「プレゼンの決め手となる導入事例を作りたい」「導入事例を見やすく分かりやすくまとめる方法が知りたい」

導入事例の作成や活用方法について、疑問や悩みをお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

「論より証拠」という言葉がありますが、商談やプレゼンで最後の決め手となるのは具体的な導入事例です。

導入して成果が出た事例が同業他社であれば、さらに強いインパクトを持つでしょう。

導入事例を自社のWEBサイトやプレスリリースとして発信することでも、高い宣伝効果を得られます。

この記事では導入事例の書き方や、テンプレート、注意点など多くのポイントを網羅的にまとめています。

導入事例の作成に興味がある方は、ぜひ内容をご確認ください。

訴求力のある導入事例の書き方

見る人の心に刺さる訴求力の高い導入事例は、どのような構成になっているのでしょうか。

3つのポイントに分けて解説します。

ストーリー形式で共感を得る

導入事例に共感ポイントがあると、ユーザーの聞く姿勢を作ることができます。

人は「自分に関係がある」「自分のことを言われている」と感じることには敏感に反応するため、話の内容を身近に感じることで、しっかりと話を聞いてくれるのです。

導入事例は事実として参考になる事例をまとめるものですが、ペルソナ設定に合わせてストーリー仕立てにし、より訴求力のある導入事例を演出しましょう。

ストーリー仕立てにするというと「嘘っぽくなってしまうのでは?」と心配になるかもしれませんが、もちろん事実ベースで書くことに変わりありません。

重要なのは「変化」を強調することです。

  • 抱えていた問題を解決し、スムーズに業務が進むようになった
  • 導入によって、競合と差別化でき問合せが増えた
  • 導入時には不安だったが、電話サポートもあったので安心できた

こうしたポジティブな変化に注目し、その変化が何をもたらしたのかをしっかりと書くことが大切です。

導入事例資料の内容がしっかり作りこまれていれば、それを見たユーザーに興味を持ってもらえます。

印象に残りやすい数字を使う

導入事例に数字を入れることで、より具体性のある資料を作成できます。

具体的には「導入前よりも生産力がアップした」というよりも「導入3か月で生産性が3倍」と表記とすると、読み手に具体的なイメージを抱かせることができ、印象を残しやすくなります。

導入事例の取材を行うときは抽象的な話は避け、数字を交えたヒアリングを行うようルール化することをおすすめします。

数値はタイトルや見出しに使うと目を止めてもらいやすくなることも、押さえておきましょう。

わかりやすく印象に残るワード選び

導入事例には具体的な数字の他に、わかりやすく印象的なワードを入れることも重要なポイントです。

導入事例の作成にあたって、担当者へインタビューする時は、ヒアリングした内容をそのままテキストにすると、抽象的すぎて伝わらない内容になってしまいます。

ヒアリングした内容をテキストに起こすときは、インタビューの臨場感はそのままに、読み手に対してわかりやすい言葉を選んで再構成しましょう。

導入事例の書き方と作成手順

ここからは、具体的な導入事例の作成手順について解説します。

取材対象企業を選ぶ

まず、既存顧客の中から導入事例の取材に協力してくれる企業を探します。

当たり前に感じられるかもしれませんが、取材申し込みは企業側にメリットがないと応じてもらえません。マナーとしても、値引きや条件の融通などをメリットとして提供し、お願いしましょう。

サービスの導入時に交渉しておくと、スムーズです。

自社の優位性と利点を示せる企業

自社の製品やサービスを存分にアピールするためには、業界ナンバーワンの企業の導入事例を示すことがもっとも効果的です。誰もが知る業界ナンバーワンの会社で、具体的な成果や成功事例を挙げられるとかなりの宣伝効果となるでしょう。

実際には業界ナンバーワンの企業が商品やサービスを導入してくれるとは限りませんので、自社の商品やサービスを存分に発揮して、よい成果が出ている企業へ依頼するのがベストな選択です。

自社商品やサービスをアピールできるか否かが選別のポイントとなります。
導入してから成果が出るまでに時間がかることがありますので、顧客とのリレーションシップも大事にしましょう。

取材による素材集め

多くの項目はインタビューの中でヒアリングし、深掘りしていくことで資料に厚みをもたせ、読み応えのある内容に仕上げていきます。

記事の構成に必要な項目は後述しますが、中途半端なインタビューはお互いにとってメリットがありませんので、ヒアリングの内容は事前によく考えておきましょう。

必要に応じて写真撮影も行います。

企業の印象が良く伝わるような画像や、インタビュー中の担当者の表情、商品やサービスに関連する画像など、テキストや図で伝わらない箇所を補う目的で撮影しましょう。

導入事例のテンプレート

基本的な導入事例の構成や、読み手の関心を引く内容について解説します。

ストーリー性を持たせたインタビュー記事

ストーリー性がある導入事例は読み手に響きやすく、興味関心を引きやすくなります。

導入の背景と現状の課題をわかりやすく明示し、導入に至るまでの経緯、導入後の変化、今後の活用方法と展開をすることで「導入するとどんなメリットを得られるのか?」が読み手にしっかり伝わる導入事例となるでしょう。

繰り返しになりますが、インタビューでは導入前と導入後の変化を強調してヒアリングします。。

導入事例記事の構成

導入事例のインタビューを行う際の、質問例や記載事項を以下にピックアップしました。
適宜、図表や画像を入れると、よりわかりやすくなります。

  • 対象企業の基本情報
  • 取材担当者の基本情報(役職・部署・氏名など)
  • 導入の背景(課題・ニーズなどできるだけ具体的に)
  • 決め手となった要因
  • 現在の活用方法
  • 使ってみての感想
  • 成果
  • 今後の展望や期待すること

比較検討資料の作成は同じフォーマットで作る

比較検討は読み手にとって重要な要素です。

導入前と導入後でどの程度の変化があり、成果が得られたのか、わかりやすい図表を揃えておくとより具体的な検討へ導くことができるでしょう。

より見やすく、検討しやすい資料の作成が必要となりますので、比較検討の資料は同じフォーマットでそろえましょう。

見やすい導入事例を作るポイント

導入事例は見やすさも重要なポイントです。

プレゼン資料としても使える、見やすい導入事例の作り方について解説します。

一目で分かるインフォグラフィックの活用

インフォグラフィックは、数字などの情報や多くのデータを視覚的に表現し、一目で理解できるようにまとめた図表です。

テキストや数字だけだと頭に入りにくい事柄も、インフォグラフィックを活用すると事柄が整理され、理解できるようになります。

効果だけでなく競合他社の情報が知りたい

企業は競合他社の状況を見ながら色々な施策を考えます。

導入事例には他社の情報を織り込むと、より強い興味関心を引くことができるでしょう。

競合他社の導入状況や、成果、改善点、業界シェア率など共有できる情報があれば積極的に共有しつつ、アピールポイントは前面に出しましょう。

導入事例の効果的な使い方

導入事例が完成したら色々な媒体に掲載して対外的にアピールしましょう。

自社のWEBサイトやLPページに掲載する

自社のWEBサイトや顧客獲得用のLPページは、ニーズが高いユーザーが訪れることが多く、導入事例を掲載する場所として効果的です。

掲載する時は専用のページを設ける、セクション分けするなどして見やすい・わかりやすいデザインを心がけましょう。

WEBの特性を活かして、一目で全体が把握できるインフォグラフィックをうまく活用すると、ユーザーは細かいところまで見てくれるでしょう。

メルマガで配信する

メルマガはニーズがさほど高くない人にも定期的に配信します。

したがって、メルマガに導入事例を掲載する時は、ユーザーの興味を引くために、ワードを選択して、インデックスのように掲載するようにしましょう。

詳細は公式WEBサイトをリンク先として誘導します。

ペルソナ設定がうまくできていれば、何割かのユーザーは、リンク先の公式WEBサイトで導入事例を見てくれるでしょう。

SNSで発信する

業態によってはSNSで導入事例を効果的に拡散できます。

基本的にはメルマガの導入事例と同様にWEBサイトへ誘導することが目的となりますが、SNSは動画や画像を活用することができるため、視覚要素を意識して発信する必要があります。

Twitterでは多くリツイートされると爆発的に多くの人の目に触れますので、バズを狙った発信も有効です。

プレスリリースとして周知する

WEBのプレスリリースサービスを活用し、業界へ向けて導入事例を発信する方法は、記事になりやすく、業界内で多く知れ渡る可能性があります。

WEBのプレスリリースサービスは@PressやPR TIMESが有名で、特定のワードで検索上位を狙うことも可能です。
業界内へのアピールは、WEBのプレスリリースサービスを活用するのが良いでしょう。

プレゼン資料に掲載する

導入事例をパワーポイントのようなプレゼン資料に組み込んで、商談の際にうまく活用しましょう。

自社サービスや商品を売り込むには、使うとどんなメリットがあるのか?という内容をより具体性をもって伝える必要があります。

よく作りこまれた導入事例を商談でうまく活用できれば、多くの言葉を必要とせず、スムーズに話を進めることができるでしょう。

まとめ 効果的な導入事例の書き方は具体的な数字とストーリー

導入事例は、自社の商品やサービスの優位性を示す重要なエビデンスです。

内容が相手にしっかり伝わらないと意味がありませんので、伝わりやすく分かりやすい導入事例を作りこみましょう。

ポイントは、ストーリー性と、導入前と導入後の変化、得られた成果の具体性です。

導入事例でメリットを感じてもらえれば、無理な営業をしなくてもスムーズに、自社のサービスや商品について、理解してもらえるでしょう。

取材や資料作成など、手間のかかる作業ですが、導入事例は自社にとって強い武器となりますので納得のいくまで制作しましょう。