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ローカルSEOとは?SEO・MEOとの違いや具体的な対策ポイントを解説2025.09.29

「地域名+業種」で検索した際、上位に表示されるお店とそうでないお店の違いをご存知でしょうか?この順位を左右する要因の1つがローカルSEOです。
近年、スマートフォンの普及により、近くのお店を探すためにGoogleマップを利用する人が増えており、地域に根ざしたビジネスにおいて、ローカルSEOの重要性は高まっています。本記事では、ローカルSEOの基本から、一般的なSEOやMEOとの違い、具体的な対策ポイントまで、初心者向けに分かりやすく解説します。
目次
ローカルSEOとは
ローカルSEOとは、Googleの検索結果で、実店舗を持つビジネスを地域と関連付けて上位表示させるための施策です。「地域名+業種」や「地域名+サービス名」といったキーワードで検索された際に、自店舗の情報をGoogleマップ上や検索結果の目立つ位置に表示させることを目指します。
「新宿 病院」や「銀座 カフェ」といった特定の地域名を含むキーワードで検索された際、検索結果の上部に表示される地図と店舗情報のことをローカルパックと呼び、ローカルSEO対策が重要となる部分です。また、ユーザーがラーメンと検索した場合、地域名が含まれていなくても、Googleがユーザーの現在地から最も近い店舗を表示することがあります。
現在地から近い店舗の表示もローカルSEOの重要な役割のひとつです。ローカルSEOは、単にWebサイトの順位を上げるだけでなく、ユーザーが実際に来店するきっかけを作る、オフラインでの集客に直結する施策である点が大きな特徴です。
飲食店、美容院、病院、小売店など、地域密着型のビジネスにとっては、新規顧客獲得の鍵を握る施策です。
ローカルSEOとSEO・MEOとの違い
ローカルSEO、SEO、MEOは、いずれもGoogleの検索順位を上げるための施策ですが、それぞれ目的やアプローチが異なります。これらの違いを理解することが、効果的な集客戦略を立てる上で重要です。
SEOとの違い
SEOとは、検索エンジン最適化と訳され、WebサイトをGoogleなど評価基準に合わせて改善し、特定のキーワードで上位表示を目指す施策全般を指します。SEOの対象はWebサイト全体であり、ユーザーの検索意図に沿った質の高いコンテンツの作成やWebサイトの構造など幅広い対策が含まれます。
一方、ローカルSEOは、実店舗を持つビジネスに特化したSEOです。検索結果のなかでも、地域性が考慮される部分にフォーカスして順位を上げることを目的とします。一般的なSEOがWebサイトの集客を目的とするのに対し、ローカルSEOは来店というオフラインの行動を促すことが最大の目的です。
MEOとの違い
MEOとはマップエンジン最適化と訳され、Googleマップでの検索順位を上げるための施策を指します。ローカルSEOとMEOはほぼ同じ意味ととらえて問題ありません。海外ではローカルSEO、日本ではMEOという言葉が一般的に使われる傾向にあります。
厳密にいうと、MEOはGoogleマップ内での順位向上に特化した概念として使われることがありますが、ローカルSEOはGoogleの通常の検索結果での表示順位向上も含む、より広い概念です。
ローカルSEOの種類
検索結果にさまざまな形で表示されるローカルSEOで、とくに重要で影響力の大きいローカルパックとナレッジパネルについて詳しく解説します。ローカルパックとナレッジパネルの表示形式を理解することで、効果的なローカルSEO対策が可能になります。
ローカルパック
ローカルパックとは、「地域名+業種」などのキーワードで検索された際に、Google検索結果の最上部に地図とセットで表示されるビジネスリストのことです。通常の検索よりも上に表示され、検索順位1位よりもさらに目立つため、高い視認性とクリック率が期待できます。
ローカルパックには、検索されたキーワードやユーザーの検索意図によって、主に3つの表示形式があります。
・通常のローカルパック
最も一般的な表示形式で、検索結果の上部に地図とともに3つの店舗情報が表示されます。ビジネス名、口コミ評価、口コミ数、住所、電話番号、営業時間、予約リンクなどが掲載され、ユーザーが店舗の詳細情報を素早く確認できるのが特徴です。
・ローカルスナックパック
飲食店や美容院など、視覚情報が重視される業態で表示されやすい形式です。口コミ数や評価に加え、写真が大きく表示される点が特徴です。ユーザーは料理や店内の雰囲気などを直感的に把握し、来店意欲を高められます。
・ローカルABCパック
チェーン店や駐車場など、特定のブランド名や施設名で検索された場合に表示される形式です。ABCのマークが店舗名の横に表示され、口コミ評価や写真が表示されない代わりに、距離の近さが重視される傾向があります。
ローカルパックに表示される情報は、すべてGoogleビジネスプロフィールに登録された内容が反映されるため、プロフィールの情報を常に最新かつ正確に保つことが重要です。
ナレッジパネル
ナレッジパネルとは、企業名や店舗名などを検索した際に、パソコン画面の右側やスマートフォンの上部に表示される、ビジネス情報の概要をまとめた情報ボックスのことです。ユーザーに直接ビジネスの全体像を示す手段として重要です。
ナレッジパネルの情報は、おもにGoogleビジネスプロフィールに登録された内容が反映されるため、ユーザーはウェブサイトを訪問しなくても、店舗の詳細情報を一目で確認できます。
確認できる情報は以下のとおりです。
- 店舗名・屋号
- 住所、電話番号
- 営業時間
- 写真や動画
- Googleマップ表示
- 混雑する時間帯
- 口コミの評価と数
- ウェブサイトや予約ページへのリンク
正確なデータをナレッジパネルに提供するほど、ユーザーからの信頼度が増し、検索エンジンもその店舗や企業を公式情報として扱いやすくなります。
ローカルパックと同様に、Googleビジネスプロフィールの情報を常に管理・更新することが、潜在顧客や顕在顧客への効果的なアプローチにつながります。
ローカルSEOのメリット・効果
ローカルSEOは、地域密着型のビジネスにとって大きなメリットをもたらします。以下に主なメリットを3つ解説します。
競合が少ない
一般的なSEOは、全国規模の企業や大手メディアなど、強力な競合と常に戦わなければなりません。キーワードによっては、検索結果の1ページ目に表示させること自体が非常に困難です。
しかし、ローカルSEOの場合、競争相手は同じ地域で同じ業種を営む店舗に限定されます。そのため、SEOに比べて競合性が低く、上位表示の難易度も下がります。また、対策内容もGoogleビジネスプロフィールの情報更新や口コミ管理、キーワード設定など、比較的シンプルです。小規模な店舗でも十分に取り組みやすく、大手チェーン店にも引けを取らない成果を出せるのが大きなメリットです。
集客に繋がりやすい
ローカルSEOは、今すぐ来店したいと考えているユーザーにアプローチできる点が強みです。
「〇〇駅 居酒屋」「〇〇市 美容院」といったキーワードで検索するユーザーは、すでにそのサービスを利用する意思が固まっていることが大半です。ローカルパックやナレッジパネルに表示されることで、来店や予約へとつながる可能性が高いでしょう。また、表示される地図情報や電話ボタン、予約リンクなどがユーザーのアクションを促します。
さらに、口コミやレビューによって信頼感が高まり、新規ユーザーも安心して来店しやすくなります。ローカルSEOは、単なるWebサイトへの流入だけでなく、オフラインでの来店という成果に直接結びつきやすい点がメリットです。
費用対効果が高い
一般的なSEO対策やリスティング広告は、多くの費用と専門的な知識を必要とします。専門の業者に依頼する場合、月数十万円以上の費用がかかることもあります。
一方、ローカルSEO対策の基本は、無料で利用できるGoogleビジネスプロフィールの情報を充実させることです。日々の情報更新や口コミへの返信などは、店舗のスタッフが空き時間に行うことも可能です。そのため、大きな費用をかけることなく、自社の努力で集客力を向上できます。
また、ニッチな業種や競合が少ない地域では、Googleビジネスプロフィールを登録するだけでもすぐに検索順位が上がり、集客につながるケースもあります。費用を抑えつつ、高い集客効果を期待できるローカルSEOは、個人経営の店舗や中小企業にとって、魅力的なマーケティング施策です。
ローカルSEOの基本的な対策
ローカルSEO対策は、Googleの検索アルゴリズムが店舗をどのように評価しているかを理解することから始まります。Googleは、ローカル検索結果のランキングを決定する要素として、主に以下の3点を公式に発表しています。加えて、情報の正確性を担保するNAP表記も重要な要素となります。
検索キーワードとの関連性
関連性とは、ユーザーが検索したキーワードとあなたのビジネスが提供するサービスや商品がどれだけ一致しているかを指します。Googleは、ユーザーの検索意図に最も合った店舗を上位に表示します。
対策のポイント
・Googleビジネスプロフィールの最適化
店舗のカテゴリを正確に設定しましょう。説明文には具体的な情報や、関連キーワードを含めることで、Googleにビジネス内容をより正確に伝えられます。
・写真や投稿の活用
魅力的な写真を豊富に掲載したり、新メニューやイベント情報を投稿したりすることで、ビジネスとキーワードの関連性を高めます。
・ウェブサイトの充実
ビジネスプロフィールに登録するウェブサイトのコンテンツも評価対象となります。提供するサービスや商品を詳細に記載したページを作成し、関連性を強化しましょう。
検索地点からの距離
距離とは、ユーザーが検索している地点から、店舗までの物理的な距離を指します。Googleは、ユーザーの現在地から最も近い店舗を優先的に表示する傾向があります。「近くのラーメン店」「現在地 カフェ」といったキーワードでは、距離が最も強く影響します。
対策のポイント
・正確な住所の登録
Googleビジネスプロフィールに、店舗の正確な住所を登録することが大前提です。住所が正しくないと、ユーザーの検索地点から店舗までの距離をGoogleが正確に認識できません。
・サービス提供地域の明記
出張サービスやデリバリーなど、複数の場所でサービスを提供している場合は、サービス提供地域を明確に設定しておきましょう。
距離は物理的な要素であるため、直接的に操作できる部分ではありません。しかし、正確な住所情報を登録することで、Googleに自店舗の場所を正しく認識させ、距離の要素を最大限に活かせます。
知名度(視認性の高さ)
知名度とは、オンラインとオフラインの両方で、そのビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。Googleは、ウェブ上の情報や口コミの数、質から、ビジネスの人気度や信頼性を判断します。
対策のポイント
・口コミの獲得と管理
口コミは知名度をはかる上で最も重要な要素のひとつです。多くの口コミを集めることで、Googleからの評価が高まり、ユーザーに安心感を与えます。また、低評価の口コミにも誠実に対応することで、信頼性を向上できます。
・サイテーションの獲得
サイテーションとは、ウェブサイト上で店舗名、住所、電話番号が言及されることです。自社サイト以外に、SNS、ブログ、地域の情報サイトなどで店舗情報が言及されることで、Googleはビジネスが広く知られていると判断します。
・SEO対策
自社サイトのSEO対策を進めることも間接的に知名度を上げる効果があります。ウェブサイトが特定のキーワードで上位表示されることで、店舗の知名度が向上し、Googleのローカル検索アルゴリズムにもよい影響を与えます。
「NAP」表記
NAPとは、Name(店舗名)Address(住所)Phone Number(電話番号)の頭文字をとった言葉です。ローカルSEOでは、NAP情報をウェブ上のあらゆる場所で一貫して記載することが、ローカルSEOにおいて重要です。
対策のポイント
・表記を統一する
Googleビジネスプロフィール、自社ウェブサイト、SNS、グルメサイトなど、店舗情報が掲載されるすべてのサイトで、NAP表記を完全に統一しましょう。株式会社と(株)、1丁目1-1と1-1-1のような表記の揺れをなくすことが重要です。
・公式サイトの最適化
MEO対策のメインはGoogleビジネスプロフィールですが、お店の公式サイトも重要な役割を担います。公式サイトに、Googleビジネスプロフィールと完全に一致するNAP情報を正確に記載しましょう。これにより、Googleは両方の情報が同一であると判断し、お店の信頼性をさらに高めます。
ローカルSEOの対策時の注意点
ローカルSEOは、継続的な取り組みが不可欠です。効果を最大限に引き出し、ユーザーからの信頼を築くために、以下の3つの注意点を意識して実践しましょう。
口コミへの返信は誠意をもっておこなう
Googleマップに投稿された口コミは、新規顧客が来店を検討するうえで重要な情報源です。口コミには下記の対応を心がけましょう。
・ポジティブな口コミ
お礼の返信をすることで、ユーザーとの良好な関係を築き、リピーターになってもらえる可能性が高まります。
・ネガティブな口コミ
謝罪と今後の改善策を具体的に伝えましょう。誠実な姿勢を見せることで、ほかのユーザーから好印象となります。
口コミにまったく返信しないのは、ユーザーに対して顧客の声を聞かないお店という印象を与えます。日々の口コミ管理を丁寧に行うことが、ローカルSEO対策の重要な一環となるでしょう。
ビジネス情報の更新をこまめにおこなう
Googleビジネスプロフィールに登録した情報は、常に最新の状態に保つことが重要です。情報が古いままでは、ユーザーの混乱を招き、店舗の信頼を損なうでしょう。
営業時間が変更されたのにプロフィールが修正されていないと、来店してくれたユーザーを失望させてしまいます。積極的な更新をGoogleはビジネスと検索キーワードとの関連性が高いと判断し、ローカル検索での上位表示によい影響を与えます。情報の更新は地道な作業ですが、継続することでユーザーからの信頼を獲得し、ローカルSEOの効果を長期的に高められます。
Googleのガイドラインに違反しない
ローカルSEO対策を進める上で、Googleが定めているガイドラインを遵守することは絶対条件です。ガイドラインに違反すると、Googleからの評価が大幅に下がり、Googleビジネスプロフィール停止のペナルティが課される可能性があります。
とくに注意すべきは、以下の禁止行為です。
- 虚偽情報の記載
- 不正な口コミの獲得
- 被リンクの購入
こうした禁止行為は、一時的に効果があるように見えても、最終的にはこれまでの努力を水の泡にしてしまいます。ユーザーにとって有益で信頼性の高い情報を提供することが、ローカルSEOで成功するための最も重要な原則です。
まずはGoogleビジネスプロフィールの登録からローカルSEO対策をはじめよう
ローカルSEO対策に、専門知識は必要ありません。今すぐ始められる最も効果的な第一歩は、Googleビジネスプロフィールの登録と最適化です。
Googleビジネスプロフィールは、あなたの店舗をGoogleに正確に認識させるための基盤です。まだ未登録の場合は、アカウント作成から始めましょう。すでに登録済みであっても、情報が古くないか、魅力的な写真が追加されているか、定期的な投稿が行われているか、見直してみてください。
ローカルSEOは、日々の地道な積み重ねが、やがて大きな集客力へと変わる戦略です。いますぐビジネスプロフィールを整備して、地域での集客をスタートさせましょう。