「ECサイトで商品を販売しているが、商品はいいはずなのにいまいち売り上げが伸びない」
こんなふうに悩んでいるのであれば、商品説明文に問題があるかもしれません。
「商品説明文」という名前のイメージから、ただ商品の特徴を説明するだけの内容になっていませんか?
モノを手に入れること自体が難しかった昔と違い、今は説明するだけでは売れない時代です。
商品説明文ひとつをとっても、魅力を伝える工夫を凝らさなければ消費者を動かすことはできないでしょう。
そこで今回は、
- 売れる商品説明文を作成するコツ
- 訴求力を高めるテクニック
をご紹介します。
コツを意識して商品説明文を書けば、ターゲットの心を引きつけ購入へつなげることができます。
内容を簡単にまとめると…
- 「誰に売りたいのか」を明確にする
- ユーザーの知りたい情報を「具体的に」伝える
- 「ベネフィット」を伝えてポジティブな変化を想像させる
- あえてデメリットを挙げて不安を解消する
- 物語(ストーリー)を語る
- 目に留まるレイアウトで作成する
- 訴求力を高めるテクニックを使う
ジャンルに関わらず、モノやサービスを販売する際には必ず役立つ内容となっているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
売れる商品説明文とは?
売れる商品説明文とはどんな文章のことをいうのでしょうか。
取り扱うジャンルや商品によって内容は多少変わりますが、優れた商品説明文では以下の3点が共通しています。
- ターゲットが明確である
- 消費者の知りたい情報を具体的に書いている
- 「ベネフィット」が伝わる
これらを意識して作成すると、ただ商品の説明をしているときと比べて消費者の反応は大きく異なるでしょう。
次の項目では、これら基本のライティングにすぐに使えるテクニック4つを加え「商品説明文の7つのコツ」をご紹介します。
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売れる商品説明文を作るライティングのコツ7つ
それでは、売れる商品説明文を作るために意識したい「ライティングのコツ」についてお話しします。
具体的にどんなふうに使えばよいのかをご紹介しますので、ぜひ商品説明文に取り入れてみてください。
1.「誰に売りたいのか」を明確にする
商品説明文を作成する際には「誰に売りたいのか」を明確にすること、つまり「ターゲット」を明確にすることが大切です。
商品を誰に使って欲しいのかを明確にすると「ターゲットがどんな気持ちで商品を探しているのか」「商品を手に入れるとどんなメリットがあるのか」などがわかりやすくなるでしょう。
「誰に」売りたいのかは、対面販売であれば目の前にいるお客さんからブレてしまうことはありません。しかしWebを介しての販売ではお客さんの顔が見えないため、しばしばブレてしまうことがあります。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、どんなに優れた商品でも売り込む相手を間違えていれば売れません。
商品の特徴やショップの購買層、リピーターなどからターゲットを明確に絞って、行動傾向や価値観などをチェックしましょう。
ターゲットを深堀りして「ペルソナ」を立てる
ターゲットがどのように購買に至るのかを知りたいときには、ペルソナを立てて考えるとスムーズです。
ターゲットとペルソナは混同されやすいのですが、ターゲットは商品を売りたい層のこと、ペルソナはターゲットの中に含まれる「架空の顧客像」という意味で使われます。
ペルソナは、設定することで2つの効果が得られます。
1つは「どんな人に商品を売りたいのか」が明確になること。もう一つは、複数人でサービスを運営している場合に共通認識を持てることです。
ペルソナを設定する際には、年齢や性別、職業や家族構成などのパーソナリティをできるだけ詳しく決めましょう。ユーザー層の幅が広い商品であれば無理にペルソナを統合せず、複数のペルソナを立てることをおすすめします。
ペルソナは架空の人物像となるものの、根拠のない人物像では意味がありません。
顧客層の中からペルソナとなる人物像を調査し、設定しましょう。新規事業やサービスで、既存顧客がいない場合にはネット上の口コミやSNSなどから近しい人物を探すのがおすすめです。
現実的なペルソナからは悩みや行動パターン、趣味趣向などが具体的に想定しやすくなります。
2.ユーザーの知りたい情報を「具体的に」伝える
商品説明文は、ただ単に商品の説明を行うだけでは「売れる」ことにつながりにくくなってしまいます。
商品を「売る」ための説明文を作成するのであれば、より具体的な内容が必要です。
【例文】6W2Hで「伝え漏れ」を防ぐ
ビジネスなどに用いられることが多い「6W2H」は、商品説明文を作るときにも便利です。
6W2Hとは「何を(What)、いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、なぜ(Why)、どのように(How)、誰に(Whom)、いくらで(How much)」を表しています。
たとえばフライパンを売りたいとき、6W2Hに当てはめて情報を書き出してみると以下のようになります。
何を(What) | くっつかない、軽い、お手入れが手軽なフライパン |
いつ(When) | 〇月〇日から |
どこで(Where) | アメリカ・シアトルで生まれた |
誰が(Who) | メーカー名、ブランド名、会社名など |
なぜ(Why) |
|
どのように (How) |
|
誰に(Whom) | フライパンのお手入れが面倒に感じている主婦 |
いくらで (How much) |
価格、期間限定価格、条件別の価格 |
このように、商品説明文を作る際には6W2Hを使うと情報の伝え漏れを防ぐことができます。
「何を(What)」は商品の品名や型番、サイズなどの基本情報のこと。「どこで(Where)」は生産地や製造国、発祥地など。
「なぜ(Why)」では機能性や利便性、悩みの解決など、購入した場合のメリットなど。「いくらで(How much)」では通常価格と割引価格、送料の有無やポイント付与率なども詳しく記載しましょう。
6W2Hを基に購入者が知りたいことを意識すると、文章の表現方法やバリエーションを増やしやすくなります。
視覚や聴覚でアピールできる店頭販売や通販番組とは異なり、ECサイトでは商品説明文でのアピールが重要です。6W2Hを基に商品の特徴を徹底的にピックアップしましょう。
3.「ベネフィット」を伝えてポジティブな変化を想像させる
売れる商品説明文には、必ずといっていいほど「ベネフィット」が入っています。
ベネフィットとはマーケティング用語で「商品やサービスを購入することで得られる良い効果や変化」のことです。
たとえばアパレルの商品でロングスカートの商品説明文を作るとしましょう。6W2Hを基に商品のサイズや素材、生産国などの基本的な情報と他の商品との違いやメリット(強み)を記載しても、それだけでは「購入したい」という気持ちには結びつきにくいものです。
「体型をカバーしてスラッと見せてくれる」「脚長効果でスタイルアップ」など、ロングスカートを手に入れることで起こる良い効果や変化を盛り込むことで、消費者が「欲しい」と思えるようになります。
「この商品を購入するとどのような未来が待っているか」「どのようなポジティブな変化が期待できるか」を想像できる内容にできれば、ターゲットの購買意欲も高まりやすくなるでしょう。
4.あえてデメリットを挙げて不安を解消する
商品説明文には商品やサービスの良い面ばかりを書きたくなるものです。
しかし、購入者にとっては販売者と直接対面できず、実物の商品を手に取ることもできないECサイトでは、信頼性が非常に重要です。あまりにも良い点ばかりが書かれていると「本当にそんなに良いことばかりなのか?」と、心配になってしまう人も少なくありません。
そこで、想定されるデメリットは商品説明文にしっかり盛り込みましょう。ただし、デメリットをリカバリするための対処法もあわせて記載することが大事です。
たとえば「繊細な生地を使用しているため、シミになりやすいので注意してください」といったデメリットには「もしシミになってしまったら、〇時間以上着け置いてから洗濯機で洗うと効果的です」といった一文を付け加えることをおすすめします。
デメリットが思いつかない商品は無理にひねり出す必要はありませんが、あえてデメリットや不都合な点をしっかり記載することで、誠実な印象を与えられるでしょう。
5.物語(ストーリー)を語る
商品がどんな経緯で生まれたか、どのような人の手で作られたかなど商品の物語(ストーリー)を盛り込むと、消費者は特別感を抱きやすくなります。
ECサイトに並んでいる商品説明文は、単なる説明のみで完結することが多いものです。
商品についての情報を提供するという意味では決して間違ってはいるわけではありませんが、商品を買うということは物理的な売買だけではなく商品から生まれる「感情」も買うことにつながるのです。
とくに楽しみのための商品においては、商品をただ購入するのではなく「商品の購入を体験する」ことが重要な場合も多くあります。
これも具体的な例を挙げてみましょう。
例)いちごの商品説明文
ブランドいちご「紅ほっぺ」の産地である静岡県で、代々続くいちご農家が自信をもっておすすめする甘~いイチゴです。
先代はイチゴ「〇〇」の栽培を始めた当初、収穫量も少なく何度も「諦めよう」と思ったそうです。しかし「〇〇」独特のすっきりとした甘さと後味の爽やかさに魅了され、諦めることができずに試行錯誤を重ねました。そして地元で少しずつ販売を続けるうちに話題となり、今では全国の皆さんから「〇〇が食べられる春が待ち遠しい」といった声をいただけるように。ぜひ、春の訪れを告げる幸せの味をご賞味ください。
このように商品の生まれた場所や関わった人について語ると、なんだか特別な印象を受けるのではないでしょうか。
商品にまつわる物語を知ると、その商品やブランド、関わった人に対して親近感や愛着を持ちやすくなります。
表情や声色で伝えることのできない販売方法の場合、心を動かす物語を盛り込んで消費者の心に訴えかけるのも大切です。
6.目に留まるレイアウトで作成する
ECサイトではターゲットに目に留めてもらうことが大切です。
見づらい・読みにくい商品説明文では読む気がなくなることも多く、購入に結びつきにくくなってしまいます。それどころか悪印象となり商品に対してネガティブなイメージをもってしまう恐れもあります。
商品説明文は見やすく印象に残りやすいレイアウトで作成しましょう。
具体的には「タイトルや見出しは大きく、本文を小さくする」「箇条書きを使う」「3行を目安に改行する」など、ちょっとした工夫で文章は格段に読みやすくなります。
また、レイアウトを指定できる範囲が限られている場合でも、人気ショップのレイアウトは工夫が施されていることがわかるはずです。
【見やすく印象に残りやすいレイアウトのコツ】
- タイトル、見出しを大きくする
- 本文は適切に改行し、箇条書きも活用する
- 重要なポイントは太字やマーカーを使う
- 比較には表を使って視覚的に訴える
7.訴求力を高めるテクニックを使う
商品説明文でサイトを訪れた人の訴求力を高めるにはいくつかのテクニックがあります。
以下に挙げたテクニックを参考に、さらに購入意欲を高められる商品説明文を書いてみましょう。
比喩や擬音を活用して表現する
比喩や擬音を使った表現を使うと、商品の特徴を詳細に伝えやすくなります。
たとえば比喩では「赤いさくらんぼ」よりも「ルビーのように真っ赤に染まったさくらんぼ」の方が、消費者が頭に絵をイメージしやすいでしょう。
擬音語はテレビの食レポなどでもよく使われる表現で「身がプリっと引き締まったエビ」「さらさらした書き心地」「ずっしりと重厚感のあるソファー」などの言い回しを指します。
これらは多用しすぎると文章がくどく感じられることもあるので「ここぞ」というポイントで使うとよいでしょう。
数字を使う
商品説明文に数字を盛り込むと具体的になり、信頼性が上がります。
「○年連続売り上げ1位」や「○○着の購入実績」のように使うと、数字自体が信頼性を後押ししてくれます。
数字は世界共通の言語であり、私たち人間は数字に対して共通の認識を抱くからです。
たとえば「塩少々」と「塩小さじ1」なら、後者の方が具体的でわかりやすい表現といえるでしょう。
また、広告やWEBの記事、書籍などのタイトルにも数字がよく使われますが、単純に「数字は視線を集めやすい」ということも理由となっています。数字のもつこの特性を活かし、注目して欲しいポイントでは数字を使うようにするのもおすすめです。
ただし数字も比喩や擬音と同様に、盛り込みすぎるとごちゃごちゃした印象となってしまいます。
目線を惹きつけたいポイントを絞って使用するようにしましょう。
口コミ・レビューを盛り込む
実際に商品を購入したユーザーの口コミやレビューは、購入を検討中の人にとって購入を後押しする情報になります。
口コミやレビューに対して信ぴょう性を感じるのは、売り手が発信する情報よりも、第三者からの情報の方が信頼性・信憑性が増すという心理(ウィンザー効果)がはたらくためです。
たとえば化粧品メーカーの社員から「この化粧水はすごく肌にいいのでおすすめです」と聞くよりも、友人や知人から「あの化粧水を使ってみたけど、すごく肌にいい感じがする」と話しを聞く方が心に残るのではないでしょうか。
また良い口コミやレビューの数が多ければ、多くの人が持っている(使っている)と自分も欲しくなる「バンドワゴン効果」も期待できます。
良い口コミやレビューは訴求力に直結するといっても過言ではないでしょう。
まとめ
ECサイトは対面での販売ではないため、購入を検討している人と直接のやり取りができません。
お客様に直接アピールできない代わりに、ECサイトでは商品説明文の書き方やレイアウト、内容を工夫してみましょう。
売れる商品説明文の書き方のポイントを押さえて商品説明文の内容を見直すと、ユーザーの購入意欲にも変化が現れます。
ユーザーが求めることや人物像などのペルソナを明確にしてターゲットを設定し、具体的で欲しい情報を載せた内容やレイアウトで作成すれば、訴求力アップが期待できる商品説明文が作れるようになります。