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MEO記事
歯医者・歯科医院のMEO対策2025.09.30
歯医者・歯科医院
「地域名+歯医者」「地名+歯科医院」と検索するユーザーは、すでに具体的な行動を求めている潜在的な患者さまです。ユーザーを効率的に集患するため、近年MEO対策が非常に重要視されています。
この記事では、歯医者・歯科医院に特化したMEO対策の基本から、今すぐ実践できる具体的な方法、注意点まで徹底的に解説します。
目次
MEOとは
MEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略称です。Googleマップをはじめとする地図検索サービスで、特定のキーワードで検索された際に、自社の店舗情報を上位に表示させるための施策全般を指します。
具体的には、Googleで「地域名+業種」といったキーワードで検索した際に、ウェブサイトの検索結果よりも上部に表示される地図と連動した店舗情報の一覧(ローカルパック)に、自社の情報を表示させることを目的としています。
従来のSEOがウェブサイトを対象にしているのに対し、MEOは店舗情報に特化した対策です。ユーザーの「今すぐ行きたい」「近くにある病院を探したい」といったニーズに直接応えるための、非常に効果的な集客手段といえます。
MEO対策を行ううえで、中心的な役割を果たすのがGoogleが提供している無料ツール「Googleビジネスプロフィール」です。プロフィールに店舗の基本情報だけでなく、写真、最新情報、ユーザーからの口コミなどを充実させることで、Googleからの評価が高まります。
Googleはこれらの情報を総合的に判断し、ユーザーの検索意図に最も合致した店舗情報を上位に表示します。また、MEOは特定の地域に絞った集患に強みを発揮する施策です。特定の地域で店舗を運営している歯医者・歯科医院にとって、MEO対策は患者獲得に直結する重要なマーケティング戦略となります。
MEOの歯医者・歯科医院における集客への影響
MEOは、歯科医院やデンタルクリニックの集患に非常に大きな影響を与えます。なぜなら、人々の検索行動の変化と技術の進化が重要な役割を果たしているからです。
多くの患者さまは歯科医院を探す際、Googleなどの検索エンジンを利用します。ある調査によると、クリニックを探す人の7割が検索窓からの検索を使用しており、集患の手段として非常に大きな影響力を持っていることを示しています。
MEOは潜在的な患者さまにクリニックの存在を広く認知させるための直接的な手段です。また、Googleマップの口コミを参考にする人が年々増加しており、歯医者選びにおいても重要な判断材料となっています。
2021年の調査では、病院・歯科を選ぶ際に47.9%もの人がGoogleマップの口コミを参考にしている結果が出ています。これは2019年と比較して5%以上増えており、影響力が増していることの証明です。
Googleの口コミは、ほかのポータルサイトと比較して見られる確率が高く、医院選びに直結しやすいです。MEO対策を通じて口コミを増やし、丁寧に返信することで、競合他院との差別化を図り、信頼性を向上させましょう。
また、Google自身もGoogleビジネスプロフィールの高い集客効果を示しています。公式ヘルプページによると、プロフィールを完全に記入したビジネスは、ユーザーからの信頼度が2.7倍高くなり、詳細な情報を掲載することで、ユーザーがアクセスする可能性が70%高まるとされています。
情報を掲載し、MEOに積極的に取り組むことは、集患に効果を発揮する有効な方法です。
MEOの仕組みと3つの評価ポイント
MEOで上位表示されるためには、Googleの評価ポイントの理解が不可欠です。Googleの公式情報によると、ユーザーが行きたくなるような近くのビジネスを表示するために、主に以下の3つの要素を総合的に判断して検索順位を決定しています。
検索キーワードとの関連性
Googleは、ユーザーが検索したキーワードと、あなたのビジネス情報がどれだけ一致しているかを重視します。「歯周病+地域名」と検索された場合、あなたのクリニックが提供しているサービスや、ウェブサイト、Googleビジネスプロフィールの投稿、口コミなどに歯周病に関する情報が豊富に記載されているかどうかが評価されます。
ビジネス情報を詳細かつ正確に充実させるほど、ユーザーの検索項目との関連性が高まり、検索結果に表示されやすくなるでしょう。ユーザーが探している情報と、あなたが提供している情報が一致しているほど、上位に表示される可能性が高まります。
検索地点から店舗までの距離
MEOでは、ユーザーが検索した場所と店舗の物理的な距離も重要な評価ポイントです。検索キーワードに場所が含まれていない場合、Googleはユーザーの現在地に基づいて距離を算出します。
近くにある店舗ほど、検索結果に優先して表示されやすくなります。反対に遠く離れた場所の歯科医院は表示されにくいです。物理的な距離は対策が困難なため、同じエリアでサービスを探しているユーザーに自院を知ってもらうことが非常に重要となります。
ビジネスの知名度(視認性の高さ)
MEOにおいて、ビジネスがどれだけ広く知られているかという知名度も重要な評価基準となります。Googleは、ウェブ上の情報や、オフラインでの評判などを総合的に評価します。具体的には、ウェブ上のリンク、記事、ポータルサイトへの掲載、そしてGoogleの口コミ数や評価の高さなどが判断材料です。
また、クリニック名を指名した検索が多い場合も、知名度が高いと評価される傾向にあります。MEOの対策は、基本的にこの3つの要素を改善するためのものです。この仕組みを理解したうえで、ユーザーを第一に考えた情報提供やサービスの提供が重要になります。
歯医者・歯科医院におけるMEO対策の流れ
歯科医院がMEO対策を行う際は、まず患者さまの検索行動を理解することが大切です。一般的にユーザーは「認知→興味・関心→評価・検討→行動→共有」という5つのステップを踏んで医院を選びます。
最初の段階では検索結果に医院を表示させて存在を知ってもらうこと、次の段階では写真やサービス情報を通じて興味を持ってもらい、来院につなげることが重要です。
そのために、検索結果に関連性の高い情報を掲載して評価を上げる施策と、来院を促す仕組みづくりの両方が欠かせません。こうした流れの出発点となるのがGoogleビジネスプロフィールの登録と最適化であり、正確で詳細な情報を整備することが集患の基盤となります。
Googleビジネスプロフィールの登録方法
Googleビジネスプロフィールの登録は、歯科医院のMEO対策の第一歩です。Googleマップで自身のクリニック名や住所を検索し、店舗情報が登録されていないか確認してみましょう。
Googleは、インターネット上の情報から自動的に店舗情報を作成することがあるため、すでに登録されているケースが多く見られます。もし情報がすでに存在している場合は、オーナー認証を済ませることで、プロフィールの管理権限を獲得できます。
クリニックの情報が表示されない場合は、新たにビジネスプロフィールを登録する必要があります。新規登録は、Googleビジネスプロフィールの管理画面から行い、クリニック名、住所、電話番号、業種などの基本情報を正確に入力します。
新規開業を予定している場合でも、開業日の90日前からビジネスプロフィールの公開が可能です。事前に登録を済ませておくことで、見込み患者さまにクリニックの存在をアピールし、認知度を高めることができます。登録後、Googleから送付されるハガキや電話、メールでの認証手続きを完了させれば、情報の編集や口コミへの返信など、すべての機能が利用できるようになります。
歯医者・歯科医院におけるGoogleビジネスプロフィール設定時のポイント
Googleビジネスプロフィールは、歯科医院にとって集患に直結する重要なツールです。検索結果やGoogleマップに医院情報を適切に表示させることで、地域の患者さまに効率的にリーチできます。ここでは、設定時にとくに注意すべき10のポイントを解説します。
ビジネスカテゴリの設定
Googleビジネスプロフィールにおけるビジネスカテゴリは、検索結果の表示順位や関連性に直結する重要な項目です。メインカテゴリと追加カテゴリの2種類を設定でき、メインカテゴリは検索評価への影響が大きいため、医院の業態に最も適したものを登録する必要があります。
歯科医院の場合、通常はメインカテゴリを歯科医院と設定するのが基本です。ただし、矯正治療やインプラント、審美歯科など特定の診療に力を入れている場合は、矯正歯科やインプラント歯科医などの追加カテゴリを設定することで、より幅広い検索ニーズに対応できます。
追加カテゴリは最大9つまで登録可能です。メインカテゴリだけでは医院の特徴が十分に伝わらない場合に活用すると効果的です。メインカテゴリを歯科医院としているだけではホワイトニングと検索された際に、ホワイトニング専門店が優先表示され、一般歯科医院は埋もれてしまうことがあります。追加カテゴリに歯科ホワイトニングサービスや美容歯科医などを登録しておくと、関連性が補強され、検索結果での露出機会が増えます。
正しいカテゴリ設定は、患者さまにとって自分のニーズに合った医院かどうかを判断する助けにもなります。医院の強みや特徴を正しく伝えるためにも、診療内容に沿ったカテゴリを精査し、漏れなく登録しておくことが重要です。
ビジネス名の登録
ビジネス名は、看板やロゴ、名刺など、実際に顧客に認知されている正式名称を登録しなければなりません。Googleのガイドラインでは、ビジネス名にキーワードや地名を含めることを厳しく禁止しています。
「ネクサー歯科クリニック」という正式名称にもかかわらず、「ネクサー歯科クリニック(インプラント・矯正治療専門)」や「ネクサー歯科クリニック新宿院」といった形でキーワードや地名を追加すると、ガイドライン違反と判断されます。Googleは、こうした不正な行為を検知する仕組みを持っており、発覚した場合は、検索順位を大幅に下げるペナルティを科したり、最悪の場合、ビジネスプロフィールが停止されたりする可能性があります。
ビジネス名の設定は、ユーザーに正確な情報を提供することが目的です。不自然なキーワードの羅列は、ユーザーからの信頼を損なうだけでなく、MEO対策においても逆効果です。正式な名称を正確に登録し、信頼性の高いプロフィールを構築することが、長期的なMEO対策の成功につながります。
住所や電話番号の登録
住所や電話番号は、患者さまが迷わず来院できるよう正確に登録することが重要です。MEO対策においてもウェブサイトやSNS、その他のポータルサイトなどのNAP情報の一致が大切となります。
NAP情報とは、ビジネス名(Name)住所(Name)電話番号(Address)の3つの頭文字を取った略語です。Googleは、Googleビジネスプロフィールだけでなく、インターネット上のあらゆる情報を収集し紐付けています。このNAP情報がウェブ上の複数のサイトで完全に一致していると、Googleは「これらの情報はすべて同じビジネスのものだ」と認識し、信頼性が高いと判断します。その結果、検索評価にプラスの影響を与え、上位表示されやすくなります。
NAP情報がバラバラだと、Googleは同じビジネスの情報だと認識できず、それぞれの情報が別個のものとして扱われてしまい、集まった口コミや被リンクなどが分散してしまい、MEO対策の効果が半減するでしょう。
住所の登録においては、番地以降の建物名やフロア情報なども、全角半角を含めてウェブサイトと完全に一致させましょう。電話番号は、市外局番から始まる固定電話番号を登録することが推奨されます。
営業時間の設定
診療時間は、患者さまが来院する上で最も重要な情報のひとつです。曜日ごとに診療時間を正確に設定しましょう。月曜から金曜は9時から18時、土曜は9時から13時、日曜は休診といった形で細かく設定することが、ユーザーの利便性を高めます。
Googleビジネスプロフィールでは、現在の営業状況が営業中または営業時間外とリアルタイムで表示されます。診療時間の設定が間違っていると、営業時間にもかかわらず営業時間外と表示されてしまい、来院の機会を逃すことになるでしょう。患者さまの体験を損ねて、ネガティブな口コミにつながる可能性もあります。常に最新の情報を反映させるように注意しましょう。
また、クリニックによっては「受付は診療終了30分前まで」といったルールがあるかもしれません。この場合は、営業時間の詳細から最終受付時間を設定することで、患者さまに正確な情報を提供できます。
特別営業時間の設定
歯科医院では、年末年始やゴールデンウィーク、お盆休みといった長期休暇のほか、学会参加や院内メンテナンスによる臨時休診など、通常の診療時間とは異なるケースがあります。臨時休診の場合は、必ずGoogleビジネスプロフィールの特別営業時間を設定しましょう。設定を怠ると、患者さまが来院した際に休診だったという事態を招き、信頼を損ねる原因になります。
特別営業時間を登録しておくと、Googleマップや検索画面に「通常の営業時間と異なる場合があります」という注意表示が出なくなり、患者さまは安心して来院予定を立てられます。通常と同じ診療時間であっても、祝日には特別営業時間を入力しておくことで検索結果上での不安要素を取り除けます。
さらに、隔週での休診や毎月第3日曜休診、毎月15日休診といった複雑なスケジュールも特別営業時間を利用すれば柔軟に設定可能です。細やかな管理は、患者さまの来院機会を逃さず、医院への信頼感向上にもつながります。
正確な情報提供は集患の基盤となるため、通常営業時間だけでなく特別営業時間も忘れずに設定し、常に最新の情報を維持することが大切です。
オンライン予約ツールへのリンクの登録
現在は多くの歯科医院でオンライン予約システムが導入されており、Googleビジネスプロフィールにも予約リンクを設定できる項目が用意されています。URLを登録すると、検索結果やGoogleマップに表示される医院情報欄に予約ボタンが設置され、患者さまはワンクリックで予約ページにアクセスできるようになります。
リンクは患者さまにとって大きな利便性をもたらします。わざわざ医院の公式サイトを探す必要がなく、Googleマップ上から直接予約手続きに進めるため、予約までの手間や時間が大幅に短縮されるでしょう。スマートフォンからの検索利用が増えている現在では、簡単に予約できる導線を確保することは来院率の向上につながります。
また、予約リンクは「24時間受付可能」「診療時間外でも予約できる」といった強みを打ち出すのにも有効です。電話予約が苦手な方や、診療時間中に連絡できない方にとっても利用しやすいため、結果的に新規患者の獲得機会を広げることができます。
オンライン予約リンクの設定は患者満足度の向上と予約率アップの両方に直結する重要な施策です。医院側でも予約件数の増減や流入経路を把握しやすくなるため、集患戦略の改善にも役立ちます。
サービスの掲載
Googleビジネスプロフィールには、提供しているサービスを詳しく掲載する項目があります。サービスの掲載は検索評価の対象となるため、漏れなく登録しましょう。サービスの例を紹介します。
- 一般歯科:虫歯治療、歯周病治療、根管治療
- 小児歯科:小児の虫歯治療、予防歯科
- 矯正歯科:ワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正
- 審美歯科:セラミック治療、ホワイトニング、ラミネートベニア
- インプラント:インプラント治療、骨造成
- 口腔外科:親知らずの抜歯、顎関節症治療
提供しているサービス内容を細かく記載することで、ユーザーは自分の悩みに合ったクリニックかどうかを判断しやすくなります。説明や金額は必須ではありませんが、ユーザーの来院意思決定につながるため、わかりやすく記載しておきましょう。
登録したサービスはスマートフォンやタブレットのGoogleマップ・Google検索画面には表示されますが、PC検索で右側に表示される店舗情報欄(ナレッジパネル)には反映されない点に注意が必要です。
商品の掲載
Googleビジネスプロフィールの商品機能は、医院で実際に販売している物品を紹介できる機能です。モバイル端末だけでなく、PCブラウザを含むすべてのデバイスで表示されるため、幅広い患者さまの目に触れやすいのが特徴です。
歯科医院の場合、以下のようなデンタルケア用品を登録できます。
- 電動歯ブラシ
- 歯磨き粉(フッ素配合など)
- デンタルフロス
- マウスウォッシュ
- ホワイトニング剤
商品登録では価格・写真・詳細説明を追加でき、患者さまが商品を選ぶ際の判断材料となります。写真を掲載すると視覚的な訴求力が高まり、来院時に「ついで買い」を促すきっかけにもなります。また、説明文に商品の特徴や使用方法を添えることで、信頼性を高められるでしょう。
注意が必要なのは、商品欄に登録できるのは物品に限られるという点です。治療メニューや施術コースはサービスに分類されるため、商品欄に掲載するのはガイドライン違反となります。違反が続くとプロフィール停止のリスクもあるため、情報の区分けを正しく行うことが大切です。
商品掲載は、医院の専門性や取り扱い製品を患者にアピールできる有効な手段です。来院前に患者が商品を確認できることで、医院への安心感や付加価値を提供でき、結果として集患や売上向上につながります。
写真・動画の掲載
写真や動画は、クリニックの雰囲気を伝えるうえで非常に重要な要素です。清潔感のある院内や、温かい雰囲気のスタッフの写真は、患者さまに安心感を与え、来院へのハードルを下げます。
掲載時のポイントは下記のとおりです。
・クリニックの外観・内観
患者さまが迷わず来院できるよう、クリニックの外観や内観の写真を複数枚投稿しましょう。待合室、診察室、受付など、院内の隅々まで清潔感を感じさせる写真を掲載することがポイントです。
・スタッフの写真
院長やスタッフの集合写真を掲載することで、患者さまは親近感を抱きやすくなります。
・診療風景の写真・動画
実際に使用している機材や、治療風景を撮影した動画を定期的に投稿することで、Googleからの評価が高まり、患者さまの関心を引くことができます。掲載できる動画は最大30秒、ファイルサイズは最大75MBです。
写真や動画の内容も、Googleの検索評価にプラスに働きます。Googleは、写真の内容をある程度判別できるため、ビジネスの情報としても扱われます。被写体が明確にわかるように撮影し、周囲の風景や余計なものが映り込まないように気をつけましょう。
これらの情報は投稿機能を使って定期的に更新することで、Googleに常に情報が更新されている活発なビジネスと認識され、検索順位が上がりやすくなります。
属性情報の設定
ビジネスカテゴリによって設定できる属性情報は異なりますが、歯科医院カテゴリでは複数の属性が用意されています。属性情報は、検索エンジンが店舗の詳細な情報を理解するために利用されます。属性情報の例はこちらです。
- サービス・オプション:外国語での診療が可能か、オンライン診療に対応しているかなど
- バリアフリー:車椅子対応のエレベータやトイレ、座席などの対応状況
- プラン:「要予約」「新患の受け入れあり」など
- 客層:LGBTQフレンドリー、トランスジェンダー対応など
- 設備:Wi-Fiの有無、トイレの有無、子ども向けスペース、犬の同伴可否など
- 駐車場の情報:無料駐車場、有料駐車場、バレーパーキングなど
属性を細かく設定することで、検索ユーザーに自院の強みや特徴を事前に詳しく伝えることができ、特定のニーズを持つユーザーに自院を見つけてもらうために非常に効果的です。属性は時々アップデートされるため、定期的に見直すことも大切です。
MEOでは「口コミ」も大事なポイント
歯科医院に限らず、すべてのビジネスにおいて、お客様からの評価(星の数)と口コミは、検索評価と集客効果に大きな影響を与える要素です。口コミの数が多く、星評価が高いことは、検索評価のプラス要因として働くだけでなく、検索ユーザーが来院を決定する上でも重要な判断材料となります。
ここでは、口コミへの返信の重要性、口コミを増やす方法、口コミを扱う際の注意点について詳しく解説します。
口コミへの返信は来店率に影響する
口コミは投稿されるだけでなく、医院側がどのように返信するかによっても患者さまの印象は大きく変わります。ポジティブな口コミに対して感謝の気持ちを伝えることで、既存患者さまとの関係性を深められ、リピート来院にもつながるでしょう。一方でネガティブな口コミに誠実かつ丁寧に対応する姿勢は、新規患者さまにこの医院は真摯に患者さまと向き合っているという安心感を与える効果があります。
Googleが公開している調査によると、口コミに返信している店舗は返信していない店舗に比べて来店意欲が高まる傾向があるとされています。医療機関では不安を解消してくれるかが大きな判断材料になるため、口コミ返信は来院率に直結するといえるでしょう。
返信の際には、感情的な表現を避け、事実確認と改善への取り組みを簡潔に伝えることが大切です。「お待たせしてしまい申し訳ありません。今後は予約体制を改善し、待ち時間の短縮に努めてまいります」といった返信は、医院の改善姿勢を示すよい例です。
口コミを増やす方法
歯科医院では、治療結果に満足していても、患者さまが積極的に口コミを投稿することは少ないのが一般的です。しかし、不満がある場合はネガティブな口コミが投稿されやすく、院長やスタッフにとって大きな悩みとなることがあります。よい口コミを増やし、バランスを保つためには、クリニック側からの積極的な働きかけが必要です。
口コミを増やすための効果的な方法をいくつか紹介します。
・直接的な声かけ
治療を終え、満足してくれた患者さまに「Googleで口コミを投稿していただけませんか?」と直接お願いすることは、非常に効果的です。直接依頼することで、患者さまとの信頼関係を活かし、口コミ投稿へのハードルを下げられます。
・店頭での告知
待合室や受付に、口コミページへのリンクを含むQRコードを記載したポップやチラシを設置しましょう。スマートフォンをかざすだけで簡単に口コミページにアクセスできる環境を整えることで、患者さまが気軽に口コミを書けるようになります。
・口コミ促進ツールの活用
口コミ投稿の最大の障壁は何を書いていいか分からない点です。アンケートを通じて患者さまの本音を引き出し、それを基にリアルな口コミ文章案を作成するサービスも存在します。これにより、患者さまは文章を考える負担なく、手軽に質の高い口コミを投稿できます。
・感謝の気持ちを伝える
口コミを投稿してくれた患者さまに対しては、感謝の気持ちを伝えることを忘れないでください。お礼の言葉を伝えることで、患者さまは自分の意見が尊重されたと感じ、クリニックへの愛着を深めます。
口コミを増やす際の注意点
口コミを増やすことは重要ですが、方法を誤るとGoogleのガイドラインに違反し、ペナルティを受ける可能性があります。次の4つに注意しましょう。
・口コミの投稿を強制しない
「口コミを投稿してくれたら割引します」といった特典を提示することは、Googleのガイドラインで禁止されています。これは見返りを与える行為と見なされ、不正な口コミと判断される可能性があります。あくまでも患者さまの自発的な意思で投稿してもらうことが重要です。
・自作自演は絶対にしない
自分で口コミを投稿したり、知人やスタッフに依頼して不自然な口コミを大量に投稿したりすることは絶対にやめましょう。Googleは不正な口コミを検知する仕組みを持っており、発覚した場合は検索順位を大幅に下げるペナルティを科したり、最悪の場合、ビジネスプロフィールが停止されたりする可能性があります。
・ネガティブな口コミを削除しない
ネガティブな口コミはクリニックの評価に悪影響を与える可能性があるため、削除したいと考えるかもしれません。しかし、Googleは正当な理由がない限り、口コミを削除しません。不当な内容や誹謗中傷にあたる場合はGoogleに報告できますが、個人的な不満や意見は削除対象になりません。ネガティブな口コミには、削除するのではなく、真摯な返信で対応することが最も建設的な方法です。
・返信の際はガイドラインを遵守する
口コミへの返信においても、個人情報を記載することは避けましょう。プライバシー保護の観点から、返信内容は一般的に公開されても問題ない範囲に留める必要があります。
口コミはクリニックの信頼性を高める上で非常に重要な要素です。上記の注意点を守り、患者さまとの信頼関係を築きながら口コミを増やすことで、MEOの効果を最大限に引き出すことができます。
歯医者・歯科医院向けのキーワード選定のコツ
歯科医院のオンライン集客において、適切なキーワード選定は非常に重要です。患者さまがインターネットで歯医者を探す際、自身の治療ニーズや抱えている口腔の問題に基づいたキーワードを使って検索するためです。
クリニックが提供する治療メニューや特色を正確に反映させたキーワードを選定することが、目標とする患者層に効果的にアピールするための基礎となります。ここでは4つのキーワード選定について解説します。
関連性のあるキーワード
まず、診療内容に直接関連するキーワードを選定しましょう。歯科医院やデンタルクリニックといった基本的なキーワードに加えて、提供しているサービスに密接に関連したキーワードを意識することが重要です。
・診療内容:小児歯科、歯列矯正、ホワイトニング、インプラント、歯石除去、歯周病予防など
・治療法:痛みの少ない治療、インビザライン、セラミック治療など
上記のように、幅広いキーワードに対し関連性を強化することで、Googleの検索結果に表示されやすくなり、より多くのユーザーにアピールできます。
利用シーンに関するキーワード
次に、患者さまがどのような状況でクリニックを探しているかを考慮したキーワードを選定します。
「地名+夜間診療 歯医者」
「地域名+日曜日 歯科」
「地名+急患対応 歯科」
「地域名+子ども 歯医者」
こうしたキーワードは、緊急性や特定のニーズを持つユーザーにアプローチするのに効果的です。夜間や休日診療に対応している場合は、Googleビジネスプロフィールにその情報を必ず記載しましょう。
競争力のあるキーワード
一般的なキーワードは競合が激しく、上位表示が難しい傾向にあるため、自分のクリニックの特徴を反映した、ニッチなキーワードを選定することも有効です。
「地域名+無痛治療 歯医者」
「地名+子ども向けアニメーション 歯医者」
「地域名+女性医師 歯科」
クリニックの特性や技術を強調したり、ほかの医院と差別化できるキーワードを洗い出すことが重要です。こうしたキーワードは検索ボリュームが少ないものの、来院につながる可能性が高いロングテールキーワードと呼ばれ、MEO対策において非常に有効となります。
季節に関するキーワード
季節にニーズが高まるキーワードも見落とさないようにしましょう。
春:歯科検診、新生活向けホワイトニング
夏:ホワイトニング、口臭ケア
冬:インフルエンザ予防、口腔ケア
季節に応じたキーワードを意識して、定期的にGoogleビジネスプロフィールの投稿を更新することで、患者さまの関心を引くことができます。
自院がどのキーワードと紐づいているのかを知る方法
自院がどのようなキーワードで検索されているかを知るには、Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスデータを活用しましょう。パフォーマンスデータでは、実際にユーザーが検索してクリニックを見つけたキーワードが提供されています。
パフォーマンスデータを定期的にチェックすることで、自分が想定していたキーワードと、実際に患者さまが検索しているキーワードの間にギャップがないかを把握できます。関連性が高いと思っていたキーワードがパフォーマンスデータに含まれていない場合、クリニックとキーワードの関連性が弱いか、キーワードの検索ニーズが低い可能性が考えられます。この情報をもとに、Googleビジネスプロフィールの情報を見直し、新たなMEO対策を検討しましょう。
歯医者・歯科医院向けのMEO対策のポイント
歯科医院のMEO対策を成功させるには、クリニックの認知度を上げ、検索評価を高め、患者さまが検索するキーワードで検索結果に表示されるようにすることが重要です。上位表示には、Googleビジネスプロフィールの情報を最適化し、ユーザーに役立つ情報を提供し続ける必要があります。
ここでMEO対策における、3つのポイントを紹介します。
ビジネスプロフィールの店舗情報を細かく設定する
MEO対策では、Googleビジネスプロフィールを単に埋めるのではなく、患者さまにとってわかりやすく信頼できる情報に整えることが重要です。住所や電話番号といった基本情報はもちろん、クリニックの診療方針や特徴を簡潔かつ具体的に記載しましょう。
「痛みの少ない治療を心がけている」「小児歯科に力を入れている」といった強みをわかりやすく伝えることで、検索ユーザーが安心して来院を検討できるようになります。また、よくある質問をプロフィール内に盛り込むことで、診療内容や費用感に関する不安を事前に解消でき、問い合わせ率や予約率の向上につながります。
さらに、定期的に投稿機能を使って診療情報やお知らせを更新することで、Googleに常に新しい情報を発信しているクリニックと認識され、検索評価の向上にも寄与します。
写真・動画を定期的に投稿する
写真や動画は、MEO対策において、検索評価とユーザーの来院意欲の両方に大きく影響します。クリニックの外観や内装、スタッフの写真、治療の様子などを定期的に投稿することで、Googleに常に情報が更新されている活発なビジネスと認識され、検索評価にプラスに働きます。
美しい写真や動画は、競合との差別化だけでなく、ユーザーの関心を引きつけ、来院へのモチベーションを高めます。清潔感のある院内や、温かい雰囲気のスタッフの写真は、患者さまに安心感を与えます。また、投稿機能を使って、キャンペーン情報や歯のお手入れのコツ、担当医師の紹介など、クリニックの魅力を定期的に発信しましょう。
投稿する際は、高品質な画像を使い、内容にキーワードを自然に含めることを意識してください。ただし、キーワードを過剰に詰め込むと、不自然な文章になりユーザーからの信頼を損なうため注意が必要です。
ユーザーからの口コミを集める
口コミは、検索評価を上げるだけでなく、来院促進にも寄与する非常に重要な要素です。Googleは、多くの人から評価されているビジネスは、ユーザーにとって有益な情報と判断し、上位表示する傾向にあります。
口コミを増やすためには、患者さまに積極的に協力を依頼しましょう。待合室にQRコード付きのポップを設置したり、治療後に直接お願いしたりする方法が有効です。口コミを依頼する際は、具体的な感想を書いてもらうように促すことで、キーワードが検索評価にプラスの影響を与えます。
MEOに取り組む際の注意点
MEOは効果的な集客手段ですが、間違った方法で取り組むと、かえって逆効果になる可能性があります。ここでは、MEO対策を行う際の注意点を3つ紹介します。
Googleビジネスプロフィールを放置する
Googleビジネスプロフィールを作成しただけで、その後の管理を怠ってしまうと、MEO対策の効果は期待できません。情報が古いままだと、患者さまからの信頼を失う原因にもなります。診療時間が変更されているにもかかわらず情報が更新されていない場合、来院した患者さまは「このクリニックは信用できない」と感じてしまい、ネガティブな口コミにつながる可能性もあります。
MEO対策は、継続的な情報更新が不可欠です。最新の診療案内やスタッフブログなどを定期的に投稿し、プロフィールを常に最新の状態に保ちましょう。
不自然にキーワードを詰め込む
MEO対策においてキーワードは重要ですが、不自然にキーワードを詰め込むことは逆効果です。ビジネス名に正式名称以外のキーワードや地名を追加する行為は、Googleのガイドライン違反となります。
名称への不自然なキーワード追加はGoogleから不正と判断され、評価が下がるばかりか、ビジネスプロフィールの停止につながる危険があります。キーワードは自然な文章のなかで使用し、ユーザーにとって有益な情報を提供することを第一に考えましょう。
ユーザーからの口コミに返信しない
口コミに対する返信を怠ると、店舗の信頼性が低下し、来院の機会損失につながります。ネガティブな口コミや誤解のある内容を放置しておくことは、口コミを見たほかのユーザーの来院モチベーションを下げ、集客に悪影響を及ぼします。
MEO対策で口コミを最大限に活用するには、すべての口コミに丁寧に返信することが重要です。ネガティブな内容でも、真摯な姿勢で対応することで誠実な印象を与え、信頼の獲得につながる場合もあります。口コミへの返信を継続的に行い、患者さまとのコミュニケーションを深める努力をしましょう。
MEO対策のポイントを押さえて歯医者・歯科医院の集客を成功させよう
MEO対策は、歯科医院の集患において非常に効果的な手段です。Googleマップで上位表示されることで、地域に特化した見込み患者さまに直接アプローチでき、来院や問い合わせの機会を増やせます。
MEO対策の成功には、Googleビジネスプロフィールの情報を充実させること、定期的な情報更新、そして口コミへの丁寧な返信が欠かせません。この記事で解説したポイントを参考に、地道な努力を継続することで、Googleからの評価が高まり、患者さまの信頼を獲得できます。
また、MEOは一度対策をすれば終わりではありません。常に最新の情報を発信し、患者さまとのコミュニケーションを大切にすることで、クリニックの資産となり、持続的な集客につながります。