狭小住宅の賢い間取りデザイン!失敗しないプランニングのポイント解説

狭小住宅と聞くと「部屋が狭い」「住みにくそう」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか?しかし、限られた空間でも間取りや収納、家具などを工夫すれば快適な生活ができます。

そこで今回は、狭小住宅の意味や間取りについて解説します。よくある失敗例もお教えしますので、狭小住宅に興味がある人は参考にしてください。

狭小住宅とは

狭小住宅とは、狭い土地に建てられた床面積の小さな住宅のことです。明確な定義はありませんが、およそ15坪50㎡以下の土地に建てられた住宅を指します。

しかし、単純に狭い土地に建てられた住宅のことを指すわけではありません。狭小住宅とは、狭いスペースでも工夫してデザイン性と生活空間の機能性を図った住宅です。

狭小住宅は都市部で多く見られます。なぜなら利便性が良く地価が高いエリアでも、狭い土地は安く売られているからです。そのような土地を活用すれば、アクセスの良い都市部にマイホームを持てるというメリットがあります。

狭い土地だからこそ土地代を抑えられますし、小さめの住宅なら建築費用も少なくて済むでしょう。

さらに、狭小住宅であれば税金も安く抑えられます。家を所有すると固定資産税と都市計画税を納める必要がありますが、狭小住宅は小規模住宅用地になるため税金が安くなります。

他にも、狭小住宅はデザインが個性的です。狭い土地に建てるため、一般的な住宅では使わない空間デザインを実施するのが基本です。くの字や三角形になった住宅や、3階建ての住宅も多く、そのデザイン性の高さから狭小住宅を希望する人も増えています。

近年ではハウスメーカーが狭い土地向きの商品を出しています。

狭小住宅の失敗例

狭小住宅で失敗が多いポイントは「狭いこと」「動線の悪さ」「空調効率」「採光と音」「駐車スペース」の5つです。順番に解説していきます。

失敗例①:居住スペースが狭い

狭い土地に建てられた狭小住宅はスペースが限られています。間取りをよく考えないと、部屋が狭くなったり、収納スペースがなくなります。

収納は壁面や階段下など、デットスペースを利用できないか考えてみてください。

失敗例②:動線の悪さ

動線とは生活をする人の動きのことです。空間が限られている狭小住宅では、動線を考えておかないと生活しづらくなります。

例えば、「リビングを通らないとお風呂に行けず来客時に困る」「洗濯物を2階に干すために1階から運ぶのが疲れる」などです。実際の生活をイメージしてから、間取りや家具、家電の配置を決めましょう。

失敗例③:空調効率の悪さ

狭小住宅では、どうしても部屋が狭くなりがちです。そのため間切りをなくしたり、吹き抜けを作って、空間を広く見せる工夫をしています。しかし壁がないと、空気の流れを止められず空調効率が悪くなります。

さらに、空調効率が悪いと電気代もかかるため、間取りやエアコンを設置する位置はよく考えてください。

失敗例④:採光と音の問題

限られた土地を広く使えるように設計された小住宅では、隣の家との距離が近くなります。その結果、採光を確保するのが難しく部屋が暗くなりがちです。窓の位置や照明の明るさを工夫してみましょう。

さらに、隣と距離が近いと音も気になります。隣の家の音が響いてくるだけでなく、こちらの音も響いているかも知れません。トラブルになる前に防音対策をしておくほうが良いでしょう。

失敗例⑤:駐車スペースが確保しにくい

狭い土地で住宅の広さを優先すると、自転車や自動車を駐車する場所がなくなります。

通勤や通学などで日常的に使うなら、駐車スペースをどうするのか事前に考えておくことが大切です。

狭小住宅のおすすめの間取りアイデア

狭小住宅では家の形や間取りにも制限があります。そのため、快適に生活できる空間にするには工夫が必要です。そこで、おすすめの間取りのアイデアを解説しましょう。

コンパクト&機能的:狭小住宅の間取りの工夫

狭小住宅の間取りを効果的にデザインするためには、コンパクトさと機能性を重視する必要があります。以下は、そのためのポイントです。

オープンプラン

壁を取り払ってリビングやダイニング、キッチンを一体化することで、広々とした印象を与えるだけでなく、空間を有効活用することができます。

狭い狭小住宅でも、仕切りをなくせば視覚的に広く感じます。収納家具やすりガラスを仕切りとして使うのもおすすめです。

収納の最適化

限られたスペースを最大限に活用するためには、収納スペースの工夫が重要です。壁面収納やロフト、押入れなど、無駄なスペースを活かして収納力を高めることができます。

多目的スペース

一つのスペースを複数の目的に使えるようにすることも有効です。

たとえば、書斎としても使えるワークスペースや、ゲストルームとしても利用できるソファーベッドを設けることで、必要に応じて使い分けることができます。

スペース最大化:狭小住宅の間取りプランニングのポイント

狭小住宅の間取りを最大限に活用するためには、スペースの最適化が重要です。以下は、スペースを最大化するためのポイントです。

縦の活用

狭小住宅では、縦の空間を活かすことが有効です。天井高を高くすることで、収納スペースやロフトを設けることができます。

◆ステップフロア

ステップフロアとは、床の一部に段差をつけることです。段差が部屋の区切りになるので、室内が広く感じられます。他にもステップフロアにすると廊下が必要ありません。廊下の幅80㎝をカットできるのです。

◆ロフト

ロフトとは、部屋の一部を二層式にした上の空間を指します。天井までの高さが1.4m以下などの条件がありますが、ロフトをつくればもう1つスペースを得られます。

開放感の確保

狭小住宅でも開放感を確保するためには、窓の配置やサイズに工夫が必要です。自然光を取り入れることで、室内を広く明るく感じることができます。中庭や吹き抜けを取り入れて採光を確保したり、開放感を出しても良いでしょう。

◆中庭

間取りや窓の配置など制限が多い狭小住宅だからこそ、明るさや風通しも考える必要があります。そんなときにおすすめの方法が中庭を作ることです。小さくても中庭があれば、見た目の広さの演出だけではなく、光や風も感じられる住宅になります。

◆吹き抜け

リビングなどの一部分に吹き抜けを設けるのもおすすめの方法です。吹き抜けがあれば、外からの光を取り込めるので、明るく開放的な雰囲気になります。また、視線を縦に広げる効果もあるので空間を広く見せられるでしょう。

プライバシーの確保

狭小住宅では、プライバシーを守るための工夫も大切です。適切な仕切りや間仕切りを設けることで、個々の空間を確保することができます。

◆地下室

地下室を作れば、狭い狭小住宅でも部屋数を増やすことが可能です。地下室には、湿度や気温を調整しやすく振動や音が漏れにくいという特性があります。食料を保管したり、音楽鑑賞など趣味の部屋にするのもおすすめです。

狭小住宅の間取りは、工夫次第で快適な暮らしを実現することができます。狭小なスペースでも、コンパクトさと機能性を重視し、効果的なプランニングを行うことで、居住空間を最大限に活用することができます。

柔軟な発想とアイデアを取り入れながら、限られたスペースを有効活用することがポイントです。

収納の工夫:狭小住宅でもスッキリ片付ける方法

狭小住宅では、スペースの有効活用が特に重要です。収納の工夫をすることで、限られたスペースでもスッキリと片付けることができます。以下に、狭小住宅の収納における工夫の一部をご紹介します。

壁面収納の設置方法とアイデア

壁に取り付けられる棚やキャビネットを活用することで、壁面を有効に利用できます。書棚や引き出し付きの棚など、収納アイテムを選ぶ際には、物品のサイズや使い勝手も考慮しましょう。

カスタムメイドの壁面収納システムを導入することで、独自の収納スペースを作り出すことも可能です。クローゼットやパントリーなど、必要な場所に合わせて設計できます。

天井高を活用したロフトや吊り下げ式の収納スペースの作り方

天井高を利用してロフトスペースを設けることで、季節用品や使わない物品を収納することができます。階段やはしごを設置してアクセスしやすくしましょう。

吊り下げ式の収納スペースは、天井からワイヤーやチェーンで吊るして使用します。洋服やバイクなどの大型アイテムを収納するのに適しています。

マルチファンクショナルな家具の選び方と活用法

ベッドの下に引き出しや収納スペースを設けたり、ソファがベッドになる機能を持っている家具を選ぶことで、スペースを有効活用できます。

折りたたみ式のダイニングテーブルやチェア、収納付きのコーヒーテーブルなど、複数の機能を備えた家具を選ぶと便利です。使わない時にはコンパクトに収納できるものがおすすめです。

インテリアデザイン:狭小住宅に合ったスタイリッシュな演出方法

狭小住宅のインテリアデザインでは、スペースを広く見せる工夫やスタイリッシュな演出が重要です。以下に、狭小住宅に合ったインテリアデザインのアイデアをいくつかご紹介します。

照明の工夫による空間の広がりとアクセント演出

間接照明やスポットライトなどの照明を適切に配置することで、空間を広々と感じさせることができます。暗い隅や天井付近に照明を設置することで、奥行きや立体感を演出しましょう。

アクセント照明を使用して、特定の壁やアート作品を引き立たせることも効果的です。照明の色温度や明るさにも注意し、快適な雰囲気を作り出しましょう。

ミニマリストなデザインスタイルの活用

狭小住宅では、無駄な装飾や家具を減らし、シンプルなデザインスタイルを取り入れることがおすすめです。ミニマリストなインテリアは、スッキリとした空間を作り出し、広々とした印象を与えます。

白や明るい色を基調とし、モノトーンやナチュラルな色合いで統一することで、清潔感と落ち着きをもたらします。モノの数を最小限に抑え、空間を開放的に保つことが重要です。

鏡やガラスを使った空間の拡張と視覚的な奥行きの演出

鏡を上手に配置することで、部屋を広く見せることができます。壁面に大きな鏡を設置したり、クローゼットの扉に鏡を使ったりすると効果的です。

ガラスの使用も有効です。ガラスパーティションやガラスブロックを使って区切りを作ると、視覚的なつながりと明るさを実現できます。
これらのアイデアを取り入れることで、狭小住宅でも快適でスタイリッシュな空間を演出することができます。

建てる前に知っておきたい、信頼できる建築会社の選び方とは?

建てる前に信頼できる建築会社を選ぶことは、家づくりを成功させるために非常に重要です。ここでは、建築会社を選ぶ際に押さえておくべきポイントについて解説します。

実績や評判を確認するために行うべきこと

まず、建築会社を選ぶ際には、実績や評判を確認することが

大切です。建築会社のウェブサイトやパンフレットには、実績や施工例が掲載されていることが多いですが、実際に現地を見学したり、建てた人の口コミを調べたりすることで、より詳しい情報を得ることができます。

現在は宿泊体験イベントや、建築資材を育てるイベントなどを開催する建築会社も多いです。様々なイベントに積極的に参加し、複数社を見比べることが大切です。

建築会社とのコミュニケーションの重要性

建築会社とのコミュニケーションはとても重要です。

特にレスポンスの速さや対応力などは契約前に注目しておくと良いでしょう。いざ契約して打ち合わせとなった時、営業担当がうまく要望を汲み取ってくれなかったり、急なトラブルの際連絡がつかないとなると、後々大きな問題となってしまいます。

家づくりは、自分たちが住む場所を作ることですから、自分たちの理想や要望を建築会社にしっかり伝えることが必要です。そのため、建築会社とのコミュニケーションがスムーズにできるかどうかは、非常に重要なポイントとなります。

契約前に確認すべきポイント

契約前に確認すべきポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 建築会社が保有する資格や許可について
  • 契約内容や工期についての詳細
  • 支払い方法や追加費用についての明確化
  • 建築会社の保証やアフターサービスについての確認

これらのポイントを確認することで、自分たちに合った信頼できる建築会社を選ぶことができます。

まとめ

狭小住宅には、「都市部にマイホームを持てる」「建築費用や維持費が抑えられる」「デザイン性が高い」などのメリットがあります。しかし、狭さや採光、音、空調などが狭小住宅の問題点です。

狭小住宅を建てるときは、間取りや収納に、動線ついてよく考える必要があります。限られた空間を有効に使えるように工夫してみましょう。

また、狭小住宅を建てるときは、実績のある業者を選ぶことも大切です。狭小住宅の問題点をうまく回避しながら、理想的な家づくりができます。