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サイテーションとは?SEO・MEOへの効果と獲得方法を解説2025.09.30

「サイテーションって本当にSEOに関係あるの?」
「どうすれば検索エンジンに評価されるサイテーションが増えるの?」
ローカル検索で上位を目指す中で、このような疑問を持つ事業者は少なくありません。競合が多い地域や業種では、Webサイトだけで差別化するのが難しくなっています。
そのような中で注目されているのが、「サイテーション」と呼ばれる外部サイトでの言及情報です。本記事では、検索評価の向上につながるサイテーションの基本から、効果的な獲得方法、注意点までを網羅的に解説します。
「SNSや口コミサイトでの言及」「ビジネス情報の一貫性」「ネガティブなサイテーションへの対応」など、すぐに実践できる具体的な施策もご紹介します。検索評価を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
サイテーションとは
サイテーションとは、インターネット上でブランド名や店舗名などが、リンクを伴わずに言及されることを指します。たとえURLが記載されていなくても、検索エンジンはその言及を「信頼性」や「知名度」の証拠として評価に加える傾向があります。
ここでは、サイテーションをより深く理解するために、次の3つの観点から整理していきましょう。
- サイテーションと被リンクとの違い
- サイテーションのSEO効果
- サイテーションのMEO効果
サイテーションと被リンクとの違い
サイテーションと被リンクの最大の違いは、リンクの有無です。被リンクとは、外部サイトから自サイトへ向けられたリンクを指し、SEOにおいては古くから重要な評価要素です。
検索エンジンのクローラは、リンクをたどってページの内容を評価し、リンク元の信頼性や関連性をもとに検索順位へ反映させます。一方で、サイテーションは自社のNAP情報(Name:名称、Address:住所、Phone:電話番号)がインターネット上で言及される状態を指し、リンクが貼られていなくても評価対象です。
特にローカルSEO(MEO)では、さまざまなサイトで一貫した情報が掲載されているかが重視され、ビジネスの信頼性や実在性の判断に使われます。つまり、被リンクが「他者からの評価」であるのに対し、サイテーションは「情報の露出度や整合性」が評価基準となる点が大きな違いです。
サイテーションのSEO効果
サイテーションは、SEOに直接影響すると明言されているわけではありませんが、検索順位を左右する重要な要素と考えられています。ブランド名や個人名がWeb上で繰り返し言及されることで、検索エンジンはその存在を信頼性のあるものと認識します。
たとえば、有名インフルエンサーに紹介されたブログがSNSで広まり、訪問やシェアが増えると、サイトへの評価も高まるでしょう。さらに、サイテーションの増加は指名検索の増加にもつながり、Googleはその頻度を「関心の高さ」として評価に反映しています。
その結果、検索順位やクリック率の向上にもつながります。
サイテーションのMEO効果
サイテーションは、MEO(ローカルSEO)対策として特に効果を発揮します。MEOとは「Map Engine Optimization」の略で、Googleマップやローカル検索で上位表示を目指す施策です。
Googleビジネスプロフィールに登録された店舗情報と、外部で言及されている情報が一致しているほど、その店舗の信頼性が高まるとされています。特に重要なのが「視認性の高さ」です。
Web上での自然な言及が多いほど、その店舗は「地域で広く知られている存在」と判断されます。その結果、Googleの検索画面に地図と一緒にお店が目立つ場所に表示される、いわゆる「ローカルパック」に表示される可能性が高まるでしょう。
サイテーションの種類
サイテーションにはいくつかの種類があります。言及される内容によってSEOやMEOへの影響も異なってくるため、具体的にどんな情報が対象となるのかを把握しておきましょう。以下のような項目が主なサイテーションの対象です。
- 会社名・店舗名・個人名
- 商品名・サービス名
- 住所・電話番号
- リンク設置されていないURL
会社名・店舗名・個人名
サイテーションの種類の中でも、会社名・店舗名・個人名への言及は最も基本的で検索エンジンが認識しやすい情報です。ブランドの信頼性や社会的な知名度を測るうえで、名前が多く登場するほど評価されやすくなります。
たとえば、「山田税理士事務所」「Webライター佐藤花子」のように、特定の人物や事業者の名称がSNS投稿やブログ、レビューサイトなどに記載されるケースです。こうした言及が増えるほど、「この名前を持つビジネスは地域や業界で広く認知されている」と検索エンジンに判断されやすくなります。
ただし、略称や表記ゆれがあると、検索エンジンが同一のビジネスとして認識しにくくなるため、統一した表記を心がけましょう。
商品名・サービス名
商品名・サービス名も、サイテーションとして検索エンジンに認識される重要な情報です。企業名だけでなく、提供している具体的な商品やサービスが、他のブログやSNSなどで言及されていれば、それ自体が信頼の裏づけとして評価されます。
たとえば、「ハーゲンダッツ」といった固有名詞が、レビュー記事や口コミに自然に含まれている場合、それは検索エンジンにとって価値のある情報として扱われるでしょう。特に競合が多い分野では、商品名やサービス名で直接検索されるケースも多いため、認知度向上や指名検索の増加に直結します。
そのため、最初から検索されやすく、覚えやすい名前をつけておくことも、SEOの観点から重要です。
住所・電話番号
サイテーションの中でも特に重要なのが、住所や電話番号といった連絡先情報への言及です。こうした情報は、ビジネスの実在性や地域との関係性を示す重要な証拠として、検索エンジンが重視しています。
特にGoogleでは、NAP情報(Name、Address、Phone)が複数のサイトで一貫して掲載されているかどうかを重要な評価基準としています。そのため、Googleビジネスプロフィールに登録した住所や電話番号が、情報サイトやSNSのプロフィールなどにも正確かつ統一された表記で掲載されていることが大切です。
ただし、番地やビル名、ハイフンの有無などに表記ゆれがあると、検索エンジンが同一のビジネスとして認識できないおそれがあります。連絡先の表記はすべての媒体で統一し、細部まで正確に管理するようにしましょう。
リンク設置されていないURL
リンクが設置されていないURLも、サイテーションとして一定の効果を持ちます。URLがテキストとして記載されているだけでも、検索エンジンはその言及を評価対象とする可能性があります。
これは、検索エンジンがウェブ上の文章を読み取り、会社名やお店の名前、人の名前などを見つけ出せる仕組みを持っているためです。たとえリンクが貼られていなくても、URLが言及されることで、そのウェブサイトの知名度や関連性が間接的に評価されるでしょう。
サイテーションの獲得方法
サイテーションを効果的に増やすには、検索エンジンが情報を見つけやすくする仕組みを意識した取り組みが必要です。自社でできる施策から外部メディアの活用まで、具体的な方法を押さえることで、着実に信頼性や認知度を高めていくことができます。
以下に、代表的な5つのサイテーション獲得方法を紹介します。
- Googleビジネスプロフィールに登録する
- 情報メディアに掲載する
- SNSを運用する
- ポジティブな口コミを獲得する
- 自社サイトに構造化データを追加する
Googleビジネスプロフィールに登録する
サイテーションを獲得する最も基本的な方法の一つが、Googleビジネスプロフィールへの登録です。Googleビジネスプロフィールは、GoogleマップやGoogle検索のローカル検索結果にビジネス情報を表示するための無料ツールです。
登録することで、会社名や店舗名、住所、電話番号といったNAP情報がGoogleに正確に認識されます。登録する際は、番地やビル名の記載、電話番号のハイフン表記なども含め、細かな表記の統一を心がけましょう。
さらに、営業時間や公式サイトのURL、店内や外観の高画質な写真を追加すると、検索ユーザーに安心感を与えやすくなります。登録後も定期的に情報を更新し、店舗名や営業時間にブレが出ないよう管理しましょう。
情報メディアに掲載する
情報メディアに掲載することも、サイテーションを獲得する有効な手段です。ここでいう情報メディアとは、地域情報サイト、業界専門サイト、ニュースサイト、プレスリリース配信サイトなどを指します。
これらの信頼性の高いメディアに自社の情報が掲載されることで、Googleはそのビジネスの権威性や信頼性を高く評価するでしょう。媒体を選ぶ際は、業種やエリアとの関連性が高いメディアを優先してください。
また、掲載情報は、Googleビジネスプロフィールと同じ表記に統一しましょう。
SNSを運用する
SNSを運用することも、サイテーションを自然に獲得するための効果的な方法です。Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSプラットフォームは、情報が拡散されやすく、多くのユーザーの目に触れる機会があります。
さらに、ユーザーが投稿をシェアしたり、サービス名に言及したりすることで、自然にサイテーションが生まれることも期待できます。また、SNSでの拡散をさらに強化したい場合は、インフルエンサーマーケティングも有効です。
インフルエンサーに自社の商品やサービスを紹介してもらうことで、会社名やサービス名、URLなどが多くのユーザーの目に触れやすくなり、認知度の向上とともにサイテーションの獲得も期待できます。
ポジティブな口コミを獲得する
ポジティブな口コミを集めることは、サイテーションの質と量を高めるうえで重要です。Googleマップや口コミサイトに投稿される内容には、店舗名やサービス名、地名が含まれることが多く、検索エンジンはそれをサイテーションとして認識します。
良い口コミが増えれば、ユーザーからの評価だけでなく、検索エンジンからの信頼性も向上しやすくなります。口コミを促すには、店内にQRコードを設置してGoogleビジネスプロフィールへ誘導したり、SNSで投稿キャンペーンを実施して特典を提供することが効果的です。
寄せられた口コミには丁寧に返信し、特にネガティブな内容には誠実な対応を心がけましょう。
自社サイトに構造化データを追加する
自社サイトに構造化データを追加することは、サイテーションの効果を高めるうえで非常に有効です。やや専門的な対策ではありますが、検索エンジンに正確な情報を伝える手段として非常に有効です。
構造化データとは、Googleなどの検索エンジンがページの内容をより明確に理解できるように記述された、特定の形式のコードです。このマークアップにより、会社名・住所・電話番号・営業時間・公式サイトのURLなど、NAP情報を含むビジネスの基本情報を整理して伝えられます。
構造化データを設定すれば、検索エンジンは自社の情報を正確に把握し、サイテーションの評価にも反映しやすくなります。また、情報の整合性が保たれるため、Googleマップやローカル検索結果でも、正確な情報が表示されやすくなるでしょう。
サイテーションの獲得状況の確認方法
サイテーションを獲得するだけでなく、その効果を最大限に活かすには、定期的に獲得状況を確認することが大切です。これにより、どの媒体でどれだけ言及されているかを把握し、今後の戦略に役立てられます。
ここでは、手軽に始められる2つの方法を紹介します。
- Google検索
- Yahoo!リアルタイム検索
Google検索
Google検索は、サイテーションの獲得状況を手軽に調べる手段です。検索エンジン上で、どのページに自社名や商品名が登場しているかを調べるには、Googleの検索窓に「”自社の商品名・サービス名” -site:自サイトURL」と入力して検索することで、自社の商品名・サービス名が自サイト以外でどれだけ言及されているかを確認できます。
さらに、検索ツールの「期間指定」で「1週間以内」や「1か月以内」などに絞り込むと、最近のサイテーションだけを効率よく確認できます。定期的に検索内容をチェックして、サイテーションの増加傾向や媒体の種類を把握しておきましょう。
Yahoo!リアルタイム検索
Yahoo!リアルタイム検索は、X(旧Twitter)でのサイテーションを確認する際に役立つツールです。Google検索がWeb全体を対象にするのに対し、Yahoo!リアルタイム検索はXの投稿内容をリアルタイムで収集・表示することに特化しています。
これにより、ユーザーが自社についてどのように言及しているかを、その場ですぐに把握できます。投稿の流れや話題の傾向を読み取ることで、プロモーション施策のヒントも得られるかもしれません。
ただし、Yahoo!リアルタイム検索はXを主な対象としており、InstagramやFacebookなど他のSNSは検索対象に含まれていません。
サイテーションの獲得における注意点
サイテーションは、Googleの評価を高めるうえで欠かせない要素です。しかし、インターネット上での情報拡散は自社で完全に管理できるものではなく、予想外の言及が出てくることもあります。
そのため、予期せぬ言及にも冷静に対応できるよう、事前に備えておくことが大切です。ここでは、ネガティブな内容が書かれた場合にどのように対応すべきか、具体的な対処法を紹介します。
ネガティブな内容のサイテーションも存在する
サイテーションは、必ずしもポジティブな内容ばかりとは限りません。ネガティブなサイテーションも存在し、内容によってはGoogleの評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
以下のようなケースは、ネガティブなサイテーションに該当します。
- 自社の住所や電話番号など、重要な情報が誤っている
- 低品質なサイトで言及されている
- ネガティブなレビューや口コミが掲載されている
ポジティブなサイテーションとは異なり、ネガティブな言及はSEOに貢献せず、場合によってはGoogleからの評価を下げる要因になることもあります。さらに、内容次第ではユーザーの信頼を損なうリスクもあるため、定期的に確認し、慎重に対応することが求められます。
では、ネガティブなサイテーションを削除できるかというと、現実的には難しいのが実情です。該当ページを削除するには、サイト運営者に依頼する必要がありますが、対応してもらえるとは限りません。
サイテーションは第三者による言及であるため、自社で内容を自由に操作することはできません。そのため、信頼性の高いメディアやSNSでの発信を通じて、ポジティブなサイテーションを少しずつ積み重ねていくことが現実的な対策です。
不自然な口コミ投稿など、自作自演による対応はかえって逆効果となる場合があるため、注意が必要です。
ポジティブなサイテーション獲得でMEOに繋げよう
この記事では、サイテーションの基本から効果、獲得方法、確認手段、そして注意点までを丁寧に解説しました。主なポイントは以下の通りです。
- サイテーションは、社名や住所などの情報が他サイトで言及されることで、SEOやMEOの評価に影響する
- 獲得するには、Googleビジネスプロフィールの整備や地域メディアへの掲載、SNSでの発信が有効
- ネガティブなサイテーションも存在し、完全に削除するのは難しいため、良質な情報発信によってポジティブな言及を増やす姿勢が求められる
サイテーションは、地道な情報発信と信頼の積み重ねによって増えていきます。まずは現在の状況を把握し、自社のNAP情報を正しく統一したうえで、複数のプラットフォームでの露出を意識的に増やしていきましょう。
そうすることで、検索エンジンからの評価向上だけでなく、オンラインでの集客効果も期待できます。