クラウドソーシングでライティング案件を積み重ねていくと、「Webライターとしてのスキルに自信を持ちたい」「もっと上級のプロジェクト案件に挑戦できるように、腕を磨きたい」と思う人も多いのではないでしょうか?
今回は、Webライティング初心者でも効率よくスキルを高められる練習方法を紹介します。
結論からお伝えすると、下記の順序で学習を進めるのがおすすめです。
- Webライティングならではの特徴を理解する
- Webライティングならではの書き方で練習する
具体的に何をすればいいのか、どんな練習をすればいいのか確認して、この記事を読み終わったらぜひすぐに実践してみてください。
内容を簡単にまとめると…
- Webライティングは検索ニーズに応える文章を作成するのが特徴
- ユーザーが見やすい・読みやすい文章にしよう
- Webライティングの効果的な練習法
記事を最後までお読みいただければ、Webライター初心者が取り組むべき練習がわかり、効率よくスキルアップできます。
Webライティングとは何か、特徴を理解しよう
Webライティングに強くなるためには、紙媒体とは異なる「Webならでは」の特徴を知っておきましょう。
記事の特徴を理解してから練習することで、クライアントとユーザーの求める文章を執筆できるようになります。
ユーザーのニーズに応えるライティングが重要
Web記事の特徴は、簡潔にいうと「ユーザー(読者)が目的を持って記事を探し、知りたい情報の解決策・答えを求めている」ことです。
ユーザーはGoogleやYahoo!などの検索エンジンを使って、知りたい情報をキーワードとして入力し、探していきます。
そのため、検索エンジンで上位表示させるためには、キーワードに対する回答となる記事にすることが大切です。
また、ユーザーの知りたい情報を不足なく記事に盛り込むことで、複数語のキーワードでの検索にもヒットするようになり、多くの人に記事を届けられるようになります。
ユーザーのニーズに応えるためには、
- 検索キーワードに対する回答としてまとめる
- 結論ファーストで情報提供する
これらを意識したWebライティングが必要となります。
検索キーワードに対する回答となる文章にする
記事を書くときに必ず念頭におくべきなのが、検索キーワードです。
SEOを意識した記事を作成する場合、すぐにPCで文章を打ち始めてはいけません。
執筆前に、以下の手順を踏んでいきます。
1.検索キーワードの選定 | Googleやキーワード選定ツールを使って、記事のテーマとなるキーワードを決める
詳しくは「SEOのための無料・有料おすすめキーワードチェックツールをご紹介」も読んでみてください。 |
2.検索理由のリサーチ・競合記事の調査 | 検索上位5~10記事程度の見出しと内容を確認し、キーワードで検索したユーザーがどんな記事を求めているかを理解する |
3.ターゲットの設定 | 記事を読むユーザーのニーズを想像する |
4.構成の作成 | ユーザーのニーズに応える構成をつくる |
このような手順を踏んで、キーワードの背景にある「ユーザーの知りたいこと(ニーズ)」を明確にしてから執筆に移ってください。
一見面倒に感じるかもしれませんが、この手順があるだけでユーザーのニーズにぴったりと合った記事が書けるようになります。
Google検索のアルゴリズムは、ユーザーのニーズを満たしている記事を上位に表示する仕組みとなっています。
そのため、上位表示を狙うためにはユーザーのニーズを汲み、それに応える記事の作成が必須となるのです。
しかしユーザーのニーズを測るためには、上位表示されている記事がどんな情報を掲載しているのかを参考にするだけでは、やや不十分といえます。
対象キーワードで検索する人の立場を考え
「どんなことに困っているのかな?」
「検索することでどうなりたいのかな?」
など、ニーズを具体的に掘り下げることが大切です。
ニーズが掴みにくい場合には、関連キーワードやYahoo!知恵袋などの質問サイト、SNSなどを合わせて調査し、具体的にしていきます。
記事作成の事前調査は記事の根幹となる部分ですので、しっかりと行いましょう。
また、事前準備をしておけば執筆途中で迷うことなく書けるため、納品スピードも上げることが可能です。
仕事としてWebライティングを行う際には、クライアントから検索キーワード(または、記事内で意識するキーワード)指示されることもあるでしょう。
もし案件受注の際にキーワードに関して不明点がある場合は、執筆前にクライアントに確認しておく方が無難です。(※クライアントとライターの認識がずれていて、記事執筆後に大幅修正があると、双方にとって時間の損失になってしまいます。)
結論ファーストが好まれる
Web記事の構成・文章は、「結論ファースト」が基本です。
ビジネスシーンで、上司に「結論から伝えて」と言われたことがある人も多いのではないでしょうか。日々忙しく動いている現代人は、すぐに疑問を解決できる・答えを教えてくれる記事を好みます。
また、インターネットの端末利用状況は、スマートフォンがパソコンを上回っているのが現状です。(参照:総務省「令和元年通信利用動向調査」)
自分がスマートフォンでWebサイトを見るシーンを想像してみてください。知りたい情報にたどりつくまでに何度もスクロールしなければいけない記事はどう感じますか?
情報にたどり着くまでにあきらめて、ページを閉じてしまいますよね。
そのため、記事の冒頭では「この記事にはあなたの知りたいことが書かれていますよ」というメッセージを込めて、簡潔に結論をまとめておきましょう。
セールスライティングや広告記事などで、読者の「気になる」という気持ちを文末まで引っ張るために、結論を後回しにする構成もあります。しかし、Webライティング初心者は、まずは基本である「結論を先に書く習慣」をつけることがおすすめです。
流し読みでも理解しやすい文章にする
Web記事の場合、小説やエッセイのような遠回しの表現は不要です。
スマホユーザーにも伝わりやすいよう、シンプルでわかりやすい表現を心掛けましょう。
見出しで概要を掴めるようにする
見出しは、各項目の内容をまとめる役割があります。
見出しを読むだけでもおおまかな文章の内容がわかるようにしておくと、ユーザーが理解しやすくなります。
たとえば「宿題を忘れないようにする方法」という記事の場合、以下の<A><B>のどちらの見出しがわかりやすいでしょうか?
1.宿題を忘れないためには
- 宿題を忘れないための方法1
- 宿題を忘れないための方法2
- 宿題を忘れないための方法3
<B>
1.宿題を忘れないための3つの方法
- 方法1:家に帰ったらすぐに宿題にとりかかる
- 方法2:宿題のチェックリストを作る
- 方法3:寝る前に宿題をカバンに入れておく
<B>の見出しなら、ざっと記事の流れを把握しながら、詳しく知りたい情報だけをピックアップできますよね。
Webライターが「記事の隅々まで読んで欲しい」といった気持ちを抱くのは当然のことです。
しかしそのために情報の出し惜しみをしまっては、ユーザーにとって最適な記事とはいえません。
ユーザーにとってやさしい・わかりやすい・適切な文章を意識すると、読んだだけで大まかな内容がわかる「具体的な見出し」がよいといえます。
一文を短くする
文章をわかりやすくするには、一文を短くすることが大切です。
長い文章は、主語述語の関係がわかりにくくなり、ユーザーを混乱させてしまいます。
50文字を越える文章は、句点(。)を入れて、文章を分割してみてください。
たとえば、美味しいパン屋さんを例にして考えてみましょう。
<1文>
東京都葛飾区にある「○○パン店」は、店長・佐山さんこだわりのクリームをふんだんに詰め込んだクリームパンが人気で、お客様からは「アットホームな雰囲気で、丁寧に作られたパンはプレゼントにもぴったり」と好評を集めていることから2021年の「日本のパン屋best100」にも選ばれ、ネットでも話題になっています。
<3文>
東京都葛飾区にある「○○パン店」。人気のクリームパンは、店長・佐山さんこだわりのクリームがふんだんに詰め込まれています。また、お客様からは「アットホームな雰囲気で、丁寧に作られたパンはプレゼントにもぴったり」と好評です。2021年の「日本のパン屋best100」にも選ばれ、ネットでも話題となっています。
文章を分割すると、「また」「しかし」などの接続詞を使って、情報の関係性を明示しやすくなる効果もあります。
改行・レイアウトを工夫する
改行によって、文章のまとまりを視覚的にわかりやすくすることができます。
改行のパターンは、主に以下の2種類が挙げられます。
- 1文ごとに改行(スマホでの読みやすさを意識)
- 意味段落ごとに改行(情報のまとまりを意識)
クライアントワークで既存サイトの記事を作成する場合には、すでに公開している記事の法則に従って執筆するのがおすすめです。
そのほか「レギュレーション」「トンマナ」などの文章作成時のルールをクライアントから共有されることもあります。
いずれの場合も、改行は「文章を読みやすく・ユーザーにわかりやすくするためのもの」と覚えておいてください。
また、太字やマーカーを使って重要部分を目立たせる方法もあります。
ユーザーが流し読みしたときに役立つよう、文章の中でとくに重要なポイント・要点は色を変える・ラインを引くなどしてわかりやすくするとよいでしょう。
Webライティング練習法【初心者におすすめ】
Webライティング初心者は、積極的に練習をしてスキルを上げる時間を作ることが大切です。
クライアントから求められるライターになるためには、記事の質を上げていく工夫を怠らないようにしましょう。
とはいえ、決して難しいことではありません。
以下の6つの方法を実践して、効率よくスキルを高めていきましょう。
- フレームワークを学ぶ
- Webライティング本で学ぶ
- 興味のあるテーマ・ジャンルを見つける
- テーマに沿ってライティングをしてみる
- ブログを始める
- Webライティングの仕事を請ける
上から順番に実践するとより効果的ですが、すぐにできそうなものから手をつけてももちろん大丈夫です。
フレームワークを学ぶ
Webライティングのフレームワークとして、最初に押さえておきたいのが「SDS法」と「PREP法」です。
SDS法とPREP法は伝えたいことを整理し、わかりやすく伝えるためのテンプレートとして活用できます。
【SDS法】
SDS法は、以下の順番で文章を構成する方法です。
- Summary(要点)
- Details(詳細)
- Summary(要点)
ニュース番組・プレゼン・自己紹介などでよく使われています。
最初に要点を伝えることで、読み手が「この文章は、○○についての文章が書かれているんだな」とすっと理解することができます。
【PREP法】
PREP法は、以下の順番で文章構成する方法です。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(実例・具体例)
- Point(結論)
結論で文章の始まりと終わりを挟むのは、SDS法と同じです。
PREP法は、会社や個人としての意見・主張を伝えるときに使用します。
理由や具体例を順序よく組み込むことで、説得力・訴求力を高める効果があります。
SDS法・PREP法は、Webライティングで非常によく使われています。あなたが普段よく見ているサイトでも、文章に注目してみるとSDS法・PREP法で書かれている記事が多くあるでしょう。SDS法・PREP法の練習は、例文を読んで構造を理解し、実際に書いてみるのが一番です。
Webライティングの効果的な練習
PREP法・SDS法とは?例文でわかる「意図が伝わる」構成
そのほか、商品・サービス紹介では、ユーザーの感情を動かすことがより重要になります。
セールスライティングにも挑戦したい方は「セールスライティングとは?「売れる」文章の型をマスターしよう」もチェックしてみてください。
Webライティング本で学ぶ
出典:Amazon
Webライティングは、先輩ライターの本から学ぶこともできます。
いきなり難しい本に挑戦しようとせず、自分のレベルに合った読みやすいものを選びましょう。
ライティング0カ月~6ヶ月程度の人におすすめなのは、以下の3冊です。
- 『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』唐木元
- 『いちばんやさしい新しいSEOの教本 人気講師が教える検索に強いサイトの作り方』安川洋・江沢真紀・村山佑介
- 『文章で生きる夢をマジメに叶えてみよう。Webライター実践入門』岸智志
基本的な文章の作成方法・Webライティングで欠かせないSEOの知見・読者の心をキャッチする方法を学べます。
手元にとりあえず置いておいて気になったときに読むだけでも、とても勉強になりますよ。
すべての本を購入するのが大変な人は、Kindle版で試し読みしてみるのもよいでしょう。
そのほか、Webライターの練習に役立つ本は「Webライター初心者向けのWebライティング本・おすすめ13選」の記事でも数多く紹介しています。それぞれ本の特徴や学べる内容など詳しく紹介しているので、Webライティング本を探している方は参考にしてみてください。
興味のあるテーマ・ジャンルを見つける
Webライティングの仕事をする際には「できそうな仕事」だけに取り組むのではなく、自分の興味のあるジャンルにもどんどん挑戦していきましょう。
興味のあるジャンルでライティングの仕事を積み重ねていけば、自分の強みを伸ばしながら文章力を鍛えられます。
Webライティングの最初の関門のひとつは「知らないジャンルを自分で調べて記事にする」ことです。文章を書くだけでも大変なのに、知見がまったくないジャンルをゼロから調べる記事は気が重いですよね。
そこで、たとえばコスメが好きな人はコスメ紹介の記事、通信回線に関心が高い人は光回線の比較記事など、興味が持てるジャンルから取り組んでいくことをおすすめします。
とはいえ知識のないジャンルでも、正確な情報を集めるリサーチ力とそれを記事に落とし込む力が身に付きます。今まで知らなかったジャンルが自分のライターとしての幅を広げてくれることもあるので、バランスを見て書いてみてください。
テーマに沿ってライティングをしてみる
一口に「Webライティング」といっても、その仕事範囲はさまざまです。
- SEO・ブログ記事
- 取材
- 文字起こし
- ネーミング・キャッチフレーズ
- レビュー・口コミ
- セールスレター作成 など
自分のやりたい仕事とはなんでしょうか?将来的に、1年先にやっていたいのはどんな仕事でしょうか。
Webライターとしての軸を決めると仕事探しが楽になり、集中して一定のテーマのスキルを伸ばせます。
また、同じジャンルで実績を積み重ねていけば「専門ライター」として高単価の仕事も獲得しやすくなります。
「3か月、このテーマでライティングしてみよう」と短期目標を決めていきましょう。
ブログを始める
自分のブログを持っていると、Webライティング練習の場・クライアントへの営業ツールとして活用できます。
「note」や「WordPress」などさまざまなブログサービスがありますが、ライタースキルを上げるなら、WordPressがおすすめです。
WordPressは多くのWebメディアで使用されているため、WordPressの知識を身に着ければ受注できる仕事の範囲が広くなります。
またサーバーやドメインの取得・文字デザイン・WordPress入稿など、ライターに必要なあらゆる経験を積むことができます。
さらに、自分のブログ内で記事を書き、集まったアクセスを分析すれば
- どんな記事がアクセス数を集めているのか
- どんな表現に訴求力があるのか
- ニーズに応える記事を書けているか
などがわかります。
こうした知識を得ていくとWebライターとしてスキルアップできるだけでなく、SEOコンサルティングやマーケターとしても活躍できるようになるでしょう。
Webライティングの仕事を請ける
クライアントの要望に沿った記事の作成は、Webライティングの上達においては何よりも有効な練習方法といえるでしょう。
クラウドソーシングや知り合いなどを通じて、ライティング案件を探してみてください。クラウドソーシングでは需要の高いジャンルやテーマもタイムリーに把握できます。
Webライティングの仕事は、2021年現在非常にニーズが高く、探したぶんだけ見つかります。
また、長くライターを続けていくなら、文字単価は初心者のうちで0.5円~、慣れてきたら文字単価1円~の仕事を受注するようにしましょう。
「お金をもらいながら学べる」「初心者でも簡単」などの言葉につられて文字単価0.1円などの仕事を請け負っていては、いつまで経っても稼げるようにはなりません。
あまりにも低単価な案件は業界としての伸びが見込めず、ライターとして疲弊してしまう可能性があります。
まとめ:Webライティングは練習より実践でうまくなる
今回は、Webライティングのスキルを上げるための練習方法を紹介しました。
ライター業は「初期投資が少なく、始めやすい」と言われているからこそ、その後のスキルアップで他者と差をつけることが重要です。
Webライティングは、以下の3点を意識して練習するだけでもスキルを積み上げられます。
- Webライティングならではの特徴を理解する
- 文章のフレームワークを学ぶ
- 興味のあるジャンルの知識を深める
Webライティングをスムーズに身に着けるためには、本やインターネットから情報を得るだけでなく、得た知識をアウトプットしていくことも大切です。
SNSやブログで練習をしたり、クライアントから案件を受注したりしながら、ぜひ実践を重ねてみてください。
この記事を書いた人
ナカリナ
SEO・インタビューライター。大学では現代カルチャー、俳優養成所では芝居を学ぶ。在学中から企業イベント、小・大劇場の公演(ダンス・演劇)に出演。また、舞台演出部として国内ツアーに参加。いろいろな業界の方との交流で刺激を受け、現在は多ジャンルのライターとして活動中!●WordPressブログ運営中:「文化と芸術!saitasaita」(https://saita-saita.com/)