オールドレンズのおすすめランキング9選|プロが厳選品をご紹介
一眼レフやミラーレス一眼を使った写真撮影に慣れてきて、もう少し違った雰囲気の写真を撮ってみたいという方におすすめなのがオールドレンズ。
独特のボケ味や、味わい深い質感など、最新のレンズとは違う美しい描写を楽しむことができます。
今回は、フォトライフコンシェルジュとしても活躍する、フォトグラファーの瀬川陣市さんにオールドカメラについてお話を伺いました。
IPPING調べによる『オールドカメラの選び方』や『レビュー評価の高いオールドレンズランキング』も掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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全国商工会議所や、SONY・サントリーなど有名企業での講演、メディア出演など多数の実績を持つフォトグラファー。著書『ショートムービー作りでおぼえる動画撮影の教科書』ほか多数。
フォトグラファーおすすめのオールドレンズ
画像:amazon.co.jp
おすすめ
VoightLander NOKTON classic 40mm
F1.4
こちらのレンズは、いわゆるオールドレンズではなく、オールドレンズを使ったような写真を撮ることができるレンズです。
『コシナ株式会社』という日本のメーカーが、『VoightLander(フォクトレンダー)』というドイツのメーカーの名前を受け継ぎ、製造・販売しています。
オールドレンズと同じ球面レンズを使っているため、暗い場所でも、明るくきれいな写真を撮ることができます。
オールドレンズというとほとんどが中古のレンズですが、こちらは現行販売されている中で、オールドレンズに近くマニュアル操作できるレンズです。
オールドレンズと同じように、暗いところでもきれいに背景がボケてくれます。
オートフォーカスでの撮影に慣れ、さらにマニュアルレンズでの撮影を楽しみたいという方におすすめです。
VoightLander NOKTON classic 40mm F1.4の詳細 | |
メーカー | 株式会社コシナ |
焦点距離 | 40mm |
参考価格 | 38,660円(税込) |
オールドレンズとは?
オールドレンズとは、フィルムカメラで使われていたマニュアルフォーカスレンズのこと。
最新のレンズとは違った、独特な雰囲気を表現できるため、オールドレンズを使った撮影を楽しむ方が増えています。
レンズをカメラ本体に接続するためのマウントアダプターを使えば、フィルムカメラだけでなく、デジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラでも使うことができます。
明確な定義はありませんが、主に1970年代以前に製造されたものをオールドレンズと呼んでいます。
現在は製造されていないレンズですが、オークションや中古販売ショップなどで購入することができます。種類にもよりますが、価格が比較的リーズナブルなところも人気の理由でしょう。
オールドレンズを使った写真については、こちらの動画を参考にしてみてください。
オールドレンズの選び方
オールドレンズといえども、基本的な選び方は普通のレンズと変わりません。撮りたい被写体やイメージに合わせて選んでみましょう。
センサーサイズごとの焦点距離
まずは、お使いのカメラのイメージセンサーサイズを確認しておきましょう。
現在使われているカメラのセンサーサイズは、『フルサイズ』『APS-C』『マイクロフォーサーズ』という3つの種類に分けられます。
センサーサイズが違うことによって変わるのが、取り付けたレンズの画角。
同じレンズを取り付けたときでも、フルサイズ→APS-C→マイクロフォーサーズの順に、写真に写り込む範囲が狭くなります。
そのため、センサーサイズによって、レンズの焦点距離を選ぶ必要があるというわけです。
フルサイズ
オールドレンズの多くは、フルサイズのカメラの規格のもとになっている、35mmフィルムカメラ用に作られたもの。
そのため、どのレンズを使っても問題なく、もともと想定されている通りの画角で撮影することができます。
APS-C
APS-Cのカメラの場合、フルサイズに換算した焦点距離は、約1.5倍と覚えておきましょう。
つまり、28mmのレンズは約42mm、200mmのレンズは約300mmの焦点距離となります。
特に28mmや35mmのレンズは、使い勝手の良い準広角〜標準レンズサイズとして使うことができるのでおすすめです。
マイクロフォーサーズ
センサーサイズが最も小さいのがマイクロフォーサーズ。フルサイズに換算した焦点距離は、約2倍となります。
そのため、汎用性が高く使いやすいレンズが欲しいのであれば、焦点距離28mm以下(フルサイズ換算56mm)の広角レンズがおすすめです。
ちなみに24mm以下のレンズならさらに広角の撮影ができますが、このサイズのレンズは中古でも価格が高いようです。
マイクロフォーサーズのカメラに望遠レンズを取り付けることで、200mmのレンズが400mm相当に。サイズが小さく、価格も手頃なレンズで、超望遠撮影が可能となります。
レンズの状態
オールドレンズは、その名前の通り、製造されてから長い年月を経ているレンズです。
レンズの大半は、生産終了しているものなどで、中古で購入することが多くなるため状態についてはしっかり確認しておきましょう。
必ずチェックしておきたいのが、レンズに傷や汚れ、チリ・カビがついていないか。
特に注意が必要なものはカビ。カビが広がってしまうと完全に除去するのが難しい場合があります。
傷の場合、被写体側の『前玉』は多少の傷があっても問題ありませんが、カメラ側の『後玉』の傷は写りに大きな影響が出てしまうので注意が必要です。
状態が良いものが欲しいのであれば、「クリーニング済み」や「メンテナンス済み」などの記載があるものを購入するようにするのが良いですね。
また、オールドレンズは全てマニュアルフォーカスとなるため、フォーカスリングや絞りを合わせるリングがスムーズに動くかどうかもしっかりチェックしましょう。
オークションや通販などでの販売が多いため、なかなか事前に確認することは難しいと思いますが、掲載されている画像を細かくチェックする、販売者に質問をするなどして、慎重に選んでみてください。
もしも使えない状態のものを購入してしまったら、返品対応ができるように返品可不可の表記も確認しておきましょう。
知っておきたいマウントについて
お手持ちのカメラにオールドレンズを装着するためには、マウントアダプターという道具についても知っておきましょう。
カメラとレンズを繋げる部分は、『レンズマウント』と呼ばれています。このレンズマウントは、カメラやレンズのメーカーによって、また製造された年代によっても異なります。
そこで必要となるのが、マウントアダプター。マウントの違うカメラとレンズを繋げられるよう、被写体側とカメラ側がそれぞれ違うマウントになっています。
さらに、ピントを合わせるのに重要な、『フランジバック(レンズのマウント面とイメージセンサー面の距離)』を調整するという役割もあります。
オールドレンズ人気ランキング9選
ここからは、『プロの逸品』がお届けするオールドレンズ・人気ランキングをご紹介します。現在中古販売されているものの中から、『広角レンズ』、『標準レンズ』、『望遠レンズ』の3つに分けて紹介しています。
広角レンズ
▼商品名をタップすると詳細情報を確認できます。
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
商品画像 | |||
商品名 | Zuiko AUTO-W 28mm | Carl Zeiss DistagonT* 25mm | NIKKOR-H Auto 28mm |
価格 | 12,800円(税込) | 35,980円(税込) | 4,980円(税込) |
メーカー | オリンパス株式会社 | CONTAX | Nikon |
焦点距離 | 28mm | 25mm | 28mm |
商品リンク | Amazon | Amazon 楽天 | Amazon |
Zuiko AUTO-W 28mm
『Zuiko』は『OLYMPUS』が展開する写真レンズのブランドです。
『OLYMPUS』では、1934年にカメラレンズの研究を開始。80年以上経った今も多くの人がこのブランドのレンズを愛用しています。
こちらは『OLYMPUS Zuiko』の広角レンズの中で、1番人気のレンズ。コンパクトさと、やや暗めながら味のある描写が評価されています。
また最短撮影距離が0.3mと、とても短いのも魅力のひとつ。被写体にグッと近寄って撮影することができます。
OLYMPUS Zuiko AUTO-W 28mm F3.5の詳細 | |
メーカー | オリンパス株式会社 |
焦点距離 | 28mm |
参考価格 | 12,800円(税込) |
Carl Zeiss DistagonT* 25mm
ドイツの光学機器製造会社『Carl Zeiss(カール・ツァイス)』と、日本のカメラメーカー『ヤシカ』との共同事業として生まれたカメラブランド『CONTAX』のレンズです。
画面中心から周辺部分までシャープに、歪みの少ない描写ができるところが特徴。『Carl Zeiss』の銘玉、とも言われています。
スナップや風景だけでなく、集合写真や広角のポートレートにも向いています。
CONTAX Carl Zeiss DistagonT* 25mm F2.8の詳細 | |
メーカー | CONTAX |
焦点距離 | 25mm |
参考価格 | 35,980円(税込) |
NIKKOR-H Auto 28mm
『NIKKOR』は『Nikon』の旧社名から名付けられたシリーズ。こちらのレンズは、昭和35年に発売されたものです。
開放F値3.5と暗めの広角レンズなため、大きなボケは期待できませんが、『NIKKOR』のレンズらしいシャープさとコントラストが評価されています。
このレンズを使用している方のレビューでは、「現在のレンズと比べても引けを取らない」という声もあがっていました。
Nikon NIKKOR-H Auto 28mm F3.5の詳細 | |
メーカー | ニコン株式会社 |
焦点距離 | 28mm |
参考価格 | 4,980円(税込) |
標準レンズ
▼商品名をタップすると詳細情報を確認できます。
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
商品画像 | |||
商品名 | Pentax M42 Super Takumar 55mm | NIKKOR-S.C Auto 55mm | MINOLTA MC ROKKOR-PG 58mm |
価格 | 7,000円(税込) | 29,000円(税込) | 49,800円(税込) |
メーカー | リコーイメージング株式会社 | ニコン株式会社 | コニカミノルタ株式会社 |
焦点距離 | 55mm | 55mm | 58mm |
商品リンク | Amazon | Amazon | Amazon |
Pentax M42 Super Takumar 55mm
『PENTAX』は、カメラ・デジタルカメラ、天体望遠鏡などのブランド。こちらの『M42 Super Takumar 55mm F1.8』は、1960年代に製造されていたレンズです。
『Takumar』という名前が付けられたレンズは、ほかにもたくさんの種類がありますが、中でも最も有名で人気があるのが『Super Takumar』です。
手頃な価格で手に入れることができ、オールドレンズらしいレトロな描写ができると人気のこのレンズ。
現代のレンズとは一味違う、豪快なフレアやゴーストも楽しむことができます。
Pentax M42 Super Takumar 55mm F1.8の詳細 | |
メーカー | リコーイメージング株式会社 |
焦点距離 | 55mm |
参考価格 | 7,000円(税込) |
NIKKOR-S.C Auto 55mm
こちらは、広角レンズの第3位でご紹介した『Nikon NIKKOR-H Auto 28mm F3.5』と同じ『NIKKOR』のシリーズです。
1965年の発売当時、一眼レフ用としては、焦点距離55mm・F1.2と最も明るいレンズとして話題になったそう。その後マイナーチェンジを繰り返しながら、約10間販売されていました。
このレンズを愛用している方は、「ボケのきれいな写真を撮るときに使っている」そうです。
Nikon NIKKOR-S.C Auto 55mm F1.2の詳細 | |
メーカー | ニコン株式会社 |
焦点距離 | 55mm |
参考価格 | 29,000円(税込) |
MINOLTA MC ROKKOR-PG 58mm
日本を代表するカメラメーカーとして名を馳せていた『ミノルタ』のレンズです。
『ミノルタ』は現在同じカメラメーカーの『コニカ』と合併し、カメラ事業から撤退していますが、今でもその製品は高く評価され続けています。
『ROKKOR(ロッコール)』は、ミノルタを代表するレンズの総称。ミノルタが設立した兵庫県にある六甲山から付けられた名前だそうです。
実際こちらのレンズを使っている方は、「旅行に1本持って行くならこれ」と決めているそう。風景や植物の写真など、ふんわりとした柔らかい描写に定評があります。
MINOLTA MC ROKKOR-PG 58mm F1.2の詳細 | |
メーカー | ミノルタ株式会社(現コニカミノルタ株式会社) |
焦点距離 | 58mm |
参考価格 | 49,800円(税込) |
望遠レンズ
▼商品名をタップすると詳細情報を確認できます。
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
商品画像 | |||
商品名 | Meyer-Optik Gorlitz Trioplan 100mm | Jupiter-9 85mm | Carl Zeiss Planar |
価格 | 108,000円(税込) | 16,000円(税込) | 77,800円(税込) |
メーカー | net SE社 | Jupiter(ロシアレンズ) | カールツァイス株式会社 |
焦点距離 | 100mm | 85mm | 85mm |
商品リンク | Amazon 楽天 | Amazon | Amazon 楽天 |
Meyer-Optik Gorlitz Trioplan 100mm
『Meyer Optik Görlitz』は、1896年創業のドイツのブランド。『Triopl(トリオプラン)』は『Meyer Optik Görlitz』を代表する人気のレンズです。
こちらのレンズの1番の特徴は、シャボン玉ボケ。被写体はシャープに、背景はまるでシャボン玉が飛んでいるような独特のボケ味のある写真を撮ることができます。
2017年にはドイツの『net SE社』が『Meyer Optik Görlitz』を継承し、100周年の記念に復刻版を発売しています。
Meyer-Optik Gorlitz Trioplan 100mm/f2.8の詳細 | |
メーカー | net SE社 |
焦点距離 | 100mm |
参考価格 | 108,000円(税込) |
Jupiter-9 85mm
『Jupiter-9 85mm F2.0 M42』は旧ソ連で製造されたロシアレンズです。
ロシアレンズの特徴は、ドイツ製レンズの良さを受け継いでいるというところ。性能が良い上、手頃な価格で手に入るため、オールドレンズ初心者の方にもおすすめしたいレンズです。
特に評価が高いのは、開放時のボケ味。ふんわりととろけるようなボケ味で、レトロな味わいの描写になります。
Jupiter-9 85mm F2.0 M42の詳細 | |
メーカー | Jupiter(ロシアレンズ) |
焦点距離 | 85mm |
参考価格 | 16,000円(税込) |
Carl Zeiss Planar
世界中の写真家から評価されている『Carl Zeiss』のレンズです。レンズ本体はガラスと金属でできているため重量感はありますが、頑丈で、見た目にも高級感を感じられます。
滑らかなボケが特徴的で、「思わず絞りを開けて撮ってしまう」という声もありました。
街中での撮影やポートレート、風景写真まで幅広いシーンで活躍してくれます。
Carl Zeiss Planar T* 1.4/85の詳細 | |
メーカー | カールツァイス株式会社 |
焦点距離 | 85mm |
参考価格 | 77,800円(税込) |
「実絞り」について
デジタル一眼レフのボディとレンズの組み合わせによっては、「実絞り」と呼ばれる手法での撮影になります。
実絞りとは、レンズの中で光量を変える「絞り」という部分を手動で開閉することです。
一般的に一眼レフカメラの絞りは、シャッターと連動して自動で開閉します。一眼レフはレンズを通った光をファインダー越しに見るため、光の量を減らすと肉眼でファインダーが見づらくなってしまうためです。
しかしマウントアダプターを使うと、カメラ本体とレンズが連動せずに絞りが動作しません。
デジタル一眼とオールドレンズを組み合わせるときは、手動で絞りを設定しながら撮影してください。
まとめ
こちらの記事では、オールドレンズについてご紹介しました。
「広角レンズ」「標準レンズ」「望遠レンズ」とタイプ別のベストスリーを紹介したので、自分好みのレンズを探してみてください。