この記事の監修SEO会社
株式会社NEXER
2005年にSEO事業を開始し、計10,000社以上にSEOコンサルティング実績を持つSEOの専門会社。
自社でSEO研究チームを持ち、「クライアントのサイト分析」「コンテンツ対策」「外部対策」「内部対策」「クライアントサポート」全て自社のみで提供可能なフルオーダーSEOを提供している。
SEOのノウハウを活かして、年間数百万PVの自社メディアを複数運営。
「ヒートマップツールはサイト運営に役立つとは聞いたことがある」
「でも具体的にはどんな機能があり、どんなヒートマップツールがあるのかわからない」
こういった悩みを解消するために、ヒートマップツールについて以下のことを解説します。
- ヒートマップツールとは?
- 無料から使えるおすすめヒートマップツール
- ヒートマップツールの選び方のポイント
- ヒートマップツールの活用方法
- ヒートマップツールと併用して使うべきツール
このページを読めばヒートマップツールを活用できるようになり、CV増加に有効な施策を打つことができます。
目次
ヒートマップツールとは?
ヒートマップツールとは「Webサイト内でユーザーがどのような行動をしたのか」を、色の濃淡を利用して視覚的にわかるように示してくれるツールです。
WEBサイト運営に使われるヒートマップツールでは、以下の情報を収集できます。
- ユーザーのマウスの動き
- ユーザーがクリックした箇所
- ユーザーのエリア滞在時間
- ユーザーがどこまでスクロールしたか
- ユーザーがページから離脱した場所
こうした情報からはユーザーに求められているコンテンツ、求められていないコンテンツを割り出すことができます。数値よりも実感的に理解しやすく、チームでの分析でも改善項目に対する意識が高まりやすくなるでしょう。
そもそもヒートマップという言葉はWebサイト運営だけに使われるわけではなく、多元的な情報を色で示す手法です。
たとえば「野球でピッチャーが投げたコースの多い・少ない」「サッカーで選手がピッチの中をどう動いたかを示す」などもヒートマップを利用した事例といえます。
Webサイトでヒートマップツールを使うと、次の画像のようにユーザーのクリックが多い箇所や滞在時間が長い箇所が一目でわかります。
ヒートマップツール活用のメリット
ヒートマップツールのメリットは「アクセス解析ツールでは分析しづらい詳細な情報を、視覚的にわかりやすく把握できる」ことです。
とくにページ内でのユーザーの離脱部分が特定できるということは、WEBサイトの離脱率改善に大きく役立ちます。
また、ユーザーに見られている部分と見られていない部分が把握できるので、ユーザビリティの向上を図る際にどこを直したらいいのかがわかりやすくなります。
ヒートマップツール活用のデメリット
ヒートマップツールのデメリットは「ページ内の細かなユーザー行動はよく分かるが、WEBサイト全体のユーザー行動は把握できない」ことです。
ヒートマップツールはページ内でのユーザーの動きをとらえることに特化したツールで、WEBサイト全体を包括した情報を得ることには向いていません。
また、ある程度アクセスがないとそもそも有効なデータを集められないという点があります。
無料から使えるおすすめヒートマップツール15選
ここからは、無料から使えるおすすめヒートマップツールをご紹介します。
- User Heat
- Ptengine
- SiTest
- MIERUCA
- brick
- Mouseflow
- VWO
- Appsee
- USERDIVE
- MockingFish
- UXCam
- Visual Website Optimizer
- heatmap
- gemiusHeatmap
- BOOSTEC
「無料から」というのも、ヒートマップツールはアクセス数が少ないうちは無料で使えるものが多く、有料となるアクセス数はツールによって異なるからです。
また、同じヒートマップツールといっても計測できる範囲や日数に違いがあるため、それぞれの特徴を理解して最適なツールを選びましょう。
User Heat/月間30万PVまで無料で解析できる
User Heatは、30万PVまで無料で解析できるのが魅力のヒートマップツールです。
マウス、クリック、熟読エリア、終了エリア、離脱エリアといった基本的な機能が利用できます。ユーザー登録をして、ページにトラッキングコードを埋め込むだけで利用できる手軽さも魅力の1つです。
無料版ではページの長さに制限があるため、縦に長いLPなどには向きませんが、一般的なサイト・ページであれば充分ヒートマップツールとしての役割を担ってくれます。
料金 | 基本無料 |
利用できるヒートマップ |
|
備考 | 上位版の有料ツール「User Insight」ではCVR改善につながるユーザー分析機能あり |
User Heat
Ptengine
Ptengineは15万以上人以上に利用されている無料ヒートマップツールです。
リアルタイムでアクセスを解析できる他、PCやスマートフォン、タブレットなどのあらゆるデバイスに対応しています。イベントトラッキング機能はHTMLを編集せずに利用できるので、初心者にも優しい仕様です。
料金 |
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利用できるヒートマップ |
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備考 | Good Design受賞製品、マルチデバイス対応 |
Ptengine
https://www.ptengine.jp/
SiTest
SiTestは、豊富な機能が利用できるのが特徴の無料ヒートマップツールです。
スクロール解析や、リンク指標、マウスグラフィ、タップ解析などの機能が利用できる他、スプリット機能解析、フォーム改善機能も搭載しています。30,000PVまで計測可能です。
MIERUCA
株式会社Faber Company(ファベルカンパニー)が提供するヒートマップツール「MIERUCA」は500社もの企業で導入されています。
スクロール解析やクリックヒートマップ、アテンション(熟読)ヒートマップといった基本的な機能から、毎日自動でキャプチャをとってくれる機能もあり、コンテンツ改善前後の変化を見るのにも便利です。
さらにサイトレポート機能でもヒートマップを用いてコンテンツの課題を抽出してくれるので、サイトのどこをどのように改善したらよいのかがわかりやすくなっています。
有料ツールですが、1サイト・月1万PVまでは無料で利用できます。無料トライアルに期間の制限はありません。
MIERUCA
brick
brickは、Googleアナリティクスと連携してWEBサイトを分析できる無料ヒートマップツールです。
基本的なヒートマップ機能として、スクロールやクリック、マウス分析が利用可能です。基本無料で利用可能ですが、無料版は利用期限が限られているので注意してください。
brick
Mouseflow
Mouseflowは、500PV・1サイトまで無料で使用できるヒートマップツールです。
クレジットカード登録なしで無料プランを利用できるので、実際に機能を使ってみてから導入をじっくりと検討できます、
プロプランでは、500,000PVまで計測でき、サイト数も10個まで扱うことができます。
また、ヒートマップだけでなく、セッションリプレイズやシナリオ分析の機能も利用可能です。
Visual Website Optimizer
Visual Website Optimizerは、ABテストを利用できるのが特徴の、有料ヒートマップツールです。
基本のヒートマップ機能に加えて、ABテストを併用することで、WEBページをよりユーザーのに最適化した形で構築することができます。
無料版の提供はなく、有料のエンタープライズ版のみ利用可能となっています。
VWOとも呼ばれ、WEBサイトのコンバージョン改善を主眼に置いた、有料ヒートマップツールです。
ヒートマップ機能の他に、ABテストや、目標設定、ユーザー動向をレコーディング機能が利用できます。
30日間の無料トライアル期間が設定されていて、ヒートマップ機能も使用できるので、まずはこちらから利用してみるのがいいでしょう。
https://www.assion.co.jp/
Appsee
Appseeは、iOSやAndroidのアプリを分析できるのが特徴の、有料ヒートマップツールです。
プレミアムプランとエンタープライズプランの2種類が用意されています。月額95,000円から利用可能で、プランにより解析できるアプリの数やセッション数、ビデオ記録数が異なります。
プレミアムプランは、最長2週間の無料お試し期間が設けられているので、こちらから利用してみるといいでしょう。
https://www.appsee.com
USERDIVE
USERDIVEは、300社以上の企業に導入されている有料ヒートマップツールです。
日本国内でも、大手企業が多く導入しているツールで、実績は申し分ありません。
アクセス解析やサイト内解析を利用でき、ユーザーの利便性を高めることができます。
MockingFish
MockingFishは解析できるPV数に上限がないのが特徴の有料ヒートマップツールです。
ヒートマップの他に、ABテスト、多変量テスト、スプリットテスト機能も利用できます。
無料版では、PV数が50,000PVまでと制限はあるものの、利用できる機能には違いがないので、まずは無料版から試してみるのがいいでしょう。
https://www.mockingfish.com
UXCam
UXCamは、豊富な機能が搭載されているのが特徴の有料ヒートマップツールです。
1番上のプランであるVOLUMEプランでは、最適化コンサルティングや専用アカウントマネージャ、カスタムブランド、APIアクセスの機能が利用可能で、その上セッション数に上限がありません。
一方で、LANCHプランでは50,000セッション、SCALEプランでは100,000セッションの上限が定められています。
データ保持期間が1ヶ月と短いものの、無償版が用意されているので、そちらで使用感を試してみてもいいでしょう。
https://uxcam.com
heatmap
heatmapは、リアルタイム分析ができるのが特徴の、有料ヒートマップツールです。
ユーザーの行動をリアルタイムで把握できるので、改善サイクルを早めることができます。プレミアムプラン、エンタープライズプランでは、コンバージョントラッキングや、テンプレート解析、技術サポートを、ページ数やユーザー数に制限なく利用可能です。
無償版では、ページ数やユーザー数、データ保持期間の制限はありますが、オンサイトクリックヒートマップや、リアルタイム統計などの基本的な機能が利用できます。
https://heatmap.com/
gemiusHeatmap
gemiusHeatmapは、ユーザーエンゲージメント増加を主目的とした、有料ヒートマップツールです。
ヒートマップの基本的な機能を、一通り揃えており、それらを分析することで、コンバージョンなどのユーザーエンゲージメントを高めます。
無料版、有料版ともに詳しい記載がないので、問い合わせが必要です。
https://heatmap.gemius.com/en/
ヒートマップツールの選び方のポイント
上で比較したように、ヒートマップツールと一言でいってもツールによって特徴がかなり異なります。
これだけの種類があって特徴も違ってくると、初めてヒートマップツールを使う方はときに「どれを選んだらいいのかわからない」と迷ってしまうかもしれません。
そこで、ヒートマップツールの選び方のポイントを3つご紹介します。
ポイントを参考にして、あなたのWEBサイトの現状に合ったヒートマップツールを選んでください。
収集できるデータで選ぶ
ヒートマップツールは、ツールごとに収集できるデータが異なります。
また、集められる情報は同じでも、どの情報に特化しているかはツールによって特徴があるので、そこにも気を配るといいでしょう。
ヒートマップツールで収集できるのは、以下のようなデータです。
- ユーザーがクリックした箇所
- ユーザーのマウスの動き
- ユーザーがどこまでスクロールしたか
- ユーザーがよく読んでいる場所
これらの機能があることを知った上で、あなたのWEBサイトの改善したいポイントに合ったツールを選ぶことが大切です。
たとえば、あなたのWEBサイトの離脱率を改善したいのであれば、ユーザーがどこまでスクロールし、どこで離脱したかが分かる「スクロールヒートマップ」機能を搭載したツールを選ぶべきです。
まずは、あなたのWEBサイトの現状を把握し、何が改善点なのかを理解するところから始めるといいでしょう。
データ量やデータ保持期間で選ぶ
ヒートマップツールはそれぞれ分析できるデータの量やデータの保持期間が異なります。。
WEBサイト運営においては、継続して検証と改善を繰り返すことが大切なため、それなりのデータ量と保持期間がないと効果的にサイト改善に役立てるのは難しくなるでしょう。
データの保持期間は有料版と無料版、料金プランによっても変わることが多くなっています。
あなたがどれだけのデータを取って分析したいのか、どれだけの期間分のデータが欲しいのか、事前に決めた上でツールを比較するといいでしょう。
価格で選ぶ
ヒートマップツールは有料ツールで料金プランが高価格な方が、機能的には優れている傾向にあります。
ただ、あなたのWEBサイトの現状を考慮してツールを選ばないと、資金繰りが難しくなります。また、無料だからといって適当にツールを選んでしまっても、使いにくくて使い続けられないということにもなりかねません。
価格と機能面を天秤にかけた上で、あなたの現状に合ったツールを選ぶことが大切です。
ヒートマップツールの活用方法
ここでは、上で紹介したようなヒートマップツールを使った、WEBサイト改善のための活用方法をご紹介します。
ヒートマップツールの見方
ヒートマップツールをWEBサイトの改善に役立てるためには、まずは、ヒートマップツールの見方を押さえておかなければなりません。
ヒートマップツールでは、ユーザーのページ上での動きを、色で視覚的に把握することができます。ここでは、ヒートマップツールにおいて、主要な機能の見方を簡単に紹介します。
1.マウス
ユーザーのマウスの操作が、軌道として表されます。マウスの動きに何らかの傾向性があれば、商品やサービスのコンバージョンの改善に役立つでしょう。
2.クリック
ユーザーがページ内でクリックした箇所を、色で表しています。クリックした回数が多い箇所ほど、濃い色で示されるのが一般的です。
3.熟読エリア
ユーザーがよく読んでいる箇所を、色の濃淡で示しています。あなたが特に読んでほしい箇所が見られていない場合、改善策を講じる必要があるります。
4.離脱エリア
ユーザーが離脱している箇所と、その比率を色の濃淡で表しています。ユーザーがページの上部で離脱している場合、ユーザーの検索意図にあったコンテンツを用意できていない可能性が高いでしょう。
ヒートマップツールでサイト改善
ヒートマップツールで改善できるサイトの問題点には、以下のようなものが挙げられます。
1.ユーザーの大半が前半で離脱している
ユーザーの大半が前半で離脱している場合、ページの文章構成の改善が必要です。
ユーザーがページの前半で離脱するということは、ページの前半は読み飛ばされているということになります。
これは、完読率を上げようとして、ユーザーの求めているコンテンツを後半に置いているページにありがちな現象です。
検索意図に沿っている文は前半に持ってくるように、文章構成を見直しましょう。
2.クリックしてほしい部分がクリックされていない
WEBサイトを運営している方であれば、自社の商品やサービスの成約に繋げたい、広告を踏んでほしいと思っているのではないでしょうか?
つまり、WEBサイトのページの主目的は、商品購入のリンクや、キラーページへの内部リンクをクリックしてもらうことになります。
もし、それらのリンクが全くクリックされていないのであれば、どれだけページにアクセスを集めても意味がありません。
目立つ色やデザインにする、リンクの位置を工夫するなどの改善を試みましょう。また、ユーザーを成約に繋げるための訴求ポイントの見直しや、ボタンに誘導する文面も工夫しましょう。
3.リンクになっていない箇所がクリックされている
クリックされてほしい箇所がクリックされていないのと逆に、リンクになっていない場所がクリックされていることがあります。
ユーザーの意図としては、その箇所に関するより多くの情報が知りたい、ということが考えられるでしょう。たとえば、画像をクリックされている場合、もう少し拡大された画像が見たいのかもしれません。
具体的な改善策としては、関連するページへのリンクを設置する、写真を拡大できるようにしたり、説明を入れたりするなどの方法があります。
こういった細かな不便さが、ユーザーの離脱に繋がるので、妥協せずに改善していきましょう。
コンテンツそのものの魅力を高めるにはSEOを意識したライティングが重要です。SEOライティングについてはSEOライティングの基本とは?記事作成で意識すべき10のポイントで紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
ヒートマップツールと併用して使うべきツール
ここでは、ヒートマップツールのデメリットといえる、WEBサイト全体の分析を補うためのツールをご紹介します。
ヒートマップツールと併用して使って、効果的に問題点を改善していきましょう。
Googleアナリティクス
ヒートマップツールと併用して使うべきなのが、Googleアナリティクスです。
Googleアナリティクスは、WEBサイト運営をするなら絶対に導入しておくべき必須ツールといえます。Googleアナリティクスでは、WEBサイト全体のアクセスを解析することが可能です。
ヒートマップツールはWEBサイトのページ単体を詳細に分析できますが、サイト全体においてそのページのよし悪しを相対的に判断することはできません。
そこでGoogleアナリティクスを使って「改善すべきページをピックアップ→そのページをヒートマップツールで詳しく分析する」という流れで改善をしていくのがいいでしょう。
改善すべきページとは直帰率の高いページや、滞在時間が短いページです。
これらの問題のあるページは、そもそもページの質に問題のあるページなので、ページ内でユーザーがどういった動きをしているかが、改善の役に立ちます。
※実はアナリティクス上の滞在時間では1ページだけしか見ていないユーザーの滞在時間は0秒とカウントされてしまい、正確な滞在時間が分かりません。正確な滞在時間を計測したい方はタグマネージャーを使って滞在時間を計測する必要があります。
ヒートマップツールではユーザーがどこで離脱しているのか、どこをクリックしているのかを特定しましょう。
このように改善すべきページをGoogleアナリティクスで的確に選定することで、効率よくサイト全体の利便性を向上することができます。
また、SEOチェキというツールもSEO対策におすすめです。基本的な使い方と活用方法を「SEOチェキの見方と使い方」で解説しているので、あわせてご覧ください。
まとめ:ヒートマップツールとは?無料・有料のおすすめツールを比較
今回は、おすすめのヒートマップツールの比較や、ヒートマップツールの活用方法について解説しました。
このページの要点は以下のとおりです。
- ヒートマップツールではページ内でのユーザー行動を詳細に把握できる
- ヒートマップツールはそれぞれ特徴が大きく異なるので、収集できるデータ・データ量や保持期間・価格を参考にして選ぶ
- ヒートマップツールとGoogleアナリティクスを併用すれば、WEBサイト全体を改善できる
WEBサイトを運営するにあたり個別のページを改善するとともに、WEBサイト全体を確認し、効率よく問題のあるページを改善していくことが重要です。
ヒートマップツールについてまだよくわからないところがあるという方は、もう一度解説部分を見返してみてくださいね。