MEO

「老人ホームのMEO対策って何から始めればいいの？」

「地域で施設を見つけてもらうにはどうしたらいい？」

このような悩みを抱える介護施設の運営者は多いのではないでしょうか。

MEO対策は、地域で施設を探している利用者やご家族に効果的にアプローチできる手法です。適切に実施すれば、検索上位表示と新規利用者獲得を同時に実現できます。本記事では、MEOの基本的な仕組みから、Googleビジネスプロフィールの設定方法、口コミやキーワード選定などの対策ポイントまで解説します。

介護施設の集客にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

MEOとは

MEOとは、Map Engine Optimization（マップエンジン最適化）の略称で、Googleマップなどの地図サービスで自分の店舗を検索結果に正しく表示させ、来店につなげる集客施策です。具体的には、Google検索で「地域名＋サービス名（業種）」といった特定の地域に結びついたキーワードで検索された際、地図と店舗の一覧（ローカルパック）での上位表示を目指します。

ローカルパックで上位に表示されることで、検索ユーザーの目に留まりやすくなるのが特徴です。たとえば、スマートフォンで「カフェ 横浜」と検索したユーザーは、今すぐ近くのカフェを探している可能性が高いでしょう。このようなユーザーに対して地図と共に店舗の情報を表示できれば、効果的に来店を促せます。

MEO対策で中心的な役割を担うのが、Googleが提供する無料のサービス「Googleビジネスプロフィール（GBP）」です。店舗の名前、住所、電話番号といった基本情報、営業時間、写真、口コミなどをGoogleビジネスプロフィールで適切に管理・運用することで、店舗は検索エンジンから高く評価されるようになります。

その結果、検索対象となるキーワードの拡大や検索ランキングの向上といった効果が現れます。店舗情報の露出機会が増え、魅力的な情報発信を通じて店舗の特色を効果的に伝えることで、持続的な集客効果が期待できるでしょう。MEOは地域密着型店舗にとって今や必須のデジタルマーケティング手法といえます。

MEOの老人ホーム・介護業界における集客への影響

MEOが老人ホーム・介護業界の集客に与える影響は、近年ますます拡大しています。スマートフォンの普及により、高齢者の家族や介護関係者の情報収集方法が大きく変化したためです。

現在では、外出先でも手軽に情報を検索できるようになりました。とくに外出先で即座に情報が必要な場合、Googleマップなどの地図サービスが頻繁に利用されます。

知人から施設の話を聞いた際も、その場ですぐ地域名やサービス名で地図検索するケースが増加しています。介護業界では急な介護ニーズが発生した際の情報収集がとくに重要で、「母親が突然入院し、退院後の受け入れ先を探さなければならない」といった緊急時に、家族は「○○市 老人ホーム」「デイサービス 空き状況」などで検索することが多いでしょう。

地図検索で上位表示される介護施設は、自然と多くの人の目に触れ、認知度向上につながります。「足立区 デイサービス」「障害者 介護施設」などのキーワードで検索した際、適切に最適化された施設がリスト上位に表示されれば、新規利用者獲得が期待できるでしょう。

地図検索では施設の所在地が視覚的にわかり、営業時間や連絡先を一目で確認でき、ルート案内を利用すれば来訪も簡単になります。地図検索結果には口コミや星評価も表示されるため、ポジティブなレビューが多い施設は、利用検討中の家族にとって魅力的な選択肢となります。

介護サービスは非常にデリケートな選択であり、実際の利用者による「スタッフの対応が親切だった」「清潔で安心できる環境」といった具体的なコメントが、施設選びの決め手になることも少なくありません。また、地図検索は施設への経路や到着時間も提供するため、新しい地域で施設を探す場合や、急な見学・相談が必要な場合に非常に有効です。

MEOは介護業界において潜在利用者やその家族にアプローチし、施設の成長と入居者増加を実現する重要なデジタルマーケティング戦略といえます。

MEOの仕組みと3つの評価ポイント

MEOの仕組みは、Googleが独自のアルゴリズムに基づいてローカル検索結果の順位を決定することです。Googleは、以下の3つの要素を総合的に評価し、検索ユーザーにとって最も関連性が高く、有益な情報を表示しています。

• 検索キーワードとの関連性
• 検索地点から店舗までの距離
• ビジネスの知名度（視認性の高さ）

検索キーワードとの関連性

検索キーワードとの関連性では、店舗がどのようなキーワードやトピックとの関連性が高いかが評価されます。たとえば、「老人ホーム＋地域名」と検索された際、Googleビジネスプロフィールや公式ウェブサイト、顧客レビューなどに「介護」という業種に関連する記載が不足していると、その店舗は「介護」というキーワードとの関連性が低いと評価されてしまいます。

関連性を高めるには、ビジネスプロフィールの説明文に適切なキーワードを盛り込むことが効果的です。「デイサービス」「訪問介護」「リハビリ」といった具体的なサービス名を記載することで、対象とする検索キーワードとの関連性を明確に示せるでしょう。

検索地点から店舗までの距離

検索地点から店舗までの距離も、MEOでは重要な評価ポイントです。Googleは「関連性」「距離」「知名度」を総合的に判断してランキングを決定するため、必ずしも最も近い店舗が1位になるとは限りません。

ただし、同程度の関連性や知名度を持つ競合施設がある場合、距離の近さが決定的な差別化要因となることがあります。たとえば、「介護施設」と検索した場合、ユーザーの現在地から近い施設が優先的に表示される傾向があります。

距離については直接的な対策は困難ですが、Googleビジネスプロフィールに正確な住所を登録することで、ユーザーが現在地から施設までのルートを把握しやすくなり、来訪を促す効果が期待できるでしょう。

ビジネスの知名度（視認性の高さ）

ビジネスの知名度（視認性の高さ）も、MEOの評価を左右する重要なポイントです。施設がどれくらい広く認知され、知られているかを示す指標となります。

具体的には、インターネット上にその店舗の情報が多く掲載されている、口コミの数や評価が高い、施設名で直接検索される頻度が多い場合に、知名度が高いと評価される傾向があります。サイテーション（被リンクがなくても他のサイトで言及されること）を増やし、オンラインでの存在感を高めることも、認知度向上につながる効果的な手法といえるでしょう。

老人ホーム・介護業界におけるMEO対策の流れ

老人ホーム・介護業界におけるMEO対策の流れを理解するには、まず検索ユーザーがどのような行動を取るかを把握することが必要です。検索ユーザーの行動は、一般的に以下の5つのステップを踏みます。

①認知→②興味・関心→③評価・検討→④行動→⑤共有

MEO施策で最初に取り組むべきは、①の認知を高め、②検索ユーザーの興味・関心を引き出すことです。介護施設がMEO対策で成果を上げるには、以下の2つの視点で施策を実施することを意識してください。

まず、施設を見つけてもらうために、関連性や検索評価を高める施策を実施します。具体的には、Googleビジネスプロフィールの最適化や適切なキーワード設定が欠かせません。

次に、見学や相談につながるよう、興味・関心を喚起し、利用促進につなげる施策を行います。魅力的な写真の投稿や詳細な施設情報の提供が代表例といえるでしょう。

MEO対策の効果を最大化するには、まずビジネスプロフィールの登録や設定から始めることが基本です。

Googleビジネスプロフィールの登録方法

Googleビジネスプロフィールの登録は、老人ホーム・介護業界がMEO対策を始める際の最初のステップとなります。まずは、Googleマップで自分の施設名や住所を検索してみてください。

Googleは多くのインターネット上の情報から自動的に店舗情報を作成するため、すでに施設情報が登録されている場合がほとんどです。また、一般の利用者が施設データを登録することもあるため、開業前の新規施設を除き、すでに何らかの情報が存在していることが多いです。

施設情報が表示されている場合は、オーナー認証手続きを進めます。「このビジネスのオーナーですか？」という表示が出たら、そこから管理者権限を取得してください。検索しても老人ホームや介護施設の情報が表示されない場合は、新規でビジネスプロフィールを作成する必要があります。登録手順は以下の通りです。

• Googleビジネスプロフィールの公式サイトにアクセス
• Googleアカウントでログイン
• 施設名・住所・電話番号など基本情報を入力
• カテゴリ選択（老人ホーム、介護施設など）
• オーナー確認

なお、これから開業予定の介護施設であっても、オープンの90日前からGoogleビジネスプロフィールの公開が可能です。早めに登録しておくことで、開業時からスムーズにMEO対策を始められます。

老人ホーム・介護業界におけるGoogleビジネスプロフィール設定時のポイント

老人ホームや介護施設がMEO対策を成功させるには、Googleビジネスプロフィールを正確かつ魅力的に設定することが欠かせません。MEOの評価を左右する重要な設定ポイントを以下にまとめました。

• ビジネスカテゴリの設定
• ビジネス名の登録
• 住所や電話番号の登録
• 営業時間の設定
• 特別営業時間の設定
• 予約機能の活用
• 写真・動画の掲載
• 属性情報の設定

ビジネスカテゴリの設定

ビジネスカテゴリは、MEOにおいて非常に重要な要素です。Googleビジネスプロフィールに登録する際は、施設を最も的確に表すカテゴリを必ず設定しましょう。

老人ホームであれば通常は「老人ホーム」がメインカテゴリとなりますが、「介護施設」や「介護付き住宅」がより適切である場合もあります。メインカテゴリを設定すると、Googleはあなたのビジネスがどのような業種なのかを正確に把握します。

これにより、「老人ホーム 横浜」や「介護施設 横浜」といった、ユーザーが検索するキーワードとの関連性が高まり、検索結果に表示されやすくなるでしょう。また、複数のサービスを提供している施設では、追加カテゴリの設定も効果的です。

たとえば、介護施設で複数のサービスを展開している場合、追加カテゴリとして「高齢者専用住宅」や「デイケアサービス」などを登録しておくとよいでしょう。ただし、むやみに数を増やすのではなく、実際に提供しているサービスの範囲内で設定してください。

ビジネス名の登録

ビジネス名の登録では、看板に表示されている名前や施設のロゴ入りグッズに記載されている名前など、実際に利用者や家族に認知されている正式名称で登録してください。施設名以外に地名やキーワードを含めることは、Googleのガイドライン違反となります。

「○○老人ホーム格安介護」「△△介護施設24時間対応」のような表記は規約違反であり、ビジネスプロフィールの停止につながる恐れがあるため、絶対に避けましょう。正しい登録例は「社会福祉法人○○会 ○○園」「医療法人△△会 △△ケアホーム」のように、正式な法人格を含めた施設名です。

複数の施設を運営している場合は、「本館」「東館」「○○支所」などの識別子を含めることが認められています。ブランド名がある場合も、「ニチイケアセンター○○」のように正式名称を使用してください。

正確なビジネス名を登録することで、Googleからの信頼を得られ、利用者にも施設を正しく認識してもらえるようになります。

住所や電話番号の登録

住所や電話番号の登録は、公式ホームページや施設案内パンフレットの表記と完全に一致するよう正確に入力してください。「3丁目16-35」や「3−16−35」などの表記揺れはGoogle側で自動変換されるため問題ありませんが、建物名以降の情報は、全角・半角を含めて正確に一致させる必要があります。

住所と電話番号の正確性は、NAP情報（Name、Address、Phoneの頭文字を取った略語）の統一という点でとくに重要です。検索エンジンはGoogleビジネスプロフィールや公式サイト以外にも、口コミサイトや介護情報ポータルサイトなど、インターネット上のさまざまな情報を収集しています。

NAP情報が一致していると、直接リンクされていなくても同じ施設の情報として認識され、そこで言及されたキーワードや評価が検索評価の対象となるでしょう。一方で、NAP情報が統一されていないと同じ施設として認識されず、検索評価の機会を逃してしまいます。

正確な情報を登録することで、ユーザーはGoogleマップのナビ機能を使って施設まで迷わずアクセスできます。また、電話番号をワンタップで発信できるよう設定することで、問い合わせのハードルが下がり、見学や相談につながりやすくなるでしょう。

営業時間の設定

営業時間の設定は、施設の相談受付時間や見学対応時間を正確に登録することが重要です。検索ユーザーには開始・終了時間に加えて、現時点での営業状況（営業中／営業時間外）がリアルタイムで表示されます。

そのため、正確な設定により利用者の利便性が大幅に向上するでしょう。営業時間が間違って設定されていると、実際は相談を受け付けているにもかかわらず「営業時間外」と表示されてしまい、せっかくの問い合わせ機会を逃してしまいます。

老人ホームや介護施設は緊急の相談が多いため、正確な情報提供がとくに必要です。多くの介護施設では、平日と土日で相談受付時間が異なります。

たとえば平日「9:00-18:00」、土曜日「9:00-17:00」、日曜日「10:00-16:00」といった設定が一般的です。施設見学と相談受付で時間が異なる場合は、メインとなる相談受付時間を基準に設定しましょう。

24時間対応の施設では、その旨を適切に設定し、緊急時の対応については説明文で詳しく補足することで、利用者の安心感を高められます。

特別営業時間の設定

特別営業時間は、通常の営業時間と異なる日を個別に設定できる機能です。臨時休業や営業時間の変更がある場合は、必ず特別営業時間として設定し、利用者に正確な情報を提供しましょう。

年末年始やゴールデンウィーク、お盆休みなどの長期休暇には、事前に特別営業時間を設定することで不要な来訪を防げます。介護施設では緊急時の対応が必要な場合もあるため、休業日でも緊急連絡先を説明文に記載しておくと安心です。

隔週定休や第3土曜日休業、毎月15日休業など、複雑な定休日には通常の営業時間設定では対応できません。少し手間はかかりますが、特別営業時間を利用して個別に設定しましょう。

祝日にはGoogleマップ画面に「通常の営業時間と異なる場合があります」という注意書きが表示され、見学を検討しているご家族に不安を与える可能性があります。特別営業時間を設定すれば注意書きは消えるため、通常と同じ営業時間でも祝日は設定しておくことをおすすめします。

正確な営業時間情報は、利用者の信頼につながる大切なポイントです。

予約機能の活用

予約機能の活用は、老人ホーム・介護業界において「見学予約」や「相談予約」などの場面でとくに有効な施策です。Googleビジネスプロフィールでは2つの予約設定方法が用意されています。

1つ目は、オンライン予約ツールのURLを直接設定する方法です。公式サイトや個別に利用しているオンライン予約システムがあれば、そのURLをカスタムリンクとして登録しましょう。

既存の予約システムを活用することで、追加コストをかけずに予約機能を実装可能です。

2つ目は「Googleで予約」を利用する方法です。Googleが提携している予約管理システムのプロバイダを利用することで、カレンダー予約や事前決済機能など、予約業務の効率化を図れます。

ただし、Google公式パートナーの予約システム利用料（月額数千円程度、または予約ごとの手数料）が別途必要となるため、施設の規模や予算に応じて検討しましょう。

介護施設ではご家族による施設見学の予約が多いため、予約機能を設置することで見学希望者の利便性が向上し、スムーズな問い合わせにつながります。電話対応の負担軽減に加え、24時間いつでも予約受付が可能になる点も大きなメリットです。

写真・動画の掲載

写真や動画の掲載は、施設の雰囲気やサービス内容を視覚的に伝える最も効果的な手段です。施設の外観や内装、スタッフの写真は検索ユーザーの来訪意欲を高め、利用者獲得に役立ちます。

入居者やご家族からの写真投稿もありますが、施設の運営者も積極的に写真を掲載しましょう。とくに、居住空間の清潔さや食事の様子、レクリエーション活動、スタッフの温かい対応などが伝わる写真を多く掲載することで、安心感や信頼感を高められます。

Googleは写真の内容をある程度判別し、ビジネス情報として評価に反映するため、検索結果での評価向上につながります。写真を掲載する際は、周囲の余計な要素が映り込まないよう注意し、被写体（施設の内外観、スタッフ、サービス風景など）が明確にわかる写真を撮影してください。

また、動画も訴求効果が高く、施設の日常風景やサービスのよさをよりリアルに伝える手段として非常に効果的です。

属性情報の設定

属性情報の設定は、MEO対策として非常に効果的です。Googleビジネスプロフィールでは、「女性スタッフが在籍」「駐車場あり」「オンライン相談可」など、施設の特長を属性として設定できます。

これらの情報は検索エンジンが施設の特長を正しく理解するために使われ、検索順位にも影響するため、できる限り詳しく設定しましょう。モバイル端末やタブレット端末で検索した際、これらの属性情報が検索画面にも表示されます。

ユーザーに施設について事前に詳しく伝えることにつながるため、細かく設定してください。属性項目は定期的に更新され、新しい項目が追加されることもあるため、数か月に一度は設定内容を見直すことをおすすめします。

MEOでは「口コミ」も大事なポイント

MEOにおいて口コミは、検索順位を決定する重要な要素の一つです。口コミの数や評価の高さは、Googleが施設の信頼性や人気度を判断する際の重要な指標となります。

ここでは、口コミを効果的に活用するための具体的な方法について解説します。

• 口コミへの返信は来店率に影響する
• 口コミを増やす方法
• 口コミを増やす際の注意点

口コミを適切に管理し、積極的に増やしていくことで、MEO効果を最大化できるでしょう。

口コミへの返信は来店率に影響する

口コミへの返信は来店率に大きく影響します。利用者やご家族が投稿した口コミに返信するのは、投稿者への感謝や配慮を示すだけではなく、施設全体のイメージ向上にもつながるからです。

口コミへの返信は、投稿者本人だけでなく、それを閲覧している他の検索ユーザーやご家族にも大きな影響を及ぼします。とくにネガティブな内容や誤解が生じている口コミに対しては、施設責任者が丁寧に対応することで誤解を解き、利用者に納得していただける解決策を提案することが必要です。

施設に問題がある場合は、誠実な謝罪と具体的な改善計画を示すことで、逆に施設への信頼を向上させられるでしょう。実際の調査データでは、7割以上の人がGoogleの口コミを参考にしており、「内容に即した個別の口コミ返信がある場合は、その店舗に行きたくなると思う」という回答が65%以上もあります。

出典：店舗の情報収集や口コミに関する意識調査【「LocalONE」調べ】（ONE CONPATH）https://onecompath.com/news/notice/10933/

口コミを放置することは、こうしたポジティブな印象を与える機会を逃し、結果的に新規利用者の獲得にマイナスの影響を与える可能性があります。ただし、定型文による返信は印象がよくないため、一人ひとりに合わせた個別の返信を心がけましょう。

口コミを増やす方法

介護施設や老人ホームの利用者は高齢の方が中心で、自分から口コミを書く機会が限られているため、優れたサービスを提供していても口コミ投稿が自然に増えることは期待できません。口コミは放置していても増えにくく、とくにネガティブな口コミが目立ちやすいため、積極的な対策が求められます。

利用者やご家族へ直接口コミ投稿をお願いすることは、施設の信頼度向上において大変有効な手段です。たとえば、受付エリアや相談室に口コミサイトへのアクセス方法やQRコードを記載した案内を置き、利用者やご家族が手軽に感想を投稿できる仕組みを作りましょう。

実際に施設を利用した直後であれば、お客様の記憶にも鮮明に残っているため、口コミを書いてもらえる確率は高くなります。

口コミを増やす際の注意点

とくに気をつけるべきなのは、自作自演の口コミを決して書かないことです。自分のアカウントで自施設の口コミを投稿すると、不正と判断され、Googleから厳しい対応を受ける可能性があります。

具体的には、評価が下がってGoogleの検索で上位に表示されなくなったり、Googleビジネスプロフィールが削除されたりする場合もあるでしょう。GoogleはIPアドレスやアカウント情報などから自作自演を簡単に把握でき、「ユーザーにとって有益な情報を提供する」というGoogleのポリシーに反する行為として厳しく対処されます。

正しい方法で口コミを増やし、施設の信頼性向上を目指しましょう。

老人ホーム・介護業界向けのキーワード選定のコツ

MEO対策では、検索ユーザーに適切に情報を届けるためのキーワード選定が重要です。老人ホームや介護施設に特化したキーワード選定のコツを以下にまとめました。

• 関連性のあるキーワード
• 利用シーンに関するキーワード
• 競争力のあるキーワード
• 季節に関するキーワード

これらのポイントを押さえることで、より多くの潜在顧客にアプローチできるでしょう。

関連性のあるキーワード

介護施設や老人ホームに関連する基本的なキーワードだけでなく、より具体的なサービスや特長を反映したキーワードも重要です。たとえば、「特別養護老人ホーム」「グループホーム」「デイサービス」「ショートステイ」といったキーワードを設定すると、検索結果に表示されやすくなり、より多くの潜在的な利用者やそのご家族にアプローチできます。

さらに、施設が実際に行っているケア内容やサービスと直結するキーワードを盛り込むことも重要です。

• 認知症ケア
• リハビリテーション
• 終末期ケア
• 24時間看護体制

これらのキーワードは施設で行っているサービス内容を具体的に表現し、明確なニーズを抱えた利用者やご家族に施設をアピールする効果があります。なお、「老人ホーム」というキーワードの検索ボリュームは上昇傾向にあるため、地域と掛け合わせたキーワードのニーズも高まっているでしょう。

利用シーンに関するキーワード

どのような場面や目的で施設を利用するのかを表すキーワードの選定も大切です。たとえば、以下のような個別のニーズや利用場面に対応したキーワードを設定することで、該当する利用者層に発見されやすくなるでしょう。

• 短期入所リハビリ
• 認知症対応型デイサービス
• 緊急ショートステイ
• 夫婦での入居可能
• 終末期対応施設

これらのキーワードをGoogleビジネスプロフィールやウェブサイトに含めることで、ユーザーは自身の状況に合った施設を探しやすくなります。
これにより、より具体的なニーズを持った顧客にアプローチし、見学や入居の検討につながる可能性が高まるでしょう。

競争力のあるキーワード

一般的なキーワードは、競合施設との差別化が困難なため、自施設の独自性を表現する専門的なキーワードを活用することが効果的です。

たとえば、以下のような施設独自の強みやサービス内容を表すキーワードを採用してください。

• ペット同伴可の老人ホーム
• 医療連携型介護施設
• 自然療法を取り入れた介護
• 個別リハビリプログラム実施

これらの競争力のあるキーワードを選定し、自施設の独自の強みを明確に伝えることで、競合施設との差別化を図れます。

季節に関するキーワード

特定の季節にニーズが増加するキーワードも考慮に入れるとよいでしょう。たとえば、冬の「感染症予防対策」や「新春家族見学会」など、時期に応じたイベントや企画に合わせたキーワードを活用することで、幅広い利用者やご家族との接点を増やせます。

こうしたキーワードを慎重に検討し、施設で実施しているサービス内容や独自性を組み込むことで、効率的なWeb集客を実現できるでしょう。施設が持つ優位性を十分に活用し、狙うべき利用者層へ確実に届く施策を構築してください。

自分の施設がどのキーワードと紐づいているのかを知る方法

自分の施設がどのキーワードと紐づいているのかを知るには、Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」データを活用しましょう。このパフォーマンスデータでは、検索ユーザーが実際に使用して施設にたどり着いた検索語句を確認できます。

関連性が高いと思っているキーワードがこのデータに含まれていない場合、施設とキーワードの関連性が弱いか、そもそも検索ニーズがないことが考えられます。このデータは、今後のMEO対策におけるキーワード選定やコンテンツ作成のヒントとなるため、定期的にチェックしてください。

老人ホーム・介護業界向けのMEO対策のポイント

老人ホームや介護施設がMEO対策を成功させるには、Googleビジネスプロフィールの情報を充実させることが大切です。ここでは、とくに重要なMEO対策のポイントを3つ解説します。

• ビジネスプロフィールの店舗情報を細かく設定する
• 写真・動画を定期的に投稿する
• ユーザーからの口コミを集める

これらの対策を継続的に行うことで、検索評価を高め、利用者獲得につなげられるでしょう。

ビジネスプロフィールの店舗情報を細かく設定する

ビジネスプロフィールの店舗情報を細かく設定することは、MEO対策の基盤となる最も重要な要素です。施設名、住所、電話番号などの基本情報に加えて、営業時間、サービス内容、属性情報まで詳細に設定しましょう。

介護施設の場合、「女性スタッフが在籍」「駐車場あり」「オンライン相談可」「24時間看護体制」「認知症ケア対応」などの属性情報を設定することで、検索エンジンが施設の特長を正しく理解し、適切な検索結果に表示されるようになります。

施設の説明文には、提供するサービスの詳細や施設の特色を具体的に記載してください。営業時間については、相談受付時間と見学対応時間を正確に設定し、祝日や特別営業時間も漏れなく更新することが必要です。

NAP情報（Name、Address、Phone）の統一も検索エンジンの評価に直結するため、すべてのプラットフォームで同じ表記を使用しましょう。ビジネスプロフィールの店舗情報を充実させることで、検索結果での表示機会の増加と利用者の信頼獲得を同時に実現できます。

写真・動画を定期的に投稿する

写真や動画の定期投稿は、利用者の来訪意欲を高める最も効果的な手段です。施設の雰囲気やスタッフの様子、サービス風景など、魅力的なビジュアルコンテンツをオーナー自らが継続的に投稿することで、検索ユーザーに安心感と親しみやすさを伝えられます。

とくに介護業界では、実際の施設環境や職員の人柄が見える写真や動画が、ご家族の不安解消と信頼獲得に直結するでしょう。月に数回でも新しいコンテンツを追加することで、Googleマップ上での表示頻度の向上とユーザーエンゲージメント強化が期待できます。

ユーザーからの口コミを集める

ユーザーからの口コミ収集は、検索評価の向上と来院促進を同時に実現する重要な施策です。口コミには施設との関連キーワードが自然に含まれるため、検索結果での上位表示に直結します。

口コミを依頼する際は、具体的な感想を書いてもらうよう促すことが効果的です。介護施設や老人ホームでは、利用者やご家族に以下の内容について詳しく書いてもらいましょう。

• 利用目的（デイサービス、短期入所リハビリなど）
• スタッフ対応（親しみやすさや専門性）
• サービス品質（食事やリハビリ内容）
• 施設環境（清潔さや居心地のよさ）
• 全体的な満足度（施設での生活の感想）

詳細な口コミは検索エンジンへの関連性を強化し、同時に他の潜在利用者にとって有益な参考情報となります。この好循環により、さらなる口コミ獲得につながるでしょう。

ただし、良い口コミのみを誘導したり、「口コミで10％OFF」などの対価を提供したりすることは、Googleガイドライン違反となり、施設の信頼を損ないます。口コミは施設の貴重な資産として、継続的に集める取り組みを続けましょう。

MEOに取り組む際の注意点

MEO対策で成果を上げるには、正しい方法で継続的に取り組む必要があります。間違ったアプローチは逆効果となり、検索順位の低下やビジネスプロフィールの停止リスクを招きます。

以下の注意点を把握し、適切なMEO対策を実施しましょう。

• Googleビジネスプロフィールを放置する
• 不自然にキーワードを詰め込む
• ユーザーからの口コミに返信しない

Googleビジネスプロフィールを放置する

Googleビジネスプロフィールを更新せずに放置するのは、MEO対策で最も避けるべき対応です。誤った情報や古い情報を掲載し続けると、見学に訪れた利用者やご家族を混乱させ、施設への信頼を失う原因となります。

営業時間が間違っていれば、せっかく足を運んでくださった方に無駄足を踏ませてしまいます。ビジネスプロフィールは常に最新で正確な情報に更新し、利用者にとって有益な情報提供を心がけましょう。

不自然にキーワードを詰め込む

不自然なキーワード詰め込みは、検索エンジンからスパム判定を受けるリスクがあります。ビジネス名や説明文に「介護」「老人ホーム」「24時間」「安心」「格安」といったキーワードを不自然に並べると、Googleからスパムと判断され、ビジネスプロフィールが停止されるリスクがあります。

さらに、検索ユーザーからは「キーワードを意図的に入れすぎている」と受け取られ、信頼を失う結果につながりかねません。自然な文章でサービス内容を説明し、ユーザーにとって読みやすい情報提供を心がけましょう。

ユーザーからの口コミに返信しない

口コミへの返信を怠ると、施設の信頼性低下と来訪機会の損失につながります。とくにネガティブな口コミを放置すると、他の検索ユーザーが「対応が悪い施設」と判断し、来訪を避ける要因となります。

たとえば「スタッフの対応が冷たい」という口コミに対し、改善への取り組みを丁寧に返信すれば、誠実な姿勢をアピールできるでしょう。ポジティブな口コミにも感謝の気持ちを込めて返信し、利用者との良好な関係構築を目指してください。

MEO対策のポイントを押さえて老人ホーム・介護業界の集客を成功させよう

老人ホーム・介護施設のMEO対策について、基本的な仕組みから実施方法、注意点まで解説しました。主なポイントは以下の通りです。

• MEOは地域密着型の介護施設にとって必須のデジタルマーケティング手法
• Googleビジネスプロフィールの正確な設定と継続的な情報更新が基本
• 関連性、距離、知名度の3要素を理解したキーワード選定が検索上位表示の鍵

MEO対策は継続的な取り組みが重要で、正しく実施すれば地域での認知度向上と新規利用者の獲得につながります。まずはGoogleビジネスプロフィールの基本設定を見直し、利用者目線での情報発信を始めましょう。

適切なMEO対策で、地域に選ばれる介護施設を目指してください。