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みんなの転職アドバイザー
ねこくん
新卒でブラック企業に入社し、耐えきれず1年で退職。その後人材系企業にて転職支援に携わる。フリーランスとして数年活動し、現在は経営者で法人3期目。
さまざまな人の転職・キャリア構築をサポートしています。
目次
自己都合退職と会社都合退職の違い
まず、退職理由は大きく分けて以下の2つがあります。
- 自己都合退職|退職者の希望で退職すること
- 会社都合退職|退職者の意志に反して、会社の都合で退職させられること
「本当は会社都合退職なのに、知らぬ間に自己都合退職扱いになっていた」といったトラブルもありますので、ここでしっかりと2つの退職理由の違いを押さえておきましょう。
原因が退職者側にある場合は自己都合退職
たとえば、以下のような事例が挙げられます。
自己都合の例
- 転職
- 結婚
- 妊娠や出産
- 病気・怪我の療養
- 引っ越し
- 家庭の事情
- 懲戒解雇
注意が必要なのは懲戒解雇の場合です。
業績不振による整理解雇は会社都合退職になりますが、労働者が職務怠慢や犯罪を起こした場合に適応される懲戒解雇は、労働者に責任があるため自己都合退職となります。
原因が会社側にある場合は会社都合退職
会社都合の例
- 倒産
- 人員整理
- 解雇
- 早期退職制度に応募して退職した場合
自分から辞めても会社都合退職になる場合【パワハラ・セクハラなど】
例えば、以下のような場合です。
会社都合の可能性
- 残業が不当に多い
- 給与の未払いや支払い遅延
- 給与が今までの85%未満に減額される
- 給与や業務内容が契約内容と違う
- 更新予定の契約が更新されなかった
- パワハラやモラハラ、セクハラなどがあった
- 会社が法令違反をしている
- 法令違反の業務をさせらそうになった
このように、辞める重大な要因が会社にある場合は自ら退職を希望したとしても、会社都合退職となる場合があります。
ただし、その事実があったことを裏付ける証明などが必要なので、給与明細や契約内容の控えなどは必ずとっておきましょう。
ハラスメントを受けている場合はボイスレコーダーなどで証拠を集めておくと安心です。(ペン型が自然なのでおすすめ)
こうした事実がある場合は、会社都合退職にならないかハローワークで相談するようにしてくださいね。
自己都合退職・会社都合退職のメリット・デメリット
自己都合退職のメリット・デメリット
- 履歴書の退職理由を「一身上の都合」と記載するだけで良い
- 上記の理由から、退職理由を深く追求されにくい
- 失業給付金の支給を受けるまで3ヶ月の給付制限がある
- 失業給付金の支給日数と総額が会社都合よりも少ない
- 退職金が減額されるケースが多い
退職理由のほとんどは自己都合退職ですから、転職活動において自己都合退職が不利になるということはありません。(懲戒解雇を除く)
しかし、短い期間で何度も転職していたりというのは、企業の採用担当にとって不信感を抱くポイントなので注意しましょう。
大きなデメリットは失業保険に関してで、会社都合よりも支給までの期間が長いのがネックです。(詳細は次の項で後述します)
会社都合退職のメリット・デメリット
- 失業給付金の支給を受けるまでの期間が短い
- 失業給付金の金額が多い
- 失業給付金の給付期間が最大330日
- 国民健康保険料の軽減制度を利用できる
- 早期退職に応募した場合は退職金が上乗せされることも
- 履歴書に「会社都合による退職」と記載する
- 上記の理由から、転職活動において質問される事項が多くなる
- 転職先が採用を敬遠しやすい
会社の倒産や人員整理などで、やむを得ず退職した場合などは、労働者の問題とはみなされず転職活動に影響はありません。
会社都合退職で問題視される可能性があるのは、解雇された場合です。
採用担当者の立場から見れば、前職で問題を起こして解雇された人を積極的に雇おうとは思わないはずです。
企業は自社で活躍してくれる人材を探しているため、“解雇”という事実を警戒するのは当然だと言えるでしょう。
【比較】退職理由ごとに失業保険(給付金)の違いを解説
失業保険では、退職した理由により給付の方法を区別しています。
支給時期や給付日数に違いがあるので事前に理解しておきましょう。
失業給付金の違い | ||
---|---|---|
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
支給まで | 待機期間7日+ 給付制限3ヶ月 | 待機期間7日 |
金額上限(日) | 6,370円~7,750円 | 6,370円~7,750円 |
給付日数 | 90日/120日/150日 のいずれか | 90日~330日の間で 8つの区分 |
自己都合退職でも、失業給付金が手厚くなる場合もある
自己都合退職をすると、失業給付金が支給されるまでに7日+3ヶ月もの期間がかかる、支給期間が最大で150日間など、会社都合退職よりも不利になってしまいます。
しかし、やむを得ない理由で自己都合退職をした場合は「特定理由離職者」とみなされ、給付制限が免除されるケースもあります。
特定理由離職者とみなされるのは具体的には以下の場合です。
特定理由離職者
- 労働契約の更新を希望したが、更新がないことによる離職(雇い止め)
- 体力不足や心身の障害、病気、負傷などにより離職
- 妊娠や出産、育児などにより離職し、受給期間延長措置を受けた場合
- 親の死亡や病気などのため離職を余儀なくされた場合など家庭の事情が急変したことによる離職
- 配偶者や扶養親族との別居生活が難しくなったことによる離職
- 通勤不可能や通勤困難となったことによる離職
- 希望退職者の募集に応じた離職の場合
上記の内容を見ると、自分が退職を望んでいなくても、外的要因で仕方なく離職しなければならないケースが多いです。
こういった場合は失業保険が手厚くなる場合があるので、自分がどのケースに当てはまるかしっかりと確認しておきましょう。
失業保険の受給時期や手続き方法について解説しています。
失業保険はいつからもらえる?受給時期と手続き方法【徹底解説】失業保険の受給金額の計算方法や給付期間について解説しています。
【いくら?】失業保険でもらえる金額の計算方法を解説会社都合なのに、自己都合退職にするよう言われた場合
会社都合退職となると、会社側としてはブランド力や評判の低下につながる場合もありますし、各種助成金が支給されなくなる場合もあります。
そのため、会社側から自己都合退職にしてくれないか?と頼まれる場合もあり、それが原因によるトラブルも起きています。
こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、退職手続きの際に必ず会社都合退職になるのかどうか明確にしておきましょう。
転職後に元々いた会社と関わり合う可能性もありますので、円満退職を目標にしっかりと話し合うことが大切です。
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【まとめ】失業保険だけでなく、次の転職のことも考えよう
- 退職理由は大きく分けて自己都合退職・会社都合退職の2種類
- 失業保険受給の際は会社都合の方が手厚い
- 会社都合の場合は、転職の際に悪影響が出る可能性も
- トラブル回避のために、事前に退職理由を明確にしておく
一番大切なのは退職の際にトラブルにならないことです。
必ず、辞める際の理由を正しく伝え、会社都合・自己都合のどちらになるかを明確にして円満退職をしましょう。