注文住宅を購入するまでの流れを解説!所要期間や注意点もチェック

マイホームの購入は、人生においてとても大きな買い物です。その中でも注文住宅を建てるとなると、夢や希望へのこだわりもひとしおです。一生に何度もできる買い物ではないので、注文住宅の購入から入居までの流れを事前に知っておくことで、戸惑うことなく念願のマイホームを手に入れることができます。

この記事では、注文住宅購入の流れを解説していきます。あわせて注文住宅を購入するのにかかる所用期間や注意点もお伝えしていくので、これからマイホームを購入しようと考えている方はぜひお役立てください!

注文住宅を購入する9つの流れ

まずはじめに、注文住宅を購入する際のおおまかな流れを紹介していきます。注文住宅の購入を検討している方がイメージを持ちやすいように9つのステップに分けて記載していくので、参考にしてみてください。

  1. 予算を検討する
  2. 理想の住まいのイメージづくり
  3. ハウスメーカーや工務店を探す
  4. 土地探しと土地の売買契約
  5. 間取りと見積もりの提案
  6. 工事請負契約(本契約)を結ぶ
  7. プランの確定
  8. 着工
  9. 竣工・引き渡し後に入居開始

ステップ1:予算を検討する

家づくりをすると決まったら、はじめに予算を検討していきます。「自己資金額」「住宅ローンの借入額」「総予算」の3つを重視して計画しましょう。

まずはあなたの家族の収入や資金状況を確認し、家の購入に充てられる自己資金を明確にしましょう。

次に、住宅ローンの融資可能額を確認します。注文住宅の購入は大金を要するため、金融機関に住宅ローンを申し込み、借入額から月々の返済額を支払っていくのがよくあるパターンです。

「自己資金額」と「住宅ローンの借入額」が明確になったら、注文住宅購入に必要な「総予算」を検討します。総予算には注文住宅の本体工事費だけでなく、土地代やその他費用も含まれるので注意しましょう。

家づくりの予算を決める際は、住まいに求める要素の優先順位を決めておくことをおすすめします。暮らしにおいて何を重視するのかをあらかじめ明確に決めておくことで、予算の中で何を優先するべきか把握できます。

人生で一度きりの大きなお買い物なので張り切って大金を使って家づくりをするのも良いですが、お金をかけすぎて住み始めてからローンに追われるばかりになってはせっかくの新居の暮らしが台無しです。住み始めてからの生活のことも考慮し、経済的な余裕を持って予算を設定しましょう。

ステップ2:理想の住まいのイメージづくり

マイホームにたくさんのことを求めたくなるのは当然ですが、すべての要望を実現しようとするととんでもない予算が必要になってしまうことも。住まいに求める希望条件を整理し、優先したい順番などを考えておきましょう。

人気のある条件を以下にまとめたので、理想の住まいのイメージづくりにお役立てください。

マイホームの人気希望条件の例
・交通アクセスの良さ
・安全な環境
・子育て環境の充実
・自然の豊富さ
・暮らしやすい間取り
・おしゃれなデザイン

家族のライフスタイルや好みに合わせて、条件を絞りましょう。また、新しい住まいで改善できるように、今の住まいに物足りないと感じている部分もまとめておくのもおすすめです。

外観や内装のイメージを持ちにくい時は、ハウスメーカーや工務店のホームページ等に記載されている建築事例を参考にしてみると良いでしょう。お気に入りのデザインをチェックしていくうちに、どのような家を求めているのかがわかってきます。

また、モデルルームや住宅展示場を訪れてみたり、SNSやインターネットを活用してさまざまな住まいを見てみることで、より具体的なイメージを持ちやすくなります。

ステップ3:ハウスメーカーや工務店を探す

理想のマイホームを実現してくれるハウスメーカーや工務店を探していきます。ハウスメーカーや工務店を検索する5つの方法をご紹介するので、これらを参考に家づくりを任せられる施工会社を見つけ出してみてください。

方法①:インターネットでの検索

インターネットを活用して、ハウスメーカー・工務店を検索する方法です。 検索エンジンを使って「ハウスウスメーカー」や「注文住宅」といったキーワードで検索し、各社のウェブサイトや口コミサイトなどをチェックしましょう。そこで企業の情報や実績、施工事例、お問い合わせ方法などを確認することができます。

方法②:住宅展示場の訪問

住宅展示場を訪れて、ハウスメーカーを探す方法です。 住宅展示場には多くのハウスメーカーが出展しており、実際にモデルハウスを見学することができます。見学しながら各ハウスメーカーのプランや仕様を比較し、自分に合ったハウスメーカーを見つけることが可能です。

方法③:口コミや評価のチェック

ハウスメーカー・工務店の口コミや評価をチェックする方法です。インターネット上には、ユーザーの口コミや評価が掲載されているサイトがあります。実際にハウスメーカーで注文住宅を建てた人たちの評判や感想を確認しましょう。ただし口コミは参考程度にとどめ、気になったハウスメーカーや工務店には直接足を運んで質を確認してみることをおすすめします。

方法④:友人や知人の紹介

友人や知人からの紹介を受けて、ハウスメーカーや工務店を探す方法です。身近な人が実際にハウスメーカーを利用した経験がある場合、その体験談やアドバイスを聞くことができます。知り合いの意見ということもあり、一番安心できる検索方法です。

方法⑤:地元の施工実績や施工現場のチェック

地元の施工実績や施工現場をチェックする方法です。自分の希望するエリアでハウスメーカーが施工した実績や施工現場を見学し、その品質や施工の進行状況を確認することで、信頼性や実力を判断することができます。

ステップ4:土地探しと土地の売買契約

土地を購入する場合は、ステップ4として土地を探していきます。

ステップ3のハウスメーカー・工務店探しと分けて記載していますが、この2つのステップはほぼ同時並行で進めるのがおすすめです。施工会社によっては土地探しを手伝ってくれることもあるため、理想の土地に出会える可能性も高まります。

土地を探し始める際は、まず不動産情報サイトを活用して土地情報を調べながら相場を確認してみましょう。相場を把握したら、予算内で条件に合った購入できそうな土地を検討します。不動産会社に土地代の予算や理想の条件、希望する広さなどを伝えて依頼しておくことで、後日条件に適した土地が売り出されると連絡してもらえます。

家を建てたい土地が見つかったら、土地の売買契約を行います。売買契約時には土地代の1割程度の手付金がかかることが一般的なので、その点は注意しておきましょう。また、仲介手数料などの諸費用を支払う必要がある場合もあるので、契約を結ぶ前に必要な費用や支払い時期を確認しておくようにしましょう。

ステップ5:間取りと見積もりの提案

ある程度ハウスメーカーや工務店の候補を絞ることができたら、間取りプランと見積もりの作成を依頼します。

間取りに不満な点はないか、デザイン性や提案力はどうかなど、それぞれの候補の施工会社の内容を確認しましょう。見積もりには建築費用や工事期間などが記載されているので、しっかりと目を通すようにしてください。

この時に複数の施工会社に間取りと見積もりの提示を依頼することで、それぞれの施工会社がどのようにあなたの要望を住まいに反映させてくれるかが具体的に分かります。各社の間取りプランと見積もりを比較し、理想の住まいをつくり上げてくれそうな施工会社を1社選定しましょう。

施工会社を1社選定するのに重視したいポイント
① 間取りの提案力やデザイン性
② 希望した予算内に収まっているか
③ 耐震性や耐久性などの住宅性能
④ アフターサービスの充実具合
⑤ 担当スタッフとの相性

見積もりの提示は施工会社によっては有料になるところもあるので、トラブルを防ぐためにも事前に見積もりは無料なのか有料なのか確認しておきましょう。

ステップ6:工事請負契約(本契約)を結ぶ

間取りプランや見積もりを確認して家づくりを依頼する施工会社が決まったら、工事請負契約(本契約)を締結します。この契約では施工会社が注文住宅の完成を約束し、依頼人となるあなたは家づくりの報酬を支払うことを約束します。

万が一注文住宅づくりの過程で何かトラブルが生じてしまった場合、この工事請負契約書を元に解決していくことになります。契約書の内容は隅から隅まで確認し、しっかりと納得した上で本契約を結ぶようにしましょう。

契約内容を確認する際、希望した仕様や設備が揃っているか念入りにチェックしておきましょう。もし希望した仕様や設備が入っていない状態で契約を結んでしまった場合、契約の変更によって追加費用が発生してしまうことも。また、本契約締結後にキャンセルをすると手付金を支払う必要があるので注意しましょう。

ステップ7:プランの確定

工事請負契約(本契約)を結んだ後、施工会社と具体的なプランの打ち合わせを行います。契約したハウスメーカー・工務店との間で仕様の最終確定が行われ、内装や設備の詳細な仕様が決定。確定図面が作成されます。

もし不明点があるのであれば、打ち合わせの際に遠慮なく質問をしましょう。はじめての家づくりだと不安は付き物なので、分からないことは一つ一つ明確になるように相談することが重要です。内容に不明点がなければ、より安心して家づくりを進めていけます。

本契約を締結後の打ち合わせ内容の例
・間取りプランの詳細確認
・地盤調査
・建築確認申請
・外観、内装、住宅設備の仕様を決定
・着工日や地鎮祭の日程決め
・資金計画や住宅ローンの確認

ステップ8:着工

ここまで来たら、いよいよ着工です。建築会社との間で工事に関する打ち合わせが行われます。工事のスケジュールや工程、工事中の連絡方法などを確認したら工事が開始。建築会社が施工を実施し、進捗状況や品質をしっかりと管理してくれます。

着工前と着工後にしておくことを、以下にまとめました。

着工前にすること 着工後にすること
・ご近所に挨拶回りをする
・安全祈願の”地鎮祭”を行う
・住宅診断を検討する
・竣工後の安全を願って”上棟式”を行う
・工事状況の見学と確認
・引越し準備
・新居用の家具や家電の購入

工事は騒音や通行止め等で近隣の方に迷惑がかかってしまいます。住み始めてからご近所トラブルに発展させないためにも、着工前に近隣住民の方に挨拶回りとお詫びの気持ちを伝えておくことをおすすめします。

着工前の”地鎮祭や”骨組み完成後の”上棟式”は安全な工事を願って行うものですが、行うかどうかは施主の希望次第となっています。

また、工事が進行中も建築会社との間で定期的な打ち合わせが行われます。打ち合わせでは工事の進捗状況や仕様の確認、変更や追加工事の相談などができます。もしも途中段階で変更や追加工事が生じた場合は追加契約が行われることがあるので、念のため頭に入れておきましょう。

ステップ9:竣工・引き渡し後に入居開始

竣工して無事に建築工事が完了したら、建築確認申請をして建物の完成検査を受けます。建物の確認や設備の動作を丁寧にチェックされ、検査に合格したら引き渡しの手続きが行われます。

もし完成した住まいに気になる点が見つかったら、なんでも遠慮なく伝えましょう。引き渡し完了後に伝えると、追加の工事費用が必要になります。しっかり不具合の修繕などを終えてから引き渡してもらいましょう。

引き渡し当日には建物の確認や設備の使い方の説明を受けるので、気になることはメモを取るなどして記録しておくようにしてください。引き渡しが終わると建物の所有権が正式に移行し、住宅を使用可能な状態で受け取ります。

あとは引越しを済ませれば、新しいマイホームでの生活がスタートします!

入居開始までの所用期間

注文住宅のスケジュールは、建築会社や施工条件、天候などの要因によって異なります。事前に建築会社との打ち合わせや契約書の確認を行い、具体的なスケジュールを把握しておくことが重要です。一般的な注文住宅のスケジュールの例を以下に示すので、参考程度に目を通してみましょう。

所要期間 項目 具体的内容
1〜3ヶ月 土地の選定と確認 希望する立地条件に合った土地を選定し、法的な制限や土地の形状、面積などを確認する。
1〜3ヶ月 設計の打ち合わせと図面の作成 ハウスメーカーや建築会社との打ち合わせを通じて、希望する間取りや設備、デザインなどの詳細を決定し、図面を作成する。
1〜3ヶ月 建築許可の申請 建築許可を申請し、許可が下りるまでの期間を考慮。
1〜2ヶ月 融資手続きと資金の準備 住宅ローンの手続きや頭金の準備を行う。
1〜2ヶ月 建築工事の着工 土地の整備や基礎工事を行い、本格的な建築工事を始める。
6〜12ヶ月以上 建築工事の進捗管理 建築工事が進行し、進捗管理や工事の確認する。(天候や工事内容によって期間の変動有り)
2〜3ヶ月 内装工事の実施 外壁や内装、設備の取り付けなどを行う。
1〜2ヶ月 引渡し準備と最終確認 引渡し前に最終確認を行い、引渡し準備を進める。
1日 完成引渡し 建物の完成確認を行い、引渡し手続きを完了させ

上記の一般的な注文住宅のスケジュールの例を見ると、土地探しから家づくりをスタートする人は入居開始希望日の約1年6ヶ月前から家づくりを開始するのが良さそうです。

土地がすぐ見つかれば良いですがそうはいかないこともあるので、余裕を持って動き出すことが大切です。ダラダラと長引かせないために、土地探しの期間を定めておくことをおすすめします。

一方で土地がある状態から家づくりをスタートする場合は、その土地の現場によって家づくりにかかる期間が変動します。土地に建物が建っているのであれば解体・撤去をする期間が必要になりますし、地盤調査に時間を要することもあるでしょう。

注文住宅の費用内容とローン支払いの流れ

注文住宅にかかる費用の概要

注文住宅を建てるとなると、さまざまな費用が必要です。ここでは一般的な注文住宅の費用の概要を紹介していきます。

ただし、実際の費用は地域や建築会社、設計内容や仕様、選択する材料などによって異なります。事前に予算をしっかりと考慮し、建築会社との打ち合わせを通じて費用を明確化し、契約書や見積もりの確認を行うことが重要です。

土地の購入費用

注文住宅を建てるための土地の購入費用が必要です。ここに含まれる費用は、土地の面積や立地条件で価格が決まる”土地代金”、不動産取得税、登記費用、印紙税、司法書士報酬などの”諸費用”、土地実測調査や地盤調査、環境調査などの”土地調査費用”などです。

また、不動産仲介業者を利用する場合には”仲介手数料”が発生することもあります。不動産仲介業者との契約に基づき、土地の価格に一定の割合で手数料がかかることが一般的でしょう。土地の購入に住宅ローンを利用する場合には、融資手数料が発生する場合があります。

施工・設計費用

注文住宅を建てる時、ハウスメーカーや建築会社による施工費用や設計費用が必要です。どちらの費用も間取りや設備、設計などの要求に応じて費用が変動します。施工・設計費用にはどのような項目があるのか見ていきましょう・

施工費用

注文住宅の施工費用には、建物の基礎や構造・外壁・屋根などの”基本工事費用”、壁や床の仕上げや天井の造作、内装設備(キッチン、浴室、トイレなど)の設置などの”内装費用”、地上の造成や門扉・塀の設置、庭の整備などの”外構費用”、空調設備や給排水設備、電気設備などの”設備費用”などがあります。

建築法や地方自治体の条例によっては、建築に伴う手続きや許可の申請費用が発生する場合も。また、注文住宅の施工費用は建築会社設計や士との間での打ち合わせにより、具体的な見積もりが行われます。建築会社や設計士との信頼関係を築き、納得のいく施工費用の見積もりを取得することが、分散な家づくりのために重要です。

設計費用

注文住宅の設計費は、建築会社や設計士によって異なります。一般的に設計費の要素には、建物の外観や内部のレイアウト、間取りの設計を行う建物の設計の費用、地方自治体の建築確認申請手続きを代行する費用、建築基準法や地方自治体の条例に基づいた調査や対応を行う費用、次々との要望をヒアリングし、設計士が提案を行ったり、打ち合わせを重ねる費用などが含まれます。

設計費は、建築会社や設計士との間での契約により決定します。設計費用の詳細については、事前に建築会社や設計士との契約や見積もりの​​際に明確に確認し、納得のいく形で進めるようにしましょう。

建築許可申請費

建築許可を申請するのにも費用が発生します。注文住宅の建築許可申請費用は、地方自治体の建築基準法に基づく建築確認申請の際に必要となる費用です。申請費用の具体的な金額は地方自治体や建築物の規模や用途によって異なるので、事前に確認しておきましょう。一般的には、建物の敷地面積や延べ床面積、階数、用途などに応じて申請費用が設定されています。

建築許可申請費用は、建築会社や設計士によっては事前に計算して見積もりに含まれる場合も、別途請求される場合もあります。また、申請費用の支払い期限や支払い方法なども確認しておくことが大切です。

融資手数料

住宅の融資手数料は、住宅ローンを利用して家を建てる際にかかる費用の一部です。一般的には、住宅ローンの融資手数料には以下のようなものが含まれます。

融資手数料概要 内容
事務手数料 住宅ローンの申請や承認契約、手続きに伴う手数料
鑑定手数料 住宅の評価や鑑定評価に伴う手数料
抵当権設定手数料 住宅ローンの当権を設定するために必要な手数料
保証料 住宅ローンの保証会社に対する保証料

入金や借入期間によっても融資手数料が異なる場合があります。 融資手数料は住宅ローンの一部として負担されるため、注文住宅を建てるには金融機関や住宅ローンの条件を比較しましょう。融資手数料を含めた総費用を、順次に計画することが重要です。

資材・建材費

実際の建築工事に使用する資材や建材の費用が発生します。建築会社や選択する建物の構造や外装、内装の材料によって価格が異なるので、複数のハウスメーカーで見積もり取得してじゅうぶんに比較しましょう。

見積もりを参考に、自分の予算に合った注文住宅を計画することが重要です。コストにも影響するため、建材選びにも並行して取り組むことも大切。プロの建築士や設計士と相談しながら、建材の選択を検討しましょう。資材・建材費に含まれる項目は以下のとおりです。

構造材料

資材・建材費のひとつに、建物の骨組みを構成する構造材料(木材、鉄骨、鉄筋コンクリートなど)の費用が含まれます。構造材料の種類や断面、長さ、数量に応じて費用は変動するでしょう。

構造材料は建物の骨組みを構成する材料であり、建物の耐震性や耐久性に大きな影響を及えます。建物の構造や耐震性、施主の要望や建築費の予算などを考慮して建築会社が構造材料を選択。構造材料について分からないことは、建築士や構造設計士の専門的なアドバイスを受けると良いでしょう。

外装材と内装材

建物の外壁や屋根の仕上げに使われる外装材(サイディング、タイル、金属板など)や、建物の内壁・床・天井・建具などの仕上げに使われる内装材(床材、クロス、建具、照明器具など内装)も資材・建材費用に含まれます。

費用は外装材と内装材の種類やデザイン、面積などに応じて変動。家づくりに使用する材料の選択は、建物のデザインや耐久性、メンテナンス性、予算などを考慮して行われます。地域の気候条件や建築基準に合った明確な外装材の選ぶことが重要です。

その他の建材

先述で紹介した以外にもキッチン、バスルーム、トイレなどの水回り設備機器の費用や、建築現場で使用する工具や道具、付属品などの費用も資材・建築材に含まれます。建物の設計や仕様によっては特別な資材や高性能な設備機器を使用する場合があり、それに伴って資材・建材費も増えるでしょう。

注文住宅のローン支払いの流れ

注文住宅の支払い方法

注文住宅の支払い方法は、「分割払い」「資金準備型ローン」「自己資金一括支払い」などがあります。一般的には「分割払い」で建築費を3~4回に分割して支払うことが多いでしょう。

支払い方法 概要
分割払い 建築工事の進捗に応じて、工事代金を工程ごとに分割して支払う方法
資金準備型ローン 住宅ローンなどの金融機関から借り入れをし、建築工事の進捗に合わせて金融機関に換金する方法
自己資金一括支払い 建築工事のレベルを自己資金で一括で階層化する方法

これらの支払い方法は、建築会社との契約や金融機関との融資条件などによって異なりますので、建築会社と金融機関と十分な打ち合わせを行い、自身の経済状況に合った支払い方法を検討することが重要です。 注文住宅の支払いに関する法律や税金の取り扱いについても確認しておくことをおすすめします。

注文住宅の支払いスケジュールの流れ

住宅の支払いは、段階を追って分割で支払うのが一般的です。契約時に建築費用の約10%を、その後3回程に分けて中間金や残代金を約30%ずつ支払います

タイミング 支払い内容 概要
契約決定時 申込金 契約を進める際に、手付金を建築会社に対して支払います。
工事着手前 中間金 工事が開始される前に、建築会社に対して一定割合の工事代金が支払います。
完工前 中間金 工事が完了する前に、一定の割合の工事代金を支払います。
完工後 残代金 引き渡しや検査が完了し、住宅を利用することができる状態になった後に、最終的な支払いが行われます。

以上のような支払いスケジュールの流れはあくまで一例であり、契約内容や建築会社によって異なる場合があります。建築会社との契約前に、しっかりと支払いスケジュールを確認し、自身の経済状況に合った支払いプランを検討することが大切です。 また、支払いに関する法律や税金の取り扱いについても確認するようにしましょう。

注文住宅購入で失敗しないための注意点

注文住宅を購入する際に気を付けておいてほしいことを、5点ご紹介します。事前に注意点を知っておくだけでもスムーズに家づくりを進められるので、家族で相談しながら準備をしておきましょう。

注意点①:スケジュールに余裕を持って取り掛かる

注文住宅をつくる流れでやるべきことは多く、1年前後の所用期間を要します。スケジュールに追われてアタフタしないように、なるべくスケジュールに余裕を持って行動するように心がけましょう。

また、着工後に天候の関係で工事が遅れてしまったり、なんらかの原因で工事が予定通りに進められない場合も考えられます。遅れる可能性も考慮した上で、早めに行動をし始めましょう。

土地探しやハウスメーカー選びは時間がかかるかと思いますが、ある程度期限を決めて取り掛かるのがおすすめです。悩み続けてしまって、希望の入居開始日に引き渡しが間に合わないようでは元も子もありません。

注意点②:建築予定の敷地を調査しておく

当たり前ですが、注文住宅を建てる場合には土地が必要です。希望する立地条件に合った土地を選定し、法的な制限や土地の形状、面積などを確認しましょう。

土地の正確な広さや勾配、接面道路の状況などによって建築可能な内容が変化するため、見積もりの段階での詳細な土地の調査をしておきます。この時、敷地調査と合わせて地盤調査もおこなっておくと万が一地盤が弱い場合の対策もとることができます。

注意点③:事前に決めていた予算をオーバーしない

人生の中で最大級のお買い物である注文住宅。理想の住まいにより近づけようとオプション等をどんどん追加して、当初の予算を越えてしまうこともあるでしょう。

ですが、大きく予算をオーバーしてしまうと今後のライフプランに影響を与えかねません。せっかくの新居での暮らしがローンに追われるばかりになってしまってはもったいないので、できる限り最初に設定した予算内での家づくりに努めましょう。

注意点④:将来の暮らしを見据えた計画を立てる

注文住宅を建てる際に気を付けてほしいのは、今の生活だけでなく将来の生活も見据えておくことです。家は何度も買い替えられるようなものではありませんし、一度建てると多くの場合長くその家に住むことになります。

若い世代であれば今後子供が生まれた時の想定を、もっと言えば歳を重ねて足腰が弱くなってきても大丈夫なように、バリアフリーな設計を取り入れても良いでしょう。後から後悔しないためにも、数年後、数十年後の将来を見越した間取りを考えることが大切です。

注意点⑤:本契約は念入りに確認する

工事請負契約(本契約)は、締結する前に念入りに内容を確認しましょう。契約を結んでからの変更は、追加費用が発生してしまう事もあります。希望した仕様や設備は全て含まれているか、キャンセル時の対応はどうか、手付金等の支払いスケジュールはどうなっているかなど、契約書の隅々までしっかりと目を通しましょう。

もし疑問点や不明点が見つかった場合は、締結する前に質問して解決しておくことが重要です。工事請負契約(本契約)の内容を把握し、納得してから締結するようにしましょう。

注文住宅を購入する流れでよくある質問

注文住宅の計画を立ててから引き渡しまでの期間は?
建築会社や施工条件などにもよりますが、おおよそ1~2年程かかるでしょう。
ハウスメーカーの選び方は?
インターネットで施工事例を検索したり、住宅展示場を訪ねて好みや要望にあうハウスメーカーを探すのが良いでしょう。
工事請負契約を結ぶ前にしておくことはある?
建築予定の敷地の調査や、複数の建築会社から見積もりを取得して比較しておきましょう。間取りやデザインについて、なるべく具体的にイメージをしておくことも大切です。
注文住宅のデザインのイメージを膨らませる方法は?
間取りの事例集や施工例を見て、理想の家に近いものをピックアップしておきましょう。住宅街を散歩してみて、いろいろな住宅デザインを見て回るのも効果的です。
入居前にしておくことは?
引越しの準備や、新居で使用する家具・家電などを購入しておきましょう。また、火災保険の加入や外構工事の手配についても検討しておくと良いでしょう。

まとめ

注文住宅購入の流れや所用期間、注意点などについて解説してきました。

新築のマイホーム購入。そのなかでも注文住宅は、住みたい家の希望や理想を盛り込みやすく、こだわりを反映させやすくもあります。そのため、既成の一軒家を購入するよりも高額な買い物となり、一生に一度の買い物となる場合が多いでしょう。

いちから作りあげる注文住宅は、建売住宅の購入よりも購入を決めてから実際に入居できるまでの期間も長くかかります。計画段階から、根気よく業者とのコミュニケーションをとり、建築期間中もこまめに現場をおとずれると一層愛着がわくでしょう。

注文住宅購入の流れを事前に把握し、この先何十年と住むことになるマイホームの購入が次の世代にも引き継げるような「良い買い物をした」と思えるように、後悔のないものにしましょう。