MEO

飲食店のMEO対策は、Googleマップ検索からの集客を大きく左右する、欠かせない施策です。近年は「近くの居酒屋」「ランチおすすめ」などの検索行動が増え、グルメサイトではなくGoogleマップからお店を選ぶユーザーが主流になりつつあります。

そのため、マップ上で上位に表示されるかどうかが、新規顧客の獲得やリピーター増加につながる時代になっています。効果的にMEO対策をするには、営業時間や住所、メニューなどの基本情報を常に最新に保つことはもちろん、魅力的な写真を掲載し、口コミを積極的に集めて丁寧に返信することが欠かせません。

本記事では、飲食店が成果を上げるために実践すべきMEO対策の具体的な方法と注意点をわかりやすく解説します。

MEOとは

MEOとは「Map Engine Optimization」の略称で、日本語ではマップエンジン最適化と訳されます。MEOはGoogleマップやGoogle検索の地図上での検索結果に自分のお店を正しく表示させ、魅力的な情報を通じて来店を促すための集客施策です。

Google検索で「新宿 ランチ」のように「地域名＋サービス名」を組み合わせて検索すると、地図とともにお店のリストが表示されます。検索結果に表示されるリストはローカルパックと呼ばれ、MEO対策の最も重要な表示箇所です。ローカルパックに自店舗を的確に表示させることで、来店意欲の高いユーザーにお店を知ってもらえます。

MEOは、Webサイトの順位を上げるSEOとは根本的に異なる集客手法です。SEOがWeb上のコンテンツを最適化するのに対し、MEOは実店舗の情報をGoogleマップ上で際立たせることを目的としています。MEOという言葉は、Web検索結果のローカルパックへの表示まで含めたローカルSEOとほぼ同じ意味で使われることが一般的です。

MEO対策の核となるのは、Googleビジネスプロフィールの情報を最適化することです。ビジネス情報の充実、写真の投稿、口コミへの返信など、日々の運用が検索順位に大きな影響を与えます。

MEOのメリット

MEOは、飲食店にとってさまざまなメリットがあります。ここでは、とくに重要な3つのメリットを解説します。

低コストですぐに始められる

MEO対策の最大の魅力は、無料で手軽に始められることです。MEOの核となるGoogleビジネスプロフィールは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で作成・運用できます。グルメ系ポータルサイトは、集客力に応じて高額な掲載費用が発生することがありますが、Googleビジネスプロフィールは初期費用や月額費用が一切かかりません。

さらに、運用にかかるコストも非常に低いです。日々の情報更新や口コミへの返信、写真の投稿などは、特別な専門知識やツールがなくても、店舗のスタッフがスマートフォンのアプリを使って手軽に行えます。

初期投資を抑えながら、長期的に高い集客効果を期待できるMEOは、予算が限られる個人経営の飲食店や小規模な店舗にとって、コストパフォーマンスに優れた集客手法といえるでしょう。

集客や来店に繋がる

MEOは、来店や予約などの具体的なアクションに直結しやすい点が大きなメリットです。Google検索やGoogleマップで「近くのカフェ」や「〇〇市 居酒屋」と検索するユーザーは、お店に行きたいという明確な目的を持っています。MEO対策によって上位に表示されれば、来店意欲の高いユーザーの目に留まりやすくなります。

さらに、検索結果には営業時間や口コミ、ルート案内、電話番号、予約リンクなどが表示されるため、ユーザーはWebサイトにアクセスする手間なく、お店の情報を確認できます。導線のスムーズさが、ユーザーの行動を促し、そのまま来店や問い合わせといったコンバージョンに繋がるのです。MEOは、単にウェブサイトへのアクセス数を増やすだけでなく、オフラインでの売上増加に直結する強力なツールといえます。

他のWeb施策よりも競合性が低い

全国のWebサイトが競合となる一般的なSEO対策に比べて、MEOの競合は同じ地域で同じ業種を営む店舗に限定されます。

「ラーメン」というキーワードのSEOは熾烈な競争ですが「新宿 ラーメン」というキーワードのMEOであれば、競合は新宿にあるラーメン店のみに絞られます。このように、競争が比較的緩やかであるため、大企業と比べても、口コミの質や量、写真の充実度などの地道な運用努力がそのまま評価に反映され、上位表示を狙うことが可能です。競合がMEO対策に注力していない地域であれば、少ない労力で大きな成果を出すことも夢ではありません。

MEOのデメリット

MEOは多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。対策を始める前に、以下のデメリットも理解しておくことが重要です。

ネガティブな口コミが投稿される場合がある

口コミは集客に大きな影響を与えますが、ネガティブな口コミが投稿されるリスクもあります。料理の味や接客態度、お店の雰囲気に対する不満などが書き込まれると、これから来店を検討しているユーザーに悪い印象を与えかねません。MEO対策を怠ると、ネガティブな口コミが放置され、お店の評価が下がる原因になります。

しかし、ネガティブな口コミは必ずしもマイナスではありません。ある調査によると、ネガティブな口コミに丁寧に対応している飲食店には、6割以上の人が「行ってみようと思う」と回答していることが分かっています。

オーナーが誠意をもって返信し、問題解決に努める姿勢を見せることで、お店の誠実さをアピールする機会に変えることも可能です。とはいえ、口コミ対応には時間と労力がかかるということを念頭に置いておく必要があります。

最低でも1ヶ月程度は継続する必要がある

MEO対策に、即効性はありません。Googleビジネスプロフィールに情報を登録したからといって、すぐに検索結果の上位に表示されるわけではないのです。Googleのアルゴリズムに正しく評価してもらうためには、一定の期間が必要です。

具体的には、ビジネス情報の登録・更新、写真の定期的な投稿、口コミの管理など、継続的な取り組みが求められます。効果を実感できるまでには、最低でも1ヶ月〜3ヶ月はかかると理解しておきましょう。途中でやめることなく、中長期的な視点で地道な対策を続けることが成功の鍵となります。

定期的な情報のアップデートが求められる

MEOで上位表示を維持するためには、情報の鮮度が重要です。営業時間や定休日、メニューの変更など、店舗情報に変動があった場合は、Googleビジネスプロフィールをこまめに更新しなければなりません。情報が古いままだと、ユーザーが誤った情報を見て来店してしまい、クレームにつながるおそれがあります。

クレームを避けるためにも、情報更新を習慣化することが大切です。日々の業務に追われるなかで、情報更新の手間がMEO対策の負担になることもありますが、信頼を維持するために不可欠な作業です。

MEOの飲食店における集客への影響

MEOは、飲食店の集客に大きな影響を与えています。その主な理由は、スマートフォンの普及とともに、ユーザーの検索行動が変化したことにあります。多くのユーザーが今いる場所の近くで食事がしたいといった、場所とニーズを組み合わせた検索をするようになったのです。

MEO専門会社の調査では、飲食店を探すときにGoogleの検索エンジンを利用する人が、これまでの主流であったグルメサイトを上回っているというデータが出ています。検索方法の変化は、MEOが時代のニーズにマッチした集客手法であることの現れでしょう。

また、MEO対策による売上への影響もデータで明らかです。ある調査では、Googleマップ検索の上位40位以内の店舗とそれ以下の店舗を比較したところ、3年間で平均売上に約40％もの差が見られたとの報告がありました。さらに、年を追うごとにその差は拡大傾向にあり、MEOによる上位表示が売上に直結していることがわかります。グルメポータルサイトが一定以上の集客や情報掲載に料金が発生するのに対し、MEO対策は無料で行えるため、集客コストを下げることにも貢献します。

小規模な飲食店でも大手に負けない集客が可能になるのも、MEOの大きな強みです。一般的なSEOでは、飲食ポータルサイトや大手チェーン店が検索上位を占めており、個人経営の店舗が上位を目指すのは難しい現状です。しかし、MEOは検索するユーザーの地域に絞って表示されるため、同じ商圏内の店舗が主な競合となります。そのため、大掛かりなSEO対策をすることなく、正しいMEO対策を地道に続けるだけで、検索上位を狙えるのです。

このように、MEOはユーザーの検索行動の変化をとらえ、コストを抑えつつ売上を向上させます。大手との競争から抜け出して独自の集客を可能にする、飲食店にとって不可欠な集客施策だといえるでしょう。

MEOの仕組みと3つの評価ポイント

MEOで検索順位を上げるには、Googleの評価ポイントを理解することが不可欠です。GoogleはMEOのランキングを決定する要素として、主に以下の3つを重視しています。

検索キーワードとの関連性

関連性とは、ユーザーが検索したキーワードとあなたのビジネスがどれだけ関連しているかを指します。Googleは、ユーザーの検索意図に最も合ったお店を上位に表示します。

ユーザーがランチと検索した場合、GoogleはビジネスプロフィールやWebサイト、口コミなどでランチに関する情報がどれだけ豊富かつ正確に書かれているかを確認します。情報が少なかったり古かったりすると、Googleは「このお店はランチとの関連性が低い」と判断し、表示されにくくなってしまいます。

そのため、MEO対策として重要になるのが、関連性を高めることです。Googleビジネスプロフィールのカテゴリ設定、ビジネスの説明文、写真や投稿など、あらゆる情報を充実させる必要があります。

検索地点から店舗までの距離

MEOにおいて、検索ユーザーの現在地から店舗までの物理的な距離も重要な評価ポイントです。とくに「近くのカフェ」「現在地 ラーメン」といったキーワードでは、距離が順位に大きく影響します。

ユーザーは近くのお店を探していることが多いため、Googleはユーザーの利便性を考慮して、物理的に近いお店を優先的に表示します。距離は、お店の場所そのものであるため、対策できる部分は限られています。しかし、Googleビジネスプロフィールに正確な住所を登録することで、Googleがあなたの店舗の場所を正しく認識し、近隣のユーザーに表示されやすくなります。

ビジネスの知名度（視認性の高さ）

知名度とは、オンラインとオフラインの両方で、そのお店がどれくらい広く知られているか、評判が良いかを指します。Googleは、ウェブ上の情報や口コミの数・質から、ビジネスの人気度や信頼性を判断しています。

具体的には、以下のような要素が知名度の評価につながります。

・指名検索の数
お店の名前を直接検索するユーザーが多いほど、知名度が高いと判断されます。

・口コミの数と評価
多くのユーザーから高評価の口コミを獲得しているかどうかが重要です。

・サイテーション
ほかのWebサイトやSNS、ブログ、地域の情報サイトなどで、お店の情報がどれだけ言及されているかが重要です。

知名度は、一朝一夕に向上するものではありません。日々の店舗運営や顧客対応、SNSでの情報発信など、地道な努力を続けることがMEOの成功には不可欠です。

飲食店におけるMEO対策の流れ

MEO対策は、ユーザーが店舗を選ぶプロセスに寄り添うことから始まります。来店を検討する人は、まず「認知」→「興味・関心」→「評価・検討」という過程を経て、最終的に「行動」にいたります。

上記の流れに沿って対策するには、まずGoogleビジネスプロフィールを正しく登録し、基本情報を正確に整備することが不可欠です。

また、写真・動画を定期的に投稿してユーザーの興味を引きつけることで、検索画面での印象や記憶への残り方が大きく変わります。口コミへの対応も丁寧にすることでユーザーの評価・検討フェーズを後押しし、信頼構築につながります。

対策を継続的に行うことで、Googleビジネスプロフィールの検索順位は安定的に向上し、結果として来店につながりやすくなります。また、SNSとの連携や構造化データの活用（公式サイト側のSEO強化）も併せて行うことで、さらなる相乗効果が期待できるでしょう。

Googleビジネスプロフィールの登録方法

MEO対策を始めるうえでの最初のステップであるGoogleビジネスプロフィールの登録方法について説明します。

まずはGoogleマップで、ご自身の店舗名や住所を検索してみましょう。Googleはインターネット上のさまざまな情報から自動的に店舗情報を作成することがあるため、多くの場合はすでに情報が表示されています。

検索結果に店舗情報が表示されたら、オーナー確認をすることで管理権限を取得できます。オーナー登録は通常、登録した住所にGoogleから送付されるハガキに記載された認証コードを入力して行われます。ハガキの到着には数週間かかる場合があるため、早めに対応することが大切です。はがきのほかに電話、SMS、メール、動画での確認方法もあります。

検索しても店舗情報が表示されない場合は、まだ登録されていない可能性が高いです。その際は、新規にビジネスプロフィールを作成することから始めます。まだお店を開業していない場合でも、オープンの90日前から登録・公開が可能です。正確な基本情報を丁寧に入力し、オーナー確認を完了させましょう。

飲食店におけるGoogleビジネスプロフィール設定時のポイント

オーナー確認が完了した後は、店舗情報を細かく入力し、内容を最適化していくことが重要です。Googleビジネスプロフィールを正しく充実させることが、MEOで上位に表示されるための大きな要素です。

登録内容に誤りがあると、検索順位に不利になるだけでなく、来店のチャンスを逃す可能性もあります。ここでは、飲食店が設定すべき主要な項目について解説します。

ビジネスカテゴリの設定

カテゴリ設定は、店舗がどのようなサービスを提供しているのかをGoogleに伝えるための重要な情報です。検索クエリとの関連性を高めるうえで欠かせない要素であり、メインカテゴリと補助的な追加カテゴリを設定できます。

メインカテゴリは検索結果に大きな影響をおよぼすため、自店舗を最も正確に表すものをひとつ選びましょう。たとえば「ラーメン店」と「中華料理店」で迷う場合は、ユーザーが検索する可能性の高いワードを含む方を選択するのが効果的です。決めかねる場合は、競合店のカテゴリ設定を参考にするのも有効です。

また、Googleビジネスプロフィールでは最大9つの追加カテゴリを登録できます。メインカテゴリだけでは表現しきれない業態を補足することで、検索評価の向上や露出機会の拡大につながります。

たとえば、メインを「中華料理店」としたうえで、追加カテゴリに「ラーメン店」や「餃子店」を登録しておけば、ユーザーが「ラーメン」「餃子」と検索した際に表示されやすくなります。さらに、店内をランチやカフェ利用に開放している場合は「ランチレストラン」や「カフェ」といったカテゴリを追加することで、幅広い検索ニーズに対応できるようになるでしょう。

ビジネス名の登録

ビジネス名は、看板や公式ウェブサイトなどで使用している正式な名称を正確に登録してください。正式名称を登録することで、ユーザーに正しい情報を伝えるとともに、Googleからの信頼を得る事が可能です。

登録時はガイドラインを遵守することが重要で、お店の正式名称以外に、地名やキーワード、キャッチコピーなどを不自然に入れると、Googleのガイドライン違反となります。たとえば「〇〇ラーメン【濃厚スープ】渋谷駅徒歩3分」のような名称は登録できません。ガイドラインに違反すると、Googleビジネスプロフィールが停止される可能性もあるため、正式名称だけを記載しましょう。

住所や電話番号の登録

住所や電話番号などのNAP情報は、ユーザーが来店や問い合わせをする際に必要とする情報であり、MEOの評価においても重要な要素です。NAP情報とは、Name（店舗名）Address（住所）Phone Number（電話番号）の頭文字をとった言葉でGoogleビジネスプロフィールにおいて重要な要素です。

公式サイトに記載されている表記と完全に一致するように、住所や電話番号を登録してください。番地や建物名、階数まで詳しく入力しましょう。

Googleは、Googleビジネスプロフィールだけでなく、グルメサイトやSNSなどインターネット上のあらゆる情報を収集しています。あらゆる情報源でNAP情報が一致していれば、Googleは各サイトの情報をすべて同じ店舗の情報だと認識し、信頼性が高まります。逆に、表記がバラバラだと、それぞれが別の店舗だと認識されてしまい、検索結果に表示される機会が減るだけでなく、ユーザーに混乱を与え、信頼を損なう原因にもなります。

営業時間の設定

営業時間は、ユーザーの来店を左右する基本的な情報です。正確に設定し、常に最新の状態を保つことで、ユーザーの利便性を高め、集客の機会損失を未然に防ぎます。営業時間が間違っていると、来店してくれたお客様を失望させ、ネガティブな口コミに繋がるおそれがあります。

設定は、曜日ごとの正確な時間に加えて「ランチは11:00〜14:00まで」「ラストオーダーは22:00」のように、サービスごとの詳細な時間も設定が可能です。細かく入力しておくことで、ユーザーは来店前に具体的な計画を立てられるようになります。

また、Googleビジネスプロフィールに時間を設定すると、Googleマップ上で「営業中」や「まもなく閉店」といったリアルタイムのステータスが表示されます。営業状況がわかることで、ユーザーの行動を強力に後押しし、まさに今お店を探しているユーザーにアピールできるでしょう。正しい情報を常に提供することは、ユーザーの利便性を高めるだけでなく、店舗への信頼にもつながります。

特別営業時間の設定

ゴールデンウィークや年末年始、臨時休業や臨時営業など、通常の営業時間と異なる場合は、特別営業時間を日ごとに設定しましょう。特別営業時間の設定は、ユーザーの利便性を高めるだけでなく、お店の信用を守るうえで重要です。

台風などの異常気象で臨時休業する際などに特別営業時間を設定しておけば、営業時間外にお客様が無駄足を踏むのを防げます。臨時休業を登録することはお客様の不満を解消し、ネガティブな口コミを避けるうえで不可欠な作業です。

また、祝日になると、Googleマップの画面には「通常の営業時間と異なる場合があります」という注意書きが表示され、ユーザーに不安を与えてしまいます。特別営業時間を設定することで、注意書きは表示されなくなります。通常通り営業する場合でも、祝日は「通常と同じ営業時間」として設定しておくことがおすすめです。

このように、正確な特別営業時間の設定は、お店が情報をきめ細かく管理しているというプロフェッショナルな印象をユーザーに与え、競合他社との差別化にもつながります。

予約機能の活用

予約機能を活用することで、ユーザーのお店を見つけてから予約・来店するまでのハードルを大きく下げられます。スマートフォンから検索するユーザーが増えている現在では「検索→店舗情報の確認→予約」という流れをスムーズに作れるかどうかが集客力に直結します。

予約機能は、主に下記の２点です。
ひとつ目は、公式サイトや外部のオンライン予約ツールのURLを直接設定する方法です。プロフィール上に予約ボタンが表示されるため、ユーザーはワンクリックで予約ページに進めます。すでに自社ホームページやホットペッパー、ぐるなびなどのオンライン予約システムを利用している店舗であれば、追加コストをかけずに導線を整備できる点が大きなメリットです。

ふたつ目は、Googleが提携している「Googleで予約」プロバイダを利用する方法です。別途契約や手数料が必要になるケースもありますが、ユーザーはGoogleマップや検索結果から離れることなく、そのまま予約を完了できるという強みがあります。さらに、予約情報が自動的にGoogleカレンダーへ連携されたり、事前決済機能が利用できたりと、店舗側にとっても予約管理の効率化や無断キャンセルの防止につながる仕組みが整っています。

このように、予約機能を活用すれば、検索から来店までの流れを最適化でき、集客力の向上と顧客満足度の両方を実現可能です。競合との差をつけたい飲食店にとって、導入は必須の施策といえるでしょう。

メニューの掲載

店舗のメニューをGoogleビジネスプロフィールに直接掲載する機能は、ユーザーの来店意欲を大きく高める効果があります。検索ユーザーは公式サイトにアクセスする手間がなく、Googleマップ上でそのまま料理内容を確認できるため、利便性が格段に向上します。スマートフォンからの検索が主流となっている知りたい情報にすぐアクセスできるかどうかは来店の意思決定に直結します。

メニューを登録する際は、定番料理や看板メニューといった来店につながりやすいものを中心に厳選することが重要です。あまりに多くのメニューを掲載すると情報が煩雑になり、ユーザーが本当に欲しい情報を探しにくくなる可能性があります。料理名、説明文、価格を明記し、さらに料理の魅力を伝える高品質な写真を添えることで、ユーザーに強い印象を与えることが可能です。Googleは写真を自動的に認識して検索評価に反映するため、写真の質は集客力にも影響します。

このように、メニュー情報を充実させれば、ユーザーは視覚的に料理の雰囲気を把握しやすくなり、来店前から期待感を持てます。結果として「気になる」から「行ってみよう」への行動を促す有力な要素となるため、メニュー掲載は飲食店にとって欠かせない施策といえるでしょう。

メニューリンクの設定

Googleビジネスプロフィールには、メニューを掲載するだけでなく、公式サイトやグルメサイトなどのメニューページのURLをメニューリンクとして設定する機能もあります。メニューリンクは掲載しきれないほどメニューが豊富な場合や、より詳細なメニュー情報を提供したい場合に有効です。

ナレッジパネルやローカルパックにメニューへのリンクが表示されることで、ユーザーはあなたの店舗のメニューを簡単に見つけられます。また、Googleビジネスプロフィールに直接メニューを掲載しつつ、詳細なメニューを掲載したウェブサイトへのリンクも提供することで、ユーザーのさまざまなニーズに応えられるでしょう。

ナレッジパネルとは、特定のビジネス名やランドマークを検索したときに、スマートフォンの検索結果の上部に表示される、お店の詳細情報のことです。営業時間や住所、写真などが一覧で確認できます。
ローカルパックとは「地域名＋業種」（例：「渋谷 ラーメン」）のように地域性のあるキーワードで検索したときに、検索結果の一番上に表示される、地図と3つの店舗情報のことです。この3つの枠に入ることを目指すのが、MEO対策の主な目標となります。

メニューリンクを設置する際は、リンク先のURLが正確であり、目的のメニューページに正しく遷移することを確認してください。リンク切れや不正確なリンクは、ユーザーの利便性を損ない、お店の信頼性を下げる原因にもなります。

メニューの直接掲載とメニューリンクを組み合わせることで、ユーザーは素早く情報を得て、より深い情報を得るためにウェブサイトを訪れる、というスムーズな導線が完成します。

料理の注文

テイクアウトやデリバリーに対応している飲食店にとって、Googleビジネスプロフィールの「料理の注文」機能は、オンラインから直接売上につながる重要な仕組みです。Uber Eatsや出前館、menuなどの注文ページURLをプロフィールに登録しておけば、ユーザーはお店の情報を見た流れでそのまま注文に進めます。検索から注文までの導線を短縮できるため、コンバージョン率（予約や購入にいたる割合）の向上が期待できるでしょう。

料理の注文機能の価値は、新型コロナウイルス以降に大きく高まりました。外食を控える流れの中でテイクアウト・デリバリーの需要が一気に拡大し、その習慣は現在も継続しています。都市部やオフィス街では「今すぐ注文して受け取りたい」というニーズが根強く、プロフィール上から直接注文できる利便性は大きな武器となります。

さらに、デリバリーに対応することで、近隣の来店客だけでなく、自宅や職場で利用する新規顧客層を取り込める点も大きなメリットです。

写真の掲載

写真は店舗の魅力を伝える強力なツールです。どれだけ文章で説明しても、ユーザーは一枚の写真から得られる印象でお店を判断することが少なくありません。料理、店内の雰囲気、外観、スタッフの様子など、多様な写真を継続的に投稿することで、店舗の信頼感や鮮度を維持できます。料理の写真は来店意欲に直結するため、光の当たり方や構図に配慮し、料理が主役として映えるように工夫しましょう。

Googleは投稿された写真を自動的に料理、内観、外観などのカテゴリに分類して表示します。わかりやすく質の高い写真を掲載することで、ユーザーは自分の知りたい情報をスムーズに得られ、検索評価の向上にもつながるでしょう。さらに、ユーザー自身が投稿した写真もMEOに影響するため、店舗側は定期的にチェックし、感謝のコメントを返すことで顧客との良好な関係を築けます。

また、写真や動画は鮮度が大切です。新メニューや季節限定の料理、イベント開催時の様子などをタイムリーに発信すれば、常に最新情報を提供でき、ユーザーに活気のあるお店という印象を与えられます。結果として一度行ってみたいという心理的な動機づけが強化されるでしょう。

属性情報の設定

Googleビジネスプロフィールでは、店舗の特徴を細かく伝えるための属性情報を設定できます。「Wi-Fiあり」「テラス席あり」「ペット同伴可」「クレジットカード利用可」など、ユーザーが店舗選びをする際に重視する条件を網羅的に提示できるのが大きな特徴です。

属性情報をしっかり整備しておけば「Wi-Fiあり」で絞り込み検索をするユーザーや「ペット可」のお店を探しているユーザーに対して的確にアピールできます。属性情報は検索結果の表示機会を増やすだけでなく、ユーザーが自分に合った店だと判断する決め手になるでしょう。

また、支払い方法（現金・クレジットカード・電子マネー）やサービスオプション（テイクアウト、デリバリー、禁煙席など）を正確に設定しておくことは、来店前の不安解消にも直結します。ユーザーは事前に必要な情報を把握できるため、行ってみたけれど希望の条件と違ったというミスマッチを防げます。逆に、情報が不足していたり誤っていたりすると、興味を持ってくれたユーザーが離れてしまうリスクがあるため、正確性と最新性の維持が欠かせません。

属性情報はGoogleの検索評価においてもプラスに働くとされており、MEO対策の観点からも重要です。ユーザーにとって便利で信頼できる情報を整備すればするほど、Googleからの評価が高まり、検索結果の上位に表示される可能性が広がります。結果として、競合店舗との差別化につながり、より多くの新規顧客を呼び込む効果が期待できます。

MEOでは「口コミ」も大事なポイント

MEO対策において、口コミの管理は欠かせない重要な要素です。業種を問わず、検索評価と集客効果に大きく影響するのが星評価と口コミの数・内容です。

Googleの調査によると、ユーザーの7割以上が店舗選びの際に口コミを参考にしており、口コミ数が多く、評価が高い店舗ほど来店率が高まる傾向が確認されています。とくに「内容に即した返信があると来店したくなる」と回答した人は65％を超えており、口コミをいかに管理・運用するかが集客成功の分岐点となります。

口コミへの返信は来店率に影響する

口コミは集めるだけでなく、返信内容でユーザーの印象が大きく変わります。返信は口コミを投稿した本人への感謝の気持ちを伝えるだけでなく、これからお店を選ぼうとしている第三者にも顧客を大切にしているという印象を与える効果があります。

ネガティブな口コミに対しては、店舗オーナーや責任者が誠意をもって返信することが重要です。誤解があれば正しい情報を伝える、サービス改善を約束する、必要であれば謝罪することで、かえって信頼感が高まるケースも少なくありません。逆に、口コミを放置すると改善の余地が見えないだけでなく、潜在顧客に不誠実な印象を与えてしまいます。

海外調査会社Uberallのデータでは、口コミへの返信率が10％程度の企業と30％の企業を比較した場合、電話・経路検索・Webアクセスといったアクション率が約2倍に伸びることが明らかになっています。つまり、口コミ返信は検索評価に直接は影響しないものの、ユーザーの行動変容に直結する強力な要因なのです。

口コミを増やす方法

口コミを獲得する基本は、来店客に良質な体験を提供することです。飲食店であれば料理の美味しさや接客、雰囲気そのものが口コミの動機となります。とはいえ、自然発生的に増えるのを待つだけでは十分とはいえません。積極的に口コミ投稿を促す仕組みを取り入れることが必要です。今回は口コミを増やす方法を4つ紹介します。

・直接依頼する
会計時や退店時に「ぜひGoogleでの口コミをお願いします」と声をかける。

・QRコードを掲示する
店内のテーブルやレジ周りに口コミページのQRコードを掲示し、スマートフォンからすぐに投稿できるようにする。

・SMSで依頼する
顧客の電話番号を取得している場合は、来店直後にSMSで口コミ依頼を送付する。

・POP・チラシを活用する
チラシやポスターを設置し、常に口コミ依頼を意識してもらう。

口コミを増やす際の注意点

口コミを増やす施策を実施する際には、注意点があります。まず押さえておくべきは、Googleのガイドラインに違反しないことです。自作自演による口コミ投稿や、金銭的な謝礼・割引などの対価を提供して口コミを依頼する行為は固く禁止されています。一見効果的に見えても、発覚すればアカウント停止や検索順位の大幅低下といった重大なペナルティにつながるおそれがあります。短期的な利益よりも、長期的な信頼性の維持が何より重要です。

次に注意すべきは、口コミへの返信の仕方です。口コミは数だけでなく、対応の質が店舗イメージを左右します。返信において定型文を多用すると、形だけで誠意がないと受け取られかねません。単に「ご来店ありがとうございました」と書くだけでは、ユーザーに真摯な姿勢が伝わらず、かえってマイナスイメージを与えてしまいます。

返信の理想形は、口コミ内容に即した具体的なコメントを加えることです。たとえば「子ども向けのメニューが少なかった」という口コミに対しては「お子様には〇〇がおすすめです」「次回は△△もぜひお試しください」といった具体的な提案を添えると、投稿者本人だけでなく同じ悩みを持つほかのユーザーにもアピールできます。こうしたやり取りを通じて、口コミページそのものが店舗の強みを伝えるPRスペースとして機能するのです。

飲食店向けのキーワード選定のコツ

ユーザーが飲食店を探すときの最初の行動は、自分の目的に合ったキーワードを検索することです。そのため、顧客のニーズと自店舗で提供できる商品・サービス・体験を踏まえて適切なキーワードを設定し、検索エンジンとの関連性を高めることが、集客を成功させるための第一歩となります。

ここでは、効果的なキーワード選定のコツを解説します。

関連性のあるキーワード

まずは業態を示す「居酒屋」「レストラン」といった基本的なワードに加え、「寿司」「ラーメン」「フレンチ」など提供する料理名をキーワードに含めることが重要です。

さらに「魚料理」「肉料理」といった具体的な料理カテゴリーまで広げると、より多くの検索ユーザーに見つけてもらいやすくなります。

利用シーンに関するキーワード

検索ユーザーが飲食店を探すときには、「どんな場面で利用するのか」を強く意識しています。そのため、利用シーンに応じたキーワードを設定することは、ターゲットを明確に絞り込み、来店意欲の高い顧客を獲得するうえで非常に効果的です。

たとえば「子連れ歓迎」「家族で利用可能」といったキーワードを入れることで、小さな子どもを連れた家族層に安心感を与えられます。また「宴会」「大人数対応」「団体予約可能」といった言葉を活用すれば、会社の歓送迎会や忘年会の幹事が検索した際にヒットしやすいです。

「ランチ」「ディナー」「深夜営業」「二次会利用可」といった時間帯を表すワードも忘れてはいけません。深夜営業や二次会対応はニッチなニーズを拾えるため、特定の時間帯に来店を見込める集客施策として有効です。

このように、利用シーンに基づいたキーワードを幅広く取り入れることで、「今すぐお店を利用したい」と考える顧客に対して強く訴求でき、集客の効率を高めることができます。

競争力のあるキーワード

競争が激しいキーワードだけでなく、よりニッチなキーワードも選定しましょう。たとえば「ラーメン」のような一般的すぎるキーワードは、多くの競合と戦わなければなりません。

しかし「食べ放題」「飲み放題」「個室あり」「テラス席あり」といったお店の特徴を反映したキーワードであれば、競争が少なく、上位表示を狙いやすくなります。あなたのお店独自の魅力を考え、ほかの店舗と差別化を図りましょう。

季節に関するキーワード

特定の季節でニーズが増えるキーワードも、集客のチャンスを広げます。「冷やし中華」「かき氷」「ビアガーデン」といった季節限定のメニューや「クリスマスディナー」「忘年会」「新年会」といった季節のイベントに関連したキーワードも選定しておきましょう。

季節に関連するキーワードをGoogleビジネスプロフィールの投稿機能でリアルタイムに発信することで、特定の時期に検索するユーザーを効率的に引きつけられます。

自分のお店がどのキーワードと紐づいているのかを知る方法

自分のお店がどのようなキーワードに紐づいているかを知るには、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス機能を活用します。パフォーマンスを確認することで、実際にユーザーが検索してお店を見つけたキーワードを把握できます。

関連性が高いと思っていたキーワードがパフォーマンスに含まれていない場合は、お店とそのキーワードとの関連性が弱いか、そもそも検索ニーズがない可能性が考えられます。パフォーマンスを分析することで、今後のMEO対策の方向性をより明確に定められます。

飲食店向けのMEO対策のポイント

MEOを成功させるためには、お店の検索評価を高め、より多くのユーザーに認知されることが重要です。ここではMEO対策のポイント3選を紹介します。

ビジネスプロフィールの店舗情報を細かく設定する

MEO対策の基盤は、Googleビジネスプロフィールの情報をいかに細かく、正確に設定するかです。検索評価の要因のなかでも関連性は大きなウェイトを占めており、情報がどれだけ正しくキーワードと関連付けられるかが成果を左右します。

設定の内容は前述のとおりです。詳細な情報を設定することで、Googleにあなたの店舗の情報を正しく理解させるとともに、利用者目線の情報共有となります。

写真・動画を定期的に投稿する

Googleビジネスプロフィールに投稿された写真や動画は、ユーザーの来店意欲に直結するだけでなく、MEOの検索評価にも大きく影響します。投稿のポイントは下記のとおりです。

・高品質なビジュアル
料理、内観、外観など、魅力的で高品質な写真や動画を投稿しましょう。料理の写真は、できるだけ料理だけが被写体になるように撮影するのがポイントです。

・投稿機能の活用
新メニューや季節限定の料理、店内イベントなど、新しい情報が入り次第、積極的に投稿しましょう。投稿内の文章やキーワードは、Googleが店舗に関連した情報として認識するため、関連性強化に役立ちます。

定期的に新しいビジュアルコンテンツを提供することで、Googleに「このお店は活発に活動している」と判断され、検索順位の向上につながります。

ユーザーからの口コミを集める

口コミの数や質は、お店の信頼性や検索評価を高めるうえで欠かせない要素です。口コミに含まれる自然なキーワードは、検索アルゴリズムにおける関連性を強化し、MEOの評価向上にも直結します。

口コミを集める際には、単に「口コミをお願いします」と依頼するだけでなく、ユーザーが書きやすい環境を整えることが大切です。QRコードの設置や投稿用リンクの共有など、スムーズに口コミページにアクセスできる仕組みを整備すると効果的です。

さらに「料理の味や雰囲気について教えていただけるとうれしいです」といった形で具体的にお願いすると、ユーザーは投稿しやすく、ほかの人にとって参考になる内容になりやすいです。結果として、口コミが集まり来店者が増え、さらに口コミが増えるという好循環を生み出せます。

ただし、金銭やサービスを対価とする依頼はGoogleのガイドラインで禁止されており、発覚するとペナルティを受ける可能性があります。誠実に口コミを集め、積み重ねていくことこそが、長期的なMEO成功の鍵となるのです。

MEOに取り組む際の注意点

MEO対策は正しく運用すれば大きな集客効果が得られますが、誤った方法や放置は逆効果となり、検索評価や店舗の信頼性を損ねてしまいます。ここでは避けるべき失敗例を3つ解説します。

Googleビジネスプロフィールを放置する

Googleビジネスプロフィールは店舗の顔ともいえる情報源です。営業時間や住所が誤っていたり、更新を怠っていたりすると、ユーザーが来店できずに機会損失を招きます。また古い情報や写真しか掲載されていないと活気がない店という印象を与え、ブランドイメージも低下します。

さらに所有権管理を怠ると、悪意のある第三者に情報を書き換えられるリスクもあるため、定期的なチェックと更新が欠かせません。

不自然にキーワードを詰め込む

検索評価だけを重視して、店舗名や紹介文に不自然にキーワードを盛り込むのは危険です。Googleは過剰なキーワード挿入を不正とみなし、評価が下がる可能性があります。

ペナルティを受けなくても、検索ユーザーに不誠実な印象を与え、かえって信頼を失ってしまいます。自然で読みやすい文章の中で、ユーザーが知りたい情報を伝えることが大切です。

ユーザーからの口コミに返信しない

口コミを放置することも大きなリスクです。よい口コミには感謝を伝え、悪い口コミには誠実に対応することで、信頼性を高めるチャンスになります。

返信を怠ると「顧客を大切にしていない」と受け止められ、来店意欲を下げかねません。具体的なメニュー提案や改善の約束を返信に盛り込めば、ほかのユーザーにも誠実さが伝わり、店舗の魅力をアピールできます。

MEO対策のポイントを押さえて飲食店の集客を成功させよう

MEO対策は、飲食店の集客を加速させるために欠かせない重要な施策です。Googleビジネスプロフィールを常に最新の状態に保ち、営業時間や住所、メニューなどの基本情報を正確に整えることが第一歩です。さらに、魅力的な写真や人気メニューを掲載することで、検索ユーザーの目を引き、来店前から行ってみたいという期待感を高められます。

加えて、口コミを積極的に集め、すべての投稿に丁寧に返信することは、店舗の信頼性を高める大きな要素です。よい口コミには感謝を伝え、改善点が含まれる口コミには真摯に対応することで、ユーザーはこのお店は誠実だと感じ、来店率やリピート率の向上につながります。

大切なのは、一度に完璧を目指すのではなく、小さな改善を積み重ねていく姿勢です。情報更新、写真投稿、口コミ返信といったシンプルな取り組みを習慣化することで、自然に集客基盤が強化されていきます。今日からできることをひとつずつ取り入れ、地域で真っ先に選ばれる飲食店を目指しましょう。