「Webライターの仕事を始めたけど、なかなか受注につながらない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。

実績の少ないWebライター初心者にとって、クラウドソーシングで条件のよい案件を受注したり、書きたいWebメディアに採用されたりするのは難しいものです。

しかし、優れたポートフォリオを作れば、発注を検討する人の判断材料となり、受注や採用の可能性が広がります。

そこで今回は、Webライターのポートフォリオについて、作り方やコツを紹介します。

内容を簡単にまとめると…

  • ポートフォリオとは「作品集」のこと
  • Webライターのポートフォリオに載せるべき項目
  • ポートフォリオの作り方【Webライター初心者でもOK】
  • 参考にしたい!先輩ライターのポートフォリオ
  • ポートフォリオ作成のコツ
  • ポートフォリオ作成時の注意点

記事を最後までお読みいただければ、仕事につながるポートフォリオを作成し、Webライターとしてさらに活躍できるようになります。

Webライターのポートフォリオとは

ポートフォリオとは自分がこれまでに手掛けた作品をまとめた「作品集」のことです。

もともとはデザイン業界で使われていた言葉ですが、現在はWebライターやプログラマーなどの間でも使われています。

デザインやイラストは口頭で作品を説明しても、どんな作品を作っているのかわかりません。しかし作品集にして見せれば、一目で理解できます。

Webライターにとってのポートフォリオもそれと同様に、自分がこれまでに執筆した記事・文章をブログなどにまとめ、見やすく整えたものをいいます。

Webライターがポートフォリオを使う場面

ポートフォリオを使用するのは、主に次のような場面です。

  • クラウドソーシングの募集に提案するとき
  • Webメディアや企業のライター募集に応募するとき
  • Webライターのアルバイトや社員募集に応募するとき

このような場面でポートフォリオは必須でないものの、クオリティの高いポートフォリオを用意すれば受注率・採用率が上がります。

ポートフォリオは発注の判断材料となる

とくに実績の少ない初心者ほど、ポートフォリオは充実させるべきです。

まだ掲載できる記事がないのであれば、自分でテーマを決めて記事を書きましょう。

記事の制作を依頼するには費用がかかりますから、発注者は失敗を避けるため「このライターは要望を汲んだ記事を書いてくれるだろうか?」「ジャンルに対応できると言っているが、本当に大丈夫かな?」など、厳しい目線でライターを選定することになります。

そこで参考にするのが、Webライターのポートフォリオや実績、参考記事なのです。

少し具体的にイメージしてみましょう。

あなたがお金を払ってサービスの利用を検討するとき、サンプルや事例がなければ「利用しづらい」と思うのではないでしょうか。

誰もが知っていて、内容を容易にイメージできるサービスならサンプルがなくても利用しやすいかもしれませんが、そうでなければサンプルがあるに越したことはないですよね。

Webライターにとってポートフォリオは「商品サンプル」として、非常に重要といえます。

ポートフォリオは「仕事獲得のための強力なツール」

つまり、Webライターにとってポートフォリオは仕事を獲得するためのツールとなります。

それも優れたポートフォリオを作れば、強力なツールとなるでしょう。

Webライターの中には

「Webライターの仕事を始めたけど、なかなか採用されない」

「提案がとおったあの人と私は、何が違うんだろう」

と悩んでいる方も多いでしょう。

仕事が順調に進んでいるWebライターとそうでないWebライターの差は、ポートフォリオにあるといっても過言ではありません。

ポートフォリオから「仕事をまかせても大丈夫」と判断できれば、実績がなくても採用につながることはあります。

では一体どんなポートフォリオなら、仕事を獲得しやすくなるのでしょうか。

Webライターのポートフォリオに載せるべき項目

Webライターがポートフォリオに掲載すべき項目は次のとおりです。

  • 自己紹介
  • 経歴
  • 実績
  • サンプル記事
  • 対応範囲
  • 参考単価
  • 連絡先

それぞれどのように作成すればよいのか、詳しく見ていきましょう。

自己紹介・経歴

自分がなぜWebライターを始めたのか、どのようなライターを目指しているのかなどをわかりやすくまとめましょう。

例)
・ペンネーム
・年齢
・性別

2019年、副業としてWebライターを始める
2020年、会社を辞めフリーランスとして独立

美容ジャンルを中心に無記名記事を〇〇記事以上作成してきました。

美容に強い関心があり、最新のコスメやトレンドのメイクなどは必ずチェックしています。

その他、これまでに執筆したジャンルは

  • サプリ、健康食品
  • ダイエット
  • Webライティング
  • マーケティング
  • SEO
  • 転職
  • 店舗インタビュー
  • アンケート調査をもとにした記事

などがあります。

未経験のジャンルも綿密にリサーチした上で対応しますので、ご相談ください。

「自己紹介なんて読まれているの?」と思うかもしれませんが、しっかり読まれています。

発注者は「仕事相手として、あなたがどんな人なのか」、あなたが思う以上に知りたいと思っているでしょう。

これまでに経験したジャンル以外にも挑戦する意欲がある場合には、しっかり記載しておくことが重要です。

また、Webライターとして記事を作成した経験がなくても

  • 本業で触れたことがあり知識がある
  • 興味・関心があり、人よりも知見がある
  • 商品やサービスを利用した経験がある

などの理由から、記事の作成に自信がある場合にはその旨も記載しておくと仕事につながることがあります。

実績

Webライターの実績とは、これまでに書いた記事のことです。

ここでは記事タイトルや担当した部分の概要、URLを記載しましょう。

例)2021年4月
掲載先
「WeiV~記事制作・外注・サイト運営、Webライターの仕事が捗るWEBマガジン」
・Webライター初心者向けのWebライティング本・おすすめ13選
URL:https://nexer.co.jp/seo/webwriting-book/
例)2021年5月
掲載先
株式会社〇〇様
・サイトコンテンツ作成(採用ページ)
URL:https://example.co.jp/〇〇〇

注意点として、記名記事(署名記事)、またはクライアントから了承を得た記事以外を勝手に投稿する、実績を偽るなどは絶対にしないようにしましょう。

無記名記事でクライアントから公開の了承をもらっている場合には、その旨も併せて掲載すると、発注を検討している人の安心感につながります。

公開できる実績がない場合には正直にその旨を記載し、ライティングに近い仕事の経験を記載するとベターです。

サンプル記事

サンプル記事はポートフォリオのメインとなります。

とくに実績の少ない初心者のうちは、サンプル記事を見て「これくらい書けるなら発注して大丈夫そう」と思ってもらうために、対応可能なジャンルごとにサンプル記事を掲載するのがおすすめです。

サンプル記事は直接の収入になるわけではありませんが、発注を判断する重要なポイントとなるため、気合いを入れて作成しましょう。

対応範囲

キーワード選定、構成、記事作成、投稿、取材、インタビューなど、対応可能な作業を掲載します。

取材やインタビューにも対応する場合には、対応可能なエリアも忘れずに記載しましょう。

ライターを選定する際には、対応可能なテーマ・ジャンル以外に対応範囲の広さで選ぶこともあるため、詳しく記載しておくことをおすすめします。

参考単価

希望する報酬の目安を記載します。

文字単価・記事単価での記載が一般的ですが、独自の費用目安を記載してもかまいません。

単価を高く設定しすぎると受注につながりにくくなるため、自分の中で譲れないラインを決めておき、その中で幅を持たせて記載することをおすすめします。

連絡先

連絡先メールアドレスや申し込みフォームなどを掲載します。

メールアドレスは個人情報の流出に充分注意し、ネット上に公開しても問題ないものを使用してください。

迷惑メールを予防するには、申し込みフォームを使うのがおすすめです。

ポートフォリオの作り方【Webライター初心者でもOK】

では、Webライターが仕事を獲得する際に重要なポートフォリオの作り方を詳しく見ていきましょう。

ここでは、Webライター初心者の方や提示できる実績が少ない方でもできるポートフォリオの作り方を説明します。

ポートフォリオ用サイトを開設する

まずはポートフォリオ用のサイトを開設しましょう。

Webライターのポートフォリオ制作に最もおすすめのCMS(Webサイト制作・管理システム)はWordpress(ワードプレス)です。

ワードプレスは非常に多くの企業ブログ・Webメディアなどで使用されているため、ワードプレスでポートフォリオを作成すれば投稿や編集などの仕事にもつながります。

ワードプレスは独自に設定できる項目や追加機能が多く、自由度が高いのが魅力です。

しかしその反面、慣れるまでは操作が難しく感じることもあるため、現状ワードプレスでの作成が難しいようであれば無理をしてワードプレスを選ぶ必要はありません。

重要なのは充実したポートフォリオを作ることですから、より簡単なサイト作成サービスを使って作りましょう。

最近ではnoteやペライチ、Jimdoなど、無料でもスタイリッシュなサイトが作れるサービスが多く出ています。

ポートフォリオに使える無料サイト作成サービス

サイト作成サービス おすすめ度 概要
WordPress
(ワードプレス)
★★★★★
  • Webメディアの多くで使用されているため、使えると仕事の幅が広がる
  • ポートフォリオを作ればスキルが一目でわかる
  • 検索に強い
note ★★★★★ 登録が簡単で使い方もわかりやすい。無料サイト作成サービスの中では検索にも強い。
ペライチ ★★★★ 使い勝手のよいテンプレート多数。
Jimdo ★★★ 「AI ビルダー」機能で、作ろうと思ったらすぐにページを作成できます。
Ameba Ownd
(アメーバ オウンド)
★★★ デザインがおしゃれなテンプレートが多い。広告が入りますが、さほど目立ちません。

得意なテーマを中心に5記事書く

サイトを開設したら、自分が得意なテーマやこれから取り組んでいきたいテーマで5記事程度を作成しましょう。

すでに実績として公開できる記事がある場合でも、対応できるジャンルの記事がない場合には新たに作成することをおすすめします。

一般的なWebメディアは検索からのアクセスを集客経路としているため、シナリオやインタビュー、セールスライティング以外の記事ではSEOを意識して書きましょう。

SEOを意識したライティングでは

  • タイトルと見出しにキーワードを盛り込む
  • 検索ニーズに沿った記事にする
  • ニーズに近い順番(構成)で伝える
  • 関連性の高い記事に内部リンクする

などが重要となります。

SEOライティングは下記の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

検索順位チェック・アクセス解析

せっかくサイトを作るのであれば、サイトの分析もできるようになると一石二鳥です。

また、執筆した記事で検索上位を獲得できれば、実績として公開できます。

SEOのスキルをアピールする目的であれば、

重要なのは

  • 狙ったキーワードで検索上位が獲得できているか
  • 記事のPV数、ユーザー数
  • サイト全体のPV数、ユーザー数

です。

サイトにGoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールを導入しておけば、ユーザー行動、PV数、検索順位の推移などがわかるようになります。

アクセス解析は難しく感じるかもしれませんが「セッション」や「PV」などの用語とツールの使い方さえ覚えてしまえば、基本的な分析は誰にでもできます。

記事を投稿したらすぐに、Googleアナリティクスでアクセス解析ができる状態にしておきましょう。

採用率を上げる!Webライターのポートフォリオ作りのコツ3つ

ここで、Webライターのポートフォリオ作りのコツ3つをお話しします。

せっかく時間をかけて作成するのですから、仕事につながるポートフォリオを作りましょう。

誤字脱字や表現のチェックはしっかり

ポートフォリオはWebライターにとって、名刺のようなものです。

書くことが仕事のWebライターですから、誤字脱字や表現の誤りがないように徹底しましょう。

ポートフォリオに誤字脱字や表現の誤りがあれば「依頼したときに納品される文章も同様なのでは?」と思われても無理はありません。

目視チェックの他、人に読んでもらう、校正ツールを使うなどしてしっかりと確認しましょう。

Webライター以外で得た経験も盛り込む

Webライターのポートフォリオは、Webライターとしての経験だけしか書いてはいけないわけではありません。

前職や趣味をとおして得た経験でアピールしたいことがあれば、しっかり記載しましょう。

また、Webライティングの仕事に直結するような経験でなくても、ユニークな経験は記載しておくことをおすすめします。

たとえば「ガジェットが好きで、iPhoneは必ず発売日に手に入れてます」「食べ歩きが趣味で毎週都内のお店を回っています」などは発注のきっかけになる可能性があります。

発注者の中には「専門家レベルでなくても、そのジャンルがすごく好きな人に書いてほしい」という人も多くいるため、そうした人とつながるきっかけとなるかもしれません。

常に最新の情報を掲載する

ポートフォリオは常に新しい情報を掲載するように心がけましょう。

ポートフォリオに並んだ記事が古ければ「今は活動していないのかな…」と思われてしまうこともあります。

反対に、新しい日付の記事がずらりと並んでいれば活動的で人気なイメージにつながります。

参考にしたい!先輩Webライターのポートフォリオ

ポートフォリオをどのように作るか、イメージは湧いてきたでしょうか。

ここでWebライターさんのポートフォリオの中で「参考にしたい」ものを3つご紹介します。

加藤良大さんのポートフォリオ

医療ライター加藤良大さんのポートフォリオ

Point

  • 対応ジャンルが非常に詳しく書かれており、発注の可否がわかりやすい
  • 実績が豊富で安心して依頼できる
  • シンプルで見やすい

医療ジャンルを中心に執筆されている加藤良大さんのポートフォリオは、実績と対応範囲が非常にわかりやすく掲載されています。

シンプルで見やすい構成となっているため「何を依頼できるのか」が一目でわかりますね。

ジャンルの中でも依頼内容はさまざまですから「・医師向けコラム」「・クリニックHP掲載記事」の部分のように詳しく書くことで、発注者は依頼前に具体的な要望を練ることができます。

加藤良大さんのポートフォリオ
https://writer-k-medical.com/

芦田おさむしさんのポートフォリオ

Webライター・芦田おさむしさんのポートフォリオ

Point

  • 記事画像から具体的なイメージが湧きやすい
  • 記事ごとに制作意図や携わった業務が詳しく書かれている
  • 対応範囲や条件がわかりやすい

芦田おさむしさんのポートフォリオは記事のジャンル・テイストをイメージできる画像や、記事の制作意図なども記載されているのが親切で「自分が依頼した際にも同様に丁寧な仕事をしてくれそう」と思わせてくれます。

条件やプロフィールも非常にわかりやすく記載されていて、発注者にとって安心感のあるポートフォリオとなっています。

芦田おさむしさんのポートフォリオ
https://note.com/

川並まどかさんのポートフォリオ

Webライター・まどかさんのポートフォリオ

Point

  • 人柄が伝わるポートフォリオ
  • ライター以外の経歴も豊富に記載
  • 発注方法がわかりやすい

川並まどかさんのポートフォリオは趣味や好きな食べ物まで記載されていて、人柄が伝わってくるポートフォリオとなっています。

川並さんは豊富な実績をお持ちですが、まだ実績の少ない初心者ライターでもこうした点は取り入れやすいでしょう。

興味のあることやライター以外の経歴も記載すると、それが仕事につながる可能性もあります。

川並まどかさんのポートフォリオ
https://note.com/

ポートフォリオ作成時の注意点

最後に、Webライターがポートフォリオを作成する際の注意点についてお話しします。

ポートフォリオに掲載できる記事か

これまで作成した記事を掲載する場合には、記事をポートフォリオに掲載できるかどうか必ず確認しましょう。

「自分で作成した記事は自分に公開の権限がある」とは限りませんから、クライアントとの契約を確認し、公開できるものだけを掲載します。

  • 業務委託契約の内容
  • 秘密保持契約の内容
  • 募集時の文面
  • メッセージのやりとり

などを確認し、記事を公開できるかどうかを判断してください。

契約に違反して記事を掲載した場合には、規則に沿った罰則や訴訟に発展する可能性もあります。充分に注意しましょう。

個人情報の流出

「充実したポートフォリオを作りたい」という思いから、個人を特定する情報を掲載しないように注意しましょう。

Webライターであれば情報の取り扱いに関しては充分なリテラシーを持っているかと思いますが、不特定多数の人に知られては困る内容を掲載してはいけません。

まとめ:

今回は、Webライターのポートフォリオについて、作り方や掲載すべき内容、作り方のコツなどをお話ししました。

この記事の要点は以下のとおりです。

  1. ポートフォリオとは「作品集」のこと
  2. Webライターにとってポートフォリオは仕事獲得のためのツールとなる
  3. ポートフォリオ作成時には誤字脱字チェックを徹底し、常に最新情報を心がけよう

ポートフォリオは一度作って終わりではありません。

Webライターとして仕事を続けるうちに、より充実したポートフォリオにしていけるようスキルアップしていきましょう。

※今回ご紹介したライターポートフォリオは、すべて許可を得て掲載しています。