「ブログで商品を紹介しても、PV数は多いのになぜか売れない」
と、商品やサービスの販売についてお悩みの方は多いのではないでしょうか。
PV数が集まりサイト運営がうまくいっているように見えても、商品やサービスのCVに結びつかないというケースは非常に多くあります。
インターネット上でモノを販売するのは、実際に商品を手にとって確かめられるオフラインでの販売と比べて難しく感じられるかもしれません。「しかし売れているサイト」や「売れているECショップ」があるのもまた事実です。
売れる・売れないの違いをよく見てみると「セールスライティングを使いこなして販売しているかどうか」という点で違いがあります。
そこでこの記事では、
- 訴求効果を高めるセールスライティングの基本
- セールスライティングが適したシーン
- セールスライティングのフレームワーク「BEAFの法則」「新・PASPNAの法則」
- 消費者の「読まない・信じない・行動しない」を超える方法
を紹介します。
記事を最後までお読みいただければ、セールスライティングをスムーズに理解し、セールスライティングのテクニックを実践できるようになります。
セールスライティングは幅広いシーンで役立つので、覚えておいて損はありません!
目次
セールスライティングとは?
セールスライティングとは、端的にいえば「商品を販売するためのライティングテクニック」です。
モノやサービスを販売する際には「自分が本当によい商品だと思ったからおすすめしたい」という気持ちだけでは売れません。
あなたがもし誰もが知っている有名人、または特定のジャンルの第一人者である場合にはそれだけでも売れるかもしれませんが、そうでなければ
消費者の立場に立って不安を解消し、
購買の理由を提示して、
後押しをする必要があるのです。
セールスライティングには広く使用されている「型」があり、型をテンプレートのように使って書くだけでも訴求力のある文章が書けるようになります。
セールスライティングを使いたいシーン
セールスライティングを使いたいシーンとしては、まずLP(ランディングページ)が挙げられます。
縦長で情報量の多い1ページで構成されるLPは、インターネットを使っている誰もが目にしたことがあるのではないでしょうか。LPでは1ページの中で、ユーザーの熱量変化に沿ったライティングがポイントとなります。
次に、紙で送付するDMはセールスライティングを使うと商品の購入につなげやすい媒体です。
ユーザーへ直接メッセージを送れるため、セールスライティングを使って訴えかければレスポンスを得やすいでしょう。
他にはメルマガやLINEなど、消費者に直接メッセージを伝えられる媒体でもセールスライティングは活躍します。
しかしDMやメルマガは開封されないことも多いため、メールならタイトル、公式ラインなら冒頭の文章で注目を集めるなど、開封率を高める工夫をすることも大事です。
セールスライティングに適した文章の型2つ
セールスライティングに適した文章の型として「BEAFの法則」と「新・PASONAの法則」の2つがあります。
ここでは、それぞれどのような内容なのか、詳しく解説します。
メリットが明確な【BEAFの法則】
BEAFの法則とは、ユーザーの疑問や不安を解消して購入につなげることを重視したセールスライティングの型のことです。
BEAFの法則はとくにECサイトの商品ページなどで有効とされており、以下の4つの構成の頭文字を取っています。
- Benefit:商品で得られるメリット
- Evidence:論拠・証拠
- Advantage:競合比較・優位性
- Feature:特徴
BEAFの法則では、まず商品によって得られる「ベネフィット」を提示し、証拠や競合との違い、特徴などを提示するという流れで文章を作成します。
Benefitとは「購買をとおして得られるメリット」
Benefitは「商品で得られるメリット」のことをいいます。商品そのもののメリット(特徴)ではなく「商品の購入をとおして得られるポジティブな効果」と考えるとよいでしょう。
例としてセールスライティングを身に着けるメリットとベネフィットを比べてみましょう。
セールスライティングを使って訴求力のある文章が書けるようになる
サイトで紹介した商品がどんどん売れて収入が上がり、欲しかったものを買えるようになる
「ベネフィットは、メリットを得た先にあるもの」として考えてください。
メリットはあくまでも商品やサービスの特徴であり、ユーザーにとっては他との区別に使用するものです。対してベネフィットはよりユーザー視点に立ち、ユーザーが商品やサービスの利用をとおして享受できる利益としてとらえるとわかりやすいかと思います。
もう一つ、違った例をもとにベネフィットをより具体的にとらえていきましょう。
上記のようにメリットとベネフィットを分けて書きだしてみると「今までメリットしか伝えていなかった」と気が付くこともあるかもしれません。
BEAFの法則で冒頭でベネフィットを提示するのは、ユーザーの興味を惹く狙いがあります。
人は広告やチラシを見る際、最初の3秒で「続きを見るかどうか」判断するといわれているため、短時間で伝わる表現としてキャッチコピーを配置するのが効果的です。
ブログ形式の記事ではタイトル部分がキャッチコピーの役割を担うため、魅力的なタイトルを作成できるようにしましょう。
「訴求力のあるタイトルを作りたい」という方は「SEOに効果的なタイトルの付け方」で解説しているので、あわせてご覧ください。
Evidenceとは「おすすめする根拠」
次の「Evidence」では「商品をおすすめする根拠」として、口コミやレビュー、実績、販売数などのデータを提示します。
根拠をしっかりと示すことで、消費者の商品に対する疑問や不安を払拭できます。
Advantageとは「他との違い」
続く「Advantage」では他との違いを具体的に提示し、優れているポイントをアピールします。
たとえば「今までの充電器と違い充電時間が1/3!」といった商品の機能で優れたポイントを取り上げるほか「購入時のポイント3倍」などの特典をアピールするのも1つの方法です。
Featureは「機能・特徴」
最後の「Feature」まで読み進めたユーザーは、購入に気持ちが傾いていることが多いでしょう。
そこで、この部分で商品の詳細な特徴を紹介し、残る疑問や不安を解消して最後のひと押しをします。
LPに適した【新・PASONA(パソナ)の法則】
新・PASONAの法則は、消費者の「行動」を促すためのセールスライティングのフレームワークです。
経営コンサルタントの神田昌典氏が1999年に提唱したPASONAの法則の改訂版となります。
PASONAの法則の「Agitation(扇動) 問題点をあぶりたてる」という項目が「煽る」ととらえられ誤用されやすかったことから、新・PASONAの法則ではなくなり、その代わりに「Affinity:親近感」と「Offer:提案」が入っています。
新・PASONAの法則は、下記の項目の頭文字をとった文章の型です。
- Problem:問題提起
- Affinity:親近感
- Solution:解決策
- Offer:提案
- Narrow down:絞り込み
- Action:行動
それぞれどんな文章となるのか、こちらは例文とともに見ていきましょう。
Problemは「悩みの明確化」
新・PASONAの法則では、最初にユーザーが抱える問題や悩みを取り上げ、認識させます。
たとえば
といった、心の声を代弁するような形で使われることが多いです。
Affinity:親近感
最初に提示した悩みに共感したり、よくある事例を挙げたりして親近感を持ってもらいます。
たとえば先ほどの「なかなか痩せられない悩み」に対しては
といった書き方が適しています。
Solution:解決策
ここでは、悩みに対する解決策を提示します。
BEAFの法則で出てきた「Evidence:おすすめする根拠」をあわせて入れると信頼性が高まります。
Offer:提案
解決策を導入してもらうための提案を行います。
Narrow down:絞込
オファーの期間や対象を絞り込んで「今、行動しなくては」という気持ちにさせます。
Action:行動
最後の「Action」で行動を呼びかけます。
新・PASONAの法則はLPやセールスレターなどさまざまな場面で使うことができます。下記に例文をもう一度ご紹介するので、文章作成時の参考としてみてください。
Problem:問題 |
「もう少し痩せたいのに、時間がなくてなかなか痩せられない」と思っていませんか? |
Affinity:親近感 |
忙しい毎日の中で運動する時間をとるのは難しいですよね。食事制限を行うといっても何から始めていいのかわからない、と思ってしまいます。あるいは自己流の食事制限を始めてみたものの、極端に制限しすぎてリバウンド!なんて苦い経験をした方も多いのではないでしょうか。 |
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Narrow down:絞込 |
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Action:行動 |
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セールスライティングで知っておきたい3つのNot
セールスライティングを実践する際には上記のBEAFの法則、新・PASONAの法則のほかに「3つのNot」についても知っておくとスムーズです。
3つのNotとは消費者心理を表したもので、消費者が購買に至るまでには3つのNotを解消する必要があるといわれています。
【3つのNot】とは…
- 読まない(Not read)
- 信じない(Not believe)
- 行動しない(Not act)
「読まない、信じない、行動しない、なんて壁を超えるのは難しそう」と思うかもしれません。
しかし、セールスライティング・コピーライティングを使って伝えればこの壁を超えることが可能です。
事実、売れているショップ・サイトなどではセールスライティングを適切に使っているからこそ「売れている」のです。
ここでは、3つのNotを解消する具体的なテクニックについてお話しします。
【読ませる】キャッチコピーを活用する
キャッチコピーは商品の特徴や商品を購入した後のメリットなどを短く、わかりやすくまとめたものです。
目にした瞬間にメッセージを理解でき、続きに興味をもってもらえる効果があります。
第1のNotである「読まない」を解消するためには、キャッチコピーでまずユーザーに興味や関心を持ってもらうことが重要なのです。
短い文章でも強いなインパクトを与えられるキャッチコピーを作るためには、ターゲットの属性や悩み、興味・関心、ライフスタイルなどを知り尽くしておくことが大切です。
キャッチコピーのヒントは電車の中吊り広告やテレビCM、ネット広告など日常に溢れています。
アンテナを敏感にして、ターゲットに届くキャッチコピーを作れるようになりましょう。
【信じさせる】権威性やデータを使う
1つ目の「読まない」をクリアした後に壁となるのが、2つ目のNOT「信じない」です。
文章を読み進めてはいるけれど、「本当にここに書かれている内容が真実なのか?」「信じていい情報なのか?」と懐疑心を持つユーザーも出てくるはずです。
ここで不安や疑いを持ってしまうと、購入へつなげられなくなってしまいます。
「信じない」を解消するためには、権威性と情報の明確な根拠がポイントとなります。
たとえば、先ほど新・PASONAの法則で使用した例文を振り返ってみましょう。
「管理栄養士が考案した」という部分は、商品の権威性を高めています。
「管理栄養士」という職業は誰が聞いても「食事と栄養に関する専門的な知識がある」ことが明確ですね。
また「一食500kcal」という点は数字を出すことで情報の正確性を高めています。
これが「低カロリーの」「カロリーを抑えた」といった文だとすれば、人によってその定義は変わってしまいます。アスリートにとっての「低カロリー」と、スリムな体型を目指す女性にとっての「低カロリー」は同じ数字ではないはずです。
消費者は権威性や情報の根拠を得て初めて「怪しくない」「信頼して大丈夫そう」と思ってくれます。
【行動させる】理由・安心・手順の提供
ここまでで「読まない」「信じない」をクリアした消費者であっても、最後となる3つ目のNot「行動しない」をクリアする前にストップしてしまうことは少なくありません。
「魅力的で信頼できる商品だ」と認識していても、購入の判断を保留したり先送りにしたりすることは珍しくないからです。
「行動しない」を解消するには「商品のお届けまではたった3ステップ!」といった案内を入れるなどして、消費者が次にすべき行動をわかりやすくしましょう。
また「〇日~〇日までの限定セール!以降は通常価格に戻るため購入はお早めに!」といった文で「今買わなければ損してしまう」と行動の理由を与えて後押しするのも効果的です。
さらに、最後まで不安を感じているユーザー向けに購入して損する理由がないことを述べて、安心して購入してもらうのも忘れてはいけません。
行動する理由と安心感、購入へ向けての手順を提供することにより、最後の「行動しない」を解消できます。
セールスライティングとコピーライティングとの違い
商品を売るための文章には、セールスライティングの他にコピーライティングがあります。
コピーライティングは商品の販売ではなく、商品のイメージアップやブランディングに用いられる文という意味で使われます。
たとえばテレビCMでのキャッチコピーや、ポスターに掲載されるイメージコピーなどです。
しかし近年では記事タイトルやCVボタン周辺のマイクロコピーなどもコピーライティングとして扱われていて、その違いは曖昧になっています。
大枠でいえば、コピーライティングはセールスライティングに含まれると考えてよいでしょう。
まとめ:セールスライティングとは購買につなげる文章
セールスライティングに慣れないうちは、何をどのように書いたらいいのかわからず、書きながら迷ってしまうこともあるでしょう。
そんなときはこの記事を見返して、書き方・伝え方を振り返ってみてください。
この記事の要点は以下のとおりです。
- BEAFの法則はベネフィット・証拠・優位性・特徴の順で伝えるフレームワーク
- 新・PASONAの法則は問題提起、親近感、解決策、提案、絞り込み、行動の順で伝えるフレームワーク
- 3つのNot「読まない・信じない・行動しない」を超えるには「キャッチコピー」「権威性・データ」「理由・安心・手順の提供」が必要
フレームワークに沿って文章を組み立てれば「人に物をすすめるのは苦手」という人でも、正攻法で「売れる」文章を作れるようになります。
セールスライティングはECサイトの商品紹介やアフィリエイトブログなどさまざまな場面で、目的達成を強力にサポートしてくれるでしょう。ライティングは回数を重ねることで洗練されていくため、どんどん実践して身に着けていきましょう。