この記事の監修SEO会社
株式会社NEXER
2005年にSEO事業を開始し、計10,000社以上にSEOコンサルティング実績を持つSEOの専門会社。
自社でSEO研究チームを持ち、「クライアントのサイト分析」「コンテンツ対策」「外部対策」「内部対策」「クライアントサポート」全て自社のみで提供可能なフルオーダーSEOを提供している。
SEOのノウハウを活かして、年間数百万PVの自社メディアを複数運営。
株式会社NEXERが分析した2024年5月の最新SEO動向について、詳しく紹介します。
2024年5月におこったSEO関連のニュース
2024年5月に話題となったSEO関連ニュースを時系列でご案内いたします。
SEOニュースをひとつずつ詳しくご紹介します。
① 「サイトの評判の不正使用」に関するスパムポリシーの適用開始!(2024/5/5)
5月5日、Googleは「サイトの評判の不正使用」に関するスパムポリシーの適用を開始しました。これは、3月5日のスパムアップデートと同時に発表された「スパムに関する新しいポリシー」に記載されたものの一つで、サイト所有者がこの変更に対する準備を行う時間を確保するために2ヶ月の猶予を経て適用されました。
現在のランキング結果が大きく変動する可能性のある内容なので、サイト運営者様は是非ご確認頂けたらと思います。
Google公式エックスより
■サイトの評判の不正使用について
◆サイトの評判の不正使用とは
Googleから高い評価を受けているドメインに、サブディレクトリやサブドメインを借りてサイトを運用し、親ドメインの評価を利用することで、自分のサイトの検索順位を向上させることを狙うことなどを指しています。※日本では寄生サイトと呼ばれています。
◆ポリシー違反の対象
検索ランキングの操作を目的として、親ドメインから十分な監視を受けずにサイトを運用している場合のみ違反となる。
◆ポリシー違反の対象になった場合に起こること
・Googleサーチコンソールに手動対策のメッセージが届く。
・検索順位の低下 or ページのインデックス削除。
◆スパムポリシー適用後の結果
・今のところ手動による対策のみ実施されている(下画像)
・現在ペナルティになっているのは、主にわかりやすくドメイン借りをおこなっているサイト。
・ドメインを借りているが、ペナルティを受けていないサイトも数多くある。
今後の展望
Googleは今回のスパム対策は「手動」と「アルゴリズム」の両方によるものだと発言していましたが、5月7日時点では、公式Xによるとまだ手動による対策しかおこなわれていません。
今後アルゴリズムによる対応も追加されるようなので、現時点で手動ペナルティを受けていないサイトも日々の順位動向に注視しておきましょう。
自社ドメイン配下でオウンドメディアを展開している事業者は、ペナルティ対象になる可能性を危惧されるかもしれませんが、今回報告された内容から、現状はGoogleに自社で運用しているメディアという点が伝わっていれば通知が来るようなことはないようです。
今回報告された『監視を受けず運用』という点を考慮すると、サイト内で相互にリンクのつながりがある事などが関係している様にも思いますが、気になる方はその点も考慮し、サイトの見直しを行われてみるのがよいでしょう。
②Googleが新機能を追加したAI検索「AI Overview(旧SGE)」を正式リリース!(2024/5/14)
5月14日(米国時間)に開催されたGoogleの開発者向けイベント「Google I/O 2024」にて、これまでSGEとして試験的に運用されていたAI検索機能について、改めて「AI Overview」という名称で正式公開すると発表がありました。
公式ブログにて報告された内容から、AI Overviewが実装された場合の検索機能について以下にまとめますので、今後のAI検索について興味のある方はご確認頂けたらと思います。
■AI Overviewの特徴まとめ
・AI Overviewに表示されるリンクは自動で決定され、検索ガイドラインに沿った対策以外で特別な対策は不要。
・AI検索機能をオンにしているユーザーだけでなく、全てのユーザーにデフォルトで表示される。
・旅行や食事、トレーニング、デートなどの計画を立てることができる。
・動画による質問をできるようになる。
・回答の複雑さをカスタマイズできるようになる。
⇒具体例:トピック初心者や子供には簡単でわかりやすい回答にすることができる。
・マルチステップ推論を導入し、より複雑な文章にも正確に回答できるようになる。
⇒具体例:「新宿で最高のヨガ又はピラティススタジオを探して、そのスタジオの紹介と、新宿駅からどのくらいかかるか詳細に教えて」など複雑な条件を付与した質問でも、すべての条件を念頭に置きながら適切な回答ができる。
今後の展望
AI Overviews の機能は、5月14日の時点で米国のみで公開されまして、SGEの試験運用開始から1年経過し、ようやく本格的な運用が行われることになりました。他の国でも順次実装する予定とのことですが、すでにAndloidユーザーであれば、試験運用のSGEの結果を普段利用されている方も多いような状況もありますので、そう長くない期間で日本でも適用されるかもしれません。
Googleによると、SGEの回答に含まれるリンクは通常の自然検索結果よりもクリック率が高いとされています。
そのため、日本でAI Overviewが導入された場合、現在自然検索で上位に表示されているサイトでも、トラフィックの減少は否めませんが、AI Overviewにリンクが掲載される場合も検索毎に変わり、概ね上位にいなければ掲載されない傾向に見えますので、これまで通り基本的には上位を目指すよう対策するのが良いかと思います。
③ GoogleがSEOスターターガイドを大幅削減、ランキングへの影響について話す。(2024/5/23)
5月23日、Google Search Centralの公式YouTubeチャンネルで、Google検索の舞台裏や内部の仕組みを紹介するポッドキャスト番組「Search Off the Record」が配信されました。
その中で、SEOに関する質問に回答し、特にコンテンツ対策に役立つ情報が含まれていたので、その質問とGoogleの回答を紹介します。
コンテンツ対策を実践されているWEB担当者様は、ぜひご覧ください。
■SEOスターターガイドのコンテンツ量を削減したことによる検索順位への影響は?
◆質問内容
「SEOスターターガイドのコンテンツを53%削減したことは、Googleのランキングシステムは長いコンテンツよりも短いコンテンツを好むことを示唆しているのでしょうか?」
◆質問の背景
Googleは、初心者向けのSEO対策ガイドである「SEOスターターガイド」という公式ページを提供しています。もともとこのガイドは日本語ベースで約24,000文字あり、初心者には内容が多すぎると感じられるものでした。しかし、2024年2月にガイドが刷新され、専門的な説明の削除や内容の簡潔化が行われることで、初心者でも理解しやすい内容に改訂されました。
結果的にコンテンツのボリュームは半分以下(日本語では約10,000文字)になっています。
◆Googleジョン・ミュラー氏の回答の要約
・ランキング低下の懸念はあったが、ユーザーのためになると思い、SEOスターターガイドを刷新した。
・意図したものではないが、結果的に検索順位は上昇した。
・コンテンツは53%削減されたが、依然としてガイドの中で最もコンテンツ量の多いページである。
・長すぎるコンテンツはユーザーにとって障害になる可能性がある。
今後の展望
今回のSEOスターターガイドの例により、コンテンツ量を削減したことによって検索順位がマイナスになるわけではないことと、それがユーザーの利便性を上げることを含め、役立つコンテンツと認識されることで順位上昇することがあることもわかりました。
Googleのアルゴリズムは情報量ではなく質を重要視している傾向にあるため、質を上げるためには削除することも必要という点も含め、ユーザーにわかりやすいコンテンツ作りを心がけましょう。
未だ『関連するキーワードを多く含めた長文コンテンツの方が順位を上げるには良い』と考えている方も多いのですが、これらは現在、ヘルプフルコンテンツのアルゴリズムにより良しとされておりません。
例えば、長文記事にアクセスした場合、見るのが面倒なことですぐに離脱するユーザーも増えます。
今回取り上げた報告は、Googleの公式であっても、また、いいコンテンツであっても、長文でユーザーの役には立っていないと判断』されるいい例が報告されたのものと思います。
皆さまも参考にユーザーがどう思うか考えページ作りを心がけてみてください。
④ Googleの検索アルゴリズムの基となるソースコードが漏洩か!?(2024/5/27)
5月27日、SEOツール会社「Moz」の共同設立者であるRand Fishkin氏が、Googleの検索部門内部から漏洩したAPI文書を入手し、その内容をブログで報告しました。
文書にはランキングに使用されていると推測される情報が多数含まれており、その真偽が話題となっていたのですが、5月30日Googleも内容は本物だと認め、その内容に注目が集まっています。
以下参考サイトを元にリークされた情報についてわかることをまとめますのでアルゴリズムに興味のある方はご覧になられてください。
■文書から推測できるランキング要因
※参考記事URL:https://ipullrank.com/google-algo-leak
・クリックデータをランキングに使用している。
・サイトオーソリティ(サイトの権威性)は存在する。
・主要なランキングアルゴリズムで順位決定後、Twiddlerという機能によって、「ユーザー行動」や「ページの新鮮さ」など特定の要素に基づいて順位変更がおこなわれる。
・「アンカーの不一致」「ユーザーの不満」「UXの問題」「完全一致ドメイン」「ポルノ」など の要素により、順位降格がおこなわれている。
・著者は明確な特徴として包括的な測定が行われている。
・インデックス階層はリンクの価値に影響を与える。
・短いコンテンツは独創性に基づいてスコア付けされる。
・小規模な個人サイトを特定し、何らかの評価に使われている可能性がある。
・ホームページの信頼度に基づいて、リンクを評価する方法を決定している。
・文章量に最大数が設けられていて、超えた文章は切り捨てられるため、重要なコンテンツは先頭に配置すべき。
今後の展望
SEOに理解ある方は、今回流出した文書の内容は、以前よりSEO情報等で『現在のアルゴリズムを考えるとそのように判定しているのではないか』と考察や検証が行われてきた内容を決定付けてくれた情報かと思います。また、今回のリークは、なにか抜け道が発見されたというものではありませんが、SEOを行う上で意識する点がピックアップされましたので、上記内容をご確認し、今後の対策に役立てて頂けたらと思います。
最近の対策で意識するべき、検索意図に関わるであろうユーザー行動や、新しい情報が優位となるページ更新、ニュース01で報告しているドメインのオーソリティの評価、ニュース03にも関わる長文コンテンツが切り捨てられるといった点も、リークされた内容より重要であることがわかりました。
その中でも特に「ユーザー行動」による、クリックデータやユーザーの不満といった離脱を判定するような要素は『ユーザーに役立つコンテンツ』という評価基準に関わりがあるものと思われますので、日頃より意識しサイトの運用をして頂けたらと思います。
2024年5月の順位変動の推移
弊社のSEO対策による順位変動を、以下2点のグラフデータにてご報告いたします。
グラフ①:日毎の順位変動値&対策効果評価グラフ
5月はGW明けの5月11日より、変動し始め、変動値の高い状態が月末まで継続しました。(※順位変動グラフより)
特に5月17日以降は、20位以内へ上昇する案件が多く、内部対策を行ったページを中心に上昇する傾向がみられました。
よって、現在行っている対策の効果が出ている状況と判断しております。(※対策効果評価グラフより)
グラフ②:順位推移円グラフ
5月は、3月・4月と比べても全体的な上昇の割合が高く、特に20位以内への上昇が普段よりも多い月となりました。
3月4月と行われていたスパムアップデートやコアアップデートが終わり、その間反映されていなかった評価を含め、あらたな基準による評価反映がプラスに働き、全体的に上昇件数が多くなったものと考察しております。
コアアップデートの終了した先月に続き、今月も『検索意図を意識した内部対策』を進めたサイトを中心に上昇傾向が見られます。
また変動の多い日が現状も継続しておりますので、順位変動には注視しながら、今月も引き続き、検索意図を意識した対策を行って参ります。
2024年5月のSEOレポートまとめ
① 「サイトの評判の不正使用」に関するスパムポリシーの適用開始!
→5月5日、Googleは「サイトの評判の不正使用」に関するスパムポリシーの適用を開始しました。一部の寄生サイトに手動ペナルティが適用されました。
② Googleが新機能を追加したAI検索「AI Overview(旧SGE)」を正式リリース!
→5月14日、Googleの開発者向けイベント「Google I/O 2024」にて、これまでSGEとして試験的に運用されていたAI検索機能について、改めて「AI Overview」という名称で正式公開すると発表がありました。
③ GoogleがSEOスターターガイドを大幅削減、ランキングへの影響について話す。
→5月23日、Google Search Centralの公式YouTubeチャンネルで「Search Off the Record」が配信されました。その中で、SEOに関する質問に回答しました。
④ Googleの検索アルゴリズムの基となるソースコードが漏洩か!?
→5月27日、SEOツール会社「Moz」の共同設立者であるRand Fishkin氏が、Googleの検索部門内部から漏洩したAPI文書を入手し、その内容をブログで報告しました。文書にはランキングに使用されていると推測される情報が多数含まれています。
4月にコアアップデートが終わり、5月からは更新された基準で順位反映が行われているもの思いますが、5月の順位上昇の割合も62%と全体的に順位の底上げがみられまして、弊社の検索意図を意識した対策効果は出ているもの思います。
その他にも、これまで順位の動かなかったページが上昇する特徴がみられる点を考慮しますと、先月のスパムアップデートにより評価を落とされた情報サイトが増えた事で、これまで評価されなかったページが評価される状況にあるものと考察しています。
以上が2024年5月の最新SEO情報のまとめです。
別途でSEOの具体的な対策方法を知りたい方は以下の記事にまとめているので、参考にしてください。
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