MEO

日本では海外からの旅行者が増えたことで、飲食店をはじめさまざまな店舗でインバウンド（訪日外国人観光客）対策が必要となっています。新規顧客を多く獲得できる可能性があり、売上の増加を見込めるからです。

しかし、インバウンド向けにどんな対策をしたらいいのか、わからない経営者も多いのではないでしょうか。そこで、この記事ではインバウンド向けでおすすめの集客方法をわかりやすく紹介します。海外からの旅行者に向けた効果的な集客方法を解説しますので、参考にしてください。

インバウンド（訪日外国人観光客）集客の必要性

現在、日本には海外からの旅行客が押し寄せ、飲食店やホテル業界、体験施設などさまざまな場所でインバウンド対策が必要です。今後もインバウンドの数は増え続けることが予想され、新規顧客を獲得するチャンスが眠っています。

国土交通省によると、2030年度に訪日外国人観光客数は6,000万人になるとされ、消費額は15兆円の達成を目標に掲げています。今後、さまざまな業界で生き残るためには、インバウンドの集客対策をする必要があります。

また、現在ではこれまで主流だったアジア圏の旅行者だけでなく、欧米やオーストラリアからの旅行客が増えています。新規顧客を獲得するチャンスが多くなり、インバウンド集客が成功すれば売り上げを急増させることも可能です。

しかし、日本に住んでいる顧客と同じように集客してもインバウンド対策にはなりません。オンラインとオフラインをうまく活用して、海外の顧客にアピールする必要があります。また、多言語に対応する必要があり、新たにさまざまな施策を行わなければなりません。

いまから本格的にインバウンド向けの集客を行い、魅力的なサービスやプランを提供できるようにしましょう。ここからは、実際にどんな施策を行えば良いのかわかりやすく解説します。

出典：国土交通省

訪日外国人観光客はどのように情報収集しているのか

集客を行う上でまず確認したいのが、訪日外国人観光客が情報収集する方法です。国土交通省・観光庁が発表している「訪日外国人の消費動向」によれば、出発前に役に立った情報源として、SNS、動画サイト、個人のブログが上位に挙げられました。

その他にも、家族や友人といった親しい人からの体験談を参考にしている人もいます。さらに、滞在期間が長い旅行者はホテルのスタッフや日本のメディアの情報、交通広告を見て参考にする人もいました。

それらの観光客は、日本に滞在中は情報収集を89.5％がスマートフォンで行っています。観光案内所の利用より多く、オンラインでの集客が必須なことが証明されました。口コミなどを探すケースも多く、多言語化したサイトで店舗や施設が紹介されていることが集客の大事なポイントになります。

情報源の言語としては、英語がもっとも多く、韓国語、中国語（繁体字）、中国語（簡体字）が続いています。この4つの言語がほとんどの割合を占めているので、対応が必須になるでしょう。

これらの情報を基に、どんな顧客をターゲットにするか決めて集客する必要があります。日本の顧客を集客するより難しく、どの言語で何をアピールするのか決定しなければいけません。用意周到に計画を練って、インバウンド向けの集客は行う必要があります。

出典：国土交通省・観光庁ウェブサイト

インバウンド（訪日外国人観光客）の集客が難しい理由

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ここまで紹介した通り、インバウンド集客は日本人向けとは違いかなり難易度が高い施策が必要になります。情報を発信するサイトやSNSも日本人観光客と違い、言語もどこまで対応すれば良いのか考えなければいけないからです。

ここからは、外国人観光客を受け入れる上で課題になりそうなポイントを整理して紹介します。

ターゲットへのリーチが難しい

まず、一番の課題になりそうなのが、ターゲットの外国人観光客にどうやってリーチするかです。飲食店でも施設でも、観光客に存在を知ってもらえなければ集客はできません。オンラインで集客する場合も、どのサイトに情報を発信したら良いのか判断が難しくなります。

また、外国人旅行客について詳しいスタッフが少ないと宣伝を打つことも困難です。外国人観光客のニーズをつかむのは難しいので、海外向けのマーケティングを行うことができなくなります。

特に、個人で運営している小規模な店舗や施設の場合、国内の顧客向けの宣伝だけで手一杯になっていることでしょう。インバウンド向けの施策を行えず、顧客を逃がしてしまうことになります。

魅力的なプランを企画するのが難しい

集客を行う場合は海外の旅行者に好まれるプランを企画するのも大変です。日本人向けに成功したプランでも、外国人には魅力的ではないこともあるからです。

過去には日本食や電化製品などがわかりやすく人気でしたが、近年では体験型アクティビティが注目されています。季節によってもニーズが大きく変わるので、流行を常に確認しておく必要があります。

さらに、観光客の年代によっても日本でやりたいことは変わり、ニーズが多様化しています。しっかりとターゲットを絞ってプランを企画することが重要となり、インバウンド向けの集客は過去よりも難しくなっている現状です。

現在は、インバウンド集客を多くの企業や店舗、施設が急激に進めています。ライバルとの差別化を図らなければ集客は成功しないので、自社にしか無い魅力を検証することが重要になるでしょう。

多言語に対応するのが難しい

さまざまな施策を行う上で、外国人観光客に向けて多言語に対応する必要があります。前述した通り、訪日外国人観光客は英語、韓国語、中国語（繁体字）、中国語（簡体字）の順で情報源を閲覧しています。

最低でも4つの言語に対応する必要があり、公式HPやSNSへの投稿、メニュー表の変更などいろいろと対応しなければいけません。また、外国語にスタッフが対応する必要があり、人材の問題などもあります。

現在では、アプリでAI対応の翻訳機などが普及していますが、最終的には外国人観光客とスタッフがコミュニケーションを取る必要も出てきます。どうやって対応するのか、経営者だけでなくスタッフも理解した上でインバウンド集客を行わなければいけません。

多くの外国人観光客を集客するには、さまざまな言語を理解する必要があります。アプリだけで対処できるのかも含め、大きな課題になりそうです。

インバウンド（訪日外国人観光客）の効果的な集客方法

課題を理解した上で、ここからは実際にインバウンド集客に効果がありそうな施策を紹介します。主にオンラインでの宣伝が有効で、日本人観光客とは違うサービスでの展開も必要です。外国人観光客の動向を理解して、無駄のない集客を行うようにしましょう。

MEO（マップエンジン最適化）

外国人観光客がスマートフォンで主に情報を収集していることをふまえ、Map Engine Optimization（マップ検索エンジン最適化）が重要となります。主に、世界的に利用者が多いGoogleマップの最適化は必須です。

MEOを行う際に、Googleビジネスプロフィールに登録して店舗の情報を正確に整えましょう。さらに、カテゴリの設定やプロフィールを充実させることで、検索で上位に表示される可能性が高まります。最新の情報を常に発信することも、MEOでは重要です。

また、書き込まれる口コミに対しては、可能な限りしっかりと返信をするようにしましょう。外国人観光客は、飲食店などの店舗を選ぶ際に、口コミをしっかりと確認しています。丁寧に返信している店舗は評価も高くなり、新規顧客の獲得につながるでしょう。

特に、MEOに関しては無料で行える部分が大きい施策です。スタッフを配置して、丁寧な対応ができる体制を整えましょう。

SEO（検索エンジン最適化）

自社で公式ホームページやブログなどを管理している場合は、SEOも大切な施策となります。SEOは検索エンジン最適化を指し、自社の運営しているサイトが検索で上位に表示されるようにする施策です。

特に、外国人観光客はGoogleを使用していることが多いので、しっかりと対策を練るようにしましょう。専門業者に頼めばより効果的ですが、自社で行える施策も数多くあります。常にサイトやブログで最新の情報が更新されるようにして、最適化を行いましょう。

また、インバウンド向けの施策であれば、キーワード選定に関して外国人観光客に響くような言葉を選び出す必要があります。どんなワードが人気なのかをしっかりと把握して、自社の商品やサービスと結びつけてSEOを行うことが重要です。

SNS

公式ホームページやブログと同様に、公式SNSの運用は集客において効果を発揮します。写真や動画を配信することで、言語に関係なく旅行客にアピールできるからです。

InstagramやTikTokは外国人の利用者が多く、写真や動画の投稿に適しています。言語に関係ない部分も大きく、他のSNSより効果的にインバウンド集客に利用できるでしょう。

また、どのSNSを利用する際も、外国人観光客に向けては母数の多い英語での表記がおすすめです。投稿の中にさまざまな言語が掲載されていると見づらく、せっかく写真や動画を配信しても閲覧してもらえない可能性があります。

SNSを活用する場合は、外国人にどんな写真や動画が好まれるのかをリサーチすることも必要です。日本人の観光客向けではない投稿も必要となり、差別化を図って運用していく必要があります。

多言語対応

公式ホームページやブログ、SNSを運用する上で多言語に対応することも重要です。現在、日本を訪れている外国人観光客は、英語、韓国語、中国語（繁体字）、中国語（簡体字）の順番で情報を収集しています。

集客するうえでは、店舗のメニューなどの多言語化だけなくサイトにも適応させるとより外国人観光客には好まれます。

しかし、サイトを多言語化する際には、デザインが崩れる恐れがありSEO対策が難しくなる可能性もあります。さらに、SNSで多言語の文面を配信する場合、単に日本語を英語化しただけの文章はあまり好まれない傾向にあります。

サイトで多言語に対応する場合は、ターゲットを絞って誰に見て欲しいかしっかりと考える必要があります。また、インバウンド集客を行う競合他社も増える中、どうやって独自性を出すのかも重要なポイントです。

どの言語をメインに取り扱うかも難しい点で、自社のサービスとマッチした国や言語を把握する必要があります。

口コミサイト

スマートフォンでの情報収集を多くの外国人観光客が行う中で、口コミサイトは有力な情報源です。日本人におなじみのGoogleマップをはじめ、欧米人にはトリップアドバイザーが人気です。さらに、中国人には大衆点評やfliggyが好まれるなど、国によって人気となる口コミサイトは多様化しています。

施設や店舗などを運営している場合は、これらのサービスに情報を登録しておくだけで口コミが掲載される可能性があります。情報の更新などは煩雑になりますが、新規顧客の獲得のためにきちんと登録することをおすすめします。

ターゲットとする国や人種が決まっている場合は、独自の文化や宗教に関する理解を店舗や施設で深めることも重要です。口コミで高評価を得ることができ、集客にとって大きな効果を発揮します。

また、日本人の顧客と同じく口コミに対して返信をするのも重要です。作業は多くなりますが、口コミを見た外国人観光客から高評価を受ける可能性が高く、是非とも行いたい施策となります。

海外OTA

さらに、しっかりと取り組みたいのが海外OTAに関する施策です。OTAは「Online Travel Agency」の略で、オンラインで旅行の手配を終わらせることができる旅行会社のことです。

インバウンドでの利用率が伸びているサービスで、booking.comなどが有名なサイトとなります。特に宿泊施設など観光事業者が活用するサービスで、うまく利用すれば多くの外国人観光客を集客できます。

各OTAによってユーザー層が違うので、複数のサイトに登録するとより効果的です。登録していないとインバウンド集客にとってマイナスになるので、観光業に関連する企業の場合は施策に入れましょう。

インバウンド（訪日外国人観光客）での集客成功のポイント

ここまで、さまざまな課題点や集客する施策を紹介してきました。日本人の顧客とは違い、インバウンド向けの集客を行う場合は、新規で取り組むことも多くあります。

ここからは、実際に施策を行った上で、外国人観光客を獲得する際の注意すべきポイントを紹介します。参考にして、さまざまな施策を行うようにしてください。

ターゲットのニーズを把握する

どんな施策を行うにも、しっかりターゲットを絞ることが重要です。集客を行う上でニーズを調査しなければいけないのですが、国や世代によって魅力に感じることが大きく違うからです。

最近では、外国人観光客から体験アクティビティが人気を集めています。そういった動向を窺いながら、自社の強みとどう結びつけられるかを調査する必要があります。ニーズは常に変わっていますので、最新の情報を確認できるようにニュースや国が発表する資料をチェックしましょう。

自社の強みを明確にする

インバウンド集客を行う上で、何をアピールしたいかがもっとも重要になります。自社で海外の旅行者に売り込める魅力があるのか、しっかりと把握して施策を行いましょう。

特に、飲食店の場合は、日本でしか食べられないメニューが大きな魅力になります。伝統料理なども売りとなり、特別な体験を提供できます。どこに、強みや魅力があるのか、しっかりと確認して集客の施策を行うようにしましょう。

ターゲットに合った集客施策をおこなう

日本人の顧客と同じく、どんな人に自社のサービスや施設、店舗を利用して欲しいかペルソナの設定が重要です。より詳しくターゲットを絞り込むことで、どんな宣伝をすれば良いのかもはっきりとします。

設定する際は、国籍や年代、旅行スタイルに注目しながら細かいターゲットを作り出しましょう。明確にターゲットを絞ることで、ニーズに合った集客の施策を行うことができます。集中して運営するサイトやSNSなども明確となり、効果が期待できる施策を選ぶことが可能です。

効果を見ながら改善する

インバウンド集客に限ったことではないですが、施策のゴールとなるKPIの設定も重要です。これまでインバウンド向けの施策を行ったことが無い会社や店舗が多い中、細かく効果測定をすることが大切です。

サイトやSNSを使用した集客は、数字で効果測定をしっかりと行えるので頻繁に実施しましょう。また、スタッフが対応できているのかを確認することも大切です。無理なく、インバウンド集客が行えているのか見ながら、改善していけば良い結果が生み出されます。

ポイントを押さえてインバウンド（訪日外国人観光客）集客を成功させよう

ここまで紹介したように、インバウンド集客は入念に計画を練って行う必要があります。情報を発信する場合でも、どの言語やターゲットに絞るかが決まっていなければ、すべてが無駄に終わってしまうからです。

しかし、自社の強みを活かしつつポイントを押さえた集客を行えれば、多くの外国人観光客を呼び込めるチャンスがあります。特に、新規顧客を狙っている企業や店舗では、インバウンドビジネスが大きく飛躍するキッカケにもなります。

さまざまな施策を行う必要がありますが、要点を外さなければ大きく失敗することはありません。来年以降はさらに外国人観光客が増えそうな中、どんな業種であれインバウンド向けの集客を行って早めの対策を行いましょう。