この記事の監修SEO会社
株式会社NEXER
2005年にSEO事業を開始し、計10,000社以上にSEOコンサルティング実績を持つSEOの専門会社。
自社でSEO研究チームを持ち、「クライアントのサイト分析」「コンテンツ対策」「外部対策」「内部対策」「クライアントサポート」全て自社のみで提供可能なフルオーダーSEOを提供している。
SEOのノウハウを活かして、年間数百万PVの自社メディアを複数運営。
株式会社NEXERが分析した2023年10月の最新SEO動向について、詳しく紹介します。
2023年10月におこったSEO関連のニュース
10月に話題となったSEO関連ニュースを時系列でご案内いたします。
SEOニュースをひとつずつ詳しくご紹介します。
① スパムアプデート(5日)、コアアプデート(6日)、異例の同時展開!(2023/10/5)
10月5日(日本時間)早朝、スパムアップデートの展開報告があり、翌早朝、続けてコアアップデートの展開も報告がありまして、異例ではありますが、大きめなアルゴリズムの同時展開が行われました。
また、前月9月14日にコアアップデートが終了したばかりの為、1ヶ月を待たず展開という点も異例となります。
SEOニュース3にて今回のコアアップデートの分析結果を報告しておりますが、こちらではスパムアップデートやコアアップデートがどういうものか説明致しますので、10月の変動を理解する為にもご確認頂けたらと思います。
◆スパムアップデートとコアアップデートの簡易説明
■スパムアップデート簡易説明
‧スパムアップデートとは、検索結果に不用と思われるインデックスを排除処理するアルゴリズムとなります。
例えば他人のサイトを複製してサイトに誘導し、お金を振り込ませるなどの悪質なページ等が検索結果に出なくなります。
この展開期間は逆に消えていたスパムページが復活する特徴もありまして、特に過去にサイトが複製されスパム被害を受けたサイトなどでは、その影響により順位が一時的に低下し、数日で戻る傾向も見られますので、順位が動いた場合は様子を見る必要もございます。尚、過去の傾向からコアアプデートの前に、展開される事の多いアップデートとなります。
■コアアップデート簡易説明
‧コアアップデートとは、検索結果のベースとなる評価基準のアルゴリズムのアップデートのことを言います。
また、評価基準となる部分のアップデートの為、基準が変わる事で大きめの変動が起こる可能性の高いアップデートとなります。
去年あたりまでは人々の暮らしや健康に関わるキーワードが変動する特徴が強く見られていましたが、最近の傾向では、コンテンツやドメインの信用性を図るような特徴や、ユーザーの役に立つコンテンツにあるかなどいった指標から変動している傾向が見られます。
今後の展望
この展開期間に順位の動いたサイトは、上記説明に関わる影響により動いているものと思われますので、その点考慮し、10月の順位状況を確認してみるのも良いでしょう。
尚、ニュース3にて今回のコアアップデートによる変動の分析結果を報告しておりますので、併せてご確認頂ければと思います。
最近大きめのアップデートを連続展開しているのですが、しばらく継続するかもしれません。
7月中旬ごろより何か新しい検索結果に変化している様な状況が見られまして、より言語理解が進んでいる印象を受けるのですが、8月よりSGEの試験運用が始まりましたので、もしかするとSGEを搭載した際の新しい検索結果へと変化させている過程にあるのかもしれません。
② GoogleのAIシステム『Bard』の拒否設定をしても検索ではコンテンツが利用されることが明らかに(2023/10/7)
10月7日、海外のSEO情報サイトとして有名な『Search Engine Roundtable』の取材にて、9月27日に導入された、AIシステム『BARD』へのindex拒否指定に関しては、今後導入予定の『SGE』の回答結果に対して効果はないことがあきらかになりました。
テクニカルな情報となりますが、SEO担当者や、Googleのコンテンツ引用や著作権問題に関心のある方はご確認頂けたらと思います。
◆情報の経緯
■BARDへのインデックス拒否方法が決定。
‧先月9月27日、Googleの公式ブログにて、GoogleのAIシステム『BARD』のコンテンツへのアクセス拒否方法について技術的な説明を含めた報告がありました。
➾ 具体的には、robots.txt(※) に『Google-Extended』への指定を記述する事で拒否する事が出来ます。
(※robots.txtとは、ドメイン直下に置く検索エンジンのクローラー等への制御を指示できるファイル)
▼参照記事
An update on web publisher controls
■今回の話題のポイント
‧拒否方法が決定したことで、今後Google検索に実装予定の『SGE』に使われているBARDにも適用され、SGEの回答結果に利用されないものと思っていた方も多くいたのですが、今回、『Search Engine Roundtable』の取材にて、そうではない事が明らかになり話題となりました。
恐らく多くのSEO関係者が『SGE』=『BARD』と誤解をしていた部分があったかと思いますが、こちらの情報によって『SGE』は一つの検索機能でしか無いという事や、BARDは検索結果以外でも例えばスマホに利用されているAIなど、多くのサービスで利用されていることも再認識することとなりました。
◆今後の展望
参考情報のページにて、有名ブランドのサイトにて拒否設定していたがSGEの回答に出た状況を画像付きで説明していますが、現状SGEに出させない設定は無く、出さないようにする為には、通常の検索結果へのインデックス拒否方法と同様の設定をすることになるので、慎重な判断が必要となります。
しかしながら、今後SGEでの回答に利用されない方法が出てくるものと思いますので、著作権などの問題を懸念されている方は、本格実装されるまで状況を見守りましょう。
SGE(AI)の回答にて、『これまでの通常検索の方は利用されなくなる』『情報サイトへのアクセスは減少する』『オリジナルコンテンツが悪用される』など、懸念の声も多い一方で、検索ユーザー目線になると、便利だという声の多いSGEの機能ですが、本格稼働に向けてその辺の問題点を調整してくるものと思います。
SEOに関わる方は、今後どの様にSGEの回答からサイトへの導線を作るかという点と、この著作権等の問題に対してどのように対応するのかは注目されてみてください。
③ スパムアプデートとコアアプデート同日終了!※弊社の変動調査結果報告(2023/10/20)
10月5日に開始したスパムアップデートと、6日に開始したコアアップデートが、10月20日に同時に終了しました。
9月に終了したばかりのコアアップデートから異例の続けての開始となり、何か大きく検索結果の変更を進めているような背景も見えてきますが、今回も弊社の対策サイトの変動状況より、コアアップデートの分析結果を報告しますので、是非ご確認いただければと思います。
【変動調査報告】今回の変動の特徴について
■変動の特徴 (※弊社の対策キーワードのデータより)
1.一部の情報系クエリから情報サイトが減少し事業者サイトが表示されるよう検索意図が変化。
2.7月中旬から1週間ほど大変動を継続し、大きく低下傾向にあったが、それらが戻る傾向。
3.検索意図を意識したサイトが上昇している事。
4.そのサイトの専門分野とは関係のないコンテンツの順位が低下傾向。
■各項目の説明
▼1の説明
主に『単体ワード』や『地域+単体ワード』などのビックワードにて起きている症状です。
これらのワードでは全体的に情報サイトが減少している傾向はみられるのですが、そのうちの1割程では、10位内に9件あったものが1,2件へと、大幅に減少している状況も確認しています。
▼2の説明
7月中旬から1週間ほど大変動をしていた間、1と同じようなワードにて、事業者サイトが消え、情報サイトが表示されるような逆の変化が起きていたのですが、上昇したキーワードの1割程が元に戻る変化もみられました。
この傾向は前回のコアアップデートから継続しており、何か改めて学習した結果、7月の状態に戻って来ている様な印象もあります。
▼3の説明
20位以上に上昇した案件の6割は9月以降内部対策を実施したサイトということからも、検索意図を意識したサイトが優位な状態にあるものと思われます。
▼4の説明
低下した案件の特徴をみますと、対策しているワードの中で、サイトの専門分野とは関係のないキーワードだけが低下したり、多ジャンルサイトが低下する特徴もみられました。※今後影響が拡大しそうな変化の為注視が必要。
■変動の考察
以上の特徴より、コンテンツ理解や、検索意図の理解が進んだことで、検索意図の変化や検索意図にマッチしたサイトが評価されたものと考えていますが、その他にもサイトの専門性を図るような指標も入り、そのKWに特化したサイトの情報を信用するような変化も多少あったものと考察しています。
今後の展望
連続してのコアアップデートとなりますが、最新の情報ですと11月3日にもコアが開始されましたので、何か新しい基準を入れる為に大きく検索結果を変化、更新しているように思います。
まだ目的の結果には至ってはいない状況にあるものと考えますと、恐らく年内は順位状況を見守る必要があるかと思います。
検索意図の理解が進化している中、次はコンテンツの信用性を図るように動いているような印象を受けます。
上記の変動の特徴からも、恐らくドメイン単位での専門性を図り評価するよう進めている状況の様に思いますので、専門分野とは関係のない情報が多いサイトは、情報を分野ごとに分けて運用するなどの工夫が今後必要になるかもしれません。
④ MFI完全移行終了。7年かけてついに終了へ!(2023/10/31)
10月31日、2016年より試験を開始し、2018年3月より正式に移行を開始したMFI(モバイルファーストインデックス)への完全移行が終了したと、Googleのジョン‧ミューラー氏より公式ブログにて報告がありました。
モバイルサイトを見た際に確認できるページ情報にて検索結果の順位付けを行うというもので、約7年の歳月を経て、ようやく完全移行が終了することとなりました。
MFIの完全移行についての記事の報告内容や影響についてまとめますので、今の検索エンジンの理解の為にもご確認頂ければと思います。
記事の内容とMFIについておさらい
■記事内容の要約
‧2015年からモバイルフレンドリーなサイトに焦点を当て、2016年よりモバイルファーストのクロールとインデックス登録を開始し、ユーザーが携帯電話でウェブサイトにアクセスしたときに表示されるコンテンツを Google 検索でインデックスに登録できるようになりました。
‧正しく評価される為には、モバイルウェブページと対応するデスクトップバージョンのページは同じコンテンツ内容にする必要がある為、WEBサイトに大きな変化を伴いましたが、それらに対応したWEBの関係者様のご協力に感謝します。
▼次のステップとして
‧非常に少数のサイトで、モバイルデバイスでまったく機能しないなど、Googleでは解決できない問題もあるのですが、当面の間、これらのサイトは従来のパソコン版 Googlebot クローラで引き続きクロールし、年に数回リストを再評価する予定。
▼サーチコンソールの変更点
‧サーチコンソールのインデックス登録クローラ情報をオフにし、今後は、GoogleBOTのタイプ別のアクセス情報のレポートを表示するようになりました。
今後の展望
MFI移行の経緯としては、2018年3月から開始し、2年程は3、4ヶ月くらいの間隔で移行を行っていましたが、移行できないサイトへの対応問題があり、完全移行予定日は毎年延期されながら今回ようやく7年の月日を経て、終了する事となりました。
すでに多くのサイトがモバイルに対応している為、多くのサイトにとっては影響はありませんが、まだモバイル対応していないごく一部のサイトは、報告にある『年に数回の再評価』時に順位を落とす可能性がありますので、ご注意頂けたらと思います。
昔のなごりで現在でもスマートフォン用のサイトとPC用サイトで分けているサイトもございますが、今はブラウザーによってレイアウトを変えるレスポンシブ対応が主流になり、同じページでコンテンツは変えずレイアウトを変える方法がございます。
コンテンツに差があることで、評価を落としこれまでの順位より低下する可能性もございますので、まだ分けて運用されているサイトはこれを機会にそのようなデザインに変更されることをお勧め致します。
2023年10月の順位変動の推移
弊社のSEO対策による順位変動を、以下2点のグラフデータにてご報告いたします。
グラフ①:日毎の順位変動値&対策効果評価グラフ
10月は4日にコアアップデートが展開されまして、開始時の5日と6日に大変動を観測しました。(※順位変動グラフ参照)
その後は中変動を継続しますが、一部の検索結果から情報サイトが減少し、代わりに事業者サイトが表示される傾向や、検索意図を理解しているサイトが上昇する傾向が継続してみられ、弊社としては大きく上昇する月となりました。(※対策効果評価グラフ参照)
※5日は変動中の順位計測により正しく計測できないサイトが多くありグラフが低下しております。
グラフ②:順位推移円グラフ
特に検索結果1ページ目や2ページ目の変化が多かったことも影響しておりますが、先月に続き10位内に上昇する割合が高い状態にあり、20以内に上昇したサイトの割合を加えると約5割と、大きく変動した月ではあるものの、上昇する案件が非常に多い月となりました。
よって、現在の対策効果の影響が強くプラスに働いている状況にあるものと判断しております。
現在コアアップデートを連続して展開していますが、その都度上昇している傾向にあります。
検索意図が深く理解され、その検索意図を意識した対策を心がけていることで上昇しているものと思われますので、引き続き、現状の対策とアップデートの変化に対応するよう分析を行い、適切な対応を行えるよう対応を進めて参ります。
2023年10月のSEOレポートまとめ
① スパムアプデート(5日)、コアアプデート(6日)、異例の同時展開!
→10月5日、スパムアップデートの展開報告があり、翌早朝、続けてコアアップデートの展開も報告がありまして、異例ではありますが、大きめなアルゴリズムの同時展開が行われました。
② GoogleのAIシステム『Bard』の拒否設定をしても検索ではコンテンツが利用されることが明らかに
→10月7日、海外のSEO情報サイトとして有名な『Search Engine Roundtable』の取材にて、9月27日に導入された、AIシステム『BARD』へのindex拒否指定に関しては、今後導入予定の『SGE』の回答結果に対して効果はないことがあきらかになりました。
③ スパムアプデートとコアアプデート同日終了!
→10月20日、10月5日に開始したスパムアップデートと、6日に開始したコアアップデートが、20日同時に終了しました。
④ MFI完全移行終了。7年かけてついに終了へ!
→10月31日、2016年より試験を開始し、2018年3月より正式に移行を開始したMFI(モバイルファーストインデックス)への完全移行が終了したと、Googleのジョン‧ミューラー氏より公式ブログにて報告がありました。
検索意図の変化にて、一部のキーワードにて情報サイトが減少し、その代わり事業者サイトが上昇する傾向が強かったコアアップデートという側面もありますが、20位以内に上昇した案件の6割が9月以降に内部対策を実施したサイトという結果からも、現在の検索意図を意識した対策の効果が現れたものと思います。
Googleの方針や検索結果からも、『信用性のある役立つ情報を表示』させるように進化している側面もみられますので、今後、より検索意図を意識した対策を心がける必要があるものと思われます。
以上が2023年10月の最新SEO情報のまとめです。
別途でSEOの具体的な対策方法を知りたい方は以下の記事にまとめているので、参考にしてください。
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