにおすすめなイタリアンのお店」みたいな検索クエリでも、よりニーズにマッチする検索結果が表示されるようになったのです。
詳しくは下記記事をご覧ください。
> Googleが誇るBERTとは?特徴・仕組み・必要なSEO対策
後者においては、デバイスからの音声による回答は、自社サイトの利益に直結しづらいため、あまり意識する必要はないと考えます。
どうしてもヒットさせたい場合は、まずはSEOで検索上位を獲得することが近道でしょう。
まとめ
音声検索の市場規模は拡大しており、今後も広がっていくと考えられます。キーワードを入力する検索と違って画面を見ずにハンズフリーで知りたい情報を得られるため、運転中や手が離せないときやほかの作業をしながらでも便利に使えます。文字の入力に慣れていない人でも、気軽に検索ができるでしょう。
音声検索の結果に採用されるためには、SEO対策だけでは不十分といえます。SEOの知識も取り入れつつ、違った角度からも対策を講じることが重要です。具体的には、ページ表示速度の改善やサイトのHTTPS化、会話を意識した分かりやすい文章の作成、ローカル検索への対策などが挙げられます。
監修者プロフィール
NEXER 工藤6つのオウンドメディアの運営責任者
2017年NEXERに入社。前職はスマートフォンの販売員。
NEXER入社後はSEOコンサルティング営業部、クライアントマーケティング事業部を経て、現在はオウンドメディアを6つ運営&管理の責任者を任されている。
新規で1から立ち上げた2つのサイトは年間100万PV以上のメディアに成長。
既存のオウンドメディアと、サイト買収をおこなった3つのサイトは、運用当初に比べて3倍~5倍の収益を出すメディアに成長。
さらに、2022年12月より新規でもう1サイトに挑戦中。
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