ゲーム業界について調べると、「ゲーム業界はやめとけ」などのネガティブなワードが散見されがちです。
そのため、新たなキャリアを模索する方の多くは、ゲーム業界に少なからず不安を抱いているのではないでしょうか。
忌憚なく言えば、こういう言葉はただの噂や偏見で使われているわけではありません。
では、どうして「やめとけ」と言われるのか。ここからは、その理由を複数の要因から紐解いてみたいと思います。ゲーム業界への就職・転職を目指す方は参考にしてください。
ゲーム業界はやめとけと言われる2つの要因 
田中くん 「ゲーム業界はやめとけ」ってよく耳にするのはどうして? 
ねこくん 以下の2つの大きな要因が考えられます。- 人材不足による長時間労働
- 製品がヒットする保証がない


- 人材不足による長時間労働
- 製品がヒットする保証がない
それぞれ詳しく解説していきます。
人材不足による長時間労働
一見、クリエイティブな仕事や楽しさが満ちているように見えるゲーム業界ですが、その裏には様々な課題やリスクが存在しています。その1つが、人手不足による長時間労働です。
ゲーム業界では、優れたクリエイティブな人材やプログラマーなどの需要が非常に高く、その結果、長時間労働がしばしば求められます。納期前になると、徹夜や週末の労働が当たり前となることも少なくありません。
実際にdodaの調査によると、2018年の時点では「ゲーム(制作・開発)」の月間残業時間の平均は45.3時間でした。これは全職種の中でも最も長い残業時間です。
| 2018年の残業時間ランキング | ||
|---|---|---|
| 順位 | 職種名 | 残業時間/月 |
| 1位 | ゲーム(制作・開発) クリエイター・クリエイティブ職 | 45.3時間 |
| 2位 | インターネット/広告/メディア 営業職 | 42.4時間 |
| 3位 | 建築施工管理 技術職・専門職(建設・建築・不動産・プラント・工場) | 41.5時間 |
このような状況下では、従業員の健康やワークライフバランスが損なわれる可能性が高く、精神的な負担が増大することもあります。そして、この状況が改善されずに長期化してしまえば、中核を担う人材の流出やブラック企業化を助長する恐れもあったと言えるでしょう。


同じくdodaが調査した2024年のデータでは、「ゲームクリエイター(Web/モバイル/ソーシャル)」の平均残業時間が25.6時間と大幅に減少。全体で見ても、1位だった順位が20位に変化しているのが分かります。
| 2024年の残業時間ランキング | ||
|---|---|---|
| 順位 | 職種名 | 残業時間/月 |
| 1位 | インフラコンサルタント IT/通信系エンジニア | 39.4時間 |
| 2位 | 設計監理/コンストラクションマネジメント 建築/土木系エンジニア | 31.6時間 |
| 3位 | プロデューサー/ディレクター/プランナー (出版/広告/Web/映像関連) クリエイティブ | 31.3時間 |
| ~~~~~~ | ||
| 20位 | ゲームクリエイター(Web/モバイル/ソーシャル) クリエイティブ | 25.6時間 |


近年は働き方改革などの影響により、過度な労働を強いるブラック企業は減少傾向にあります。加えて、スマホゲームの台頭による需要の拡大もあり、企業による人材の獲得も盛んになっていることも確かです。
つまりゲーム業界における、就職や転職のチャンスは広がっていると言えそうです。
製品がヒットする保証がない
もう1つの要因は、ビジネスモネルの構造上の問題にあります。アプリゲームを含めれば毎日のように新作ゲームがリリースされる環境で、製品ごとの競争がかなり熾烈だということは言わずもがなだと思います。
そのため、どれだけの時間や労力を投入しても、作られたゲームが商業的にヒットするかどうかの保証はありません。何故なら、市場の変動や競争の激化により、優れたゲームでもヒットするかどうかは不確実な要素が多いからです。
また、プロジェクトが成功しない場合、企業体力によっては経営状況が悪化し、従業員の雇用にも影響を与える可能性があります。そのため、安定したキャリアを求める人にとっては、ゲーム業界の不確実性は大きな懸念材料となりえるかもしれません。
とはいえ、下記の表を見ても分かるように、国内のゲーム市場は大きく拡大しており、いまだ高水準を保っています。


ゲームというビジネスモデル上、どうしても不確定要素はありますが、市場規模を考えればそれでも挑戦する価値はあると言えるでしょう。

特にオンラインプラットフォームの売り上げが大きく伸びており、2012年代に比べるとその市場規模は3倍以上に膨れ上がっています。
このように「ゲーム業界はやめとけ」と言われる一方で、最近では労働環境が改善されつつあり、市場の拡大による新たな機会も生まれていることも確かです。


ゲーム業界を目指している方は、課題と魅力を把握したうえで、未来に向かって就職・転職活動を進められるといいでしょう。
IT業界との違いに注意
「同じIT業界だし、ゲーム会社への転職もWebエンジニアと似たようなものだろう」と考えている方も多いのではないでしょうか?
実は、Web・IT業界とゲーム業界では開発スタイルや求められるスキル、社風において意外と大きな違いがあります。
ここでは、ゲーム業界への転職前に知っておきたい3つのポイントをご紹介します!
開発サイクルの違い|「短期」vs「長期」
Web系企業では、アジャイル開発やスクラムを取り入れた短期間のリリースサイクルが主流です。
週単位でアップデートを行う企業も少なくありません。
一方、ゲーム開発はというと…?


特にコンシューマー向けのゲームや大型タイトルでは、1年〜2年かけてじっくり作り込むプロジェクトも珍しくありません。
そのため「達成感のある大規模プロジェクトに関わりたい人」にはゲーム業界は魅力的ですが、「スピード感重視」の人にはやや退屈に感じるかもしれません。
求められるスキルの違い
Webエンジニアの場合、JavaScript、PHP、Rubyなどの言語や、ReactやLaravelなどのフレームワークを使いこなすのが主流です。
対してゲーム業界では、「C++」や「C#(Unity)」といったゲームエンジンに特化したスキルが求められます。


Web開発と違って、ゲーム開発では3Dモデル・物理演算・アニメーション制御など独自の知識が必要になります。
そのため「未経験可」の求人であっても、事前にポートフォリオを作っておくと圧倒的に有利です!
働くカルチャー・社風の違い
Web業界はスタートアップが多く、比較的フラットな組織文化や私服勤務、リモートワークが普及しています。
一方、ゲーム業界はどうかというと…?


「技術さえあればOK」というタイプより、「チームで協力して1つの作品を仕上げたい」というマインドが求められます。


