
就活を始めたばかりの学生の中には、「今年の就活は厳しい…」「全然内定が出ない」「周りが進んでいて焦る」と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
SNSや就活サイトでも「就活やばい」「内定ゼロ」といった言葉をよく目にします。
しかし、ここ数年の就職率は高く、就活が厳しいという印象は、必ずしも現実とは一致していません。
とはいえ、厳しく感じる理由があるのも事実です。
そこで本記事では、「就活が厳しい」と感じる理由、厚生労働省などのデータで見る実際の就活、そして、「厳しい」と感じないための具体的な戦略、この3つを軸に解説します。

#この記事を書いた人
みんなの転職アドバイザー
ねこくん
新卒でブラック企業に入社し、耐えきれず1年で退職。その後人材系企業にて転職支援に携わる。フリーランスとして数年活動し、現在は経営者。
さまざまな人の転職・キャリア構築をサポートしています。
就活が「厳しい」と感じる学生が多い理由


理由①:志望者数・エントリー数が膨大

特に近年はSNSや口コミサイトなどで「人気企業ランキング」が可視化されており、学生が似たような志望先を目指す傾向があります。
その結果、たとえ採用人数が増えていても、倍率は相変わらず高く感じられるのです。
また、就活サイトの一括エントリー機能が普及したことで、エントリー数が増加する一方、1社ごとの対策が浅くなる傾向も。



- 人気企業への志望集中が「倍率の高さ」を生む。
- エントリー数が多くても、準備不足では通過率が下がる。
- 企業選びの軸を広げることで、厳しさを緩和できる。
理由②:選考プロセスのスピードと競争の激化

企業の多くが夏から秋にかけてインターンシップを通じた早期選考を実施しており、本選考に直結するケースも珍しくありません。
特に外資系企業や大手メーカーでは、3年生の冬には内定を得る学生もいます。
一方で、情報をキャッチできなかった学生は「周りがもう決まっているのに自分はまだ何も…」と焦りを感じやすく、心理的に「就活が厳しい」と感じてしまいます。
また、短期間で複数社のエントリーシート提出や面接が重なり、スケジュール管理や準備に追われる学生も多数います。


さらに、オンライン選考の普及により、全国の学生が応募しやすくなったことで競争範囲も拡大しました。
地理的なハンデがなくなった分、地方学生も積極的に応募できるようになり、全体のレベルが底上げされているのです。
その結果、以前よりも「ライバルが多い」と感じる傾向が強くなっています。
- 選考スピードの早期化で「出遅れ感」を感じやすい。
- 複数企業のスケジュール管理が難しい。
- オンライン化で全国的に競争が激化している。
理由③:情報過多・自己分析・ES準備の負荷

SNSや就活メディア、YouTube、就活イベントなど、情報があふれすぎているため、何が正しいのか分からなくなってしまう学生も多いです。
「他の人がもっと進んでいる」「自分だけ遅れている気がする」と比較して落ち込んでしまうこともあります。
さらに、自己分析・エントリーシート(ES)・面接対策・グループディスカッションなど、やるべきことが非常に多いのが現代の就活です。
1つ1つを丁寧に行うには時間がかかり、大学の授業やアルバイトとの両立も重なることで、「就活の負担が大きい=厳しい」と感じやすくなります。

- 情報過多により、正確な判断が難しくなる。
- 準備項目が多く、時間と精神的負担が大きい。
- ネガティブ情報に影響されると、モチベーション低下につながる。

公的データから見る「就活は思ったほど厳しくない」

大学等卒業者の就職率は98%

厚生労働省と文部科学省の共同調査によると、令和7年3月に大学を卒業した大学生の就職率は98.0%。
短期大学・高専・専門学校を含めた全体でも98.0%という非常に高い数字が出ています。
つまり、統計的には「ほとんどの学生が就職できている」というのが現実なのです。
この水準は、新型コロナ禍直後の落ち込みから完全に回復しており、2019年以前のピーク時と同等レベル。
厚労省の発表でも「前年同期から引き続き高水準を維持」と明記されています。
一方で、個人レベルでは「内定まで時間がかかった」「希望職種に入れなかった」という声もあり、全体の数字と個人の実感にはギャップがあるのも事実です。


就活は確かに手間がかかり、精神的な負担も大きいですが、「採用枠がない」「誰も採用されない」というような状況ではありません。
数字が示す通り、きちんと準備して臨めば、チャンスは確実にあります。
- 令和5年卒の大学就職率は98.0%(厚生労働省調査)。
- 採用環境は回復し、コロナ前水準に戻っている。
- 「就活が厳しい」という印象は実感の問題であり、事実とは異なる。
企業の採用意欲・求人倍率の回復傾向

同調査によると、2026年卒業予定の大学・大学院生に対する求人倍率は1.66倍。
前年(1.75倍)からわずかに低下したものの、依然として高水準を維持しており、「売り手市場」に近い状況が続いています。
特に注目すべきは、企業規模による求人倍率の差です。
従業員300人未満の中小企業では8.98倍という非常に高い水準となっており、学生1人あたり約9件の求人がある計算になります。
つまり、「就活が厳しい」と感じる声がある一方で、実際には多くの企業が「人材を求めている」状態なのです。


- 2026年卒求人倍率は1.66倍で高水準を維持。
- 中小企業では8.98倍と採用意欲が非常に強い。
- 大手人気業界は競争激化も、全体では売り手市場。
「厳しい」と感じるギャップの正体

心理的要因
まず心理的な面では、SNSや口コミで他人の進捗が可視化される時代です。
「周りはもう内定」「あの人は早期選考突破」などの投稿を見て、自分だけ遅れているように錯覚してしまいます。
この「比較ストレス」が、不安と焦りを増幅させ、「就活が厳しい」という感覚を強めているのです。
情報の偏り
ネット上には「内定ゼロ」「やばい」「厳しい」という刺激的なタイトルが溢れており、検索すればするほど不安をあおる記事が目立ちます。
しかし、実際にはその裏で多くの学生が内定を得ており、「厳しい」という声は一部の体験談に過ぎないことも多いのです。


このように、「就活が厳しい」という印象は、情報環境や周囲との比較から生まれる「主観的な厳しさ」に過ぎません。
現実の採用市場はむしろチャンスが多く、情報の取り方と準備次第で結果は大きく変わります。
- 「厳しい」と感じるのは心理的要因による部分が大きい。
- SNSや口コミで他人と比較しやすい環境が原因。
- 実際の就職率・求人倍率は過去最高水準に近い。
- 就職環境は数字で見れば決して厳しくありません。
- ただし、情報量が多くて迷う学生は少なくないです。
- そんな時こそ、就活エージェントやスカウトサイトを活用して、プロの力を借りましょう。


就活を「厳しく感じない」ための具体的な戦略


早めに動き出す・準備量を確保

早期から準備を始めることで、情報を整理し、自分の軸を明確にできるため、焦りを感じることなく余裕を持って動けます。
また、就活解禁日やインターンシップ時期は年々早まる傾向があります。
3年生の夏から動き出す学生が増えている今、「早めの行動」が厳しさを和らげる最大のポイントです。
早く準備した人ほど、面接練習・エントリーシート添削なども十分に時間をかけられるため、結果的に内定率が高まります。


- 夏前から動けば、選考対策・業界研究に余裕が生まれる。
- 自己分析・企業理解を早期に始めると軸が明確になる。
- 「少し早めに」が、就活の厳しさを和らげる最大のコツ。
応募先を分散する(大手・中小・ベンチャー)

一方で、中小企業やベンチャー企業は採用意欲が高く、実力を見てくれるケースも多いです。
採用担当者との距離も近く、自己PRの内容がダイレクトに伝わりやすいというメリットもあります。
応募先を分散させることで、選考経験を積みながら本命企業に挑戦できるのも大きな利点です。
大手だけを狙うと一発勝負になりがちですが、複数社を受けておくと、面接慣れやフィードバックの機会も得られます。
「大手=安定」「中小=不安定」といった固定観念に縛られず、自分に合った企業文化や働き方を見つけることが重要です。


- 人気企業だけに絞らず、視野を広く持つ。
- 複数企業を受けて、面接経験を積む。
- 知名度よりも「自分に合うか」を重視する。
自己分析+企業理解で「質」を上げる

「何をしたいのか」「どんな価値を提供できるのか」が明確でないまま応募してしまうと、エントリーシートや面接で説得力を欠いてしまいます。
企業はスキルだけでなく「自社に合う人か」を重視しているため、自分の価値観と企業の方向性が一致しているかを理解することが重要です。
自己分析では、過去の経験を掘り下げ、「なぜ頑張れたのか」「何を大切にしてきたのか」を明確にします。
企業研究では、業界動向・社風・求める人物像を調べ、自分の強みとリンクさせましょう。
この「一致点(マッチングポイント)」を見つけることが、内定への最短ルートです。


- 自己分析で「価値観」「強み」を明確にする。
- 企業研究では社風・人物像・成長領域まで調べる。
- 「自分×企業」の接点を示すことで内定率が上がる。
選考プロセスを逆算してスケジュール管理

エントリーシート、Webテスト、面接、グループディスカッション… すべてを同時進行で進めようとすると混乱し、準備が後手に回ります。
ここで重要なのが、選考プロセスを逆算してスケジュールを立てることです。
まず、志望企業の選考時期を一覧化し、ES提出・面接予定などをカレンダーで管理しましょう。
また、どの段階で「面接練習」や「自己分析の見直し」を行うかも明確にしておくと、慌てず対応できます。
多くの学生が“時間の見積もり不足”で後半に焦るため、余裕を持った計画づくりが「就活が厳しい」を解消する第一歩です。


- 志望企業ごとの選考スケジュールを“見える化”。
- 逆算思考で余裕を持った準備を。
- スケジュール共有できるエージェント利用も有効。
プロのサポートを受けて効率UP

情報の取捨選択、企業選び、面接対策などをすべて自力で行うのは大きな負担。
そんなとき頼りになるのが、就活エージェントやスカウトサイトです。
就活エージェントでは、担当者が自己分析・ES添削・面接練習をサポートしてくれるだけでなく、非公開求人の紹介も受けられます。
スカウトサイトでは、プロフィールを登録するだけで企業側からオファーが届き、自分では気づけなかった選択肢に出会えるチャンスがあります。
どちらも無料で利用できるため、就活を効率化するうえで非常に有効です。


| 無料で使えるおすすめ就活サービス | |
|---|---|
| 新卒就職エージェントneo | 個別面談で徹底サポート 非公開求人が豊富 |
| レバテックルーキー | IT志望学生向け専門支援 エンジニア内定率が高い |
| キャリアスタート | 最短2週間で内定 面接対策が丁寧で安心 |
| キミスカ | 自己分析ツールが充実 企業から本気スカウト多数 |
| OfferBox(オファーボックス) | 就活生の24万人が利用 企業からオファーが直接届く |
複数登録して比較すると、自分に合った担当者や企業に出会える確率が上がります。
「就活が厳しい」と感じている今こそ、プロの力を借りて効率的に動くタイミングです。
動くこと自体が、内定への一歩となります。

【Q&A】就活生が就活サイト・エージェントを使う場合のよくある質問

気になる疑問をチェック
就活エージェントとスカウトサイトの違いは?
エージェントは「担当者が伴走サポート」、スカウトサイトは「企業からのオファー待ち型」です。
就活エージェントは、専任アドバイザーが面談を通してあなたに合った企業を紹介し、ES添削や面接対策なども行ってくれます。一方、スカウトサイトは自分のプロフィールを登録しておくと、興味を持った企業からオファーが届く仕組みです。
「手厚く支援してほしい人」にはエージェント、「幅広くチャンスを探したい人」にはスカウトサイトがおすすめ。どちらも併用することで、効率的かつ幅広く就活を進められます。
就活エージェントを使うと内定が取りやすくなる?
はい。非公開求人への応募や面接対策の支援で、内定率が上がる傾向にあります。
エージェントは企業の採用担当者と直接つながっており、一般には出ていない「非公開求人」を紹介してもらえることがあります。また、学生の性格や希望を踏まえてマッチングを行うため、通過率が高い傾向にあります。さらに、ES添削や模擬面接などのサポートがあることで、本番でのパフォーマンスも向上。自分ひとりでは得られない「プロ視点のアドバイス」が、内定への近道になります。
エージェントを複数登録しても大丈夫?
もちろんOKです。むしろ比較して相性の良い担当者を見つけましょう。
複数登録することで、それぞれのエージェントが持つ求人・担当者の特徴を比較できます。担当者によって提案スタイルやサポートの質が異なるため、相性の良いパートナーを見つけることが成功のカギです。
ただし、同じ企業に複数エージェント経由で応募するとトラブルになる場合があるため、応募管理だけは注意が必要です。「キャリアチケット+OfferBox」など、性質の異なるサービスを組み合わせるのがおすすめです。
エージェントに紹介された企業は断ってもいい?
問題ありません。紹介を受けたからといって、必ず受ける義務はありません。
エージェントの役割は、あなたの希望に合う企業を提案することです。もし「条件が合わない」「社風が違う」と感じた場合は、遠慮なく断ってOK。
無理に応募しても結果的にミスマッチになります。誠実に理由を伝えれば、担当者も次の提案に反映してくれるため、むしろ理想に近い企業と出会いやすくなります。 就活を「厳しい」と感じる人ほど、しっかり自分の意思を伝えることが大切です。
エージェントやスカウトサイトの利用にお金はかかる?
すべて無料で利用できます。学生が費用を払うことは一切ありません。
就活エージェントやスカウトサイトは、企業側から紹介手数料を受け取る仕組みのため、学生は完全無料で利用できます。費用を気にせずプロのサポートを受けられる点が大きなメリットです。「無料だからサポートが軽い」ということもなく、むしろ採用成功を目指して丁寧な支援をしてくれます。一人で進めるよりも効率的に動けるため、「就活が厳しい」と感じる人こそ、まずは気軽に登録してみましょう。
【まとめ】
就活の厳しさを和らげる最大のコツは、「行動を止めないこと」です。
焦って手を止めると情報が遅れ、焦燥感が増す一方になります。
逆に、小さなアクションを積み重ねることで、自信と実績が自然と生まれていきます。
- 自己分析を深めて、自分の軸を言語化する。
- スカウトサイト・エージェントに登録して情報を集める。
- 面談・オファーを通して、自分に合う企業を見つける。



