
「カメラマン」という職業は昔から知られていますが、最近では「フォトグラファー」や「写真家」という職種もよく耳にするようになりました。
おそらくこれらの職種を同じような意味合いで捉えている方も多いと思います。
どちらもカメラを扱う職種ではあるのですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
このページは、フォトグラファーとカメラマンや写真家の違いについて解説します。
- カメラマンの分類
- カメラマン、写真家、フォトグラファーの違い
目次
カメラマンには動画カメラマンと写真カメラマンがある





実際には、この動画カメラマンと写真カメラマンの中でも更に細分化されています。
例えば、動画カメラマンの中でもテレビ番組とCM・MV撮影では取り組む業務が全く違います。
写真カメラマンでも、フォトジャーナリストと呼ばれる人のように、報道関係で活躍する人や、主に商品撮影などを行う商業カメラマンなど様々です。
フォトグラファーとは?写真家と何が違う?


日本では、写真家というと画家や作家と同じで”芸術家(アーティスト)”というような扱いになっていますよね。
フォトグラファーと写真家という言葉は、日本では以下のように使い分けられます。
- フォトグラファー|商業的な意味合いが強く、依頼されたものを撮る。
- 写真家|自分が撮りたいものを撮って表現するアーティスト。
まとめると若干商業的なのがフォトグラファーで、より芸術肌なのが写真家という印象です。
ただ、これも明確な定義があるわけではありませんので、参考程度に留めておきましょう。
カメラマンとフォトグラファー・写真家の違い


そのため、現在では以下のように使い分けられています。
- 動画全般を行う人|カメラマン(動画カメラマン)
- 写真撮影を行う人|フォトグラファー(写真カメラマン)
- アーティスト|写真家
ただ、写真も動画も全部やるという人も多いので、人によって肩書きはそれぞれですね。
フリーランスで写真や動画撮影をする人は、どのような肩書きを使用するか考えてみる必要があります。

フォトグラファーって食べていけるの?現実の収入事情


フォトグラファーの収入は、働き方で大きく変わる
フォトグラファーの年収は一律ではなく、働き方や経験、撮影ジャンルによって大きく異なります。
会社員として働く場合は、年収300万円〜500万円台が中心で、安定した収入や福利厚生が得られます。
撮影以外の編集・事務作業も兼任するケースがあります。
一方で、フリーランスの場合は完全に成果報酬制。
自由に働ける反面、仕事がない月は収入ゼロというリスクもあります。


- 会社員:月給制で安定/撮影以外の業務も担当
- フリーランス:案件ベースの収入/自由だが不安定
駆け出しの頃は副業やアシスタントから始める人も多い
いきなり独立して稼ぐのは現実的に厳しいため、スタジオ勤務や副業から始めるのが一般的です。
撮影現場の流れ、クライアント対応、ライティング技術などを、アシスタント経験を通して学ぶことができます。


- アシスタントで実務経験を積む
- 副業から小さな案件を受注
- SNSなどでポートフォリオを公開
収入を増やすには「撮影以外のスキル」も重要
技術力だけでなく、集客・提案・編集などのスキルがあると収入は伸びやすくなります。
たとえばSNSでの発信力があれば、新規顧客の獲得にもつながりますし、編集スキルがあることで納品の質も上がります。


高収入も可能だが、実績と信頼が必要
広告写真や企業案件のように、単価の高い仕事も存在しますが、それを継続的に得るには信頼と実績の積み重ねが必要です。
紹介やリピートで仕事を増やせる人は、年収1,000万円を超えるケースもありますが、それは一部の限られた例です。
- 信頼を得る対応力
- 安定した納品スキル
- SNSや紹介での継続的な受注


カメラマンとして働ける職場一覧|就職・転職先の具体例


写真スタジオ(成人式・七五三など)
写真スタジオは、未経験からカメラマンを目指す方の入口として非常に人気です。
成人式・七五三・マタニティ・家族写真などを中心に、人物撮影を担当する機会が多くなります。
写真の技術だけでなく、コミュニケーション能力や子どもへの対応力も重要視されます。
特に七五三やお宮参りなどでは、緊張している子どもを笑顔にできる柔らかさも武器になります。


- 人物写真が中心(子ども・家族・個人)
- 接客・衣装案内・撮影まで一貫対応
- 研修あり・未経験OKの求人が多い
ブライダル業界
ブライダル業界のカメラマンは、一生に一度の瞬間を写真に残す責任ある仕事です。
仕事内容は、挙式・披露宴当日のスナップ撮影に加え、事前の打ち合わせ、アルバム編集、納品まで含まれる場合もあります。
求められるのは、臨機応変な判断力・撮影技術・チーム連携。
披露宴会場は光や動きの変化が激しく、“一発勝負”の現場でミスが許されない緊張感があります。


- 撮影対象:新郎新婦・ゲスト・会場演出
- 休日や土日の勤務が中心
- 感情の瞬間を逃さない判断力が必要
広告・制作会社
広告・制作会社では、企業の商品やサービスを魅力的に見せる撮影を担当します。
食品・人物・ファッション・インテリアなど、撮影ジャンルは多岐にわたります。
社内のディレクターやデザイナーと連携して、撮影だけでなく、演出・照明・構図の提案まで担う場面もあります。
求められるのは、商業的視点やブランド理解を持って、撮る“意図”を説明できる力です。


- 企業案件が中心で高単価の可能性も
- 商品・モデル・店舗などジャンル豊富
- 提案力・チームワークが重視される
メディア・出版業界
雑誌やWebメディア、新聞社などで活躍するカメラマンは、情報を正確に・印象的に伝える写真が求められます。
撮影対象は、取材先の人物・店舗・イベント現場など。
スピードと正確さに加え、文章とセットで読者に伝わる写真を撮る“文脈力”も重要です。
報道系の媒体では、著作権や肖像権にも注意が必要。撮影許可や編集部との連携も欠かせません。


- 雑誌・Web・新聞などの媒体で活躍
- 文章やテーマを理解した写真表現が求められる
- 撮影許可・著作権にも注意
自治体・病院・学校などの広報
広報用写真を撮るカメラマンは、安定した職場環境を希望する人に人気です。
仕事内容は、広報誌やホームページに使う写真を撮影したり、行事・施設紹介の素材を提供したりすることが中心です。
撮影内容は比較的落ち着いていて、急なスケジュール変更や過度なプレッシャーが少ないのも特徴です。


- 自治体や学校法人など公的機関で働ける
- 安定勤務・土日休み・残業少なめの傾向
- 応募時に作品提出を求められる場合も
フリーランスとして独立
フリーランスは、自分の得意分野やライフスタイルに合わせて自由に働けるのが最大の魅力です。
- SNS用プロフィール写真
- ECサイトの商品写真
- イベントや講演会の記録
- ブランディング撮影
- 撮影講座や動画教材の販売
など、自分の得意分野を活かした働き方が可能です。
ただし、集客・営業・納品・請求まで全て自分でこなす必要があるため、安定収入を得るには地道な積み重ねが欠かせません。


- 働く時間・場所・撮影ジャンルを自分で選べる
- SNS・口コミで集客する力が重要
- ポートフォリオの質と量が収入に直結
【Q&A】カメラマン・フォトグラファーに関するよくある質問

気になる疑問をチェック
カメラマン・フォトグラファーになるためにはどうすればいい?
特別な資格は要らないので、フリーランスであればすぐにカメラマンやフォトグラファーとして活動できるでしょう。
ただし専門的な知識も必要な職種なので、スキルに自信がない方はカメラマン志望者向けの学科などがある学校や講座に通うのが効率的です。専門学校であれば、卒業後に仕事を紹介してくれるパターンもあり、少し時間はかかりますが、プロのカメラマンやフォトグラファーとしてスムーズに活動をスタートできます。
女性でもカメラマンになれる?
性別は関係なく、カメラマンになれます。
カメラマンと言う呼称から女性が活躍しにくい職種と思われる方もいるかもしれません。ですが、カメラを使うのに性別は全く関係ないので、女性でも問題なくカメラマンになれるでしょう。むしろ女性であれば、美容関係など女性ならではの感性が必要となる現場で活躍しやすいと言ったメリットもあります。
カメラマンやフォトグラファーを目指すのに年齢は関係ない?
基本的には関係ないでしょう。
ただし最初の数年はアシスタントとして活動することを考えた場合、20代から始めたほうがスムーズではあります。就職を目指す場合も同じで、20代であれば実績がなくても内定をもらいやすいです。ただし、最も重要なのはカメラが好きだという熱量なので、それを踏まえた上で目指すのであれば大きな問題はないでしょう。
まとめ
- 動画全般を行う人|カメラマン(動画カメラマン)
- 写真撮影を行う人|フォトグラファー(写真カメラマン)
- アーティスト|写真家
フリーランスでの肩書きに迷った場合は上記のいずれかを使用しておくと安心でしょう。
また、転職活動でカメラ関連の職業を目指す場合も上記の名称を参考に求人を探してくださいね。
とはいえ、企業によって呼び方が違う場合もありますので、事前に業務内容を確認することは必須です。

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