この記事の監修SEO会社
株式会社NEXER
2005年にSEO事業を開始し、計10,000社以上にSEOコンサルティング実績を持つSEOの専門会社。
自社でSEO研究チームを持ち、「クライアントのサイト分析」「コンテンツ対策」「外部対策」「内部対策」「クライアントサポート」全て自社のみで提供可能なフルオーダーSEOを提供している。
SEOのノウハウを活かして、年間数百万PVの自社メディアを複数運営。
「SimilarWebの使い方は?」「Similarwebの機能や画面の見方について知りたい」と、お困りではないでしょうか。
Similarwebは非常に便利なツールですが、有料ツールのため使いこなせないともったいないですよね。
そこでこの記事では、SEOツールのSimilarwebについて以下のことをお話しします。
内容を簡単にまとめると・・・
- SimilarWebを使えば、PVやユーザー数、流入元の割合など競合サイトの情報を確認できる
- SimilarWebは他のサイトの情報提供やWebツールから情報を得ていると考えられる
- 無料版だと機能に制限がある。有料版は多機能で月額199ドル~
目次
- 1 SimilarWebとは競合サイトの調査に便利なSEOツール
- 2 SimilarWebの機能
- 2.1 「Traffic Overview」大まかなアクセス状況を把握
- 2.2 「Geography」アクセスしている国を確認
- 2.3 「Referring Sites」流入元と流出先サイト
- 2.4 「Search Traffic」トラフィックを集めているキーワード
- 2.5 「Social」SNSからのトラフィック
- 2.6 「Similar Sites」競合サイトの抽出
- 2.7 「Display Advertising」広告からのトラフィック
- 2.8 「Audience Interests」興味関心まで分かるユーザー属性
- 2.9 「Mobile Apps」競合アプリの分析
- 2.10 最大37ヶ月前までのデータが確認可能
- 3 SimilarWebの有料版と無料版の違いは?
- 4 注意:SimilarWebのデータは参考程度に見ることが大切
- 5 まとめ: SimilarWebの使い方と見方
SimilarWebとは競合サイトの調査に便利なSEOツール
SimilarWebはイスラエルの企業で開発された「競合サイトの情報を提供してくれるツール」です。
日本では株式会社ギャプライズが正式に販売をしており、多くのSEO対策をはじめとしたWebマーケティング担当者に利用されています。
独自のクローラーでデータを収集
SimilarWebはどのようにアクセス数や流入キーワードなどを解析しているのでしょうか?
公式には発表されてはいませんが、ユーザーからデータを取得できる経路は限られているため、さまざまなWebツールが情報元といわれています。
たとえば、ブラウザの拡張機能もその1つです。Google chromeなどアドオンを追加する人も多いですが、便利な反面、知らず知らずのうちに行動データがSimilarWebに収集されている可能性もあります。
その他にも他社のWebツールで取得したデータをSimilarWebが購入するなどし、5000以上のソフトウェアからデータを集めているといわれています。
競合サイトのデータを丸裸にできる
Webマーケティングでは競合を知り、競合がどのように集客をし、成果を上げているのか把握することは重要な戦略となります。
SimilarWebでは、競合サイトのアクセス数、流入経路、遷移状況などサイトが検索エンジン、ユーザーからどのように評価されているか、その指標を知ることができます。
SimilarWebの機能
SimilarWebでは競合サイトのアクセス数、流入経路や状況などさまざまな情報を得られます。
これらはSEO対策をはじめ、Web集客をするにあたって貴重な情報となります。
競合サイトだけではなく、たとえば「Wikipedia」など多くのアクセスを集める人気サイトの調査にも応用できます。
人気サイトで流入の多いキーワードは、トレンドとなっている多くの人が興味・関心のあるテーマです。
新たなテーマ、コンテンツを追加する時に「たくさんのリソースを割いたけれど費用対効果が見込めなかったらどうしよう…」と判断が迷ったとき、こうしたデータを参考にすることでリスクを最小限に抑えることができます。
2015年のデータですが、MVNOが広がり始めたこの時期、格安SIMが世間の興味を集めていることが分かります。
その他にも具体的にSimilarWebのデータを分析に活かす方法を解説していきます。
参考:キーワードや順位チェックに役立つ無料・有料SEO分析チェックツールを紹介
「Traffic Overview」大まかなアクセス状況を把握
SEO対策とアクセス数には相関関係はないですが、因果関係はあるといわれています。
アクセス数が増えることで多くの人の目に触れ、被リンク、サイテーションをもらえる機会が増えるためです。
「Traffic Overview」の項目ではサイトの大まかなアクセス数を知ることができます。
被リンクは多くのツールで計測ができますが、リンクなしの言及とも呼ばれるサイテーションは、計測が難しいため、アクセス数は貴重なデータとなります。
ただし、SimilarWebで計測できるアクセス数は、あくまで大まかな数値という点に注意が必要です。
実際に調査をした例では実数値と2倍以上の乖離があったケースもあります。
アクセス数は目安として見るようにしましょう。
「Geography」アクセスしている国を確認
「Geography」では、アクセスしている国別のシェアを知ることができます。
昨今ではインバウンドをターゲットとした多言語化サイトも増えてきています。
海外向けサイトのWebマーケティングはSEO対策をはじめ難易度が高くなります。
海外向けコンテンツとなると日本と比べ、アクセスを集め易いコンテンツの好みも変わってくるためです。
また、主流となっている検索エンジンも異なるため、狙っていく地域によってSEO対策も変わります。
多言語化サイトの「Geography」を見ることで多言語化サイトにおいてアクセスを集めやすいコンテンツの傾向を知ることができるため、同様のサイト立ち上げ、コンテンツ改修等を行う際に大いに役立ちます。
「Referring Sites」流入元と流出先サイト
物販サイトではブランドサイトからECサイトへの導線を設け、マネタイズに繋げているケースも増えています。
「Referring Sites」ではどこからリンクを辿って来たユーザーか、またどこへ流出して行ったかドメイン別に見ることができます。
競合サイトの導線を知ることで、導線設計を参考にした上で、自サイトで活用していくことができます。
合わせて流入元サイトの流入キーワードを調べることで、SEO対策も合わせて行うことができます。
SEO対策において、日々、被リンクの重要性が叫ばれていますが、近年ではユーザー行動を重視する傾向にあります。
そのため、ただ単に被リンクを増やすだけではなく、実際にクリックされ流入があるいわゆる「生きた被リンク」を増やす必要があります。
サイトの流入元を知ることは競合サイトが集めている生きた被リンクを見つけ、自サイトに活用していくヒントになります。
その他には、流出先のサイトを見ることもできます。
基本的には自サイトでCVし、流出しないことが望ましいですが、アフィリエイト等のCV用のランディングページ、商材用サイトであればCV率向上にプラスになります。
リンクの貼り方などのサイト構成を参考にするのもおすすめです。
「Search Traffic」トラフィックを集めているキーワード
Googleアドセンスなど広告で収益を上げるビジネスモデルの場合には、アクセス数を増やすことが目標になってきますが、商品購入などコンバージョンが必要なモデルの場合には、流入キーワードの質も重要になってきます。
仮に100万PVがあるサイトであってもCV率が低ければ利益を上げることが難しくなります。
「Search Traffic」では、実際に流入しているキーワードを知ることができるため、競合サイトがコンバージョンキーワードを集められているか、また新たなキーワードを見つける方法として活用できます。
流入キーワードの検索順位を見ることで「上位表示されていないが流入がある=悩みが深いキーワード」を知ることもできます。
悩みが深いキーワードでは、CV率も上がるため対策をしていくことをおすすめします。
また、サイト名やブランド名での検索(指名検索)のボリュームを見ることで、競合の知名度やブランド力を図る目安にもなります。
それにより自サイトの立ち位置を明確にし、今後のWEB戦略の方向性を見定めることができます。
流入キーワードが分かれば、新たなテーマ、コンテンツを作成する際のヒントにもなります。
ページ内の見出しやコンテンツを比較して、サイト構成も参考にしていくようにしましょう。
「Social」SNSからのトラフィック
「Social」ではFacebookを始めとしたSNSからの流入数を知ることができます。
基本的にはSNSのリンクはnofollow属性が付与されており、被リンクの効果はないとされています。
Googleのジョン・ミューラー氏も公式動画でコメントを出しています。
動画内では「ソーシャルシグナルはGoogleのオーガニックランキングに影響を与えますが、直接影響するわけではないため、ランキングに何らかの影響があるわけではありません」と語られています。
直接的な影響は少ないですが、SNSでシェアされ拡散されることで、ブログ記事が参照されやすくなるメリットがあります。
SNSからのトラフィックが多いサイトはSNSの運用法や記事内のシェアボタンの設置場所などを参考にすると自サイトに活用ができます。
近年ではSNS運用サービス、コンサルを行っている企業もあり、Googleのアップデートによる変動が度々あるSEOのみに依存せず、流入経路を増やす取り組みが盛んになっています。
また、最近の傾向で権威性の評価基準の1つとして、SNS経由での流入数も見られている可能性があります。
たとえ、nofollw属性が付与されていたとしても、実際にクリックされユーザーが流入している生きた被リンクであれば評価される可能性があるのです。
このような状況を踏まえ、SNSでシェアされやすい記事の傾向を競合サイトから知ることは大きなメリットになるでしょう。
数年前まではSNSといえばFacebookが主流でしたが、今ではインスタグラム、Twitterを使うユーザーが多くなってきており、アクティブに使われるSNSの移り変わりはとても早いものです。
予算やリソースを費やす場所を決める際の参考としてもデータを活用できます。
「Similar Sites」競合サイトの抽出
Similar Sitesでは競合となるサイトを数サイト抽出できます。
実際に競合調査をするにあたり、調査するサイトを選ぶ際の参考になります。
「Display Advertising」広告からのトラフィック
「Display Advertising」では競合サイトがどの広告媒体からどの程度の流入を集めているかを知ることができます。
広告媒体それぞれ特色が異なるため、どのターゲット層を狙っているのかを知る参考データになります。
例えば、Google広告とYahoo!広告を比較すると、Google広告はモバイルユーザーが多いことから年齢層がやや低く、それに対しyahoo広告では、年齢層が高くなるのです。
また、yahoo広告の方が女性ユーザーが多いという特徴もあります。
このようなことから、競合サイトが特定の媒体にのみ広告を出している場合にはターゲットを推測する手掛かりになるでしょう。
「Audience Interests」興味関心まで分かるユーザー属性
Audience Interestsの項目では、アクセスしているユーザーの関心、興味のあるジャンル、また普段アクセスしているWebサイトまで見ることができます。
SEO対策の基本はユーザー体験を最適化し、ユーザーに合ったコンテンツを提供することです。
検索エンジン最適化スターター ガイドでも次のように述べています。
検索エンジンはユーザーの 1 つであり、他のユーザーがコンテンツを見つけるのに役立っています。検索エンジン最適化は、検索エンジンがコンテンツを理解して他のユーザーに提示するのを助けるためのものです。
ユーザー属性を知ることで、ペルソナの精度も上がり、競合サイトがどういった興味もったユーザーにアクセスされているかを知った上で、サイト構成、コンテンツを見ることで、特定のユーザーでCV率を上げるためのヒントを知ることができます。
「Mobile Apps」競合アプリの分析
Mobile Appsではアプリの分析をすることもできます。
近年は検索をしないユーザーも増えているといわれており、アプリ内でニュースを見たり、情報収集をすることも一般的になってきています。
Mobile Appsの機能ではアプリのダウンロード数・利用時間をはじめ、どういうシーンでどのように使用されているか判断することができます。
それにより、例えば、利用時間が分かることで通勤通学時間や自宅での休息時間などアプリの目的に応じてプロダクトを作ることができます。
最大37ヶ月前までのデータが確認可能
有料版に限定されますが、最大37ヶ月前までのデータを確認できます。
さまざまなサイトの3年間以上にわたるデータが保存されており、過去データの期間を自由に指定して参照することが可能です。
Googleが過去に行なってきたアップデートの移り変わりを確認しながらこれから行うべきSEO対策について戦略を立てることができます。
ほかにも競合となるライバルサイトが過去行なってきた施策について調査することによって、自分のサイトを運営するうえで有益な情報を得ることが可能です。
なお、無料版でも3か月前までのデータを確認できます。有料版の37か月前と比較すると短く感じてしまいますが、それでも過去行なったSEO施策の結果と現状を比較検証できる優位性は変わりません。
SimilarWebを有効活用することで、より効果的なSEO施策を行えるようになるでしょう。
【SimilarWebの競合分析機能を活用してできること】
- ライバルサイトへ多く流入しているキーワードで検索順位を取りにいく
- リスティング・アプリからの流入など今まで気づかなかった施策がわかる
今まで知らなかった情報を得ることによって「競合サイトに打ち勝つにはどうするか?差別化していくためには何をすべきか?」といったサイト運営に関する戦略を練ることができるため、無駄なく効率的に自分のサイトを伸ばすことができます。
また、ライバルサイトが使用している広告出稿サービスについての情報も得られるので、場合によっては自分が使っていない未知のサービスの発掘機会になる点もポイント。
なお、SimilarWebの競合分析機能で使用しているデータは、SimilarWeb独自のクローラーとブラウザ拡張プラグインなどから取得したクリックストリームデータの2つ。
特に独自クローラーの集めてくる情報量は大きく、月刊10億ページ以上の情報を集めていることが国内代理店公式サイトで紹介されています。
SimilarWebの有料版と無料版の違いは?
SimilarWebには有料版と無料版があります。
利用できる機能に違いがあり、競合サイトや業界分析で使うなら有料版の利用をおすすめします。
閲覧できる過去データの期間に制限があり、有料版だと最大37ヶ月前までの情報を閲覧できますが、無料版の場合3ヶ月前までの情報までしか確認できません。
気になる有料版の価格ですが、マーケティングパッケージ・アフィリエイトマーケティングパッケージ・ディスプレイマーケティングパッケージの3つは月額199ドル(約2万円)、これら3つにサポートなどがついたプレミアムプランは要見積もりとなります。
SEOに役立つツールは「おすすめの無料・有料SEO分析チェックツール」でも紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
注意:SimilarWebのデータは参考程度に見ることが大切
競合サイトのリサーチやサイト運営に関して非常に心強い武器になるSimilarWebですが、PV数の調査には向きません。
SimilarWebは独自の方法でデータを取得しているため、Google Analyticsが表す値と差が発生しているケースがユーザーの間で報告されているからです。差の範囲はサイトごとに異なり、実際のPV数と比べて半減しているケースもあれば、そこまで大きな乖離が見られないケースもある様子。
また、傾向としてPV数が増えると差が少なくなるようです。そのため、SimilarWebで確認できるPV数に関しては参考程度に見るよう心がけていたほうが良いでしょう。
SimilarWebのデータ計測に関しては具体的にどういう仕組みで行われているのか開示されておらず、ブラックボックス化されています。
そのため、「なぜ場合によっては大きな乖離が発生するのか?」についてはユーザーが知ることができません。
SimilarWebは優れたツールですが、表すデータを完全に信用してしまうと運営上の戦略ミスを起こしてしまう可能性を捨てきれませんので注意すべきです。
まとめ: SimilarWebの使い方と見方
SimilarWebを有効活用できる使い方を紹介しました。
この記事の要点は下記のとおりです。
- 競合サイトのユーザー属性でwebマーケティング戦略を知る
- 流入キーワードで新たなコンテンツ、ターゲットワードのヒントに
- 機能面では有料版が圧倒的に便利。ただしコストは高め
SimilarWebの使い方や見方が分かれば、seo対策だけでなく、コンバージョンの向上へ向けた新たなマーケティング戦略の引き出しが増えるメリットもあります。
それによって競合サイトを分析し、他と差別化した施策ができるようになるのです。
SimilarWeb以外に「SEOチェキ」と「ヒートマップ」もおすすめのツールです。それぞれSEOチェキの使い方と無料・有料ヒートマップを比較で解説していますのでぜひご覧ください。